博士課程とは?修了の仕方やメリットや進学すべき人を紹介!

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はじめに

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今回は博士課程の意味や取得する方法、費用、メリット・デメリットなどについて解説します。

学生の方にとって卒業後の進路を考えることは大学生活のなかでも大きな課題です。

大学卒業後は、主に就職もしくは大学院に進むなどの選択肢があげられます。

そのなかでも大学院に進んで博士課程を取得することは、学びを深めて将来に活かしたいと考えている学生にとって魅力のある選択でしょう。

この記事で博士課程について詳しく理解し、自分の進路を改めて考えてみましょう。

そもそも博士課程とは?

大学院に進むと、進路はさらに修士課程、もしくは博士課程のいずれかに分かれます。

そのなかでも博士課程は5年間研究を続け、そのテーマのプロフェッショナルと呼べる知識や技術を習得する学びの場です。

ただし、博士課程に進むだけで必ずしも修了とは認定されません。

すべての履修課程で30単位以上を取得したうえで、博士論文の審査に通るなど、一定の基準を満たすことが必要です。

たとえば規定の単位は取得したものの先に就職が決まり博士論文を提出しなかった場合、修了ではなく満期退学の扱いとなります。

また博士課程に進む形式は大学によって異なり、主に5年間一貫性で学ぶパターン、2年間の修士課程を修了したあとに3年間の博士課程を受けるパターンがあります。

ここからは、それぞれの形式について詳しく見ていきましょう。

2年間の修士課程修了後に3年間の博士課程がある区分制

博士課程の形式として、2年間の修士課程が終わったあとに、3年間の博士課程を受ける区分制が取り入れられている大学院もあります。

2年間の修士課程期間は博士課程前期と呼ばれることもあり、この段階で卒業をすると修士課程修了の認定を受けられるのです。

その後、博士課程に進んで3年間学び続けるかどうかは選択できます。

後期で一定の基準を満たして卒業すれば、博士課程修了の認定を受けられます。

大学院に進む前は博士の取得を目標に掲げていた人でも、学びを進めるうちに考えが変わることもあるでしょう。

区分制は前期と後期に分かれていることによって、将来のビジョンについて考えるきっかけを作りやすいメリットがあります。

修士課程でも専門的な知識や技術は学べるため、前期に得られる内容と学位次第で進路を考え直したい方におすすめです。

5年間の一貫性

博士課程に進む形式の1つとして、5年間の一貫性を取り入れている大学院もあります。

最近は前期と後期の区分性を取り入れている大学院が多いため、一貫性の大学院は少なくなっているのが現状です。

5年間の一貫性でも区分制と同じように規定の単位をクリアし、博士論文を提出し合格することが学位を取得するための条件です。

ただし前期で修士課程を修了したあとに後期に進むか選択できる区分制と違い、一貫性は途中で辞めてしまうと修士の学位すら取得できません。

そのため、途中で進路の見直しができる柔軟性のない点に注意が必要です。

万が一進学したい大学院が一貫性だった場合、最後まで課程をクリアできなければ、学士号のみの取得となっても構わないのかどうかを慎重に検討する必要があります。

どうやったら博士課程が修了するの?

博士課程は、大学院進学後どのような条件がそろえば修了と認めてもらえるのでしょうか。

まず日々の研究や指導を通して規定の単位を取得すること、さらに博士論文を提出し学位審査に合格することが主な条件となっています。

修了の条件は、一貫性であっても区分制であっても変わりません。

ただし、区分制の場合は前期で一旦修士論文を提出しなければならない点に注意が必要です。

一貫性は途中で博士論文を提出する必要はなく、5年間で必要な単位をクリアしたうえで提出します。

どのような研究、指導を受けるかは進学する学部や学生が選んだテーマによって異なります。

大学院に進学する段階で研究内容や論文内容が決まっていると、計画的に学びやすいでしょう。

博士課程にかかるお金は?

