業界分析

2021/8/10

【理系生必見!】化学メーカー就職の実態を解説。大学生が学ぶべきこと・将来性などを解説

2021/8/10

はじめに


化学メーカーに興味がある、化学を専攻している、理工学部で化学系が得意など、理系生の就職先として人気の化学メーカーは、どんな業界であり、どんな仕事をしているのでしょうか。

化学メーカーと言われて、すぐに企業名や製品名が思い浮かぶ方も、どの企業が化学メーカーなのかわからない方も、この記事を読むことで化学メーカーの概要と主な職種、理系生の就職の実態が見えてきます。

化学メーカーを目指す理系生が就活前に学んでおきたいこと、化学メーカーの将来性などを解説していきます。

【化学メーカーとは?】そもそも化学メーカーとは

化学メーカーは簡単にいえば、化学を利用してものを作り、販売するメーカーです。

化学成分や天然由来成分などを、薬品などを使って化学反応を起こし、さまざまな原材料や新たな成分などを作り出し、製品化している企業業界です。

たとえば、医薬品や化粧品、洗剤やプラスチック、ラップフィルムなどの研究開発や製造を行い、メーカーなどの法人への供給や、一般消費者向け製品を販売しています。

化学メーカーには大きく分けて、総合化学メーカー・誘導品メーカー・電子材料メーカーがあり、それぞれの業種の中でもさまざまな化学品由来の素材を開発、製造するメーカーがあります。

時代の変化やニーズに合わせて新たな分野の開発に乗り出すなど、多様化している化学メーカーについて概要を見ていきましょう。

総合化学メーカー

総合化学メーカーとは基礎材料から中間材料を得て、最終製品まで至るまで、一貫生産ができるメーカーです。

基礎材料から中間材料を作り出すためのプラントを持ち、中間材料から最終製品を作り出すための製造工場を有しています。

製品は法人および一般消費者にも販売されるため、マーケティングリサーチを行い、市場が求める製品を生み出すのため、研究、開発も行っている企業です。

たとえば、住友化学株式会社は石油化学をはじめ、エネルギー・機能材料、情報電子化学、健康・農業関連事業、医薬品の5事業分野で産業や人々の生活を支える多彩な製品を製造しています。

旭化成は繊維・ケミカル・エレクトロニクスといったマテリアル事業をはじめ、住宅・建材から作り出す住宅建設事業、医薬・医療・クリティカルケアのヘルスケア分野を展開しています。

誘導品メーカー

誘導品メーカーとは基礎原料をもとに、最終製品を製造するために必要な部品を製造する化学メーカーです。

つまり、製造過程における中間材料の製造がメインです。

たとえば、三菱ガス化学では、メタノールや過酸化水素、高機能エンジニアリングプラスチックス、MXDA・MXナイロンなどの化学品や素材製品をはじめ、発泡プラスチックや光学材料、半導体パッケージ材料などの機能製品を製造しています。

信越化学工業では日用品から建築資材まで幅広く活用されている塩化ビニル樹脂をはじめ、IoTやAIなど高度な情報化社会を支える半導体シリコン製造で、世界トップシェアを占めています。

電子材料メーカー

電子材料メーカーは、半導体やディスプレイなどの電子材料の生産を行うメーカーで、各種デジタル機器や家電製品、機械製造メーカーへ販売するBtoBをメインとする化学メーカーです。

たとえば、富士フィルムホールディングスはマテリアルズ、ヘルスケア、ビジネスイノベーション、イメージングの4領域を展開していますが、ディスプレイやタッチパネルの材料、半導体やイメージセンサーの材料、機能性フィルムといった産業向けの機材を開発、販売しています。

住友ベークライトはプラスチックのパイオニアとして、半導体チップを覆って保護する封止材をはじめ、航空機やシェールガスの掘削機械、医療器具や医薬品・食品をパッケージングする包装材、建材資材など多彩な製品を生み出し、各産業のメーカーへと供給しています。

【化学メーカーとは?】化学メーカーの業務内容について

化学メーカーの製造内容の概要がわかったところで、就職すると、どのような仕事をすることになるのでしょうか。

業務内容は職種によって異なり、理系生が就く代表的な職種として、研究開発職、生産技術職・品質管理職、そして、営業職があります。

化学メーカーといっても理系生ばかりではなく、事務職や営業職には文系生も就職しています。

職種ごとの主な業務内容を見ていきましょう。

研究開発職

研究開発職は、研究によって得た成果を実際の製品につなげていく仕事です。

時代や環境の変化に応じて新たに生じたニーズや環境問題への対応、各種メーカーや消費者からの要望に応じ、新たな成分や素材を開発したり、これまでの素材を別の成分から作り出したり、従来素材をより良いものに改善する取り組みをしています。

たとえば、化粧品や健康食品メーカーで美肌や骨の健康維持に有効とされるコラーゲン一つとっても、豚由来、サメ由来などがあり、お肌に浸透させるためにナノ化させる技術などを生み出しています。

石油から作られていたプラスチックを、環境保護対策の見地から、植物由来の成分で開発するなど、時代のニーズなどに合わせて新たな素材の開発に取り組み続ける職種です。

生産技術職・品質管理職

生産技術職・品質管理職は製品生産に関する技術や生産方法の開発を行う職種です。

製造の効率化や製品の品質維持、事故やトラブルなく製品を安定的に製造、供給するための管理を担っていくのが主な業務内容です。

より効率的に製造するためのラインの見直しや機械メーカーと共同しての専用機械の製造、新たな製品の製造のためのラインづくりや技術の開発などを行います。

品質管理では製造工程におけるあらゆるリスクを洗い出して、リスクが発現しないように未然防止策を講じるとともに、万が一リスクが発生したときの対処策を考え、マニュアル作りや製造ラインの監視などを行う仕事です。

