はじめに
就職活動をしていると、「就活軸」という言葉を聞くことが多くなります。
この記事では「就活軸」とは一体何か、そもそもなぜ必要なのかを、就活生視点と企業視点で徹底的に解説をします。
また、理想的な就活軸を考える際のポイントについても詳しく解説をします。
就活軸って何?
まずは就活軸について説明します。
就活軸とは、自分の「譲れない条件」や「大切な価値観」、つまり「企業選びの基準」のことを指しています。
企業選びの基準なので、受ける企業を選択する際、志望動機を作成する際に必要になります。
就活軸がよくわからないと思う方は、料理と一緒だと考えてみてください。
例えば「カレーを作りたい」と決めると、必要な材料が明確になるため、どこに何を買いに行くかも明確になるはずです。
この作りたい料理に対して、絶対に必要な食材が就活軸ということです。
就活でも「将来どのような人材になりたい」という明確な目標があれば、その目標に対して必要なスキルや環境を理解することができ、それを軸として企業を選択することができ、ミスマッチを防ぐことができます。
だからこそ就活成功には就活軸がカギになるのです。
就活生にとって就活軸が必要な理由
就活生にとって就活軸が必要な理由を詳しく説明していきます。
なぜ必要なのか分からないまま設定してしまうと、就活がうまくいかなくなってしまう可能性が高いため、注意してください。
企業選びの基準だから
就活軸が必要な理由の1つ目は、就活軸が企業選びの基準になるからです。
新卒は約4万社の中から受ける企業を選択することができますが、就活軸が定まっていないとその多くの企業の中からどの企業を選ぶべきかわからないまま動くことになり、ミスマッチを起こす可能性が高くなります。
また、受ける企業の優先順位を定めることもできなくなってしまうため、就活が長引いてしまう可能性もあります。
実際に企業選びの基準がないまま選考を受けている就活生の方が通過率は低く、入社後も離職しやすい傾向にあります。
ただ興味や感覚で選考を受ける企業を選択するのではなく、絶対にぶれない基準を作ることが大切です。
志望動機を作成する際に必要だから
就活軸が必要な理由の2つ目は、志望動機を作成する際に必要となるからです。
志望動機には志望する根拠が必要になります。
その根拠になるのが就活軸です。
「○○が好きでその商材を扱っているから」は根拠にはなりません。
ただ企業の好きな理由を伝えるのではなく、その企業でなければいけない理由を伝えられるようになるために就活軸を定めましょう。
この根拠があることで企業へ志望度も伝わりやすくなり、通過率をあげることにも繋がります。
人事が就活軸を求める理由
人事が就活軸を求める理由について説明をします。
人事の質問は全て意図があるため、意図を理解したうえで就活軸の準備をしましょう。
就活レベルを確認するため
人事が就活生に就活軸を求める理由の1つ目は、就職活動に対してどれくらい力を入れて取り組めているか、自己分析は十分にできているかどうかを確認したいからです。
就活軸が明確ではない、あるいは曖昧な場合、就活生が自分自身のキャリアや価値観に真剣に向き合っていないのではと捉えます。
そうすると、「他に興味がある企業があったら志望度が変わるのではないか」「入社後の業務に対してもなんとなく取り組んでしまうのではないか」という印象を与えてしまう可能性があるため、注意が必要です。
会社の価値観と合っているかを確認するため
人事が就活生に就活軸を求める理由の2つ目は、価値観が会社の文化や理念と合致しているかを確認するためです。
もし応募者の軸と企業の価値観が合っていなければ、入社後にミスマッチが生じ、結果として早期退職に至ってしまう可能性もあり、互いにとって良い結果にはなりません。
例えば、応募者が年齢関係なく成長し裁量権を持ちたいと思っていることに対し、年功序列を採用している企業の場合、価値観の不一致から仕事へのモチベーションが低下してしまう可能性があります。
企業は就活軸を通じて就活生の価値観を深く理解し、互いのためにミスマッチが起こらないように見極めているのです。
就活軸はいつ作るべき?
