【総合商社】学歴の壁はある?総合商社の概要を解説!

【総合商社】学歴の壁はある?総合商社の概要を解説!

記事をお気に入り登録する

記事のお気に入りに登録

「記事のお気に入りに登録」のご利用にはログインが必要です。

会員登録がお済みでない方

無料会員登録

要約

総合商社のビジネスモデルには、2つのビジネスモデルがあります。

従来型のビジネスモデルが「トレーディング」でモノやサービスの売り手と、買い手の仲介をおこない手数料を得るモデルです。

もう1つのビジネスモデルが「事業投資」で、資金だけでなくトレーディングで培ったノウハウや人材を投資することで市場を成長させ、収益を得るモデルです。

近年では、事業投資の比重が大きくなってきています。

総合商社の中でもとくに規模の大きな企業として、三菱商事、伊藤忠商事、住友商事、三井物産、丸紅があり、これらを5大商社と呼びます。

それぞれに特徴や強みをもつ分野に違いがあり、その違いを明確にすることが、就職活動の成功につながるでしょう。

各企業とも一流大学の学生を採用する傾向が強く、学力フィルターを突破するためにも学力は非常に重要です。

また、総合商社の選考では志望動機が重視されます。

商社の志望動機の書き方やポイントについては、こちらの記事でご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

はじめに

総合商社といえば、昔も今も就活学生にとって非常に人気の高い業界の1つです。

とくに5大総合商社と呼ばれる「三菱商事」・「三井物産」・「伊藤忠商事」・「住友商事」・「丸紅」の大手総合商社は、毎年のように就職希望ランキングの上位にランキングされており、「ぜひとも入社したい」と考えている学生も多いことでしょう。

そこでここでは、総合商社を目指す学生なら絶対に知っておきたい総合商社特有のビジネスモデルや、5大総合商社ごとの事業内容や社風の違いなどを詳しく紹介していきます。

内定を勝ち取るためにも、また自分に合う会社を選ぶためにも、企業研究をしっかりとおこなって、それぞれの企業の違いを明確に理解しておくようにしましょう。

【総合商社】総合商社とは

日本における商社の起源は、幕末に坂本龍馬と勝海舟によって組織された亀山社中といわれています。

討幕運動のために必要な物資を西欧列強から購入し、国内に搬入するのが主な目的でした。

明治以降第二次世界大戦にかけての時期には外国から資源を買い付けたり、国内メーカーの育成にあたったりするなど、富国強兵を目指す日本の産業にとって、大きな役割をはたしてきました。

しかし、この頃の商社は扱う商材が特定の分野に限定される専門商社と呼ばれる業態であり、商材の需要によって業績が大きく変動してしまう問題を抱えていました。

そこで登場したのが、総合商社です。

「カップラーメンからロケットまで」という言葉でたとえられるように、ありとあらゆる商材を扱うことでリスクを分散し、今日のように巨大な企業へと発展することになります。

主なビジネスモデル

総合商社の仕事内容がどういったものなのかぼんやりとはわかっていても、実際にどのようなことをしているのか、深く理解している学生は、それほど多くないかもしれません。

おそらく、ほとんどの学生にとっては「モノやサービスを販売したいと考えている企業と購入したいと考えている企業の橋渡し役をする」というのが、総合商社の仕事のイメージではないのでしょうか。

このような業務を「トレーディング」といい、たしかに従来の総合商社にとってはビジネスモデルの重要な柱ではありましたが、現在では総合商社のビジネスモデルも多様化しており、とくに「事業投資」はもう1つの重要な柱として、各社が非常に力を注いでいる分野でもあります。

ここでは、総合商社のビジネスモデルの、2つの柱である「トレーディング」と「事業投資」について詳しく見ていきます。

トレーディング

総合商社の主要なビジネスモデルの1つが、「トレーディング」です。

トレーディング
トレーディングとはモノやサービスを売りたい企業と買いたい企業の間の仲介業者となり、「安く買って高く売る」ことで手数料を稼ぐというモデルです。

 

 

総合商社なので扱う商品は多岐にわたりますが、石炭や石油、液化天然ガスなどエネルギー関連の取引高は、トレーディング業務の中でも非常に大きな割合を占めています。

従来はこのトレーディングが総合商社の最大のビジネスモデルでしたが、21世紀に入るとインターネット網の普及などによって、商社が仲介に入らなくても海外の企業と取引をおこなうことが容易になったため、トレーディングによる収益の割合は全体的に縮小傾向にあるのが実情です。

事業投資

総合商社のビジネスモデルのもう1つの軸が、「事業投資」です。

事業投資
事業投資とは、今後成長が期待できる分野に対して積極的な投資をおこない、事業を拡大させることでリターンを得るというモデルです。

 

 

ここでいう投資とは、資金的なものだけではありません。

これまでのトレーディング業務を通じて培ってきたノウハウや人材なども投入することで投資先の企業価値を高め、そこから上がる利益や株式の配当などを最大化するのが主な目的となります。

総合商社の事業投資の例としてはコンビニがよく知られていて、三井物産はセブンイレブン、伊藤忠商事はファミリーマート、そして三菱商事はローソンに投資をおこない、子会社化するなど協力関係を深めています。