異物混入などの事故やリコールによる回収をするような不良品の発生を防がなくてはなりません。

営業職

営業職はBtoBをメインに自社製品を売り込む仕事です。

中間材料を各メーカーで使用してもらうための提案販売をはじめ、最終製品を卸売店や小売店に扱ってもらうよう売り込むことや取扱量を増やしてもらえるよう売り込みます。
営業職は理系生に限定されず、化学に関する専門知識を持たない文系生でも就いている人は多いです。

もっとも、原材料や製造法、製造した中間材料などに深い見識を持ち、取引先企業の製品製造において、どのように利用されるかが理解できる理系生は、文系生に比べてコンサルティングや提案で強みを発揮できます。

一般消費者向けの最終製品の売り込みとなれば、理系、文系で大きな差は生じないこともあります。

事務職

事務職は総務や人事、経理や財務をはじめ、研究部門や製造部門、営業販売部門で実績関連をとりまとめることや資料の作成や整理など、他の職種のサポートやアシスタントをする職種です。

主に文系生が就く職種です。

理系生が志望してはいけないわけではありませんが、理工系を専攻し、専門知識がありながら、なぜ化学メーカーの事務職を志望するのかが具体的に伝えられないと、採用されないおそれはあります。

たとえば、中間材料製造のための原材料の買い付けを行いたい、得意の数学やIT技術を活かしてコスト管理を行いたい、商品開発のためのマーケティングを行いたいなど、理系に強い点を活用できる職種ならアピールがしやすいでしょう。

【化学メーカーとは?】化学メーカー就職のために学んでおくべきこと

では、化学メーカーに興味を持ち、就活時の選択肢として考える場合、就活が始まるまでの間に大学でどのような学びをしておけば良いのでしょうか。

大学1年、2年の教養科目や基礎化学などの学びを経て、より専門性を増していく2年次以降や3年次からの研究室やゼミで、どのような科目を選択するかが、就活にも影響を与えます。

学ぶべき科目は志望する企業の事業内容によっても異なり、必要とされる能力は志望する職種種によっても変わってきます。

事務系職種以外の職種を目指すなら、有機化学・高分子工学といった理系科目をはじめ、志望する企業の製造する製品や事業内容などに応じて、役立つ科目の専攻をするのがおすすめです。

入るべき研究室

では、化学メーカー志望の理系生が入るべき研究室は、どんな研究テーマのところでしょうか。

研究室は志望する企業に合わせた研究室を選ぶのがベストです。

そのためには、研究室を選ぶ前に、しっかりと企業研究を行い、どんな素材の研究が役立つか、どんな技術を習得しておけば良いかを考えて、その企業での業務に役立てることや応用できるような研究をしている研究室を選びましょう。

化学メーカーといっても、有機化学・薬学・電気といったさまざまな分野があるので、仕事をしてみたいと思う企業を検討し、その企業の製品や技術、事業内容などから研究すべきテーマを決めましょう。

【化学メーカーとは?】理系生は就職で有利になる

当然ながら、化学メーカーへの就職は化学分野の専攻をはじめ、学部や学科、専攻を問わず、理系生に有利です。

文系生が化学メーカーに就職を希望しても、主に事務職であり、一部の消費者向け最終品を販売している企業において、営業職でも採用されるくらいです。

化学成分や化学反応といった基礎知識から、化学に関する知識や実験などのノウハウを有する理系生は、化学メーカーへの就職は有利になります。

その中でも、職種によって、より高度な専門性が求められることや学問以外の能力なども必要となります。

研究開発職なら高度な専門性と実験ノウハウや高度な実験機器が使える技術、生産技術職・品質管理職は工学やITに関する知識や技術、正確性なども必要です。

営業職なら理系の能力に加えて、コミュニケーション力やプレゼン力なども必要です。

【化学メーカーとは?】化学メーカーの将来性

日本市場は少子高齢化により収縮傾向にあり、化学メーカーにおいても、欧米をはじめ、人口増加や経済発展が目まぐるしい中国や東南アジア圏を中心に海外進出の傾向が見られます。

化学メーカーの傾向として景気に影響を受けにくく、安定的な傾向がありますが、周囲を取り巻く環境の変化などで、時代に合わせた転換策を図っていかないと、生き残れない企業も出てくるかもしれません。

たとえば、世界的にプラスチック利用の削減や停止の動きが出ており、プラスチックメーカーはこれまでとは異なる環境に優しい素材を使って、同等の役割を果たす中間材料や製品を開発する必要に迫られています。

時代の変化を捉えて、企業が生き残るための開発を行うのも理系生に課せられた使命です。

【化学メーカーとは?】まとめ

化学メーカーには大きく分けて総合化学メーカー・誘導品メーカー・電子材料メーカーがあり、理系生は主に研究開発職、生産技術職・品質管理職、営業職の職種で活躍しています。

化学メーカー就職のために学んでおくべきことは、有機化学・高分子工学などで、入りたい企業に合わせて研究室を選ぶのがおすすめです。

化学メーカーは景気に影響を受けにくく、将来的にも安定が期待できます。

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