ここからは就活の軸はいつ作り始めるべきかという事を解説します。
もちろん動き出すタイミングで一番最初に設定をしていることが一番ですが、就活のフェーズで就活軸があるべきポイント、考え直すべきポイントをパターン別で紹介します。
パターン1:就活を始めるとき
就活軸は就職活動を始める際に作成するのが最適です。
これにより、効率的に企業選びを進めることができ、自分の価値観やキャリア目標に合った企業を見極めやすくなります。
また、就活軸があると、求める条件に基づいて企業を選び、優先順位を明確に設定できるため、就活の各段階で計画的に取り組むことが可能です。
たとえば、どの業界やどのような職種に興味があるか、自分に合っているかを明確にしておくことで、説明会や選考の参加を選択する際にも効果的に時間を管理できます。
そうすると、学業や個人の時間とのバランスを保ちながら就活を進める事ができます。
パターン2:複数企業説明会に参加した後
就活軸を設定するタイミングとして、複数の企業説明会に参加した後に決める方法もあります。
特に、就職活動を始めたばかりで自分の希望が明確でない場合、さまざまな企業の情報を得ることで、自分に合った軸が見えてくることがあります。
ただし、この方法のリスクとして、企業のプレゼンテーションに影響されやすく、本来の自分の想いよりも外部の意見に左右されがちになる点が挙げられます。
そのため、説明会で得た情報を基に自己分析を深め、それを踏まえて就活軸を見直すことが重要です。
こうすることで、より自分に合った就職活動をする事が出来ます。
パターン3:面接で落ちることが続いたとき
面接で連続して落ちてしまう場合も、自分の就活軸を見直す良い機会です。
落ちることが多いときは単にガクチカや自己PR、志望動機を見直すだけではなく、自分のキャリア目標や価値観に基づいて適切な企業を受けているのかという根本から再考する必要があります。
なぜなら、連続して不合格になることは、自分が受けている企業の業界や職種が本当に自分に合っていない可能性も考えられるからです。
このタイミングで、自分自身に深く問い直し、より自分に合った業界や職種を見つけることが重要というわけです。
自分の興味関心を明確にし、それに基づいた企業選びをすることで、次の面接での成功につながる可能性が高まります。
パターン1の就活軸の考え方
パターン1の就活を開始する際に就活軸を考える際のポイントやコツについて解説します。
就活軸を考えるタイミングとしてはベストなので、今から本格的に就活準備を開始する方はぜひ参考にしてください。
過去分析を行う
まず自分の過去の経験を深く分析することから始めます。
具体的には、これまでに経験した活動の中で、特にやりがいを感じた瞬間、大きな達成感を得た時、逆に挫折感や不快感を覚えた時など、感情が大きく動いた出来事を振り返ります。
それぞれの瞬間に「なぜそのように感じたのか」を自問自答し、その原因を掘り下げてみることが重要です。
これを通じて、自分が何に価値を感じ、どのような環境や条件のもとで最も活躍できるかを明確にすることが出来ます。
得意不得意なことを考える
過去分析を行う中で、自分がどんな事が得意なのか、また逆に不得意な事は何かという点を深ぼって考えることが非常に大切です。
こうすることで、自分が得意なものをどう仕事へ活かせるのかという観点で就活の軸を決めていくことも可能となります。
また、不得意な事を明らかにすることで、向いていない業種や企業等を炙り出す事も出来ます。
未来分析を行う
就活軸を考える際には過去分析ではなく、未来分析が不可欠です。
これは、将来どのような社会人になりたいか、具体的なキャリアの目標や個人的なライフプランを考えます。
たとえば、将来的にはマネージメントの役職を目指すのか、独自の事業を立ち上げたいのか、あるいは職場での安定を重視するのかということを漠然と考えてみます。
また、プライベートでの目標も考慮に入れることが重要です。
どの年齢で何人の子供を持ちたいか、いつ家を購入するか、新しい車をいつ買い替えたいかなど、生活面での具体的な計画も設定することで、何歳までにどれくらい稼げる環境である必要があるのか、それはどういった環境でかなうのかを考えることができ、就活軸の作成に活かすことができます。
将来のビジョンから逆算をする
過去分析や未来分析から将来のビジョンを考えて、そのビジョンから逆算する方法もあります。
この方法では、まず長期的なキャリアの目標や理想のライフスタイルを明確に設定します。
その後、そのビジョンを実現するために現時点でどのようなスキルや経験が必要か、どの業界や職種が目標に適しているかを検討します。
例えば、国際ビジネスに関わりたいとした時、多言語能力や国際的な業界知識が必要です。
このように、自分の将来像を具体的に描き、現在何をすべきかを逆算して計画を立てることで、より目的意識を持った就職活動が出来ます。
