【コンサル就活】就活生に人気を誇るコンサル業界
近年ファーストキャリア先として人気であるコンサルティング業界。
就職活動サイト「ONE CAREER」の調査では、東大・京大の24卒の就職人気ランキングにて、トップ10のうち7社がコンサルティングファームが占めています。
(参照:2024年卒 東大生・京大生の就活人気企業ランキング、前年1位「三井物産」を抜いたのは“コンサル・シンクタンク系”【ワンキャリア調べ】)
就活生に人気のコンサル業界ですが、そもそもどのような業務をこなすのか、どのような種類があるのかについて知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はコンサル業界について詳しく紹介していきます。
【コンサル就活】コンサル業界って何するの?
コンサルティングとは、「企業(稀に行政や公共機関)などの役員に対し、主に経営課題の解決策を提示し、企業の発展に貢献する」仕事のことです。
もともとは、フレデリック・テイラーという19世紀末のアメリカの経営学者が、衰退していた工場にコンサルティング的アプローチを加え復活させたというのがコンサルティングの始まりとされています。
そして、1926年に世界的なコンサルティング会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」が設立され、経営コンサルの基盤が整っていき、今に至るという歴史を持っています。
コンサルティング企業は、「カンパニー」ではなく「ファーム」と呼ばれ、中で働いている人もコンサルタントとしてプロフェッショナルであることが求められます。
【コンサル就活】コンサルティングファームの分類とは
コンサル業界は大きく「戦略系」「総合系」「その他コンサル」の3つに分けることができます。
また「シンクタンク」という就活生からするとコンサルとどう違うのかがわかりにくい業界もあり、そちらも解説していきたいと思います。
戦略系コンサル
コンサルと聞いて一番に思い浮かべるのはこの戦略コンサルだと思います。
主に企業の役員に対して、経営課題の解決やM&A(企業の合併・買収)の事業統合後のサポートなど経営上流に関わります。
高い情報処理能力と経営層にも物怖じしない精神力が必要とされます。
企業としては、外資系の「マッキンゼー・アンド・カンパニー」「ボストンコンサルティンググループ」「ベイン・アンド・カンパニー」がBIG3と呼ばれる戦略コンサルの代表的な企業です。
他にも「ATカーニー」「ローランドベルガー」「経営共創基盤」などが就活生から人気の戦略コンサルとなっています。
総合系コンサル
近年採用人数を拡大しているのがこの総合コンサルティングファームです。
総合コンサルは、経営陣から現場の一般社員までをビジネスの相手とし、経営の戦略立案から実行までを行なっているコンサルティングファームです。
戦略コンサルが完璧な経営戦略を作ったとしても、それを実行できていないという状況があり、その実行まで責任を持っているのが総合コンサルといえます。
企業としては、BIG4と呼ばれる「デロイトトーマツコンサルティング」「PwCコンサルティング」「EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング」「KPMGコンサルティング」が人気です。
IT系コンサル
コンサル業界の中でも最も人気の分類の一つとして、ITコンサルが挙げられるでしょう。
IT系コンサルティングファームは、アビームコンサルティングやIBMといった企業のことを指しています。
主にテクノロジー案件の技術的アドバイスを行い、プロジェクト管理やシステムの導入支援なども行います。
また、ITを活用したビジネスプロセスの効率化の提案なども行うため、多くの企業の役に立てるやりがいのある仕事であると言えるでしょう。
シンクタンク系コンサル
コンサルを調べているとよく出てくるシンクタンク。
コンサルとシンクタンクの違いをきちんと説明できる就活生は少ないのではないでしょうか? シンクタンクは、様々な分野の専門家を集め、国の政策決定や企業戦略の基礎研究、コンサルティングサービス、システム開発を行う組織。
(参照:シンクタンク) どちらもプロフェッショナル集団であることは変わらないですが、シンクタンクは特に研究や分析を主に行なっているということが言えるでしょう。
コンサルの主なクライアントが民営企業なのに対し、シンクタンクの主なクライアントは官公庁です。
