HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
インターンに参加を希望する場合、Webテストを受けて合格しなければならない可能性があります。
「実際の採用選考でもないのになぜ?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、きちんとした理由があるのです。
問われることはさほど難しくないにもかかわらず、対策が不十分では合格できないところがWebテストの恐ろしさといえるでしょう。
そこで、今回はインターンシップの選考で用いられるWebテストについて、その目的や種類、講じるべき対策について解説します。
【インターンシップのWebテスト】目的とは
なぜ、企業がインターンシップの参加者を選考するのにWebテストを導入しているかというと、いくつか理由があります。
企業としても、できるだけ多くの参加希望者を受け入れたいという気持ちはありますが、指導役の社員とインターン生の作業場の確保など、クリアしなければならない課題もあるのです。
つまり、事前選考を行って基準に満たない学生の参加を断り、なるべく優秀で社風に合いそうな人材に参加してもらわなければ意味がありません。
足切りを行いたい
インターンシップの参加者の選考に、Webテストを導入する目的の1つに足切りがあげられます。
誰もが名前を知っているような大手企業や、その業界で名が通った企業には、毎年たくさんのインターン参加希望者が集まります。
しかし、その全員を受け入れることは到底不可能であり、エントリーシートを書かせたり面接を行ったりして、採用する学生を決定しなければなりません。
ただし、エントリーしてきた学生全員のエントリーシートに目を通す時間もないため、Webテストを実施して足切りを行うのです。
Webテストを受ければ、その人がもっているスキルのレベルがわかり、なるべく優秀な人材をインターンの時点で確保したい企業にとって、足切りは大切なのです。
社風に合うか判断したい
企業がインターンシップ参加希望者にWebテストを課す目的として足切り以外に、その学生が自社の社風に合っているかどうかを判断することがあげられます。
Webテストには、能力検査のほかに性格検査があります。
この性格検査を実施することで、いろいろな角度からその参加希望者の人となりを分析できるのです。
そのため、それこそ本人も気がついていなかった面を明らかにすることも可能です。
インターンの参加希望者にWebテストの性格検査を受けてもらえば、エントリーシートを読んだり面接で対面したりすることなく、自社に合致した人物かどうか客観的に判断できます。
つまり、企業が効率良く参加者を選考するためには、Webテストが欠かせないのです。
【インターンシップのWebテスト】Webテストってそもそも何
そもそも、インターンシップの選考で使われるWebテストとは、一体どのような試験なのでしょうか。
Webテストは、その名の通り自宅など、インターネット回線が完備されたところであれば、どこでも受検できるテストです。
ただし、受検場所を自分で選べずテストセンターに出向く必要がある場合や、インハウスCBT型もあります。
最近では、不正が横行しているという事実を受け、AIを使用した監視システムが取り入れられているケースも増えてきました。
能力検査
Webテストには能力検査と性格検査があり、さらに能力検査は言語分野と非言語分野の大きく2つに分けられます。
言語分野で問われるのは、長文の趣旨を理解する読解力や、社会人であれば当然持っているべき常識的な語彙力です。
長文といっても、難解な文章が出題されることはあまりなく、どちらかというと平易な文章を素早く読み取る速読力のほうが役立つと考えられます。
非言語分野は、さらに図形分野と推論分野に分かれますが、中学生から高校初級程度の数学を勉強したことがあれば、簡単に解ける問題ばかりです。
ただし、1つの問題に割ける時間は1分ほどしかないため、スピード重視で解いていく必要があります。
特に、長らく数学から離れていた方は、解法を再度確認しておいたほうが良いでしょう。
性格検査
性格検査では、300問前後の行動や考え方について出題され、こちらにはこれといった正解はありません。
質問に対して深く悩まず、思いつきや直感で答えていったほうが、結果の正確性が増すとされています。
問題数が多いように感じるかもしれませんが、テンポさえ守れば十分制限時間以内に解き終わるでしょう。
