HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
就活における「学校推薦」とはどのような制度なのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
学校推薦にはメリットもありますが、制度を正しく理解しないまま利用するのはリスクにつながる場合もあるのです。メリットばかりではなく、デメリットも知ったうえで応募することが大切です。
この記事では就活の学校推薦とはどのような制度なのか、メリット・デメリットや注意点など詳しく説明しています。この記事を読むことで、学校推薦の制度、制度を利用するうえでの注意点などを知り対策することができるでしょう。
就活生やこれから大学受験を控えている方で、学校推薦についてリサーチしている方は、この記事をぜひチェックしてみてください。
目次[目次を全て表示する]
学校推薦とは
学校推薦とはどのようなものかというと、「推薦枠」を設定している企業へ大学の推薦を受けて応募する方法です。
簡単に言ってしまえば、大学のコネで応募できる特別枠のようなもので、特に理系学生にとっては強みとなる武器のひとつですが、もちろん文系にもあります。
企業側は、信頼できる大学から優秀な人材を早い段階で確保したいという狙いがありますし、大学側は、就職合格率を上げたいという狙いがあり、双方合致します。
基本的に応募者の合格率は高くなるため学生にとっても有利ですが、当然ながら大学が推薦してくれるのは、自信をもって相手企業へ紹介できる優秀な学生のみです。
1人ひとつまでしかもらえない
学校推薦は学生にとって有利な特別枠ですから、ぜひ推薦を受けたいと希望する人も多いでしょう。
優秀な学生なら引く手あまたですし、大学としても太鼓判を押して送り出せる人材ならウェルカムです。ただし、学校推薦は一人ひとつまでしかもらえません。
これは後々説明する就職辞退にも関係することですが、大前提として推薦を受ける以上、その企業で働く意志と覚悟をしっかり固めていないと、そもそも利用することはできないと認識しておきましょう。
そもそも大学が学校を挙げて自分を推薦してくれるわけですから、軽い気持ちでここもあそこもエントリーしてみたいというわけにはいきません。
それだけ重いことですし、しっかり意志をもって志望を固めることが重要だと覚えておきましょう。
教授推薦との違い
学校推薦は、大学と企業との信頼関係によって形作られてきたものです。学校推薦で応募する場合、大学のキャリアセンターや就職課などを通して行われるとされています。
また、教授自身に強いコネクションがある場合、推薦枠をもっている場合もあります。研究室ごとに推薦枠がある場合は、担当教授に推薦状を書いてもらうことで教授推薦となるとされています。
就活で学校推薦を利用するメリット
就活で学校推薦を利用するメリットにはどんなものがあるのか気になっている方もいるでしょう。メリットを知っているのと知らないのとでは、結果に大きな違いが出てきます。
ただ就活の成功という目的を達成することだけを考えると、自由応募よりは学校推薦を利用するメリットは大きいと言えるでしょう。
就活で学校推薦を利用するメリットについて、具体的に説明していくため、参考にしてください。
いくつかの選考を飛ばすことができる
就活が有利に進められるとよく言われますが、具体的にどのような面が有利なのかを説明します。
まず、ハードルとなる選考の一部が免除されることが大きなメリットです。どのような免除があるかは、受ける企業によってマチマチです。
多くの場合、ESなどの書類審査や筆記試験を受けなくてもよい、一次面接や二次面接といった段階を踏まずに、いきなり最終面接が受けられるといった優遇があります。
自由応募ではたとえ応募できても、倍率によっては書類だけで落とされてしまうことがある一方、推薦を受けていれば何もせずとも最初の難関を突破することができます。
選考を受ける手間や精神的なプレッシャーを減らし、短い期間に選考を受けられるのは大きなメリットと言えるでしょう。
人気の企業に入りやすくなる
人気企業や大手企業などは、応募者が殺到するため非常に高い倍率になります。
学校推薦はシード権のようなものですので、獲得することで人気の企業への道がつながりやすくなるのは大きなメリットです。
また、一般には新卒者の採用を行っていない企業でも、学校推薦の枠だけは別に確保しているケースもあります。そうした場合、自由応募では見つけられない人気の企業へつながる切符を手にすることができるのは、大学推薦のみの特権となります。
通常なら企業の門までもたどり着くことが困難な場合でも、推薦を受けることで楽々門をくぐることができるのであれば、これ以上のメリットはないでしょう。もちろん門をくぐった後は実力次第ですが、それまでの数々のハザードを超えられるのは大きなポイントです。
他の人より楽に終わらせることができる
前述した通り、学校推薦を受けるためにはあらかじめそこで働きたいという意志を固める必要があります。
どこに就職するか、どのように働くか、自分のこれからの人生をしっかり考えなければなりませんが、就活がスタートした段階でその難問をクリアすれば、後は楽に終わらせることが可能です。
はじめから目標が定まっている人、どのような自分であれば幸せかを理解できている人は、学校推薦を利用することで他の人よりずっと楽に就活を終わらせることができるでしょう。
先程メリットとして挙げた通り、選考をいくつか飛ばすことで時間も大幅に短縮できるため、浮いた時間は残りの学生生活に思いきり注ぐこともできます。
自分の研究に専念しやすくなる
学校推薦のメリットは、企業が内定を出すことが前提としているため、自由応募に比べて合格率が高いことと言えるでしょう。また、一般の採用試験の一部が免除されていることも多く、選考期間も短くなる傾向にあると言えます。
修士課程の場合、在学は2年という短い期間のため、就活活動に費やす期間を短くすることで、自分の研究に専念しやすいメリットがあります。
