歯学部から歯科医師になるための5STEP|理系科目で歯学の基礎を学ぼう

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

「歯医者さんになりたいけど難しいかな。」
「どうやったら歯医者さんになれるのだろう。」
「どちらかというと文系タイプなんだけど、歯医者さんになれるかな。」

この記事では、歯科大学や大学の歯学部でどのようなことを学ぶのか、国家試験合格後どのような流れで歯科医師になれるのかなどを紹介します。また、理系と文系のどちらの学習が大事なのかも紹介しています。

実際に歯科大学や歯学部でどのような学習をし、歯科医師になるまでの流れが分かり、安心して進路を決めることができるでしょう。

また、どのようなステップを踏んで歯科医師になっていくのかをしっかり理解しておきましょう。歯科医師になりたい方はぜひこの記事を読んでみてください。

歯学部進学に有利なのは理系?

理系と文系という言葉は、学習を進めていく中で出てくる言葉です。特に、高校や大学への進学を考える時や、将来の進路を考える際に強く意識することになります。

高校でいう文系は、国語や社会を中心に学び、理系は数学や理科を中心に学びます。そのため、大学の理系と呼ばれる医学部、薬学部、歯学部、農学部、理学部、工学部などへの進学を考えている場合、高校から理系を中心に学ぶことが良いでしょう。

つまり、早い段階から歯学部への進学を希望する場合、やはり理系の勉強をしている方が有利といえます。

歯学部から歯科医師になるための5STEP

歯学部は名前の通り、6年間かけて歯学医療に関する知識や技能を学ぶ学部です。最終的には、歯科医師国家試験合格を目標とし、修士課程までを学びます。

では、具体的にどのような過程を進むのでしょうか。見ていきましょう。

  • 基礎系歯学を学ぶ
  • 臨床系歯学を学ぶ
  • 国家試験に合格する
  • 病院で臨床研修をする
  • 採用試験に合格する

1:基礎系歯学を学ぶ

歯学部へ入学後、1~2年生では社会科学や外国語といった一般教養とともに、基礎系歯学を学びます。基礎系歯学とは、歯学医療の基礎となる医学領域のことです。

基礎といっても学ぶ内容は広く、口腔解剖学、口腔病理学、口腔細菌学、口腔生理学、歯科薬理学、口腔生化学などがあります。また、理工学的に学ぶ歯科理工学も基礎系歯学の領域です。

2:臨床系歯学を学ぶ

基礎系歯学を学んだあとは、個々の歯の疾患を治療する分野と、社会歯学といわれる、社会の人々の口腔保健を対象とする分野に分けられる臨床系歯学を学びます。だいたい、3~4年生にかけての学習領域です。

個々の歯の疾患を治療する分野には、歯科保存学、口腔外科学、歯科麻酔学、歯科補綴学、歯科矯正学、小児歯科学、歯科放射線学などがあります。

3:国家試験に合格する

5年生になると、共用試験を受け、それに合格すると本格的な臨床実習に移ります。

臨床実習は6年生で行います。臨床実習を経て卒業試験に臨み、無事に歯学部を卒業すると歯科医師免許の国家試験の受験資格を得られるのです。

国家試験の受験資格を得て卒業すると、いよいよ国家試験を受けることになります。試験は年に1回2月に実施されます。実施される試験は、歯科医師として診療するのに必要な歯科医学や口腔衛生に関することや、持っておくべき知識・技能が試験内容です。

歯科医師になるためには、この国家試験に合格しなければなりません。

出典:歯科医師国家試験の施行について|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/shikaishi/

4:病院で臨床研修をする

歯科医師国家試験に合格したら、すぐに歯科医師として働いたり開業できたりするわけではありません。歯学もしくは医学を履修する課程を置いている大学に附属する病院や厚生労働大臣が指定する病院で臨床研修を行います。

臨床研修は、歯科医師としての人格を養い育てることが目的とされています。

研修の中で、歯科医学や歯科医療が持つ社会における役割を意識しながら、 一般的な診療で見られる様々な疾病に適切に対応できるように、基本的な診療能力を身につけていくとされます。

