「志望動機の書き方が分からない」
「そもそも何で志望動機を聞くのだろう?」
「志望動機で選考官に見られているポイントが知りたい」
こういった思いを持っている就活生の方は多いのではないでしょうか?
今回はESで聞かれることが多い「志望動機」について選考官が見ているポイントを押さえながら解説します。
【志望動機の書き方】志望動機を企業が尋ねる意図
企業の採用担当者が、志望動機を選考過程で聞く理由は大きく分けて2つあります。
1つ目は「自社に合う人材か判断するため」です。
企業は採用を判断するうえで学生の志向性・やりたいことを把握することで入社後のミスマッチを減らし、活躍してもらいたいという考えがあります。
そのため志望動機を通して自社の仕事に対するモチベーションを測ります。
2つ目は「志望度・意欲を測るため」です。
志望動機を書くためには企業を知ることが必要になります。
企業を知るために企業ホームページの閲覧やインターンシップの参加やOB訪問を行う方法があり、どれほど自社に対して理解があるか時間をかけたのかは文章からも読み取ることができます。
上記の2つの理由を自分で言語化できることがESを書くにあたって重要なポイントになります。
【志望動機の書き方】志望動機を書く前の準備
企業の意図を踏まえた上で、志望動機を書く前に以下の情報を整理しましょう。
自己分析
自己分析とは、 過去の経験に基づく自分の思考や自分の強み・弱みを内省し、自らの価値観や今後進みたい方向性を言語化する作業のことです。
やりたいことを言語化するには、 「なぜ?」を繰り返すことによって、具体的に、細かい要素まで分解することが重要です。
自己分析を行うことができれば、企業を目指す理由が明確になり、内容の濃い答えが作れるようになります。
自己分析は、自分と向き合う良い機会です。
就活を通じて本当に自分にマッチする企業と出会うためにも重要となるので、取り組みましょう。
企業研究
企業研究は興味のある企業を見つけ、企業の事業内容や今後のビジネス展望、求める人物像を整理する作業のことです。
企業分析を通して、企業内で自分は何に対して活躍できるか、自分の取り組みたいことを企業で実現できるかを探ります。
志望動機を考えるうえで企業研究はとても重要な工程です。
企業の強みや独自性をしっかりと理解できるように時間をかけてじっくりやりましょう。
志望動機を評価する5つのポイント
志望動機で評価されているポイントは5つあります。
以下のポイントをエントリーシートの含めることを意識して文章を作成しましょう。
この5つの項目について詳しく解説していきます。
1.仕事を通してやりたいこと
志望動機を述べるときは、自分が「仕事を通してやりたいこと」を明確にしておきましょう。
「志望動機を企業が尋ねる意図」でお伝えした通り、企業は志望動機を通じて、応募者が自社に合う人材か、自社で活躍できるかどうかを判断します。
自分がどんな仕事をしたいか、それが志望している会社で叶えられるのか、というポイントをおさえて志望動機を考えるとさらに良いです。
自分が何をしたいか、志望している会社で実現可能かわからない場合は、以下の二つの方法がおすすめです。
- 自己分析で自分自身をよく理解すること
- OB訪問や会社の説明会に参加し職務内容についての理解を深めること
これらのステップを踏むことで具体的かつ現実的な志望動機を書くことができるはずです。
2.やりたいことを感じたきっかけ
やりたいことが明確になったら、今度は「やりたいことを感じたきっかけ」を深堀していきます。
きっかけは最近の出来事でも、幼少期に経験したことでも構いません。
ここで重要なのは、「仕事を通してやりたいこと」が説得力のある内容かどうかということです。
自身の経験を根拠として語ることで、志望動機が真実味を帯び、聞いている人にとっても納得感のある内容となります。
いつの出来事なのか、その経験を通じて何を感じたのか、なぜ仕事にしたいと思ったのか、このあたりが具体的になるとより説得力が増した文章になります。
自己分析をする際に、自身の経験を振り返ってみましょう。
3.企業(業界)選びの基準が自社に合っているか
次に気を付けたいのは「企業(業界)選びの基準が自社に合っているか」です。
企業は志望動機を通じて、応募者が自社に合っているか、自社で活躍できる人材かどうかを重視しています。
自身の価値観が企業と合わない場合、ミスマッチが生じ、結果的に早期退職に繋がる恐れがあるからです。
採用には高いコストがかかるため、企業は内定辞退や早期退職を避けたいと考えています。
企業はミスマッチを減らすためにESや面接で応募者の志向性・やりたいことを把握する必要があるのです。
企業選びの基準を明確にし、それが企業の価値観や文化と合っているかをしっかりと確認しましょう。
この相互理解が、応募者と企業にとって最適な雇用関係を築くカギとなります。
4.仕事で自らの経験を活かせるか
