はじめに
これから就活が本格的にはじまっていく中で、「理系だけど就職できるのかな?」など不安になることが多くなりますよね。
しかし、最近では理系のほうが就職に有利とも言われているのです。
そこでこの記事では、理系学生が就職に有利と言われている理由から学部別に就職しやすい職業をご紹介していきます。
また、記事の最後には理系学生に人気のある企業をランキング形式でご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【理系生の職業一覧】理系は就職に有利なの?
ひと昔前までは、理系と文系でそこまで就職に有利不利はありませんでした。
しかし、近年では文系よりも理系学生のほうが就職に有利になりつつあるとも言われています。
大きな理由は2つあり、1つが高い専門知識を身につけていること、2つめが理系の人数が少なくなっているからです。
それぞれの理由についてもう少し詳しく解説していきます。
専門性を持っているから
理系の場合、文系の卒業研究と比べるとより実践的かつ専門性の高いテーマを扱うことが多い傾向にあります。
なぜなら、理系学生の研究テーマのほとんどは教授が取り組んでいる研究の一部を大学生と大学院生に行わせるからです。
このことから理系学生の場合、専門性が高いだけでなく分野によってはとても実用的な知識を身につけることができます。
つまり、技術開発や基礎研究を行っている企業からすると学生時代に専門知識を身につけた人材はとても貴重なため、就職に有利になるということです。
理系は人数が少ないから
理系学生の人数はここ数年で減少傾向にあり、企業が求める需要に対して理系に進学する人の数が不足しているのです。
最近では「理系離れ」という言葉もあるように昔に比べて理系人口の割合はさらに減っています。
そのため、文系や理系の人材が偏らないように採用したいと考えている企業も多いので、理系学生の需要は高くなっていると言えるでしょう。
また、最近では多くの企業がIT化やシステム開発などを行っているため、論理的思考力や数値処理能力の備わっている理系の学生が求められるようになっています。
したがって、この先も理系の人材を求める企業はさらに多くなり、理系学生の需要は高まっていくでしょう。
ベンチャーへ人が流れているから
従来までは理系学生は、システム開発や研究職など大学で研究した内容を活かせるような職種に就くことが多かったです。
しかし、今では「大企業=安定」のようなイメージは崩壊しつつあり、東大生や京大などのエリート学生でも大手に就職せずに自分のやりたいことを優先する傾向にあります。
そのため、最近では大企業や中小企業へ就職するというよりも「自分のやりたいこと」を求めてベンチャー企業へ人材が流れているのです。
したがって、数少ない理系の学生がベンチャー企業などに人材が流れていることで、結果的に同じ一般企業を受けるライバルが少なくなり就職に有利になります。
だたし、企業からの需要があるとは言っても自分の長所や貢献できる能力など、業界研究と自己分析は需要になるので注意しましょう。
【理系生の職業一覧】学部別職業一覧
理系学生の需要が高いということがわかったところで、各部別におすすめの職業をご紹介します。
理系という括りでも学部によって、扱える知識や技術が違いますのでご自身が所属している学部を中心に参考にしてみてください。
工学部
工学部出身の人におすすめの職業は以下の通りです。
・研究職 研究職といっても所属機関によってさまざまですが、1つの物事について深く追求する好奇心と探究心が必要になります。
・品質/生産管理 お客様に届ける製品をより効率良く安全に作るためにどのような運営や設計を考える能力が必要となる職業です。
・プログラマー/SE プログラミングスキルを活かして、サービスを作る側として活躍する職業です。
また、プログラミングには言語スキルだけでなく論理的に考える能力も求められます。
・メーカー 大手自動車メーカーなどの機能の一部を設計するエンジニア職もおすすめです。
特に大手メーカーに就職するには製図などの力も必要となるでしょう。
理学部
理学部出身の人におすすめの職業は以下の通りです。
・ITエンジニア ITエンジニアの場合は、プログラミングスキルよりも数学を用いたデータの分析や解析を行うことが多い職業で、主に数学的に考える思考力と統計データとしてまとめる能力が求められます。
・金融業界 金融業界といっても業種はたくさんありますが、理系出身として能力を発揮しやすい職種は保険や各種ローンなどのサービス開発です。
金融業界でのサービス開発は、数学的な能力に加えて物理力も必要になります。
・公務員 理学部出身の人が1番なりやすい職種の一つでもあるのが学校の教師や大学教授などの公務員です。
