就職活動が始まり選考を受ける中で最初の関門がESです。
この中で多くの学生があなたと同じく特に頭を悩ませるのがこの「入社後にしたいこと」です。
まだ社会に出て働いた経験がないので具体的なイメージが湧かないし、どう書けばアピールになるのか分かりませんよね。
そんなあなたのためにこの記事では「なぜ入社後にしたいことを聞かれるのか」「志望動機との違い」「事前準備が重要」「入社後にしたいことの書き方」「注意点と強みを伝える」を順番に説明していきます。
最後に例文を5つ用意しているので、それも参考にあなたの「入社後にしたいこと」を作り上げて下さいね
目次[目次を全て表示する]
【ESの入社後にしたいこと】なぜ「入社後にしたいこと」を聞かれるのか
まず最初にこの「入社後にしたいこと」はなぜ聞かれるのかについて説明していきます。
この聞かれる理由が明確になると書く必要性が分かってきます。
ここでは特に重要な「企業、業界理解度を確かめるため」「熱意を確かめるため」「実際に働くイメージを持ってもらうため」の3つに絞って説明していきます。
それに加え最後に「入社後にしたいこと」と「志望動機」の違いについても説明していますので、参考にして下さいね。
企業、業界理解度を確かめるため
「入社後にしたいこと」をきちんと答えるためにはまず企業、業界への理解ができていることが大前提です。
ここの理解ができていないままESを書くと「入社後にしたいこと」の内容が浅く「この学生は業界のこともうちの会社のことも全く理解せずに受けているな」と悪い印象が残ってしまいます。
それに加え業界、企業への理解がないまま選考に進み内定を獲得、入社したは良いものの「思っている仕事内容と違った」「自分のしたい仕事はこれではない」と早期退職に繋がる可能性もあります。
この早期退職はあなた方学生にとってもデメリットですし、企業側も大きな損失となります。
こういうミスマッチを防ぐ意味でもこの業界、企業理解度を確かめるための「入社後にしたいこと」という質問は重要な役割を担っています。
熱意を確かめるため
「入社後にしたいこと」はあなたの「熱意を確かめるため」の質問でもあります。
その理由は、業界・企業理解があり、入社後どのような姿勢で仕事に取り組もうとしているのかが明確に伝わるからです。
例えば「入社後は与えられた仕事を淡々とこなしたいと思います」と書く学生と「入社後は貴社の目標である〇〇に向かって日々の仕事に向き合い成長したいと考えています」と書く学生がいればどちらと仕事がしたいと思いますか?
もちろん後者であり、選ばれるのも後者です。
この「入社後にしたいこと」はあなたの「熱意」と「人となり」をしっかりと伝えることができる項目でチャンス質問です。
きちんとした姿勢で仕事に取り組めることをしっかり伝えるように心がけましょう。
実際に働くイメージを持ってもらうため
社会に出た経験がないのに「実際に働くイメージを持ってもらうため」は難しいと感じたのではないでしょうか。
しかし、この「実際に働くイメージ」を全く持たずに社会人になると「思っていた業務内容ではない」「この仕事はやりたくない」「仕事が嫌だ」となり、最悪の場合早期退職に繋がります。
こうならないためにも「実際に働くイメージ」を持っている学生を企業は選ぶ傾向にありますし、あなたもこのイメージを持っていることをアピールする必要があります。
それに加え「実際に働くイメージ」を正しく持っていることは、業界や企業、実際の業務内容の理解が進んでいるとの印象を与えることができるので選考で有利に働きます。
「入社後にしたいこと」と「志望動機」の違い
この「入社後にしたいこと」と「志望動機」の二つの項目は、よく意味が混同されがちです。
簡潔にいうと「志望動機」はなぜこの会社に入りたいのかという動機です。
〇〇が優れているから、〇〇の分野に特化しているから、〇〇の制度に魅力を感じるからなど、受ける会社を志望する動機を書くのが「志望動機」です。
「入社後にしたいこと」は文字通り入社してからあなたがその会社で何をしたいのかを具体的に伝えるのが「入社後にしたいこと」です。
受ける会社に入った後どうなりたいのか、何の仕事をしたいのかに重きを置いて書く必要がありそのためには事前準備が非常に大事になってきます。
【ESの入社後にしたいこと】事前準備が重要
入社後にしたいことを構築する上で一番大切なことは「事前準備」です。
この「事前準備」をしっかりしないことには入社後にしたいことの土台が定まらず、グラグラな内容になってしまいます。
ここでは特に重要な「業界研究」「企業研究」「自己分析」の3つに絞って説明していきます。
どれも入社後にしたいことを書く上で外せない項目ですので、よく内容を確認して下さいね。
業界研究
受ける企業はどのような業界に属していて、その中での立ち位置はどのようなポジションなのかを正しく理解しておく必要があります。
そのためには受ける会社の業界に属する同業他社のことも調べる必要があります。
同業他社を調べることにより、業界全体の動向や各社の特徴、売上の順位やシェア率などが把握できるはずです。
それらを理解した上でなぜこの会社を受けようと思ったのかの理由を考えるようにしましょう。
こうすることでより業界への理解が深まり、「入社後にしたいこと」もより明確になります。
そしてその業界の展望を考え、その中で自分に何ができるのかを考えることで受ける企業が属する業界で自分が成し遂げたいことも次第に見えてくるはずです。
企業研究
業界研究を進めた先にはこの「企業研究」が待っています。
この「企業研究」は受ける企業のことをもっと深掘りしていく作業になり、より具体的な業務内容を確認していくことになります。
ここで重要なのは「入社後にしたいこと」と「実際の業務内容」を上手くリンクさせることです。
ここが全くリンクしていないと「この学生はうちの会社の業務内容を全く理解していないな」となり良い印象を与えることは難しいです。
採用担当者に良い印象を与えるためにはまず「実際の業務内容」を正しく知ることが大切になってきます。
そのために効果的なのは「OBOG訪問」を活用することです。
実際に働いている先輩の声は現場の生の声になり、貴重な情報源です。
「実際の業務内容」に対する理解を深め、「企業研究」に役立てましょう!