企業としては「野村総合研究所」「大和総研」「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」「三菱総合研究所」が代表的な企業となっています。
組織人事系コンサル
組織人事系コンサルも多くの就活生が目指している業種なので、興味のある方は是非確認してみてください。
組織人事系に強みを持つコンサルティングファームには、リンクアンドモチベーションやマーサージャパンなどが挙げられます。
組織人事系のコンサルが行う業務には様々なものがありますが、主に企業の組織の変革や人材育成などが挙げられます。
また、社員のモチベーション管理などの提案やサポートなども提供しているので、コーチングなどに興味がある人に向いている仕事であると言えるでしょう。
その他コンサル
その他にも様々な種類のコンサルがあるので一緒に確認していきましょう。
色々な分野に特化したコンサルティングファームというものが存在するのです。
中小企業向けにコンサルティングサービスを提供している企業には、船井総研や山田コンサルティングなどが挙げられます。
その他にも、マーケティングに強いコンサルティングファームには、インテージや電通デジタルなどがあります。
その他にも、サステナビリティコンサルやリスクコンサル、セキュリティコンサルなど様々なコンサルティングサービスがあるので、ここまで紹介してきたコンサルにあまり興味を抱くことができなかった方は自分でも色々と調べてみてください。
【コンサル就活】学生に聞いた!コンサル業界のイメージ
激務
コンサルの代名詞とも呼ばれる激務。
昔は終電がなくなってもまだ働いているということがあったらしいですが、現在は政府が進めている「働き方改革」の流れもあり少しずつ改善されているようです。
しかし、よく考えてみると、ビジネスの課題がどんどん複雑化している中でコンサルティングファームへの案件が増えていっている現在、働く時間を減らしたら処理できる案件が減ってしまいます。
これを解決するためには仕事効率を上げるか、採用人数を増やすかの2つの解決方法が考えられますが、採用人数に関しては近年、総合系のコンサルは採用人数を数百人単位で増やしています。
どのくらい激務かどうかは、実際に働いている企業のOB/OGに聞くのが良いでしょう。
高給
これもコンサルティング業界を象徴する特徴です。
就活生の中にも新卒でたくさん給料をもらいたいからコンサルにいくという人もいるでしょう。
コンサルが高給な理由は主に2つあると考えられます。
参考程度に、コンサルティングファームの新卒の基本給与は500~600万程度(年俸制)が平均とされています。
(参照:コンサルタントの給料・ボーナス)
戦略系のコンサルティングファームの方が総合系のコンサルティングファームよりも給与水準は高い傾向にあります。
これは採用人数が少なく、経営課題も経営層に近いビジネスの上流に部分を担当するためと考えられます。
高い人材流動性
コンサルティング業界は日系企業のように定年まで勤め上げるという人が少ないことが特徴としてあげられます。
コンサル業界の特徴として、高給があげられましたが、給料を上げるためにファームを転々とする人も少なくありません。
そのほかのキャリアチェンジですが、ある人は自分で事業を立ち上げたり、ある人はベンチャー企業へ転職したりします。
ただ、 コンサルは他業界と比べて給料が高いため、給料を下げてまで他業界に転職することはあまりしないのが現状です。
また、コンサルティング業界は優秀な人材を多く輩出していることも特徴としてあげられます。
DeNA共同創立者の南場智子氏、経営共創基盤CEOの冨山和彦氏、経済産業担当大臣の茂木敏充氏など、ビジネス界から政界まで幅広く人材を輩出しています。
【コンサル就活】コンサル業界の最新情報
続いてコンサル業界の最新情報についても詳しく紹介していきます。
これから就職することになる業界なのですから色々と知っておきたいですし、何より面接などにおいても業界について聞かれることは多いです。
よって、コンサル業界の最新情報について把握した上で就活に臨むようにしましょう。
DX化の加速
DX化が加速しているということは、コンサル業界のトレンドとして最も主流なものの一つと言えるでしょう。
企業のオペレーションの効率化を目的としてDXの案件が増加し続けているのです。
これに対応するために、子会社にエンジニアを抱える、実行部隊を買収したり、デザイン会社を買収したりする流れが存在しています。
つまり、ワンストップで戦略から開発、運用までを手掛けるコンサルティングファームが増えているので、開発や運用の能力がある人にもコンサル業界の道が開かれていると言えるでしょう。