やりたいことと入りたい企業(業界)が決まったら、「仕事で自らの経験を活かせるか」を考えていきましょう。
企業は応募者に自社で活躍してもらいたいと思っています。
そのため、応募者はやりたいことを明確にし、希望している仕事でこれまで培ってきたスキルや経験をどのように活かせるかを示すことが求められます。
また、その経験を通じて感じたポジティブな感情があれば具体的に話に織り交ぜましょう。
応募者が仕事に情熱を持ち、意義を感じていることを示すことができます。
企業にとって応募者が職場で積極的に貢献し、長く活躍してくれる可能性が高いと感じさせることができるため有効なアプローチです。
5.なぜ同業他社ではなく自社なのか
評価ポイントの最後は「なぜ同業他社ではなく自社なのか」です。
企業は志望度の高い学生を採用したいと考えています。
3でも述べましたが、採用には高いコストがかかるため、内定を出した後に辞退されるのを避けたいからです。
そのため、同業他社ではなく自社を選んだのかという点がとても重要な評価基準となります。
この質問に対しては、主に3つのアプローチで自社を選んだ理由を差別化して示すことが効果的です。
・働いている人たちの雰囲気など、人的な側面での魅力を強調する方法
・企業が持つ特定の強みや独自の技術、製品を理由にする方法
・企業の風土や働き方の独自性を強調し、他社との違いを明確にすること
これらのポイントを明確に述べることで、自分がその企業で働くことに対する強い動機と高い志望度を示すことができます。
【志望動機の書き方】志望動機の構成
志望動機の評価ポイントと考え方を理解した後は、構成を考えましょう。
おすすめは、以下の3つの項目・順番で構成することです。
1.結論:なぜその企業を志望したのか
2.根拠:志望するに至った経緯
3.展望:入社後のイメージ
結論
面接では最初に「なぜその企業を志望するのか」という結論から話し始めることが求められます。
この方法は、伝えたい内容を明確にし、面接官に対して自分の動機がすぐに理解されるようにするための効果的な方法です。
結論を最初に述べることで、その後の説明が具体的な根拠や詳細な理由に焦点を当てやすくなります。
また、自分の考えを整理しやすくするだけでなく、面接官にも自分の意志や志望理由をはっきりと伝えることができるため、ポジティブな印象を与えることができます。
根拠
結論を述べた後は、具体的な「根拠」、つまり志望するに至った経緯を詳しく話していきましょう。
なぜその企業を選んだのかを説明する際には、自身の経験やエピソードを織り交ぜるとより効果的です。
具体的な例を挙げることで、話に説得力が増し、面接官に深い印象を与えることができます。
このアプローチにより、志望理由が具体的で理解しやすいものとなり、仕事に対するモチベーションや真剣さを伝えることができます。
展望
志望動機の最後には、入社後の展望を話すことが重要です。
具体的に、どのように会社で活躍し、自分の強みをどう活かしていきたいかを詳しく説明します。
この際、自身のビジョンが企業の目指す方向とどのように一致しているかを強調することがポイントです。
自分が将来、企業にどのような価値をもたらせるかを具体的に伝えることで、企業にとっての自身の価値を明確に示すことができます。
これにより、採用担当者にポジティブな印象を与えることができるでしょう。
【志望動機の書き方】実際のESを基に各要素ごとの例を紹介
ここでは実際の志望動機の例を紹介します。
人気業界5つの志望動機の例文を用意したので是非参考にしてみてください。
人材業界の志望動機の例文
貴社の特徴である両面型の人材紹介を通して、人の可能性を最大化させるという目的を達成したいと想い、志望しました。
理由は、塾講師の経験から人生の選択のサポートができることに喜びを感じたことがきっかけです。
ある人材紹介会社で利益を優先し、お金を出す企業に寄った提案をして求職者の思いを無視していた場面に遭遇し、疑問に感じたことがありました。
一方で、貴社は両面型の人材紹介という特徴があり、企業と求職者双方に寄り添った最適なマッチングが実現できます。
塾講師の経験で100人の志望校合格を達成した過程で学んだ、1人1人に寄り添った進路指導の経験も貴社だから活かせると感じています。
この経験を活かして人の可能性を最大化させることを実現したいです。
広告業界の志望動機の例文
広告業界に強い興味を持ち、特に貴社でキャリアを築きたいと考えています。
幼い頃、貴社の鮮やかでインパクトのあるお菓子の広告に心を奪われ、その商品を実際に購入し、予想を超えるおいしさに感動しました。
その経験が広告業界に興味を持つきっかけとなり、多くの人に同じような感動を与えたいと思うようになりました。
高校時代には演劇部でシナリオを書き、観客から感動を引き出すことに情熱を注いできました。
貴社の広告が持つ独自性と影響力に魅力を感じており、私のクリエイティブなスキルと経験を活かして、感動的で効果的な広告を創出することに貢献したいです。