特に数学や物理など自分のやりたい教科で中学校・高校の教師や大学教授になる人が多くいます。
農学部
農学部出身の人におすすめの職業は以下の通りです。
・食品業 食品業では、品質管理などのスキルや他社へ売り込む営業力も必要となる職種です。
・製薬/化粧品業界 製薬や化粧品開発では、主に化学や生物の知識を活かせることができる職種で、人体に影響する薬品や成分の知識量が求められます。
また、製薬も化粧品も開発部門においては繰り返し試行錯誤する必要があるので、課題の原因を突き止めて解決する能力も必要になるでしょう。
・種苗メーカー 野菜や穀物などの趣旨を研究開発および生産・販売する職種です。
単なる生産者という立場だけでなく、より高度な交配技術やバイオテクノロジーを駆使して消費者の求める品種を生み出す力が求められます。
建築・土木学部
建築・土木学部出身の人におすすめの職種は以下の通りです。
・総合建設業 総合建設業では、設計から施工まで一連の流れをすべて手がける職種です。
ただし、施工の工程や技術は部署ごとに分かれて活動しているので、自身が身につけた建設技術を活かせる部署を選ぶと良いでしょう。
・住宅メーカー 主に一戸建ての家を手がける職種で、顧客の要望に添った設計からレベルの高い施工技術が必要となります。
・不動産会社 不動産会社は、建築や土木技術などの知識をはじめ顧客に対してわかりやすく説明する能力が求められる職種です。
さらに不動産会社が扱う商品を購入してもらえるように、人とのコミュニケーション技術から営業力が必要になるでしょう。
【理系生の職業一覧】業界の今後
理系におすすめの職種のだいたいイメージできたところで、業界ごとに今後の見通しを解説します。
IT技術だけでなくAIの技術も発達しているので、業界の先行きがどのようになっているかも把握しておく必要があります。
IT業界
IT業界などインターネットを活用する業界は、これからも成長していく見込みがあるでしょう。
なぜなら、今後はほとんどの業務が効率化を図るためにオンラインへ移行していくからです。
自動車業界(メーカー)
現在、自動車の生産台数は徐々に減少傾向にありますが、環境問題への取り組みとして電気・水素自動車の開発や自動運転技術の成長が見込めます。
特に自動車は移動手段としてなくてはならないものなので、需要自体はなくならないと考えて良いでしょう。
金融業界
ここでいう金融業界とは銀行・証券会社・保険会社を指しますが、従来までのシステムをAI・オートメーション化する動きが活発になっています。
つまり、理系が活躍する場としてはまだまだ見込みがあると言えるでしょう。
ただし、人員削減を行う企業も増えてきている業界なので、企業ごとの業績や動向はリサーチしておく必要あります。
製造・化粧品業界
製薬や化粧品などは国内販売よりも海外への拡大が主流になりつつあります。
また、今後は店頭での販売よりもインターネットを活用したオンライン販売なども重要になってくるので、これからも成長の余地がある業界です。
食品業界
国内の人口自体が減少しているので、昔と比べて需要は減少傾向にあります。
しかし、これからは健康食や介護職など高齢者に向けての需要が高まっていく可能性があるので、食品への知識を活かせる業界としては魅力的な業界です。
建設設計業
建設設計業については、今後もまだまだ成長の可能性がある業界でしょう。
理由は、5G回線などの通信技術が発達することでさらなるインフラ整備が必要となってくるからです。
また、海外での建設事業も伸びているので国内外ともに拡大していく見込みがあるでしょう。
【理系生の職業一覧】人気の企業ランキング
最後に理系学生から高い人気を誇る大企業を3つほどご紹介します。
業界や職種を絞ろうと思ってもなかなか思いつかないという人は、これから紹介する企業を中心に関連企業を研究してくと良いでしょう。
ソニー
ソニーはテレビやスピーカーなどの家電や電気事業を展開する会社です。
現在は主にPlayStationシリーズなどのゲーム機の販売によって業績が伸びています。
富士通
パソコンや写真などでよく知られる富士通は、国内でも屈指の半導体製造やソフトウェア開発を中心に事業を展開している企業です。
トヨタ自動車
トヨタ自動車は、2019年の世界新車販売台数ランキングで第2位を記録するほどのシェアを持つ企業です。
現在は、水素を原動力とする水素自動車の開発や高い自動運転技術の開発など業界最先端の事業を行っています。
まとめ
今回は理系が就職に有利と言われる具体的な理由から学部別におすすめの職種をご紹介しました。
特に理系出身者として就活をするときは「高い専門知識」と「人数が少ないという希少価値」を武器にしていくことで効果的にアピールすることができるでしょう。