研修期間は1年以上です。原則として継続でなくても合計1年以上になれば良いとされています。

出典:歯科医師臨床研修制度の概要|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shikarinsyo/gaiyou/index.html

5:採用試験に合格する

歯科医師の代表的な勤務先は、医療施設です。医療施設を種別にみてみると、診療所がおよそ8割と圧倒的に多く、次いで大学附属病院が1割となります。

つまり、歯科医師国家試験に合格したとしても、医療施設の採用試験に合格することが必要です。

自分が希望する医療施設で求人があるかどうかを確認して、その医療施設が行う採用試験に合格するように、対策をしましょう。

歯科医師国家試験の合格率が高い歯学部

全国には、歯学部及び歯科大学を合わせると29の大学があります。歯科医師国家試験の合格率も大学によって様々です。

ここからは、歯科医師国家試験の合格率が高い歯学部を紹介します。

  • 北海道大学歯学部
  • 鹿児島大学歯学部
  • 岡山大学歯学部

北海道大学歯学部

北海道大学歯学部は、口腔を通して体の健康を管理することに尽力し、それぞれの生活の質を高めていくための学問としての歯学に取り組み、その成果を通じ人類の健康や福祉に貢献することを理念としています。

現代社会は、歯科医療の高度化と専門化及び高齢化が進んでおり、そんな社会の中で、国民が期待する歯科医師像を作っていくことが目標としています。

そのために歯学で必要とされる専門的な知識や技能、態度、そしてそれらを使って歯学に関わる問題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力・主体性・多様性・協調性・プロフェッショナリズムの習得も目標としています。

鹿児島大学歯学部

鹿児島大学歯学部は、歯科医療を実践するための幅広い知識・技能・態度を身に付け、人間として強い使命を持ち、現代社会においても優れた貢献をなし得る歯科医師および歯科医学教育者・研究者を教育、人材育成する方針です。

鹿児島大学歯学部には「ゼミ」と呼ばれるユニークな選択科目制度があります。

これは、学生が各々興味を持った分野を自主的に学ぶ制度で、通常の授業では触れることができない最新の知識などを深く学べ、早い段階から研究に携わることにより自らの新たな可能性を発見できるという利点があり、海外での短期研修もあります。

岡山大学歯学部

岡山大学歯学部は良き歯科医療人を育成し、歯科医学を研究・発展させることを目的としています。

社会のニーズの多様化と国際化が急激に進む中で、歯科医療もますます高度化していきます。そんな中で、人材育成の重点として力を入れているのが、国民への高度な歯科医療の提供と、先端的な歯科医療の研究開発です。

何事にも意欲的に取り組むことができ、生命・健康科学に強い好奇心と探究心を持っている人や歯科医師として国民の健康・地域福祉及び国際医療に貢献したいという目的意識を持つ人に向いている学部です。

文系から歯学部を目指すには?

仮に高校生の段階で文系を選択していても、途中から理系クラスに移ることで歯学部の受験科目である物理・化学・数学Ⅲを履修することができます。文系のままでは受験科目をすべて学習することはできないため、歯学部を目指すならできるだけ早く、理系転向を考えましょう。

万一、転向ができない場合は、理系科目を塾や予備校で補うことがおすすめです。

歯学部を受験するには理系科目が重要ですが、例外の大学もあります。数学IIIや理科2科目を課さない大学もあるためです。文系でどうしても理系科目が苦手であれば、なるべく理系科目が少ない歯学部を選択すると、合格の可能性が高くなるでしょう。

他に、文系の大学に進学した卒業者や卒業見込みの学生にも、歯学部の学士編入試験を受験する方法もあります。しかし、募集定員が少なく、合格難易度は非常に高いといえます。

理系科目を学んで歯学部を目指そう

歯科医師には、様々な観点から複合的に病状を診断するといった、​​論理的な思考力が求められます。論理的思考力で必要とされるのは、数学や理系科目を学習する中で得られるスキルです。

そのため、歯科医師を目指し、歯学部進学を考えるのであれば、理系科目の学習が大切になるでしょう。理系科目をしっかり学んで、歯学部を目指しましょう。

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