就活で学校推薦を利用するデメリット
学校推薦はメリットばかりのように見えますが、デメリットはあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
就活で学校推薦の利用を検討しているのなら、デメリットについても押さえておきましょう。
ここでは、就活で学校推薦を利用するデメリットについて詳しく説明していきます。
辞退できない
学校推薦は一人ひとつのみと前述しましたが、これは合格した場合、辞退はできないことにも関係しています。
もちろん原則ではありますが、内々定でも内定でも、辞退はできないと覚えておきましょう。
企業側は大学側を信頼し、新卒採用枠を削って推薦枠を用意しています。そこでせっかく内定を出した学生に蹴られてしまっては、制度自体が成り立ちません。
病気や災害など本人の意思に関わらず就業を断念せざるを得ない事情は別として、身勝手な理由が許されるわけがないのは当然です。
社会に出る以上、企業や大学などに多大な迷惑をかけることのないよう、責任ある行動を取ってください。また、入社さえすればよいというわけではありませんので、入社後すぐに早期退職するような行動も大学の信用を傷つけることになります。
100%内定ではない
さまざまな特権があり、大学がお墨付きで送り出してくれてはいますが、実際に採用されるかどうかはまったく別の話です。
学校推薦の合格率が高いことは事実ですが、推薦さえもらえればもう大丈夫と油断していると、落とし穴にはまることになります。
選考は一般的な就活となんら変わりませんので、基本的なマナーや身だしなみ、適切な受け答えや立ち居振る舞いには十分に気を付けてください。もちろん、自己分析や企業研究、業界研究も必須です。
年々学校推薦の力が弱まってきている
学生にとっては由々しいことですが、年々学校推薦の効力が弱まってきていると言われています。
これは社会情勢や企業側の事情もありますが、企業から見た場合、同じ推薦でも絶対的なものと、あくまで優先的なものとに分かれていると言えます。
絶対的なものは、特定の大学の学部、学科、研究室から確実に何名採用するとターゲットが決まっている場合です。こちらは確かに合格率が高く、選考も顔合わせ程度で採用される場合も少なくありません。
ただその他の推薦では大学との継続的な信頼関係がない限り、多少優遇される程度でしかないのが実情です。
合格率は五分五分、もし他に同じ程度の人材がいるなら、優先して内定を出そうという程度になっている企業もあります。優先されることは確かでも、推薦があれば受かるというほど効力があるものではないのです。
準備不足になりやすい
学内での推薦取得に安心してしまい、準備を怠ってしまう学生がいるため、準備不足になりやすい傾向があります。
学校推薦は100%内定が確定しているものではありません。推薦取得後は、自己分析や受ける企業の企業研究、業界研究が必要となるでしょう。
学校推薦取得に油断せず、自己PR、志望動機など緊張感をもって準備しましょう。
就活で学校推薦を利用する際の注意点
ここまで、学校推薦のメリットやデメリットについて紹介してきました。ここでは、就活で学校推薦を利用する際の注意点について説明していきます。
学校推薦の利用を検討する際の参考にして、しっかりと対策していきましょう。
自由応募と併用する
企業の応募枠には「自由」「推薦」「両方」と3種類設けられています。自由は自由応募、推薦は学校推薦枠となります。両方と記述されている企業は自由、推薦のどちらでも受け付けていることになります。
両方受け付けている場合は、第一志望では推薦で、第二志望の場合は自由で受けることができます。学校推薦を利用する際、自由応募と併用して受けるといいでしょう。
志望先が推薦を受け付けているか確認する
前述で企業の応募枠について「自由」「推薦」「両方」の3種類があることについて説明しました。推薦、自由といった応募枠については、その年によって状況は変わるとされています。
志望先が推薦を受け付けているか確認することで、有利な研究室を選んだり、成績アップに励んだりするなど早めの対策をとることができるでしょう。
就職したい企業の推薦を取るようにする
学校推薦を利用する際は、就職したい企業の推薦を取得することが大切です。
自由応募では、内々定獲得後も自分の意思で内定辞退することができます。しかし、学校推薦を取得し内々定が決定した場合は、原則として辞退することはできません。
学校推薦は、本当に行きたい企業の推薦を取るようにしましょう。
事前に企業訪問する
学校推薦を受ける際には、事前の説明会や面談が行われることが多く、これに参加することで合格率を高めることができます。
また、事前説明会に加え、OBOG訪問を積極的に行いましょう。
特に、OBOG訪問は企業との接点を増やすことに繋がるので、自由応募でも有利に働くので、消極的にならず、参加しておくべきです。
インターンに参加する
他の方法としては、企業のインターンに参加するという手法があります。学校推薦ならば、自由応募の場合に比べ就職に有利になる場合もあり、また企業への入社意欲をアピールすることにもつながります。
インターンでの評価が高ければ選考において有利になり、内定を確実なものに近づけることができる場合もあります。
合格率を高めるためには、インターンは有効な手段ですので、志望企業のインターンには必ず参加しておきましょう。
学校推薦を利用して就活を有利に進めよう
学校推薦は、企業が大学を信頼し、優先的に新卒採用選考枠を設ける制度です。
大学が推薦するのは自信をもって紹介できる成績優秀な生徒ですが、たとえこの制度を利用して企業へ応募しても、必ず採用されるとは限りません。
選考の一部が省略されるなどメリットもありますが、通常通りの就活対策は必須ですので、しっかり準備しておきましょう。
内々定でも内定でも辞退はできませんので、あらかじめ意志を固めておくことが大切です。