自己分析
業界、企業研究がある程度できてきたタイミングでもう一度、あなた自身何をしたいのかを考え直してみましょう。
業界、企業研究を進めていると「やりたいことと少し違うかも」「実際の業務内容を見ると自分には向いていないかも」と軌道修正が必要になってくることもあります。
また、他の業界に対して興味が湧いてきたり、全く違う職種に憧れを抱く場合も少なくありません。
そのため、今研究している業界、企業が本当に自分に合っているのか、本当に自分のしたい仕事なのか、あなた自身の就活の軸にあてはめて再度検討するようにして下さい。
その際、就活の軸を形成した過去の出来事などと照らし合わせながら考えると、よりあなたのしたいことが明確になり自己分析をスムーズに行うことができます。
【ESの入社後にしたいこと】「入社後にしたいこと」の書き方
次に「入社後にしたいこと」の「書き方」を具体的に見ていきましょう。
しっかりと事前準備ができ、伝えたいことが明確にイメージできているのに、この「書き方」を間違えるだけで相手に全く伝わらない勿体無いESになってしまいます。
そうならないためにもここでは「結論から伝える」「具体的な事業・業務内容を交える」「自分の強みを伝える」の特に重要な3点を説明していきます。
結論から伝える
この「結論から伝える」は簡単ですが非常に大事なテクニックの一つです。
まずあなたが考える「入社後にしたいこと」の結論を書くことで、相手に話の全体像を想像させることができます。
そうすることで後の内容も頭に入ってきやすくなり、話の整理もしやすくなります。
このテクニックは他の「志望動機」や「自己PR」「ガクチカ」でも使うことができますので、ここできちんと覚え習得しておきましょう。
具体的な事業・業務内容を交える
結論を最初に伝えたあとは、それを補足する根拠として「具体的な事業・業務内容を交える」エピソードを書きましょう。
ここで受ける企業特有の事業や業務内容などに触れることで「この学生は企業研究をよくしているな」「業界研究も進んでいるな」と好印象を与えることができます。
逆にいうと「具体的な事業・業務内容を交える」エピソードがないと「同じ業界で使い回ししているな」「本当にうちの会社に入りたいのか」となる可能性が高いので注意して下さい。
自分の強みを伝える
「自分の強みを伝える」のは「自己PR」や「ガクチカ」だけだと思っていませんか?
実はこの「入社後にしたいこと」でもアピールすることができます。
その方法はあなたが入社後にどのようにして企業に貢献するかを具体的に書くということです。
売上で貢献する、新しい仕組みを考える、驚くようなアイデアの新商品を開発するなど、企業にとって有益なことを自分の強みを活かしてできますと伝えましょう。
しかし、ここで自分の強みばかりをアピールすることは好ましくないので、「自己PR」や「ガクチカ」で関連づけてアピールするようにしましょう。
【ESの入社後にしたいこと】注意点
ESの書き方が分かったところで、ここからは「注意点」について説明していきます。
特に注意が必要な「マイナスな表現を使わない」と「受け身の姿勢にならないようにする」の2点に焦点を当てて説明していきます。
マイナスな表現を使わない
自分のことを謙遜しすぎる言葉やマイナスな表現はあまり使わない方がいいです。
その理由は、これを使うことで相手にマイナスな印象を与えてしまう可能性があるからです。
例えば製薬業界や医療業界など特に専門性が高く難しい業界を受ける際に、「私はまだまだ勉強不足だと思いますので」などの表現を使うことはやめて下さい。
この言葉は相手に「向上心がない」「仕事に対するやる気がない」「単純に勉強不足」といった悪い印象を抱かせる可能性が高くおすすめできません。
ESだけでなく面接でも同じですが、できるだけポジティブな言葉を使うことが大事です。
これは咄嗟にできることではないので日頃からポジティブ思考で考え、実際に言葉に出しトレーニングしておきましょう。
受け身の姿勢にならないようにする
この「受け身の姿勢にならないようにする」という言葉を難しいと感じる学生が多いのではないでしょうか?
