幅広い仕事内容や平均年収の高さから、学生から高い人気を誇る商社。
倍率の高い商社の内定を獲得するためには、ESなどに書く志望動機が重要になります。
志望動機を書く際には、この記事で紹介する4つのポイントを押さえておきましょう。
【商社の志望動機】何を書くべきか?
商社は毎年多くの就活生が狙う人気の業界です。
平均年収が高い傾向にあることや仕事内容も幅広いことから、毎年多くの学生が応募しています。
そのため、商社業界の倍率は高く、 ESの内容で他の学生と差別化することが重要です。
今回の記事では、志望動機を書くときの4つの重要なポイントを紹介します。
企業の人事担当に「採用したい」と思わせるような魅力的な志望動機を作って内定に近づきましょう。
【商社の志望動機】総合商社と専門商社の違いは?
商社とは、国内外で物資やサービスの販売業を中心に商業を行っている企業を指します。
一言で表すと、商品の買い手と売り手の橋渡しの役割を果たす企業。
また、売り手から商品を購入して買い手に販売するトレーディング事業以外にも、企業に対して融資や出資を行い事業経営をサポートする事業投資を行う商社も多くあります。
商社の種類は、大きく分けて「総合商社」と「専門商社」の2つです。
それぞれ仕事の内容や業界の動向が異なるため、どちらの商社を選ぶかによって、志望動機を書く際に押さえておくべきポイントが変わってきます。
そのため、ESの志望動機を考える前にそれぞれの仕事や強みについて理解してくことが大切です。
総合商社
総合商社とは、その名の通り取り扱う商品やサービスが幅広い商社を言います。
三菱商事や三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅、双日、豊田通商が、七代商社と呼ばれる代表的な総合商社です。
総合商社は事業投資をメイン事業とする傾向が高いため、トレーディング事業が中心というイメージのまま志望動機を書いてしまうと、企業研究が足りていない印象を採用担当者に与えてしまうので注意しましょう。
専門商社
専門商社とは、取り扱う商品やサービスの売上比率の半分以上が特定のものであり、特定の分野に特化している商社を指しています。
総合商社が事業投資をメイン事業としているのに対し、専門商社ではトレーディング事業を主な事業としているのが一般的です。
専門商社ならではの独自ルートやパイプを使って主な収益を得ています。
また、専門的な知識やノウハウを活かして、コンサルティング事業やファイナンス事業を行う企業も少なくありません。
【商社の志望動機】作る際の4つのポイント
多くの学生が志望する業界だからこそ、漠然とした志望動機では内定を得ることは難しいです。
そのため、ESを読んだ人が魅力的に感じる志望動機を作る必要があります。
それでは、志望動機を書く際に押さえておくべき4つのポイントについて解説していきましょう。
なぜ商社を選んだのかを明確に伝える
志望動機を書く際にまず考えるべきことは 「なぜ商社を選んだのか」を明確に伝えることです。
商社ならではの特徴や他の業界との違いを把握した上で、自分が商社で働きたいと考える理由を志望動機に書きましょう。
商社にも総合商社と専門商社に分けられるため、その違いについても明記しておく必要があります。
例えば専門商社を志望する場合は、その商社が取り扱う商品の魅力やそれを通じて実現したいことなどを記載することが重要です。
一方で総合商社の場合は、特定の商品を扱っているわけではないため商品の魅力というよりも、 その仕事を通じて多くの人と関わることや幅広い分野で活躍できることなどを理由にするといいでしょう。
また、数ある商社の中で志望する企業を選んだかが具体的にわかるよう理由を書くことが大切です。
取り扱う商材や、企業それぞれの特徴や強みを研究して理解した上で、その企業でなければならない理由をアピールしましょう。
会社に貢献できることを具体的にアピールする
商社を志望する学生が志望動機を書く際に「会社に貢献できる能力をアピールする」ことが大切です。
その企業で働きたい理由や仕事へのやる気をアピールすることも重要ですが、実際に自分で採用することでどれほど企業に貢献できるかも採用担当者はチェックしています。
その業界で、その企業で自分に何が貢献できるかを考え、自分の持つ能力や強みをアピールしましょう。
ここでも漠然とした内容ではなく、企業ごとの特徴に触れた上で具体的なエピソードも交えて自分のスキルや強みを志望動機に書くことが重要です。
例えば留学の経験がある場合は、留学中に得た各国にモノを流通させるトレーディング事業の重要性などを書くことも一つです。