貴社で働くことで、広告を通じた社会へのポジティブな影響を実現したいと考えています。
出版業界の志望動機の例文
私は書籍を通じて世界中の人々に知識と感動を届けたいという想いから、貴社を志望しました。
幼い頃から読書が大好きで、日本の書籍のみならず海外の多種多様な書籍にも親しんできました。
特に、海外の心理学の書籍に触れ、異文化の知見が私の考え方に大きな影響を与えたことは、この業界を目指す大きな理由です。
貴社で働くことにより、私の国際的な視野と学生時代の留学経験で得た言語のスキルを活かし、幅広い読者に対して価値あるコンテンツを生み出したいと思っています。
また、貴社が展開する多言語の出版プロジェクトに貢献し、世界中にいる多くの読者に新たな視点や知識、感動を提供したいです。
IT業界の志望動機の例文
私はネットワークエンジニアとしてのキャリアを積むことに大きな興味を持っており、貴社を志望いたしました。
貴社を志望したのは、技術的な進歩と革新的なプロジェクトに魅力を感じたからです。
過去の自然災害時にネットワークの緊急性とその社会的役割を目の当たりにし、通信技術がどれほど重要かを実感しました。
この経験から、安全で信頼性の高いネットワークを通じて、社会に貢献することの重要性を感じ、その分野で働きたいと強く思うようになりました。
貴社で働くことにより、私の技術知識と情熱を活かして、より良い世界の構築に貢献したいと考えています。
また、貴社の国際的なプロジェクトに参加し、世界中の人々が利用するネットワークの発展に影響を与え、グローバルな視野を持って技術者としての成長を遂げたいです。
商社の志望動機の例文
私は国際的な取引が世界の経済発展に貢献する重要な役割を果たすと確信しており、その中心で活躍することに強い魅力を感じています。
このため、貴社のように幅広い業界に影響力を持ち、グローバルな事業展開を行っている総合商社でのキャリアを志望します。
大学時代に経済学を専攻し、国際貿易や市場経済の動向に深い関心を持ちました。
また、国際開発プロジェクトに参加し、途上国の経済成長支援に携わる中で、商社の果たす役割の大きさを実感しました。
貴社で働くことで、私の専門知識と国際的な視野を活かし、新興市場の発展に貢献するとともに、持続可能な社会の構築に向けて積極的に取り組みたいと考えています。
貴社の多様な事業と国際的なネットワークを通じて、世界中に新しい価値を提供し、より豊かな世界の実現に貢献することを目指します。
【志望動機の書き方】志望動機を書き終えた後のチェック項目
志望動機を書いた後は、文章の内容を必ずチェックしましょう。
文章の内容を確認することでより完成度の高い志望動機となります。
結論ファーストで書く
志望動機を書く際には、必ず結論から書き始めるようにしてください。
このアプローチは、採用担当者があなたの文章の主要なポイントをすぐに理解しやすくするためにとても重要なことです。
結論を先に述べることで、内容が明瞭になり、聞いている人は要点を整理しやすくなります。
逆に、結論が後になると、文章がわかりづらくなり、伝えたいことがぼやけてしまうことがあるため注意が必要です。
簡潔でポイントを押さえた明確な表現を心がけましょう。
その企業である必然性を書く
志望動機を書く際には、その企業で働く必然性を明確に示すことが重要です。
企業は、同業他社ではなく自社を選んだ理由を知りたがっており、その理由が明確なほど内定後の受諾率や社員の長期勤続が期待できると考えています。
ESでの記述は、面接で詳細に掘り下げられるため、初めから面接を意識した内容構成が効果的です。
また、誤字や脱字は印象を悪くするため、提出前に十分チェックしてください。
文書を仕上げた後には、内容の整合性や誤字脱字の有無を確認するためのチェックリストを活用すると良いでしょう。
志望動機に限らず、ESを書き終えた後のチェックリストは以下の記事を参考にしてみてください。
【志望動機の書き方】完成度の高い志望動機にするには
完成度の高い志望動機を作成するためには、第三者の添削が非常に重要です。
誤字脱字だけでなく、自分では気付かなかった部分を指摘してもらうことで、文章力をさらに向上させることができます。
最も効果的でおすすめなのは、就活エージェントに添削を依頼することです。
彼らの専門的な視点からのフィードバックは、的確であり、志望動機の説得力を格段に高めることが期待できます。
是非活用してみてください。
就活を成功に導く志望動機をマスター
志望動機はポイントをおさえることで、企業に評価される文章を書くことができます。
書くときには企業に寄せすぎた志望動機を書かないようにしましょう。
自分自身のやりたいことを見つめたうえで、企業でそれを成し遂げることができる環境を選んだならば仕事にやりがいを持って働くことができます。
ESで志望動機を書けたら、次は面接で志望動機を言えるように練習することが大切です。
以下の記事も参考にして選考通過に役立ててください。