パターン2の就活軸の考え方
ここからはパターン2の、何社か企業説明会に参加した後のタイミングで就活軸を考える際の観点をお伝えします。
複数の企業の説明を聞いた後なので、ある程度前提知識を持った上で軸を決められるメリットがあります。
魅力を感じたことを書き出す
まず、企業説明会などで感じた魅力を書き出す手法があります。
このようにリストアップをすることは、自分が何に価値を見いだし、どのような点に引かれるのかを整理し、理解するのに役立ちます。
具体的には、事業内容、提供されるサービス、企業の制度、社風、社員の人柄、給与構造など、様々な要素について書き出してみて下さい。
魅力に感じなかったことを書き出す
企業説明会で感じた不快点や魅力に感じなかった要素を書き出すことも重要です。
この作業は、自分がどのような環境や条件下では働きたくないかを明確にするために役立ちます。
書き出す際には、どの点が不満だったのか、なぜその要素が自分にとってマイナスと感じられたのかを正直に分析します。
例えば、社風が自由過ぎたり、逆に厳しすぎたり、給与体系が不透明だったりする点などがあります。
まとめる
最後に、企業説明会で感じた魅力的な点と魅力に感じなかった点を書き出し、それらを分類します。
次に、これらの要素の中から自分にとって最も重要な項目を選び、優先順位をつけます。
この優先順位を基にして、就活軸を明確に表現できるよう言葉に落とし込むことが重要です。
例えば、「チームワークを重視する環境で成長したい」等といった具体的な表現に落とし込む事で、就活軸が明確になります。
パターン3の就活軸の考え方
ここからはパターン3の、面接に失敗する事が続いてしまった際に就活軸を考える際の観点を解説します。
面接に落ちてしまうと気分も落ち込んでしまうと思いますが、就活軸を見直す良い機会と捉え直す事が大切です。
初心に戻り自己分析を行う
まず、自己PRやガクチカ志望動機を修正しようとするのではなく、改めて自己分析をし、自分がどんな価値観を持っているのかという事を再認識して下さい。
ポイントは初心に戻る事が重要で、面接に落ちる事が続いているというのは自己分析が正しく出来ておらず、ミスマッチした企業を受けている可能性があります。
受けた企業の特徴を書き出す
次に、自分が受けてきた企業がどんな業種や職種、社風の企業だったのかという事を出来るだけ沢山書き出してみて下さい。
また、その中で自分が特にどの点に魅力を感じて受けてみたいと思ったのか、その観点やポイントを書き出し、整理をする事で傾向等を掴む事が出来ます。
書き出した特徴に優先順位を決める
自分が受けた企業の特徴を一通り書き出したら、その特徴やポイントをまとめつつ、優先順位を割り振って下さい。
その優先順位と、改めてした自己分析の内容が合致しているかを確かめます。
これから受ける企業で合致している企業については優先順位を高くして対策したり、もしくは新しく企業を追加する等の対応をして下さい。
就活軸を作成する際のポイント
ここからは、就活の軸を作る際に意識すべきコツやポイントについて説明します。
これらの観点をしっかりと理解して就活軸を作ると企業からみても非常に魅力的な軸になるので、ぜひ参考にしてみて下さい。
深堀りされても答えられるようにする
まず大切な観点は、深掘りされてもしっかり答えられるように準備しておくことです。
就活軸について語ると、ほぼ確実に「なぜその軸を選んだのか」という質問がされます。
この質問に対して具体的かつ説得力のある回答ができるようにすることで、自己分析が十分に行われていると評価されます。
例えば、「チームワークを重視する理由」として、過去の具体的な経験やそこで得た教訓を語ることができれば、採用担当にも自己理解が深いと印象付けることができます。
一貫性を持たせるようにする
また、自分の発信する全ての要素に一貫性を持たせることが重要です。
これには、自己PR、志望動機、ガクチカ、将来のビジョン等が含まれますが、これら全てが互いに矛盾しないように整合性を保つ必要があります。
例えば、コミュニケーション能力を重視する軸であれば、チームでの経験や対人関係での成功体験を前面に出し、それがどのように将来のキャリアにつながるかを明確に示します。
一貫性を持たせることで、自分のキャリアプランが明確であると印象付けることができます。
複数作成する
就活軸を複数設定することは、自分の選択肢を広げ、企業選びにおける優先順位を明確にするのに役立ちます。
また、複数の軸を持つことで、各企業に対して「なぜこの会社でなければならないのか」という志望動機を具体的に伝えやすくなります。
これにより、面接官に対して自分が多角的な視点から企業を評価し、深く考えていることを示すことができます。
具体的に内容を考えること
就活軸を設定する際には、内容を具体的に考えることが重要です。