他にも、学生時代のサークル活動での人との関わりから得たコミュニケーション能力や交渉力などもアピールできる能力の一つになります。
具体的なエピソードを交えることで志望動機の説得力が増し、他の学生との差別化に繋がります。
まずは自身のこれまでの経験を振り返り、自身の能力や強みを理解するところから始めてみましょう。
入社後のビジョンを明確にする
商社に志望する理由や貢献できることに加えて、志望動機を書く際に大切なことは 「入社後のビジョンを明確にする」ことです。
自身のキャリアビジョンが明確な場合、それを伝えることで採用担当者へ商社で働くことへの本気度や熱意を伝えることができます。
また、入社後のビジョンが定まっていることで、 商社業界やその中でも該当企業を選ぶことの理由が明確になり、志望動機の主張に説得力を持たせることが可能です。
そのため、入社後にどんな仕事をしたいかなどのキャリアビジョンを交えて志望動機を伝えるように心がけましょう。
具体的には、商社の特徴を理解した上で臨機応変な仕事や、多くの人とコミュニケーションをとりながら仕事を進めること、新しいビジネスチャンスを見つけて挑戦することなど、どんな仕事をしたいかを企業に合わせてアピールできるよう準備することが大切です。
わかりやすい文章構成を心がける
志望動機を書く上で、最も重要で基本的なことは 「わかりやすい文章構成を心がける」ことです。
どれだけ商社への思いが強く、企業へ貢献できる能力があったとしても、それが伝わらなければ内定を得ることはできません。
採用担当者に伝えたいことを正しく伝えるためには、わかりやすい文章構成が重要な要素になります。
まず志望動機の伝え方で押さえるべきことは、結論から伝えることです。
はじめに「なぜその業界を選んだ理由」を簡潔に書きましょう。
次に書くべきは「志望する企業を選んだ具体的な理由」です。
ここでは企業の特徴や業績などを踏まえて、具体的に述べます。
最後に、入社後に「自分が企業に貢献できること」と「キャリアビジョン」について明確に伝えることで熱意をアピールしましょう。
まとめると、以下のような順番になります。
2. 詳細:志望する企業を選んだ具体的な理由
3. 熱意:企業へ貢献できる能力や入社後のビジョン
例文はこちらです。
私は大学時代に飲食店でのバイト経験があり、そこで他人と繋がることの大切さを実感しました。
飲食店では、メニューに使用する様々な材料が必要であり、多くの業者の働きによって支えられていました。
それに加えて、お客様との関わりも欠かせないので、人との繋がりは経済との繋がり、そして世界との繋がりだと感じました。
貴社の事業では、幅広い商品を取り扱っており、国内はもちろん海外でも広く活躍しています。
私はアルバイトで鍛えられたコミュニケーション能力を活かし、世界中の人と繋げり、繋げたいと思い御社を志望しました。
【商社の志望動機】盛り込むべき要素
先ほども言ったとおり、商社は非常に多くの就活生が入りたい業界として有名です。
そのため、競争が多い業界だからこそポイントのほかにも高評価になる要素を抑えとかないといけません。
プラスアルファであると良い要素を2つ紹介していきましょう。
1. インターンシップの経験
インターンシップの経験はアルバイトよりも実際の業務に近い体験をしているので、貴重な強みとして他の学生と差別化することができます。
実際にした、”業務内容”や”経験”とそれをするにあたって”学んだこと”や”成長できたこと”を具体的に伝えることで、就職後の姿をイメージしてもらいやすくなります。
イメージをするということは、企業が採用した時のメリットも同時に想像できるのでとても重要なことです。
特に商社でのインターンの経験は、志望度の高さやグループワークでの経験、コミュニケーション能力といった面でよいエピソードになり、説得力も増すので尚よいといえるでしょう。
2. OB・OG訪問での経験
実際に働かないと分からない会社がほとんどですが、「OB・OG訪問をした」という経験は、「実際に働いている人の話や職場見学から社風の良さや自分とのマッチ度を感じることができた」ことに関連付けることができます。
そのため、企業側としても安心して採用することができます。
しかし、「OB・OG訪問をしたため入りたいと思った」ではなぜこの会社に入りたいのかが具体的に伝わらず、志望動機として弱くなってしまいます。
訪問をしたことで、会社の何を知り、何に惹かれ、今後何をしていきたいかを具体的にアピールするとよいでしょう。
また、OB・OG訪問をした就活生のメリットとして、実際の働いている声を聴くことができるので、会社についてのネットでは知りえない情報を詳しく知ることができるでしょう。