博士課程に進むうえで、悩みの種となりやすいのが費用の問題です。

大学でも高額な費用がかかっているうえに、さらに5年間分の費用を用意しなければなりません。

最後まで課程を終わらせて博士号を取るためにも、事前にどれくらいの費用がかかるのかリサーチしておきましょう。

博士課程に進んだ場合、私立では約500〜600万円、国立では約300〜400万円かかるといわれています。

たとえば東京大学の博士課程の場合、入学料や検定料のほかに年間で約52万円の授業料がかかります。

学費は大学院によって異なるため、それぞれの募集要項から情報をチェックしてみてください。

万が一博士課程の学費を支払うのが困難な場合は、奨学金制度を利用する方法もあります。

1人暮らしをしている方にとっては学費以外に生活費も工面しなければなりません。

博士課程への進学を検討し始めた段階で、金銭面の負担が大きすぎないか、情報をもとにリサーチしておきましょう。

博士課程を修了するメリットは?

博士課程へ進学するか悩んでいる方は、修了までクリアすることによってどのようなメリットを感じられるのか知っておくことが大切です。

メリットを知ることによって、自分にとって最適な選択かどうかを改めて考えてみましょう。

博士課程を修了することによって得られるメリットとして、研究に没頭できること、ある分野の深い知識を得られること、研究者や大学教授になることが可能になることなどがあげられます。

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

研究に没頭できる

博士課程に進学すると、大学で興味をもったテーマについて、より深く掘り下げた研究をすることが可能です。

博士課程では、その分野の研究に集中できる環境もしっかり整えられています。

そのため、研究に没頭する時間を作れる点は大きなメリットの1つでしょう。

人によっては、大学院での研究以外に企業や海外の研究チームに参加して経験値を積むケースもあります。

自分の好きな分野をとことん研究して新しい発見をしたい、プロフェッショナルな知識をもつ人と研究して経験を積みたいと考えている方に最適です。

ある分野の深い知識を得ることができる

博士課程に進学すると、自分が興味のある分野について深い知識を得られ、その分野のプロフェッショナルになれるメリットがあります。

決まった内容だけを学ぶのではなく、自分の好きなテーマを比較的自由に学べる点も魅力の1つです。

また大学よりもさらに内容の濃い授業や指導を受けられるだけではなく、5年間研究を続けることによって説得力のある知識を身につけられます。

博士課程で習得した知識や技術は卒業後の進路先で役に立ったり、場合によっては誰も発見していない事実を明らかにできたりするでしょう。

研究者や大学教授になることが可能になる

博士課程を修了すると、研究者や大学教授になりやすいメリットがあります。

博士号を取得してから研究者になれば、すでに知識や技術をもった状態でクリエイティブな研究を続けられるのです。

企業の研究者になれば結果的に製品化などを目指せます。

そのため、自分の知識を世の中の役に立てたいと考えている方に最適です。

また、大学教授として優秀な人材を育てたいと考えている方にも、博士課程は選ばれています。

ただし、必ずしも教授や研究者になれとは限らない点に注意が必要です。

研究者や大学教授としての枠が空いていたり、スムーズにステップアップを積み重ねたりできれば実現の可能性はあるでしょう。

博士課程を修了するデメリットは?