たとえば、「成長できる環境を求める」という軸がある場合、どのスキルや知識を伸ばしたいのか、具体的な成長の内容を明確にします。
デジタルマーケティングのスキルを高めたい、プロジェクトマネジメントの経験を積みたいなど、具体的に示すことで、軸がより明確で説得力のあるものになります。
また、具体的な内容を持たせることで、自分のキャリアに対する明確なビジョンが伝わり、差別化を図ることができます。
就活軸を作成する際の注意点
ここからは就活軸を作る際の注意すべき観点をいくつか紹介します。
下記の観点が少しでも入ってしまっている就活軸だと、ESや面接の場で伝えても企業からの印象が悪くなり、逆効果になりかねないので注意して下さい。
ネガティブな表現を使わない
まず、ネガティブな表現を避けることが重要です。
例えば、「静かな環境で作業したい」というのではなく「全員が目標に向けて集中できる環境があること」と表現することで、より建設的な印象を与える事が出来ます。
このように表現を工夫することで、企業に対して前向きで積極的な態度を示すことができ、就職活動において有利に進める事が出来ます。
ポジティブな言葉選びは、自分自身の価値を高め、より魅力的な候補者として映るために不可欠な要素です。
福利厚生を軸にしない
また、福利厚生を主な軸に設定しないことが望ましいです。
福利厚生だけを重視すると、企業の業務内容や文化、ビジョンに対する理解や関心が薄いと見なされがちです。
企業は候補者が仕事の内容や企業の目指す方向性に興味を持ち、貢献したいと考えているかを重視します。
そのため、福利厚生ではなく、キャリアの成長機会や企業の価値観との一致など、より中核となる要素を軸に設定することが重要です。
やりたいこと中心にしない
最後に、「やりたいこと」を中心にするのを避けることが大切です。
これが中心になると自己中心的で、変化に柔軟に対応できない人物と見なされるリスクがあります。
また、「やりたいことができない場合に退職するのでは」と疑われる可能性もあります。
このような懸念を避けるため、自身の目標と企業の利益がどのように連動するかを強調することが効果的です。
こうすることで、自己成長を望みつつも企業への貢献を考慮しているバランスの取れた志向を示すことができます。
自身にまつわる就活軸一覧
ここからは自分自身にまつわる就活軸にどんなものがあるのか、主な軸をいくつか紹介します。
自分が企業に入ってどのように働きたいか、どのようになりたいかという事は自己のキャリアにとって非常に重要な観点なので大切にして下さい。
自己成長できる環境
就活軸として「自己成長できる環境」を選ぶ場合、具体的な目標と期限を設定することが重要です。
例えば、「2年以内にマーケティングスキルを向上させて、主任級のプロジェクトを任されるレベルになりたい」といった明確な成長目標を示す事がコツです。
また、その成長が必要な理由も合わせて説明が必要で、「デジタルマーケティングの専門知識を身につけ、新たな事業展開に貢献したい」といったようにアピールします。
このように、具体的な成長プランとその必要性を明示することで、志望する企業の採用担当者に対し、自分の意欲と目標が明確であることを伝えることが可能となります。
スキルを得られる環境
就活軸に「スキルを得られる環境」を選ぶ際は、具体的にどのスキルを身につけたいかとその理由を明確に説明することが大切です。
例えば「プログラミングとデータ分析のスキルを深めたい。
理由としては、データドリブンな意思決定をサポートするビジネスアナリストを目指したいから」の様に伝えると効果的です。
さらに、そのスキルを活用して実現したい具体的な目標に言及することで、志望動機の具体性が増し、企業に対して熱意と職業に対する明確なキャリアビジョンを示すことができます。
このように、スキル取得の目的とそれを通じて達成したい事業やキャリアのゴールを結びつけることで、就活軸がより説得力を持つものになります。
役職者の近くで業務ができる環境
就活軸で「役職者の近くで業務ができる環境」を設定する場合は、その理由と具体的な目標を明確にすることが重要です。
「経営層の決定プロセスや戦略立案に直接関わりたい」「リーダーシップと意思決定のスキルを学び、将来的には経営戦略に貢献できるポジションを目指す」等、具体的に伝えます。
このように、役職者の近くで働きたい理由と、そこから得られる知見や経験が将来のキャリアプランにどのように役立つのか明確に伝えることが重要なポイントです。
こうすることで、役職者の近くで働きたいという自身の就活軸がより説得力を持ち、目的意識のあるものとして評価される可能性が高まります。
顧客から直接感謝をいただける環境
就活軸として「顧客から直接感謝をいただける環境」を設定する場合、特に販売職など顧客対応が直接的に発生するサービス職等で有効です。
また、この軸を選ぶ際は、顧客と直接関わり、その反応を直に感じることで満足感や達成感を得たいという意向を明確にすると企業にも伝わりやすくなります。
ただし、営業職でこの軸を使う場合は注意が必要です。
なぜなら営業職は顧客から拒否される事を頻繁に経験するため、感謝の言葉をもらえない状況にも対応できる精神的な強さや適応能力も同時にアピールすることが重要になるからです。
これにより、感謝をもらうことに依存しない、ストイックな姿勢も示すことができ、よりバランスの取れた人物像をアピールすることが可能になります。
事業内容にまつわる就活軸一覧
ここからは会社の事業内容に関連して設定する就活軸で代表的なものをいくつか紹介します。
事業内容をベースにした就活軸は適切にアピール出来れば、企業からの印象も良くなるチャンスなので、是非取り入れてみて下さい。
高額商材を扱っている環境
就活軸として「高額商材を扱っている環境」を選ぶ場合、その理由と、その商材が自身の成長にどのように寄与するかを明確に伝えることが重要です。
例えばですが、高額商材を扱うことで、重要なビジネス決定を行う顧客層と接点を持ち、その過程で得られる視点やネットワークが自分のビジネススキルに活かせる等があります。
また、大きな取引を成功させる経験は、責任感の強化や交渉能力の向上に繋がる場合も多々あります。
こういった点をアピールする事で、単に高額商材を扱いたいという浅い動機ではなく、具体的なキャリア成長の道筋を示すことができます。
高額商材を扱う事自体を目的にしていると思われないように注意を払う事が大切です。
無形商材を扱っている環境
就活軸に「無形商材を扱っている環境」を選ぶ際は、その環境が自身にとって何をもたらすかを明確に伝えることが重要です。
まず、無形商材は具体的な物がない中で顧客に価値を見出してもらう必要があるため、高度なコミュニケーション能力や説得力が求められます。
このようなスキルは、自分自身の社会的な人間力を高めることにつながり、より効果的なビジネスパーソンへと成長するためにも必要である事等をアピールすると効果的です。
こうした伝え方をする事で、無形商材の販売がどのようにして自身のキャリアの向上に寄与するかを具体的に示すことができ、好印象を与える可能性が高まります。
将来的価値が高い事業を扱っている環境
「将来的価値が高い事業を扱っている環境」を就活軸として選ぶ場合は、その事業が将来性を持っている理由と、自身がその事業から何を得たいかを具体的に説明することが効果的です。
例えばIT業界は、昨今のDX化やAI技術の進歩に伴って需要が拡大している事を挙げ、自分もその領域に関わり、大きな達成感を得たい事等を伝えると効果的です。
また、少子高齢化等の社会的な課題を受けて介護業界の需要が高まることを受け、社会貢献目的で自分もそれに携わりたい、等の理由も好印象です。
このように、具体的な事業内容と自己成長の目的をリンクさせることで、就活軸がより説得力を持つものになる可能性が高まるのです。
自身の頑張りによって収入があがる環境
就活軸として「自身の頑張りによって収入が上がる環境」を選択する際は、この環境が自分にとってなぜ魅力的かを明確にすることが重要です。
例えば「成果が収入に反映される環境で働くことに大きな動機を感じるのは、個々の努力や成果が明確に評価されることで、モチベーションが維持出来るから」等のように示します。
また、収入の増加は将来の安定や家族へのより良い生活提供に直結するので、そのために目標達成に向けて努力する意思表示をする事も効果的です。
これは、単に収入が上がることだけでなく、その背後にある価値観や目的を示す事が出来るので、お金目的だと思われるリスクが軽減します。
このように、収入を上げた結果、何に活かすのかを明確にする事がポイントです。
企業理念にまつわる就活軸一覧
ここからは企業理念に関連して就活軸を作る際のパターンをいくつか紹介します。
企業理念は企業が最も大切にしている考え方や事業を運営していくにあたって拠り所にしている方針なので、ここを軸にする事はポイントさえ抑えれば非常に有効です。
人々の幸せに向けて発展している環境
「人々の幸せに向けて発展している環境」を軸にする場合、なぜそのような環境が自分にとって魅力的であるかを明確に伝えることが大切です。
可能であれば自分が過去にボランティア活動に携わっていて、地域社会の問題解決に取り組んだ経験等があると説得力が増します。
その時、具体的な支援を通じて人々の生活が改善されることに大きなやりがいを感じた事等をアピールすると更に効果的です。
そして、こういった経験から、社会的な価値を生み出し続ける企業で働くことが自分にとって重要であり、このような環境を求めている事を強調して下さい。
こうする事で、自身の価値観と以前の経験がどのように連携しているかを示すことができ、説得力が倍増します。
社会貢献に向けて取り組んでいる環境
就活軸として「社会貢献に向けて取り組んでいる環境」を示す際は、その魅力と必要性を具体的に伝えることが重要です。
まず、社会貢献に興味を持った理由や背景を自分の過去の体験から具体的なエピソードで伝える事を意識して下さい。
例えば「大学時代に環境保護プロジェクトに参加して持続可能な開発の重要性を学び、ビジネスにおいても意識すべきだと感じた」等を明確に伝えます。
また、出来れば社会貢献をした結果、事業にはどういったメリットがあるのかも併せて言及した方がより良いです。
このように伝える事で、自身の経験と企業の目指す方向性が一致していることを明確に示すことができ、採用担当にも納得感と好意的な印象を与える事が出来ます。
挑戦を大切にしている環境
就活軸に「挑戦を大切にしている環境」を選ぶ場合、その魅力と目指す目標を具体的に説明することが重要です。
まず、なぜ挑戦をする事が重要なのかという点を明らかにします。
例えば「自分が所属していた大学での研究プロジェクトで、未知の問題に立ち向かい解決策を見出す過程で、高い成長実感を得られた」等のように自分の体験と紐づけます。
そしてそれがビジネスの世界でも重要な感覚で、自分が成長する事で事業の発展に繋がり、企業の利益に貢献する事になる事を強調すると効果的です。
ポイントは、自分の成長だけではなく、クライアントや自社に対してどんな良い影響があるのかという事をきちんと言語化して分かりやすく伝える事です。
直球で伝えてはいけない就活軸の言い換えの紹介
就活軸によっては、言い換えずにそのままで伝えてしまうと企業の人事にマイナスに捉えられてしまうリスクが高いものが存在します。
そこで、どのように言い換えて伝えれば好意的に受け止めてもらえるかという事を紹介します。
大手であることの言い換え
軸が大手であることを伝える場合、単にそのまま伝えるのではなく、その背後にある動機や価値を具体的に示すことが重要です。
大手を志望している就活生は多く存在するので、このまま伝えてしまうと差別化をする事が出来ません。
また、「大手ならどの企業でもいいのか」と採用担当に思われてしまう可能性もあるので、可能であれば言い換えをした方がリスクを軽減する事が出来ます。
何故大手が良いのか、改めて深ぼりの作業をしてみて下さい。
大手であることの言い換え表現
大手であることの言い換えの仕方ですが、大手であるがゆえに「事業の社会影響度が強い」等の観点で考えると良いので、その一例を紹介します。
- 社会貢献度合いが高い環境
- 高いビジネススキルを身につける事が出来る環境
海外で働ける環境であることの言い換え
海外で働くことを軸にするなら、単に「憧れ」ではなく、具体的な職務内容やキャリアプランを組み込んで伝えることが望ましいです。
そうしないと、もし少しでもきつい事や困難に直面した場合、すぐに挫折したり、諦めてしまうかもしれないと思われる場合があるからです。
なので、例えば「国際的なビジネス環境での業務を経験し、グローバルな市場での競争力を身につけたい」というようにアピールし、明確なキャリアビジョンを示すようにして下さい。
海外で働ける環境であることの言い換え表現
海外で働く環境に憧れる就活生は多いので、海外で働いた結果どうなりたいのかイメージ出来るように言い換えてみます。
- ビジネス的な語学力を高め、どんな環境でも通用する人材になりたい
- 様々なバックグラウンドの人と協働したい
福利厚生が充実していることの言い換え
福利厚生の充実を就活軸にする際は、仕事のやりがいや業務内容と結びつける形で言い換えることが重要です。
そうしないと、条件面だけをみて企業選びをしていると捉えられてしまい、企業からの印象が悪くなってしまう可能性が高まります。
福利厚生の充実は、「社員やその家族の生活を大事に考えている」事にも繋がるので、そこに着目してみると言い換え表現も見えてきます。
単に快適な労働条件を求めているのではないという点を明確に示す事が重要です。
福利厚生が充実していることの言い換え表現
福利厚生の充実は、自分やその家族の生活の幸福度に直接関わってくるので、その観点で言い換える事が可能です。
- 社員とその家族の生活を大切にしてくれる環境
- 長期雇用を前提とした職場環境
リモートワークであることの言い換え
リモートワークの環境を使用するのであれば、それがなぜ自分にとって重要なのかを明確にし、事業への貢献を強調すべきです。
そうでないと、ただ会社に来たくないのかと思われてしまったり、人と関わりたくないタイプなのかと思われてしまう恐れがあるからです。
したがって「リモートワークのような柔軟な働き方を通じて業務の効率や生産性を上げて企業に貢献したい」といったようにポジティブな理由をはっきりさせることが重要です。
リモートワークであることの言い換え表現
リモートワークを推奨している会社は効率的に働く事を重視していたり、社員の生活や事情を汲んでくれる柔軟性が高いとも言えます。
- 無駄を嫌い、効率的な働き方を推奨している環境
- 柔軟性が高く、社員想いの社風
勤務地が確定であることの言い換え
勤務地が決まっていることを軸として伝える際は、その理由を具体的かつポジティブに表現することが効果的です。
勤務地が変わらないということは、その地域に根ざした企業であり、地元への愛着や貢献意識が高いとも言えます。
よって、単に転勤を避けたいというネガティブな印象ではなく、地域への貢献と安定したキャリア構築を目指しているというポジティブな意図を強調することを推奨します。
勤務地が確定であることの言い換え表現
勤務地が確定しているという事は、その地域を大切に思い、貢献しようとする意識がある企業でもあります。
- 会社が所在している地域への貢献意識が高い
- 地元密着型の環境
残業が少ないことの言い換え
「残業の少なさ」については、言い換えて「ワークライフバランスを重視する理由」として伝えるのが望ましいです。
残業が少ないことばかりを強調してしまうと、働く意欲が極端に低いのではないかと疑われてしまうリスクがあります。
よって、単に労働時間を減らしたいというネガティブな印象ではなく、効率的な働き方と個人の成長を望むポジティブな意図を強調することがポイントです。
残業が少ないことの言い換え表現
残業が少ない、もしくは無いということは、業務効率が高い社員が多い環境であるとも考えられます。
- 短時間で成果を出す、業務生産性が高い社員が多い
- 業務効率化のノウハウが蓄積されている環境
研修制度がしっかりとあることの言い換え
「研修制度の充実」を軸にする場合、伝え方を意識しないと受身な人物であると見なされてしまうかもしれませんので、注意して下さい。
なので「自分は常に自己改善を求めるタイプで、新しいスキルを効率的に身につけ、それを実務で活かすことに大きな意欲を持っている」等、前向きであることを強調して下さい。
あくまでポイントは受動的ではなく、自主的な学習意欲の高さと、実務への貢献を示すことです。
研修制度がしっかりとあることの言い換え表現
研修制度が整っているという事は、汎用的なノウハウがあり、それを教えてくれる社員がいるということです。
- 学べるノウハウが多く、ビジネスマンとして成長できる環境
- 業務を教える仕組みが整っている環境
土日休みであることの言い換え
「土日休み」を軸にする際は、プライベートとのバランスを重視するポジティブな表現を使用する事がおすすめです。
仕事とプライベートのバランスを大切にし、両方で充実した時間を過ごすことが長期的なキャリアにおいて重要だと考えている、等のように土日休の意義をしっかり伝えます。
これは、単に休日を楽しみたいという意図ではなく、効率的な仕事への取り組みと健康的なライフスタイルを求めていることを強調しています。
また、BtoB企業での経験を積みたいという理由も十分通用します。
土日休みであることの言い換え表現
土日休みということは、対法人の業務内容をしている場合が多い等の特徴があります。
また、休暇の効率的な取得によるメリットにも言及できます。
- BtoBビジネスに関わる事で、ビジネスマンとしてのポータブルスキルを得たい
- 家族との休みで気分転換し、業務への意欲を高めたい
年間休日120日以上であることの言い換え
「年間休日120日以上」のように休みが多い事を軸とするなら、業務やキャリア的な観点でポジティブな側面を強調することが大切です。
そうしないと、すこしでもきつい状況になったらすぐ休んでしまったり、退職してしまうのではないかと採用担当に疑われてしまうからです。
したがって、単に休みたいという印象ではなく、生産性重視である点や、長期的なキャリアのために健康を維持するためのバランスを重視していることを伝える事がコツです。
年間休日120日以上であることの言い換え表現
年間休日が多く与えられるというのは、少ない営業日数の中でもしっかりと成果を出す意識を持つ社員が多く、そういった仕組みもあるという事です。
- 業務効率や生産性が高い職場環境
- 長時間労働=仕事をしているという意識がない環境
フレックス制であることの言い換え
「フレックス制」を就活軸にする際は、それが如何に自己成長や効率的な仕事の進め方に寄与するかを強調すると良いでしょう。
例えば、自分でうまく時間配分をしながら本業以外でビジネススキルの向上のためにスクールに行ったり、副業をする等が出来ます。
よって、ただ柔軟な勤務時間を求めているのではなく、その制度を有効活用して、本業で高いパフォーマンスを目指す意欲を示すことがポイントです。
フレックス制であることの言い換え表現
フレックスであることは、つまり働く時間が自由であるということです。
なので、空いた時間を副業にあてたり、自分のスキルを高めるために使えるメリットがあります。
- 本業以外の時間で自主的な学習時間を確保できる環境
- 業務管理能力の向上が出来る
上場していることの言い換え
上場を就活軸にする際は、自分のキャリア目標や成長意欲を強調して伝えると良いです。
上場しているということは具体的にそうではない会社と比較してどういった点が秀でているのか、それが自分にとってどう魅力的なのか明確に示す必要があります。
こういった観点が欠けてしまうと、上場をただのステータスとして認識しているように見えてしまい、キャリアプランが浅い人材という評価になってしまう可能性があります。
上場していることの言い換え表現
上場しているということは、社会的にも認められている立場で、資金繰りもしやすい環境なので、その分チャレンジングな新規事業等にも着手しやすいと言えます。
- 安定した利益があり、新たな挑戦がしやすい環境
- 社会的信用が高い
人間関係が良好なことの言い換え
「人間関係が良好」という軸を伝える際は、それによって自分が職場環境に求める価値を具体的に言い換えて表現すると印象が良くなります。
例として、「過去の経験から、オープンなコミュニケーションと相互尊重の文化がある環境は最も成長できると考えている」等、過去の体験と絡めるとより説得力が増します。
このように、単に人間関係が良いという曖昧な表現ではなく、具体的な働き方への志向と自身の経験に基づく合理的な理由を明確にする事が重要です。
人間関係が良好なことの言い換え表現
人間環境が良いと、上下関係や立場の関係なく、意見を言い合える環境であるとも言えますし、同じ目的意識を持って協働がしやすいです。
- 風通しが良く、何でも言い合える環境
- 同じ意志を持って仕事に取り組める
上司が優しいことの言い換え
「上司の優しさ」をそのまま就活軸として使うことは避けてください。
これはかなり不確定要素が強く、その上司が誰にでも優しいとは限りませんし、選考やOBOG訪問の際と、業務での性格が異なることは珍しい事ではありません。
なので、これを自分の就活の軸として伝えてくる就活生は企業から見てもふわっとしているという印象を持たれてしまいます。
なので上司が優しいということは、どういう職場なのか、どんなスキルを得ることが出来るのかという視点で考えてみることが大切です。
上司が優しいことの言い換え表現
先輩後輩問わずコミュニケーションが活発に行われている職場であれば、上司が優しいと言われる環境である可能性が高いです。
- 上下関係なく、コミュニケーションが活発
- 風通しが良く、意見が言い合える
私服勤務可能であることの言い換え
私服勤務可能であることを軸にすると、単純に職場の服装自由度を重視しているように受け取られがちです。
これでは自己中心的な印象を与えかねず、本質的な仕事内容や業務への熱意が見えにくいと評価されることがあります。
代わりに、クリエイティブな業務を求めていることや、裁量権があり、自由な発想を重視している点を強調する方が、より建設的で意欲的な姿勢として評価される場合が多いです。
私服勤務可能であることの言い換え表現
私服で働ける職場は、服装に限らず自分らしさを表現することが推奨されていることが多く、自由度も高いことが特徴です。
- 遠慮せず、自分らしさを出せる環境
- 裁量権が高く、自由に働ける環境
ネイルや髪型自由であることの言い換え
ネイルや髪型が自由であることを軸にすると、自身の外見へのこだわりを優先する姿勢と受け取られがちです。
これでは実際の業務内容やキャリアへの意欲よりも個人のライフスタイルを重視しているように見え、ビジネス的なプロ意識がないと思われる恐れがあります。
そうではなく、自己表現の自由を重視する職場環境を求めている点を伝え、創造的な思考や個性を活かしたい意向を表現すると、より建設的なイメージで伝えられます。
好きなものに携われることの言い換え
好きなものに携われることを就活の主軸としてそのまま伝えると、その興味がなくなったときや異なる業務に配属された際の対応に疑問を持たれる恐れがあります。
もしこの観点をアピールしたい場合は、それが仕事にどのように役立つか、またその興味が自分のキャリアや企業の発展へとどう繋がるかを強調すると良い印象を持たれます。
例として、「〇〇の商材に対する深い知識や情熱が顧客満足度に繋がる」など、好きなものを業務に生かす意欲を示す表現を用いることがおすすめです。
まとめ
今回は就活で企業も非常に着目している「就活軸」について、どのように考えて設定すればいいのかというコツやポイントを解説してきました。
就活軸の起点を自分にするのか、企業の事業内容にするのか、企業理念にするのかによってアピールすべき箇所や注意点が異なるので、是非意識するようにして下さい。
言い換え表現等も細かく紹介しているので、自分の就活軸と近いものがあればこれも参考にして、より企業に刺さる就活軸を作って、内定を勝ち取って下さい。