ロジカル+デザイン思考
コンサルティング会社のクライアントは基本的に法人です。
つまり、 ビジネスの形としてはBtoBとなります。
しかし、クライアントとなる企業がビジネスをしている相手が消費者であったりすると、モノが溢れて豊かになった時代、消費者のニーズも多様化し、企業もどのように利益を上げていくかという壁にぶつかっています。
つまり、 コンサルティング会社にはユーザー目線を意識したコンサルティングが求められているということになります。
今までロジックを組み立て、綺麗な経営企画書を書いているとうまくいった時代から、デザイン思考的なアプローチも求められてきていることが、大きなコンサルティング業界のトレンドとなっています。
(参照:【初心者向け】ビジネスに必要な「デザイン思考」とは何か?プロセスをイラストで紹介)
実際に、マッキンゼー・アンド・カンパニーはデザインコンサルティング会社の「LUNAR」社を傘下としたり、アクセンチュアはロンドンに本社を構える「Fjord」社を買収しています。
これらのトレンドはグローバル単位で起こっているもので、いずれは日本にも影響を及ぼしてくることでしょう。
サステナビリティへの注目
これはどのような業界を目指すにあたっても共通のことと言えるかもしれませんが、毎日のように何かしらの媒体で目にする「SDGs」という概念はコンサル業界にも現れています。
環境改善やESG戦略、新しい環境に配慮したビジネスモデルの提案などに力を入れている企業も少なくありません。
こういった流れに対してコンサル業界も目をつけており、サステナビリティコンサルティングサービスなどを提供しているところが多いと言えます。
ビッグデータの活用
ビッグデータを活用するようになったのも、最近のコンサル業界において注目すべきトピックの一つと言えるでしょう。
AIの活用や機械学習など、昨今注目を浴びている分野においては、コンサルティングファームは敏感に反応しており、積極的に導入することを大切にしている場合が多いです。
ビッグデータを企業の経営や事業に活かす戦略や支援などについて常に考え続けており、これらを利用した市場分析や予測なども行っています。
これらにより最適な戦略の作成、策定などを行うことができ、多くの企業に対して価値を提供しているのです。
インダストリー4.0
最近のコンサル業界において最も注目されている最新情報の一つとして、製造業のデジタル化に力を入れているということが挙げられます。
IoTやRPA、ロボティクスの導入支援による自動化や省人化など、企業が効率的に業務を進めるために活用できるシステムやサービスなどはどんどん投入、導入する傾向にあるのがコンサル業界の特徴です。
データの一元管理や連携による製造プロセスの最適化など、コンサルティングファームに様々な業務を依頼する企業が増えており、この流れはさらに続くと言われています。
M&A
これはコンサル業界に限ったことではないかもしれませんが、市場の競争率を高めるために新しい市場の開拓に力を入れています。
特にM&Aはコンサル業界において注目されている動きであり、多くのコンサル企業が戦略立案を行っています。
デューデリジェンス、統合後の組織再編等の支援などを行うことができるので、コンサルティングファームの業務との親和性も非常に高いと言えるでしょう。
【コンサル就活】コンサルの就活とは
コンサルティングファームの就活は、他の業界と比べてやや就活の日程が早い傾向にあるということを覚えておきましょう。
特に外資系の戦略コンサルティングファームは、夏前から本選考が始まってしまうので、早い段階から就活対策を行わなければならないのです。
コンサルティングファームの就活は学部卒であれば、大学3年生の間で終わると考えておいても良いです。
エントリーシート
まずはエントリーシートです。
コンサルティングファームに提出するエントリーシートでは、主に志望動機はもちろんのこと、学生時代に力を入れたことや、就職してから成し遂げたいこと、そしてこれまでにした最大のチャレンジなどについて聞かれることが多いので、積極的に対策を行っていく必要があると言えるでしょう。
コンサル業界を志望している人のエントリーシートでのポイントにおいては結論ファーストで簡潔に書くことが重要であるとされています。
これは他の業界にも当てはまることではありますが、コンサル系においては特に重視されているポイントなのです。