つぎに、博士課程を修了した場合で考えられるデメリットについて見ていきましょう。

知識を深めたい、研究者になりたいと考えている方にとって博士課程は最適な進路ですが、いくつかの注意点もあります。

注意点をしっかり理解したうえで進路を決めることによって、少しでも後悔のない選択をしましょう。

博士課程に進学した場合、主にお金がかかることや社会に出る時期が遅れること、就職先は限られることなどのデメリットがあげられます。

それぞれのデメリットについて詳しく解説します。

お金がかかる

博士課程に進学すると、授業料などの費用がかかります。

私立では約500〜600万円、国立では約300〜400万円が修了までにかかるといわれています。

大学を卒業して企業に就職すれば毎月給与を得られる一方で、博士課程のあいだは高額な授業料を5年間支払わなければなりません。

なかには学費の免除制度を利用して負担を軽減したり、奨学金制度を利用したりする人もいます。

ただし奨学金制度を利用する場合は、大学卒業してから就職する場合に比べて返済額が増えるため、長期間支払い続けなければなりません。

まずは通いたい博士課程でどれくらいのお金がかかるのか、負担を軽減する制度は利用できるのかを調べてみましょう。

社会に出る時期が遅れる

博士課程を修了すると、社会に出る時期が遅れるデメリットもあります。

大学卒業後に就職する場合は、早く社会に出てさまざまな経験を積むことが可能です。

一方博士課程では、好きな分野を思う存分研究できますが、社会に出る時期は3〜4年もしくは長くて5年間は遅れてしまいます。

企業に就職した時点で年下の先輩に指導してもらう可能性も高くなるため、人によってはストレスを感じてしまうリスクもあります。

しかも5年間研究に費やした内容を活かせる就職先が見つかるとも限りません。

人によっては就職までにブランクができてしまう可能性もあるでしょう。

博士課程に進学する場合は修了することだけを目標とするのではなく、そのあとの進路についてもしっかり考えておくことが大切です。

就職先が限られる

博士課程を修了しても、就職先に恵まれるとは限らない点に注意が必要です。

なぜなら、博士課程で豊富な知識を得たとしても、社会経験の少なさを懸念する企業も多いからです。

特に日本の民間企業への就職を希望している方は、スムーズに内定を得られない可能性がある点に注意しましょう。

新卒に比べて博士課程修了後の求職者を受け入れている企業は少ないです。

修了から就職までにブランクができてしまう人もいます。

理想の就職先に恵まれないことによって大学の研究員として残る、研究したテーマと関係のない企業に就職する、アルバイトをしながら就職先を探すなどの選択肢を考えなければならない可能性もあります。

民間企業への就職を希望している方は、一度人材募集の内容などをチェックしておくとよいでしょう。

博士課程に進学すべき?

博士課程の修了を目指すことは、好きな分野の知識を深められたり、研究者や大学教授になりやすかったりするメリットがあります。

一方で5年間分のお金がかかること、社会経験を積むのが遅くなること、就職先がスムーズに見つからない可能性があることなどのデメリットも意識しなければなりません。

博士課程に進学するべきかどうかは、博士課程で明確にやりたいことがあって、終了後の進路についても目標がある人に最適です。

また理系学生は博士課程への進学が向いていて、文系学生は新卒で就職して社会人として経験値を積むのが向いているといわれています。

それぞれの理由について詳しく解説しましょう。

理系学生は進学がおすすめ

理系分野を学んできた学生で、博士課程を検討している場合、進学するとメリットを得られる可能性が高いといわれています。

なぜなら、理系の企業は専門的な知識のある人材を求めているためです。

たとえば製薬系やエンジニア系、金融系、化学系、光学設計系などの企業では、はじめから専門的な知識のある人材を求める傾向にあります。

そのため、博士号を取得した学生でも就職しやすい進路として人気があります。

理系の企業であれば、大学院で研究した分野を活かせる可能性も広がるため、理系学生は博士課程への進学を前向きに検討してもよいでしょう。

ただし研究する分野によっては就職先が少なかったり、修了時点で人材を募集していなかったりする可能性もある点に注意が必要です。

文系生はやりたいことで進学するかを決めるべき

文系分野を学んできた学生で博士課程を検討している場合、理系に比べて就職できる可能性が低くなってしまう点に注意しましょう。

理系以外の企業では、専門知識の高さに魅力を感じるよりも、社会経験の少なさが懸念ポイントとなってしまう可能性もあるのです。

新卒で就職者を採用した場合、企業側にとって最初は仕事のやり方を指導する手間はかかります。

しかし、知らないことが多い分、知識を習得してもらいやすいメリットもあります。

さらに社会経験をコツコツ積んだほうが、即戦力として成長してもらいやすいメリットもあるでしょう。

そのため、文系生は博士課程に進んで、どんな目標を達成したいのかをより明確にする必要があります。

やりたいことがない場合は、就職して社会経験を積んだほうが、キャリアアップにつながる可能性もあります。

まずは自分のやりたいことを、博士課程に進んでまで続けたほうがよいのかどうかを検討してみましょう。

まとめ

博士課程に進学すれば好きな研究に比較的自由度をもって打ち込めます。

そのため、特定の分野について圧倒的な知識を習得できます。

特に理系の学生は専門知識を習得することが理想の就職先を見つけることにつながる可能性もあるため、博士課程への進学を検討してみてもよいでしょう。

ただし、博士課程は在学中の学費がかかることや、社会に出る時期が最長で5年も遅れる点に注意が必要です。

進学すべきかどうか悩んでいる人は、博士課程を修了してどのような目標を達成したいのかを考えてみましょう。

また新卒で就職する場合の経験値や収入などと比較して、最適な進路を選ぶことが重要です。

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