【総合商社】5大商社の主な事業内容

同じ総合商社でも、企業によって事業内容には違いがあります。

しっかりと企業研究をおこなって「自分に合っている会社はここだ」と自信をもっていえるようになるためにも、5大商社のそれぞれの特徴を理解しておきましょう。

三菱商事

5大商社の中でも長年にわたって業界をリードしてきたのが、三菱商事です。

電力や自動車、食品産業など非常に幅広い分野においてバランスのいいポートフォリオを構築しており、このバランスのよさが、三菱商事の事業内容の大きな特徴となっています。

近年はエネルギー価格の下落の影響を受けて一時的に資源分野の収益が悪化しましたが、その一方で生活産業分野が非常に好調であり、事業投資の割合が大きくなってきているのも特徴といえるでしょう。

伊藤忠商事

元々は繊維商社であったこともあり、伊藤忠商事は以前からアパレル事業を中心とした非資源分野に強みのある総合商社として、確固たる地位を築いてきました。

コンバースやFILAなどはよく知られていますし、デサントもかつては伊藤忠商事の関連会社でした。

近年はエネルギー部門の収益が伸びており、エネルギー資源のトレーディングや資源プロジェクトへの参加にも積極的です。

次世代の電力ビジネスとして注目されているバイオマス発電や太陽光発電にも力を入れており、エネルギーや化学分野におけるバリューチェーンの創出に熱心です。

住友商事

総合商社というと、海外企業と国内企業を結びつける仲介役というイメージがありますが、そんな中でも、住友商事は業界では珍しく国内事業に強い総合商社として定評があります。

とくにメディア関連事業においては屈指の実力があり、国内シェアトップであるジュピターテレコム(J:COM)の株式の50%を保有していることからも、その実力がわかるでしょう。

インフラ投資にも積極的で、次世代の通信規格として注目されている「5G」網の早期構築にも力を注いでいます。

三井物産

三井物産は、以前から金属資源やエネルギーの分野に積極的に投資を行ってきており、この分野では業界トップの地位に君臨し続けてきました。

しかし、一点集中型の事業内容によってリスク分散が遅れ、2015年にはエネルギー価格の暴落から大幅に収益を悪化させました。

この教訓から、近年は非資源分野への参入も積極的に進めており、食料品や医薬品など生活産業事業のセグメントで大きな成長が見られるようになってきています。

丸紅

丸紅の事業内容の大きな柱は、食料品と電力インフラの2つです。

食料品に関しては穀物取扱量が6,700万トンと業界トップであり、飼育資料やヘレナ事業など食料品分野の中でも比較的川上事業に強みがあるのが特徴です。

また、日本で消費されるコーヒー豆の30%は、丸紅が取り扱っています。

「エネルギーの丸紅」という異名もあるように、電力インフラの分野にも定評があり、とくに水力発電事業には強みがあり、世界各地で電力の安定供給に貢献しています。

【総合商社】5大商社の社風

総合商社でも企業によって、社風はまったく異なります。

社風に合わなければ早期の離職のリスクが高くなりますし、自分の実力を十分に発揮することも難しくなるので、企業研究で各社の社風を十分に理解した上で、就職活動に臨みましょう。

三菱商事

「組織の三菱」と呼ばれることもあるように、三菱商事では個人のスタンドプレーよる成功よりも組織における成果のほうを重視する傾向があります。

組織のつながりを重視して、チームワークを活かして活躍したいと考えている学生にはオススメです。

また、三菱商事は国を相手にビジネスをしてきた経緯から「国益に貢献する」という意識が非常に強く、リスクを最小限に抑えた堅実な仕事を求められます。

それは三菱グループの理念である「三綱領」を見ても明らかです。

伊藤忠商事

総合商社には財閥系の企業が多いですが、非財閥系の伊藤忠商事は財閥系に比べると自由な社風なので、「個の力を発揮して仕事をしたい」という学生に向いています。

また、財閥系商社に対するライバル意識が強く、エネルギッシュでバイタリティーあふれる人材が多いのも特徴です。

一時的ではありますが、業界の雄である三菱商事を抜いて業界トップに立つことができたのも、こういった社風によるところが大きいでしょう。

そのため、体育会系の学生が比較的多く採用されている傾向にあります。

住友商事

総合商社の社員というとエリート意識がとても強く、体育会系でゴリゴリと仕事を進めていくというイメージが強いかもしれませんが、住友商事の社員は、そういったものとは少しイメージが異なります。

どちらかというと謙虚で物腰が柔らかく、「自分が自分が」というタイプよりも「社員一丸となって成果を出そう」という考え方のほうが主流です。

仕事では堅実さが求められ、信用を第一に健全な事業活動を通じて社会に貢献することが求められます。

三井物産

「組織の三菱」と対極にあるのが、三井物産です。

その社風は「人の三井」とたとえられることからもわかるように、組織力以上に個の力が重視されます

そのため社内にはさまざまな個性をもつ社員が在籍し、一見するとバラバラに仕事をしているように感じられますが、重要なところでは皆で力を合わせて仕事を進めていきます。

「自分の個性を最大限に発揮して業績に貢献したい」と考えているならば、三井物産はとても魅力的に感じるでしょう。

丸紅

丸紅も非財閥系の総合商社であり、その社風は比較的自由です。

「とがった丸になれ」という理念からもわかるように、企業側も個性あふれる学生を求めています。

大企業にありがちなガチガチの年功序列も丸紅には見られず、若い社員にも大きな裁量権が与えられているので、早い段階から重要なプロジェクトを任せてもらえるチャンスが多くあります。

チャレンジすることが大好きで、自分の力がどのくらい通用するのか試してみたいと考えている学生には魅力的でしょう。

【総合商社】総合商社に学歴フィルターはある?