受検するときの注意点は「インターンを志望している企業に合わせようとして嘘をつかない」ということです。
万が一嘘をついてしまうと、前後の問題の答えと辻褄が合わなくなり、虚偽解答として選考から落とされてしまうおそれがあります。
また、嘘をついてその会社の社風に合致しているように振る舞っていると、会社の社風とミスマッチが起こる原因となってしまうため注意しましょう。
ボーダーラインは
Webテストはどこまで得点できれば合格なのか、ボーダーラインは公表されていません。
企業によっても求めているレベルが異なるため、インターンの選考を通過するには、自分の力を出し切って可能な限り得点するしかないのです。
また、試験中に画面にあらわれる問題から、ある程度ならご自分のレベルがわかるかもしれませんが、はっきりとしたスコアや合否はわからないようになっています。
ただし、インターンの段階であれば、そこまで高いレベル設定になっていないはずなのでご安心ください。
【インターンシップのWebテスト】種類
Webテストと一口に言っても、さまざまな種類があるのはご存じでしょうか。
現在普及しているWebテストは主に4種類あり、実際にテストを作っている会社が違います。
能力試験の内容が、言語分野と非言語分野に分かれているのは、どの会社のテストにも共通している特徴です。
企業によって採用しているテストは異なりますが、どれを受検しなければならないのかは事前に明らかにされません。
したがって、どのWebテストでも得点できるように準備しておく必要があります。
SPI3
SPI3は、リクルート社によって提供されており、現在は適性検査の中でもっとも使用されているテストだといわれています。
初期バージョンであるSPIからバージョンアップし続け、今のSPI3になったのは2013年のことです。
能力検査では、基本的には言語分野と非言語分野の両方が出題され、企業によっては「ENG」というSPIの英語バージョンが実施されることもあります。
在宅したまま受検できるWebテスト方式・専用の会場で受検するテストセンター方式・企業が用意した会場で受検するペーパーテスト方式という、3つの受検パターンがあることも特徴の1つです。
Webテスト形式では、基本的に自分が正解だと思った解答を入力し、計算には電卓の使用も許可されています。
玉手箱
玉手箱は日本エス・エイチ・エルによって提供されており、すでに対策問題集が普及してしまったSPI3の代わりに採用している企業も目立ちます。
知名度はSPI3ほど高くないかもしれませんが、難易度はSPI3を上回ると言えるでしょう。
解答時間が短いにもかかわらず問題数が多いため、いかに正確かつスピーディに解けるかが重要になります。
能力検査と性格検査に分かれていること自体はほかのテストと変わりませんが、企業によって採用している問題形式が異なることも、玉手箱の大きな特徴です。
たとえば、非言語分野の計数問題では、図表の読み取り・四則演算・表の空欄推測の3つから、いずれか1つが出続けます。
玉手箱にも英語のテストはありますが、企業によっては実施されません。
TG-Web
TG-Webはヒューマネージ社が提供しているWebテストであり、その難易度の高さが有名です。
前にご紹介したSPI3や玉手箱と比較すると、問題数自体は少ないのですが、難易度が高いため、注意が必要と言えます。
また、難易度が高い標準型と少し難易度を下げた時短型の2種類が提供されているのもポイントですが、「標準型」を取り入れているところのほうが多いです。
標準型の出題分野に関しては、言語分野では長文読解や空欄補充、計数分野では図形や暗号が出題されています。
暗号はほかのWebテストでは出題されないTG-Webオリジナルの出題形式であり、図形に関してもほかのWebテストより複雑な図形の展開図などが出されるので、専用の対策が必要です。
Web-CAB
Web-CABは、玉手箱を提供している日本エス・エイチ・エルによって作成されているWebテストで、SEやプログラマーなどのコンピューター職に特化していることが大きな特徴です。
具体的には、エンジニアやプログラマーを志望する人が多い情報処理やシステム関連のIT企業で、よく実施されています。
理系企業のインターンを志望しているのでなければ、対策しておく必要はあまりないでしょう。
解答時間は、Webテストの場合は72分しかありませんが、ペーパーテストの場合は90分が与えられます。
出題科目は、四則演算・法則性・命令表・暗号・性格の5つで、読解や語彙力を問う言語分野の出題はなく、理系問題だけに絞られているのも大きな特徴と言えるでしょう。