コンサルティングファームではESの内容を重視していない傾向にあるとされていますが、手を抜く理由は全くないので、しっかりと作成していくことが重要であると言えるでしょう。
Webテスト
Webテストにおいては、これが出題されるというものは基本的に存在しないので、しっかりと色々な対策を行っておくことが重要であると言えます。
SPIや玉手箱などのような一般的な企業でも出題されるWebテストが出題されるのはもちろんのこと、少し難易度の高いTG-WEBやMBA留学に必要なGMATなどが出題されることもあります。
これからもわかるように、しっかりと対策をしなければ高い点数を獲得することはできません。
自分が受験している企業では何が出題されるのか、口コミや先輩に話を聞き、それに沿った対策をしっかりと行うことが重要であると言えるでしょう。
地頭が求められるコンサルにおいては、このハードルがやや高い傾向にあるため、時間をかけて対策をしていくことが重要であると言えます。
Webテストについてはこちらの記事でも詳しく紹介しているので、是非合わせて確認してみてください。
グループディスカッション
コンサルの就活における大きな特徴として、グループディスカッションを行う企業が非常に多いということが挙げられるでしょう。
ESやWebテストに通過することができたら、グループディスカッションはかなり高い確率で課せられるので、対策が必要です。
4人から6人ほどのグループで30分程度の時間が与えられ、お題に対する答えを導き出すタイプのグループディスカッションを設けることが多いです。
グループディスカッションにおいては、明確で論理的な発言をすることはもちろんのこと、他人の意見に耳を傾けることも非常に重要です。
話し合いから導き出せる解決策をわかりやすく提案し、最後の発表につなげることが重要であると言えるでしょう。
グループディスカッションについてはこちらの記事で詳しく紹介しているので、そちらも合わせて確認してみてください。
面接
コンサルの面接においては、通常の面接のほかにケース面接を実施されることが多いというのも忘れてはいけません。
ケース面接においては、面接官から与えられたケースを構造化し、そして分析し、仮説を立てて解決策を導き出すことが重要であると言えるでしょう。
必要であれば恐れずに質問することや、数値の扱いに慣れることが重要であると言えます。
何より、論理的に思考することが最も重要であるとされているため、早い段階から論理的思考力を磨いておく対策をすることができれば良いでしょう。
面接官からのフィードバックも素直に聞き入れる姿勢を大切にしつつ、面接対策を行っていきましょう。
面接対策やフェルミ推定の対策についてはこちらの記事で詳しく紹介しているので、時間に余裕のある方は是非合わせて確認してみてください。
ジョブ
コンサルの就活においては、ジョブを行うことが多いというのも忘れてはいけないポイントの一つであると言えるでしょう。
同じ就活生3人から5人の他に現役のコンサルタントが1人から2人ついて、出されたお題に対しての議論を進めていくのです。
お題には様々なものがありますが、基本的には売上の戦略や新規事業戦略などが挙げられるでしょう。
ここにおいても、結論ファーストで論理的に話す力があるということを積極的にアピールすることができればよい印象を与えることができます。
その他にも、質問の意味を汲み取り、それに対する答えを簡潔に述べる力なども重要視されています。
つまり、仕事ができる人材であるということをアピールすることができれば良いでしょう。
最終面接
コンサルティングファームの就活において最終面接は最も緊張するものではありますが、しっかりと対策を行っていく必要があります。
あらかじめ何度も何度も練習をすることができれば、緊張しやすい人でも落ち着いて最終面接に臨むことができるはずです。
パートナー、つまりコンサルティングファームにおける最高役職の人との面接を行うことが多いです。
これまでの選考の感想や就活の状況などについて聞かれることも多く、どういったプールを受験しているかなどについても聞かれることが多いです。
もちろん、魅力的な印象を与えられるように工夫をすることは重要ではあるのですが、ロジカルかつ素直に答えることが最も重要であると言えます。
【コンサル就活】コンサル業界は早期から対策が必要
いかがでしたか? コンサルティング業界のことがざっくり知れたのではないでしょうか? 新卒の現場においては、コンサルティング業界は選考の時期が早く、難易度も高いことが特徴です。
きちんと業界・企業研究をし、選考対策をしてから選考に臨みましょう。