【商社の志望動機】企業が求める人材
そもそも商社はどのような人材を求めているのでしょうか。
ここを理解しておくと志望動機を考えやすくなり、他の学生とは違ったポイントでアピールすることができます。
以下の3つは特に商社が求めている能力なので参考にしてみてください。
1. コミュニケーション能力
商社で務めるにおいてコミュニケーション能力は必須となってきます。
商社の仕事は、言い換えると営業とも言えます。
いろいろな業界・業種の人との取引を毎日しているため、高いコミュニケーション能力が求められます。
中には、「海外のクライアントへの提案」など外国の方への営業や「海外出張・海外営業」などビジネスレベルで通用する英語力が当たり前に求められる場合もあります。
また、コミュニケーション能力の中で話す能力以外にも「ヒアリング力」や「雑談力」なども大事だと考えられています。
やはり、話すことができるというのは最も重要ですが、「上司や年の離れた方との会食」といった場面では、それ以外の力も1つの能力として周りから評価をされ、信頼を得ます。
これらすべてのコミュニケーション能力を網羅していると、非常に高く評価されるでしょう。
2. 好奇心旺盛
特に総合商社は新たなビジネスを幅広く取り扱っています。
そのため、常に新規事業の提案を行い、毎日いろいろな人と関わり、未知の場所で仕事をしたりすることもあります。
企業側は、好奇心旺盛な人を「アイデアを逃すことなく、豊かな発想を持つことができる人」として評価するので、新たなビジネスチャンスにつながると考えます。
商社で働く人にはビジネス環境に対応できる能力が求められるため、自ら新しいことに向かっていったり、勉強を欠かさないといった行動は、好奇心や探求心があることとしてアピールできます。
3. チャレンジ精神
現代は、ビジネスモデルが定着することなく様々な産業が新たに生まれているといえます。
そのため、新たなビジネスに挑戦するには前例がなかったり、失敗があっても進んでいけるチャレンジ精神を持っていると、企業に良いアピールをすることができます。
商社の業務は難しいですが、強い意欲を持ち、成し遂げたいというチャレンジ精神がある人を企業側は欲しいと思うでしょう。
学生時代のチャレンジした経験やそこから得たことをエピソードとして加え、イメージしやすくすることが大事となってきます。
【商社の志望動機】具体的な志望動機の例
ここまで商社の志望動機を書く際のポイントについて解説してきました。
より具体的な志望動機の例を紹介するので、説得力のある志望動機を書く際の参考にされてください。
新興・途上国の発展に携われる
商社では行っている海外事業を通して新興国・途上国の発展に携わることができます。
特にインフラやエネルギー関連のプロジェクトは、ダイレクトに国の成長を感じることが可能です。
新興国・途上国への留学や海外在住経験がある方の場合、非常に説得力のある志望動機になるでしょう。
発展に携わりたいと思うようになった原体験や理由を盛り込むことが重要です。
新たなビジネスを生み出せる
トレーディング事業のイメージがある商社ですが、年々事業投資による利益創出にシフトしています。
特に商社の事業投資はお金だけでなく人も送り込むのが特徴です。
他の事業会社と異なり、自由な商材や場所で自身の行動力を活かし、ゼロから事業を立ち上げることができます。
商社の持っている膨大なリソースを活用した新規事業を行うことができることが魅力的です。
一つの製品について川上から川下まで携わることができる
商社に入ると基本的に一つの商品について専門的な知識を身に着けることができます。
中でも一つの商品について専門性を持つという点ではメーカーと似ていますが、明確に違う点が存在します。
それは川上から川下までを携わることができる点です。
原材料の仕入れから実際に消費者に届くまでを一貫して関与できます。
また、川上から川下まで関与できることでメーカーを外から支援できます。
日本のプレゼンスを上げたいといった場合にメーカーを外から支援できるというのは、他業界ではなく商社でないといけない理由になっているといえるでしょう。
商社の就活ならdigmediaを!
商社には総合商社と専門商社があり、それぞれの特徴や強みを把握した上で4つのポイントを押さえた志望動機を書くことが重要です。
内定に近づくために、この記事で紹介したポイントを参考に志望動機を書き進めていきましょう。
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