【インターンシップのWebテスト】対策
参加を希望するインターンの採用選考にWebテストが課されている場合は、しっかり対策を講じたうえで臨まなければ合格できない可能性があります。
学生が殺到する人気のインターンに参加したい場合は、特に頑張らなければなりません。
インターンであれば、まだそこまで高いレベルを求められませんが、のちの就活でも受けることになるため、万全の対策をしておいて損はないでしょう。
以下で、Webテストの対策方法をご紹介するので、しっかり準備して採用を目指してください。
解き方に慣れる
Webテストを攻略する方法の1つが、標準的な問題の解法をマスターすることです。
Webテストにはいくつかの種類はありますが、問題の解き方自体はほとんど変わりません。
そして、専門的な知識が必要というわけでもなく、中学や高校初級レベルの数学の知識や常識的な読解力と語彙力があれば、ほとんどの問題が解けるはずです。
しかし、Webテストに合格するには、ただ解けるだけでは足りず、短い制限時間の中で素早く解答を導き出す必要があります。
そのためには、問題の解き方を理解しておかなければならず、問題集を使って勉強するのであれば、解き方の解説がしっかりしたものを選ぶのがおすすめです。
また、最新の出題形式を把握するためには、なるべく新しいものを用意しましょう。
企業のWebテストの種類を知る
Webテストを採用選考に導入している企業でも、複数あるWebテストのなかでどれを採用しているかまでは公表されていません。
どのWebテストでも、問題自体は似ているものが多いので、ある程度は柔軟に対応できるでしょう。
しかし、自分が受けるのはどのWebテストなのか知っておけば、それに特化した対策を行い、安心して受検できるのは事実です。
ご自分が志望している企業を過去に受けたOBに聞いたり、インターネットの情報を頼りに調べてみたりすると良いでしょう。
ただし、企業側も年によって使用するWebテストを変更している可能性もあり、正確な情報は得られず、あくまで予想でしかないことは認識しておいてください。
なお、送信されてきたURLからも見当をつけられます。
各テストの頻出分野を知る
自分の受ける企業がどのWebテストを導入するかがわかったら、そのテストに頻出している出題分野についても調べてみましょう。
頻出分野が判明すれば、どこを重点的に対策すれば良いかわかります。
特に、独自の出題分野があるWebテストを受けるときには、その点を重点的に勉強しておけば、それだけ有利になるでしょう。
また、夏のインターンの時期だと、周りの就活生もそこまでWebテスト対策に力を入れていないと考えられます。
しかし、そのことに安心するのではなく、ここで一気にライバルたちと差をつけてしまいましょう。
周囲がまだ何も対策に手をつけていないうちに、早めに頻出分野について調べて、その対策を行い、短時間で高得点をマークできるようにしておくのがおすすめです。
模擬試験を受ける
ある程度、Webテストの対策ができたと思えたら、模擬試験を受けてみましょう。
なぜなら問題集を解いただけでは、時間配分や自分が不得意とする領域がわかりにくいからです。
しかし、実際に模擬試験を受けてみると、思っていたよりも時間に追われることに気がつくのではないでしょうか。
Webテストは、問題自体の難易度はそこまで高くない分、問題数に対して制限時間が短くできているのです。
実際に一度でも試験を受けた経験があると、どうやって時間配分に気をつかえば良いかもわかり、自分の弱点や苦手分野もはっきりしてきます。
本番までに、時間をはかりながら模擬問題を解いておくなど、ご自分に必要と思われる対策を行っておけば、本番では高得点が期待できるでしょう。
まとめ
企業によっては、インターンの採用選考の段階でWebテストを導入しているところもあります。
参加希望者が殺到した場合は足切りとして使えるうえに、自社の社風に合った学生を見極められるからです。
Webテストにはさまざまな種類はありますが、解法さえ覚えておけば解答できるような単純な問題を、短い時間の中で、どれだけ正確かつスピーディーに解けるかが勝負となります。
ただし、インターンの選考の段階で、Webテストの対策をきちんと行えている就活生は、ほとんどいないのではないでしょうか。
インターンの段階で、対策を始めておけば周りと差をつけるチャンスとなります。
解法をしっかり覚え、1問に費やす時間を短縮させていきましょう。