しかし、社会人になっても同じ受け身の姿勢では「向上心がない」「仕事にやる気がない」と思われてしまいます。
ESでも「貴社の研修制度は非常に優れており、それを活用し学びたいと思います」では受け身の印象を持たれてしまいます。
社会人に求められるのは自ら考え行動する力です。
同じ勉強することでも、自分で学ぶ機会を作り成長することができることをアピールするようにして下さい。
受け身な印象を与えないためにも「自分から行動する」ことを学生の時から心がけるようにしましょう。
【ESの入社後にしたいこと】「入社後したいこと」例文
「入社後にしたいこと」についての理解がかなり深くなったのではないでしょうか?
実際の書き方や注意点なども理解できたところで例文を見ていきましょう。
ここでは代表的な職種である「営業職」「事務職」「エンジニア」「デザイナー」「企画職」の5つの例文を載せておきます。
そのまま使うのではなく、あなた自身の経験やエピソード、就活の軸などを組み合わせて考えてみて下さいね。
営業職
貴社の製品は非常に多くの人から支持されており、当然私もその内の1人です。
就活を進める内に私は貴社製品の魅力をより多くの人に届けたいと考えるようになりました。
そのために私は営業職として貴社製品に関わり、まだ認知されていない層へアプローチし新たな市場を開拓、新規顧客の獲得をしたいと考えております。
私は高校時代から5年間接客のアルバイトを続けており、コミュニケーション能力と積極性、継続力に自信を持っております。
この強みを活かし、粘り強く営業を行い貴社製品の新たなファン作りと新規顧客の獲得に貢献したいと考えております。
事務職
私は貴社の〇〇という製品が好きでずっと愛用しています。
この製品と出会ったきっかけが貴社の営業の方で、その時のプレゼン内容が素晴らしく購入する気はなかったのですが、思わず買ってしまう程でした。
その営業の方の姿を見て、この素晴らしいプレゼンを裏から支えたいと考えるようになり今回応募いたしました。
私は秘書検定やパソコンのMOS資格を取得しており、営業職の方々の作業効率を高めるため様々なサポートをすることができると考えております。
営業職の方々がよりスムーズに業務を遂行できるよう日々自発的に考え行動し、サポートしていきたいと思っております。
エンジニア
私は貴社のインターンシップに参加した際、〇〇のシステム開発の概要を聞かせていただきました。
そこで感じたことは幅広い層に役立っていることでした。
私はより多くの人にこの〇〇のシステムを広げたいと思うようになり、今回応募いたしました。
大学ではプログラミングを学んでおり、PythonとJavaを使うことができます。
私が大学で今まで学んできたこのプログラミングスキルを活かして貴社の〇〇のシステム開発に携わり、より多くの人にこの〇〇システムを使ってもらえるよう日々仕事に励み、新しいことを日々勉強し吸収していきたいと考えています。
デザイナー
私はデザインが好きでよくWebサイトのデザインなどを見て回っているのですが、その中でも〇〇のサイトの誰にでも伝わりやすい画期的なデザインに感銘を受けました。
そのサイトのデザインを手掛けているのが貴社であることを知り、この会社で私もWebデザイナーとして働きたいと強く思い応募させて頂きました。
私はWebデザイン技能検定の資格を取得しており、貴社での仕事に活かせると考えております。
入社後は今まで学んだスキルと貴社のデザインノウハウを積極的に学び、私が感銘を受けたようなデザインを作り出し活躍できるよう日々の業務に取り組みたいと考えております。
企画職
貴社の〇〇というサービスは全国的に高いシェア率を誇っているものの、地方ではまだサービスが届いていない場所があり、地方サービス拡充のためには各地で実演販売や現地に赴くイベントを行うことで社会貢献になると考えております。
私は大学時代に地方創生について学ぶゼミに所属しており、地方活性化アイデアコンテストで1位を取ったことがあります。
それに加え長期インターンシップではマーケティング事業に携わった経験があり、貴社で活かせると考えております。
私は何事にも積極的に行動できる性格です。
これらの特徴を活かし、いち早く貴社に貢献できる人材になりたいと考えております。
まとめ
ESの「入社後にしたいこと」は多くの学生が頭を悩ませる質問の一つです。
この質問の意味をよく理解した上で、書き方や注意すべきポイントに気を付けることでより良い内容になります。
あなたの就活の軸や長所なども上手く取り入れながら内容を構築することで、面接時に深掘りされても対応することができます。
最後の例文も参考にしながら最高のあなたの「入社後にしたいこと」を作りあげて下さいね。