総合商社の社員は選ばれたエリートのイメージが強く、学歴が採用に大きく影響すると考える学生も多いかもしれません。

実際、総合商社の採用でどの程度学歴フィルターがあるものなのでしょうか。

具体的に見ていきましょう。

三菱商事

三菱商事の総合職の競争率はおよそ100倍といわれており、就職の難易度としては、もっとも高いグループに属しています。

そんな中で内定をもらった学生の大学名を見てみると、以下のようになります。

・慶応大学・・・・・30名 ・早稲田大学・・・・28名 ・東京大学・・・・・18名 ・京都大学・・・・・11名 ・一橋大学・・・・・4名

と続いています。

全採用者のおよそ8割を東大・京大、早・慶で占めており、その他の難関国公立や私立で残りの2割を争うという形です。

伊藤忠商事

伊藤忠商事から内定をもらった学生の出身大学は、以下のようになります。

・慶応大学・・・・・18名 ・早稲田大学・・・・13名 ・東京大学・・・・・11名 ・上智大学・・・・・9名 ・京都大学・・・・・7名 ・大阪大学・・・・・7名 ・神戸大学・・・・・6名 ・一橋大学・・・・・5名

となっています。

やはり、伊藤忠商事でも早慶や東大・京大の学生が多く採用されており、旧帝大や難関私立大学の学生以外はほとんど内定をもらえていません。

この状況を見ると、一定の学歴フィルターは存在していると考えるべきでしょう。

住友商事

住友商事の大学別採用人数は以下のようになっています。

・慶応大学・・・・・27名 ・早稲田大学・・・・26名 ・東京大学・・・・・10名 ・一橋大学・・・・・9名 ・大阪大学・・・・・7名 ・神戸大学・・・・・7名 ・京都大学・・・・・6名

以上のようになっています。

早慶の優位は他社と同様です。

その後国立の難関校が名前を連ねています。

最低ラインがMARCHや関関同立のレベルなので、それ以下の大学には学歴フィルターがあると考えるのが妥当であり、内定をもらうのは、現実的に難しいかもしれません。

三井物産

三井物産に採用された学生の出身大学は以下のようになっています。

・慶応大学・・・・・35名 ・早稲田大学・・・・17名 ・東京大学・・・・・16名 ・上智大学・・・・・8名 ・京都大学・・・・・6名 ・大阪大学・・・・・4名 ・神戸大学・・・・・4名

三井物産に採用された学生の出身大学は、1位が慶応大学で35名となっており、2位である早稲田大学の17名を大きく引き離しています。

同業他社と比べると、工学系に強い北海道大学や東北大学などからの採用実績が比較的多くなっていますが、これはエネルギー分野に強みをもつ三井物産ならではといえるでしょう。

丸紅

・早稲田大学・・・・16名 ・慶応大学・・・・・15名 ・東京大学・・・・・11名 ・一橋大学・・・・・10名 ・大阪大学・・・・・8名 ・京都大学・・・・・7名 ・神戸大学・・・・・4名

丸紅から内定をもらった学生の出身大学1位は、早稲田大学で16名、2位が慶応大学の15名となっており、やはり早慶の強さが目立ちます。

3位以下も他社と同様に東京大学11名、一橋大学10名、大阪大学8名、京都大学7名、神戸大学4名と旧帝大の難関国立大学の名前が続いています。

ただし、それ以下の大学を見てみると、青山学院4名、明治大学4名、金沢大学3名、滋賀大学3名とMARCHや地方の国立大学からも内定者が出ており、学歴フィルターは他社と比較するとそれほど厳しくないと考えられます。

まとめ

ここまで、5大商社と呼ばれる大手総合商社について詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

学生からの人気が高く競争率も激しいこともあって、学歴フィルターもかなり厳しく設定されていると考えられるため、内定を獲得するためには高い学力が必要になることは、出身大学のリストを見ても間違いないでしょう。

そのような中でも内定を勝ち取るためには、企業研究をしっかりとおこなってそれぞれの企業の特徴や社風などを把握し、自分が企業にとって必要な人材であることをアピールすることが重要になってきます。

企業研究をおこなう上で、今回ここで紹介したデータが役に立ち、内定の獲得につながることを期待しています。

商社の業務内容については、こちらの記事でご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

この記事を友達におしえる!

LINEで送る ツイートする シェアする URLをコピーする

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます