【例文5選】ゼネコン業界のガクチカってどんなものが評価される?書き方からポイントまで徹底解説

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伊東美奈
Digmedia監修者
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

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【ゼネコン業界のガクチカ】はじめに

ゼネコン業界を目指す皆さん、エントリーシートの準備は順調ですか。

「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」は、単に過去の栄光を自慢する場ではありません。

企業はあなたの経験を通じて、入社後に活躍できる人材かどうかを見極めようとしています。

特にゼネコン業界は、多くの関係者を巻き込み、巨大なプロジェクトを動かす特殊な環境です。

そのため、まずはゼネコン業界の特性を正しく理解することが、魅力的なガクチカを書くための第一歩となります。

自己分析を入念に行うことはもちろんですが、それ以上に業界分析を徹底し、「なぜ自分はゼネコン業界に向いているのか」を深く掘り下げてください。

業界が求める資質と自分の強みが重なる部分を見つけることで、自信を持ってアピールできるガクチカが完成します。

小手先のテクニックではなく、本質的な理解に基づいた準備が、あなたの熱意を採用担当者に届ける鍵となるのです。

【ゼネコン業界のガクチカ】ゼネコン業界に向いてる人の特徴

ゼネコン業界で働くには、特有の適性が必要です。

「建物が好き」という気持ちだけでは乗り越えられない壁もたくさんあります。

では、具体的にどのような人がこの業界で求められ、活躍できるのでしょうか。

ここでは、ゼネコン業界に向いている人の特徴を5つのポイントに分けて解説します。

これらを知ることで、あなたがガクチカでアピールすべき「自分の側面」が見えてくるはずです。

ぜひ、自分の経験と照らし合わせながら読み進めてください。

多くの人を巻き込む「チームワーク重視の人」

建設プロジェクトは、一人では決して成し遂げられません。

社内の設計、営業、施工管理だけでなく、協力会社の職人さんや近隣住民の方々など、立場や利害関係の異なる多くの人と協力する必要があります。

そのため、独りよがりではなく、周囲を巻き込んで物事を進められる人が非常に重宝されます。

学生時代にサークルやアルバイト、部活動などで、チーム全体の意見をまとめたり、異なる価値観を持つメンバーの間に入って調整役を担ったりした経験はありませんか。

そうした経験がある人は、多様な関係者が入り混じる建設現場でも、潤滑油となってプロジェクトを円滑に進めることができるため、ゼネコン業界に非常に向いていると言えます。

困難に立ち向かう「粘り強い人」

建設現場やプロジェクトの進行中には、悪天候による工期の遅れ、予期せぬ設計変更、近隣トラブルなど、想定外の事態が頻繁に発生します。

そんな時、すぐに諦めたり投げ出したりせず、泥臭く解決策を模索し続ける粘り強さが求められます。

また、施工管理職などは体力的なタフさも必要とされる場面が多いです。

学生時代に、スポーツで厳しい練習に耐え抜いた経験や、研究活動で失敗を繰り返しながらも成果が出るまでやり抜いた経験、あるいは困難な目標に対して長期的に努力を継続したエピソードを持っている人は評価されやすいです。

この業界では、華やかな竣工の瞬間の裏側に、地道で泥臭い努力の積み重ねがあることを理解し、タフに乗り越えられる人材が求められています。

年齢や立場を超えた「コミュニケーション能力が高い人」

「コミュニケーション能力」といっても、単に友達と楽しく話せるということではありません。

ゼネコンの現場では、自分の親や祖父母ほどの年齢のベテラン職人さんから、発注者である企業の役員クラスまで、幅広い年齢層や立場の人と対等に渡り合う必要があります。

時には厳しい言葉をかけられることもありますが、相手の懐に入り込み、信頼関係を築く力が必要です。

アルバイトで気難しい顧客に対応した経験や、ボランティア活動で地域の方々と交流した経験、あるいは部活動でOB・OGとの折衝を行った経験などは、この能力の証明になります。

相手の立場を尊重しつつ、伝えるべきことはしっかりと伝えられる対人折衝能力は、ゼネコンマンにとって必須の武器となります。

論理的に考え行動する「計画性のある人」

建設業は「段取り八分」と言われるほど、事前の計画が重要です。

工期を守り、予算内で高品質な建物を完成させるためには、先を見通して論理的にスケジュールを組み立てる力が欠かせません。

また、現場の安全管理においては、感情や勢いではなく、リスクを論理的に分析し対策を打つことが人命を守ることにつながります。

学生時代に、イベントの運営責任者として緻密なスケジュール管理を行った経験や、学業や研究において仮説検証を繰り返しながら計画的に物事を進めた経験は、実務に直結する能力として高く評価されます。

行き当たりばっばりではなく、常にゴールから逆算して行動できる人は、現場監督や設計者としての素質が十分にあります。

モノづくりへの「情熱を持っている人」

厳しい環境やプレッシャーの中でも仕事を続けられる最大の原動力は、「地図に残る仕事がしたい」「人々の暮らしを支える空間を作りたい」という純粋な情熱です。

どんなに能力が高くても、このモノづくりに対する熱い想いがなければ、長く活躍することは難しいでしょう。

自分が関わった建物が何十年も先に残り、多くの人に利用されることに喜びを感じられる感性が大切です。

建築学科の課題に寝食を忘れて没頭した経験や、DIYや創作活動で何かを作り上げる喜びに震えた経験、あるいは街歩きをしていて建物の構造やデザインに興味を持ち続けてきたことなど、モノづくりへの愛着やこだわりを語れる人は、面接官の心を動かすことができます。

【ゼネコン業界のガクチカ】学生時代に力を入れたこと

ゼネコン業界の特性や向いている人物像が理解できたところで、次はいよいよ「ガクチカ」そのものについて深掘りしていきましょう。

多くの就活生が「特別なエピソードがない」と悩みますが、企業が見ているのは経験の派手さではありません。

ここでは、ガクチカの定義を再確認し、よくある間違いや自己PRとの違いを整理することで、あなたの経験を最大限に輝かせる土台を作ります。

基本を正しく理解することが、選考突破への近道です。

ガクチカの定義

まず前提として、「ガクチカ」とは文字通り「学生時代に力を入れたこと」を指しますが、新卒採用の文脈においては、原則として「大学時代(または専門学生時代)」の経験を指します。

高校時代の部活動などをアピールしたい気持ちもわかりますが、大学卒業後の就職活動で高校時代の話をメインに据えるのは避けたほうが無難です。

なぜなら、「大学生活では何も成長していないのか?」とマイナスに捉えられるリスクがあるからです。

もちろん、コロナ禍で活動が制限され、思うような経験ができなかったという事情は採用担当者も十分に理解しています。

しかし、制限された環境の中でも、オンラインでの活動や資格取得、独自の趣味の研究など、工夫して取り組んだことは必ずあるはずです。

小さなことでも構わないので、直近の大学生活での主体的な行動を探してみましょう。

自己PRとの違い

エントリーシートや面接で必ず聞かれる「自己PR」と「ガクチカ」ですが、この二つの違いを明確に理解していないと、似たような内容を書いてしまい、アピールが弱くなってしまいます。

簡単に言うと、自己PRは「自分にはどんな能力(強み)があり、それを仕事でどう活かせるか」を伝える場です。

一方で、ガクチカは「物事に取り組む姿勢やプロセス、そこから得た学び」を通じて、あなたの「人柄」や「価値観」を伝える場です。

企業はガクチカを通して、「この学生は困難に直面した時どう考えるのか」「何をモチベーションに頑張れる人間なのか」を知りたいと考えています。

つまり、自己PRが「能力の提示」であるのに対し、ガクチカは「人間性の証明」であると捉え、それぞれの質問意図に沿った回答を準備することが重要です。

【ゼネコン業界のガクチカ】ゼネコン企業のガクチカ評価ポイント

ゼネコン企業の人事担当者は、数え切れないほどのガクチカに目を通しています。

その中で「お、この学生はウチに合いそうだ」と思わせるには、業界特有の評価ポイントを押さえておく必要があります。

ただ頑張ったことを書くのではなく、ゼネコンの業務内容をイメージさせるような要素を盛り込むことが大切です。

ここでは、ゼネコン企業が特に重視して評価している5つのポイントを紹介します。

これらを意識して構成を練ることで、説得力が格段に増します。

課題解決能力とプロセス

建設現場は生き物であり、図面通りに進まないことが日常茶飯事です。

そのため、発生した問題に対して「なぜそれが起きたのか」を冷静に分析し、具体的な解決策を講じて乗り越えた経験は高く評価されます。

単に「頑張って解決しました」という結果だけでなく、どのような思考プロセスを経てその対策を打ったのかという「過程」を詳細に書くことが重要です。

例えば、アルバイトで売上が低迷した際に、客層や時間帯別のデータを分析し、ターゲットを絞った施策を行って改善したといったエピソードは、論理的な課題解決能力があると判断されます。

ゼネコンでは、直感ではなく事実に基づいた判断が求められるため、このプロセスを明確に示すことがアピールになります。

チームでの協働経験

前述の通り、ゼネコンの仕事は完全なチームプレーです。

そのため、個人で黙々と成果を出した話よりも、組織やチームの中でどのような役割を果たし、どう貢献したかというエピソードの方が好まれます。

リーダーとしてチームを引っ張った経験はもちろん素晴らしいですが、必ずしもリーダーである必要はありません。

重要なのは、メンバーと協力して一つの目標に向かった事実です。

意見が対立した時にどう調整したか、モチベーションが下がっているメンバーにどう働きかけたか、自分自身の役割をどう認識して動いたか。

こうした「対人関係の中での行動」が具体的に描かれていると、入社後も現場のチームに馴染み、円滑に業務を遂行できる人材だと評価されます。

ストレス耐性とバイタリティ

ゼネコンの仕事は激務になることもあり、精神的・肉体的なタフさが求められます。

特に施工管理職は、工期前の繁忙期やトラブル対応などでプレッシャーがかかる場面も多いです。

そのため、厳しい環境や困難な状況でも逃げ出さずに立ち向かえる「ストレス耐性」や「バイタリティ」は重要な評価ポイントになります。

ガクチカの中で、高い壁にぶつかっても諦めずに継続した経験や、失敗を糧にして這い上がったエピソードがあれば、ぜひ盛り込みましょう。

「この学生なら、現場で辛いことがあっても辞めずに成長してくれそうだ」と思わせることができれば、内定に大きく近づきます。

ただし、単なる「根性論」ではなく、どのように気持ちを切り替えたかというメンタルコントロールの方法も併せて伝えるとより効果的です。

誠実さと責任感

建物は人々の命や財産を守るものであり、手抜き工事や不正は絶対に許されません。

そのため、ゼネコン社員には何よりも「誠実さ」と、最後までやり遂げる「責任感」が求められます。

派手な成果ではなくても、地味な作業をコツコツと続けたり、約束やルールを徹底して守ったりした経験は、信頼できる人物としての評価につながります。

例えば、部活動の会計係として1円単位の管理を徹底した話や、誰もやりたがらない裏方の仕事を責任を持って全うした話などは、ゼネコン業界では非常に好感度が高いです。

当たり前のことを当たり前に、誠実に実行できる人間性は、技術力以前に最も大切な資質として見られています。

安全に対する意識(リスク管理)

これは少し高度なポイントですが、建設業において「安全」は全てに優先される最重要事項です。

学生時代の経験の中で、リスクを予見して事前に対策を打った経験や、周囲の安全に配慮して行動したエピソードがあれば、業界適性が非常に高いと評価されます。

例えば、イベント運営で事故が起きないように動線を工夫したり、サークルの合宿で万が一のトラブルに備えて準備を徹底したりといった内容は、「安全意識が高い=現場を任せられる」という評価に直結します。

直接的に「安全」という言葉を使わなくても、「リスクを想定して行動できる」という側面をアピールすることは、他の業界志望者との大きな差別化要因になります。

【ゼネコン業界のガクチカ】評価されにくいガクチカ

せっかく良い経験をしていても、伝え方や視点がズレていると、ゼネコン業界では「ウケが悪い」ガクチカになってしまうことがあります。

一生懸命書いたのに評価されないのは悔しいですよね。

ここでは、一般的にゼネコン業界で評価されにくいガクチカの特徴を解説します。

これらを反面教師として、マイナスの印象を持たれるリスクを事前に回避しましょう。

自分の原稿がこれらに当てはまっていないか、チェックしてみてください。

成果や結果のみを強調している

「全国大会で優勝しました」「売上を2倍にしました」といった輝かしい結果は素晴らしいですが、それだけを強調しても評価にはつながりません。

採用担当者が知りたいのは「結果」そのものではなく、「その結果を出すために、あなたがどう考え、どう行動したか」という泥臭いプロセスです。

結果がすごくても、そこに至るまでの苦労や工夫が見えないと、「運が良かっただけではないか」「チームメイトが優秀だっただけではないか」と思われてしまいます。

ゼネコンの仕事はプロセス管理そのものです。

結果の自慢に終始せず、直面した課題や自分の行動の詳細に文字数を割くように意識してください。

再現性のある行動特性を示すことが重要です。

個人プレーの話ばかりになっている

「資格試験の勉強を一人で頑張りました」「趣味の絵画制作に没頭しました」といった、完全に一人で完結するエピソードばかりだと、ゼネコン業界では少し評価されにくい傾向があります。

もちろん、努力すること自体は尊いですが、前述の通りゼネコンは「チーム戦」が基本です。

個人プレーの話だけでは、「集団の中でうまくやっていけるのだろうか」「他人と協力して成果を出せるのだろうか」という懸念を抱かせてしまいます。

もし個人的な取り組みをテーマにする場合でも、周囲の人(友人、教授、家族など)とどのように関わったか、あるいはその経験をどう周囲に還元したかという視点を盛り込むなど、対人関係の要素を入れる工夫が必要です。

一貫性のない内容(「なんとなく」の行動)

「友達に誘われたから始めました」「なんとなく楽しそうだから続けました」といった、動機が受動的で目的意識が薄いエピソードは評価されにくいです。

ビジネスの現場では、すべての行動に目的と理由が求められます。

取り組みの目的や課題が不明確だと、「主体性がない」「思考停止で行動している」というネガティブな評価につながりかねません。

たとえきっかけは受動的だったとしても、「活動を続ける中で〇〇という目標を持った」「自分なりの課題を見つけて取り組んだ」というように、自分の意志で目的を設定し、一貫性を持って行動したストーリーに仕立てることが大切です。

なぜその行動をとったのか、その必然性を説明できるようにしましょう。

他の項目とずれている(一貫性の欠如)

選考では、ガクチカだけでなく、志望動機や自己PR、長所・短所など、すべての回答を総合的に見て人物像を判断しています。

例えば、自己PRで「協調性」をアピールしているのに、ガクチカで「独断で物事を進めて成果を出した話」を書いていては、矛盾が生じてしまいます。

また、志望動機で「チームでモノづくりがしたい」と言っているのに、ガクチカが「個人競技での孤独な努力」だけだと説得力が薄れます。

各項目の内容に一貫性を持たせ、「これが私という人間です」と芯を通して伝えることで、納得感と信頼感が生まれます。

「自己分析ができている」と評価されるためにも、提出書類全体での整合性を必ず確認してください。

【ゼネコン業界のガクチカ】基本的な構成

どんなに素晴らしいエピソードを持っていても、文章の構成がバラバラでは、その魅力は半減してしまいます。

特に論理的思考力を重視するゼネコン業界では、読みやすくロジカルな文章構成で作られているかどうかも評価の対象です。

ここでは、誰が読んでも理解しやすく、あなたの魅力が伝わる「王道の構成(フレームワーク)」を紹介します。

この流れに沿って書くことで、要点が整理され、説得力のあるガクチカになります。

1. 結論

ビジネス文書の鉄則である「結論ファースト」を徹底しましょう。

書き出しは必ず「私が学生時代に力を入れたことは、〇〇です」とズバリ言い切ってください。

最初にテーマを提示することで、読み手は「今から何の話が始まるのか」を理解して読み進めることができます。

ここで奇をてらった表現をする必要はありません。

簡潔かつ明瞭に、何について書くのかを宣言することが、読み手への配慮であり、分かりやすい文章の第一歩です。

2. 背景

次に、「なぜその活動に力を入れようと思ったのか」という動機や、当時の状況を説明します。

同じ「カフェのアルバイト」を題材にしていても、「接客スキルを磨きたかったから」なのか、「店舗の売上不足を解消したかったから」なのかによって、話の方向性は全く異なります。

あなたが何を感じ、何をモチベーションにして取り組み始めたのかという背景を記すことで、エピソードにオリジナリティと深みが生まれます。

この部分が、あなたの人柄を表す重要な要素になります。

3. 目的

その活動の中で、具体的に「どのような目標を掲げたのか」、そしてそこには「どのような課題(壁)があったのか」を記述します。

「全国大会出場を目指したが、部員のモチベーション差が課題だった」「作業効率化を目指したが、ミスの多発が課題だった」など、目指すべきゴールと現状のギャップを明確にしましょう。

課題が具体的で難易度が高いほど、後の解決策が光ります。

現状分析ができていることを示すパートでもあります。

4. 具体的な取り組み

ここがガクチカのメインパートです。

課題に対して、あなたが「主体的に」どう考え、どう行動したのかを書きます。

「チームで話し合った」だけでなく、「私から週1回のミーティングを提案し、〇〇について議論した」のように、自分の行動(Action)を中心に具体的に描写してください。

また、一つの施策だけでなく、試行錯誤した様子や、周囲をどう巻き込んだかという点も盛り込むと、ゼネコン業界で求められる「考動力」や「チームワーク」をアピールできます。

5. 結果

取り組みの結果、どうなったのかを記します。

定量的な成果(数字)があればベストですが、定性的な成果(周囲の変化、感謝の言葉など)でも構いません。

「目標を達成した」という事実だけでなく、「チームの雰囲気が良くなった」「後輩の育成システムが定着した」など、あなたの行動がもたらしたポジティブな影響を書きましょう。

結果はあくまで、あなたの努力の証明として添えるものです。

6. 学びと入社後の結び付け

最後に、その経験を通じて「何を学んだか」「どのような能力を身につけたか」をまとめ、それを「入社後にどう活かすか」で締めくくります。

「この経験で培った粘り強さを活かし、貴社の施工管理業務においても困難な現場を完遂させたい」といったように、企業の業務内容と自分の学びを接続させることで、採用担当者はあなたが活躍する姿をイメージしやすくなります。

ここまで書いて、初めて「採用したい人材」としてのガクチカが完成します。

PREP法は面接でも有効!

これまで紹介した構成は、基本的に「PREP法(Point:結論、Reason:理由、Example:具体例、Point:結論)」に基づいています。

この論理構成を頭に入れておくと、文章作成時だけでなく、面接での受け答えでも非常に役に立ちます。

面接は履歴書と違って推敲する時間がありません。

予期せぬ質問が来ても、「結論→理由→具体例→結論」の型で話す癖をつけておけば、焦らずに分かりやすく自分の考えを伝えることができます。

ガクチカ作成を通じて、この思考法を自分のものにしてしまいましょう。

【ゼネコン業界のガクチカ】職種別例文

ここまで解説したポイントを踏まえて、実際にゼネコン業界の職種別にガクチカの例文を作成しました。

施工管理、設計、営業、技術研究、事務と、それぞれの職種で求められる能力を意識した内容になっています。

これらをそのままコピーするのではなく、構成や言葉選びの参考にして、あなただけのエピソードに書き換えてみてください。

自分の志望職種以外の例文も、視点を変えるヒントになるはずです。

例文1. 施工管理職(リーダーシップと調整力)

私が学生時代に力を入れたのは、学園祭実行委員として、来場者数1万人規模のイベント運営を統括したことです。

当初、各部署の連携不足により準備が大幅に遅れ、開催が危ぶまれる状況でした。

私は「全員が納得して動ける体制づくり」が課題だと考え、週2回の全体会議を主催し、進捗の見える化を徹底しました。

また、意見が対立した際は、双方の妥協点を探るだけでなく、共通の目標である「来場者の笑顔」に立ち返るよう促し、粘り強く調整を行いました。

その結果、部署間の連携がスムーズになり、準備は予定通り完了。

当日は過去最高の来場者満足度を記録しました。

この経験から、多くの関係者を巻き込み、目標に向かって推進する調整力を学びました。

貴社の施工管理においても、現場の司令塔として円滑なプロジェクト進行に貢献したいと考えます。

例文2. 設計職(課題解決と創造性)

私は大学の設計課題において、「地域コミュニティの再生」をテーマにした複合施設の提案に注力しました。

現地調査を行う中で、住民同士の交流が希薄になっているという課題を発見しましたが、単に広場を作るだけでは利用されないと考えました。

そこで、住民へのヒアリングを重ね、潜在的なニーズであった「共同菜園」を中心とした動線計画を立案しました。

さらに、維持管理のコストや構造的な実現性についても、教授や専門家に意見を求め、現実的なプランに落とし込みました。

その結果、学内の設計コンペで最優秀賞を受賞することができました。

この経験から、独りよがりなデザインではなく、利用者の声に寄り添い、実現可能性まで考慮して形にする大切さを学びました。

貴社でも、顧客の想いを具現化する設計者として尽力します。

例文3. 営業職(信頼関係構築と粘り強さ)

私が力を入れたのは、訪問販売のアルバイトでエリアトップの成績を達成したことです。

当初は門前払いが続き、契約が全く取れない日々が続きました。

私は、商品知識の不足と、一方的な売り込みが原因だと分析しました。

そこで、まず自社商品を徹底的に勉強し直し、顧客のニーズを聞き出すヒアリング重視のスタイルに変更しました。

また、断られたお宅にも定期的に手書きの手紙を投函し、誠実な姿勢を示し続けました。

その結果、徐々に信頼を得られるようになり、「君だから契約する」と言っていただける機会が増え、半年後にはエリア1位の売上を記録しました。

この経験で、困難な状況でも諦めず、相手の立場に立って信頼関係を築く重要性を学びました。

貴社の営業職として、お客様と長く深い信頼関係を構築していきたいです。

例文4. 技術研究所・開発職(論理的思考と探究心)

私は大学院で、環境負荷低減コンクリートの研究に力を入れました。

実験では、強度が目標値に達しない失敗が100回以上続きました。

しかし、私は失敗をデータとして蓄積し、そこから原因を論理的に分析しました。

配合比率や養生温度などの変数を一つずつ検証し、仮説と検証のサイクルを粘り強く繰り返しました。

また、他分野の研究室とも意見交換を行い、多角的な視点を取り入れるよう努めました。

その結果、従来よりもCO2排出量を20%削減しつつ、必要な強度を確保できる新たな配合を発見し、学会で発表することができました。

この経験から、答えのない問いに対して論理的にアプローチし、粘り強く正解を導き出す姿勢を身につけました。

貴社の技術開発においても、次世代の建設技術の創出に貢献したいと考えます。

例文5. 事務系総合職(サポート力と改善意識)

私はテニスサークルの会計係として、慢性的な活動資金不足の解消に尽力しました。

当時のサークルは会費の未納が多く、また無駄な出費も散見され、合宿費の高騰を招いていました。

私は「誰もが参加しやすい環境を作りたい」と考え、まず過去3年分の収支を洗い出し、無駄な経費を削減しました。

同時に、会費の支払い期限を明確化し、スマホ決済を導入することで回収率を向上させる仕組みを作りました。

さらに、部員に対して収支報告を透明化し、協力を呼びかけました。

その結果、活動資金は安定し、合宿費を一人当たり5000円安くすることに成功しました。

この経験から、組織の課題を裏方として支え、仕組みを変えることで全体を良くするやりがいを学びました。

貴社の管理部門でも、現場が働きやすい環境づくりに貢献します。

【ゼネコン業界のガクチカ】まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

ゼネコン業界におけるガクチカの書き方について、イメージは湧いてきましたか?ゼネコン業界は、多くの人の情熱と技術が結集して、地図に残る巨大な構造物を作り上げる素晴らしい業界です。

だからこそ、そこで働く人には、チームワーク、粘り強さ、誠実さといった「人間力」が強く求められます。

あなたの学生時代の経験の中に、そうしたゼネコンマンとしての資質(原石)は必ず眠っています。

大切なのは、素晴らしい実績を並べることではなく、あなたがどんな課題に向き合い、どう考え、どう汗をかいたのかという「プロセス」を自分の言葉で伝えることです。

今日お伝えした構成やポイントを参考に、ぜひあなただけの熱いストーリーを書き上げてください。

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