
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
理系大学生のあなた!
「事務職」と聞いた時にどんな仕事を思い浮かべますか?
「毎日同じ仕事の繰り返しでラクそう」、「人としゃべらなくていいから気楽」などという偏ったイメージを持っている方もいるかもしれません。
本記事では、事務職について、その仕事内容から将来性まで解説します! 理系のあなたが事務職として働く際にオススメの業界や、事務職として働くメリット・デメリットなどもお伝えします。
本記事を読むことで、理系のあなたが事務職を目指す上で知っておきたい情報を全て手に入れることができると思うので、ぜひ最後までお読みください!
【理系から事務職】事務職とは?
事務職とは、企業や組織の運営を円滑に進めるために、裏方として重要な役割を担う職種です。
売上に直接関与しないものの、各部署が本来の業務に専念できるよう、情報の整理や環境整備を通じて組織全体の生産性を支える点で欠かせない存在です。
具体的な業務としては、書類作成、データの入力等といった情報管理、社内外との連絡調整、来客・電話対応などのコミュニケーション業務、出張手配や備品発注などの手続き業務、会議資料作成補助や経費精算などの業務支援、さらに郵便物の仕分けやオフィス整備などの庶務的作業まで多岐にわたります。
求められるスキルは、正確に物事を処理する力、効率的に業務を進める工夫、社内外と円滑にやり取りするコミュニケーション能力、そして突発的な事態に対応する柔軟性です。
理系で培った論理的思考やデータ処理能力、慎重に物事を進める姿勢は、事務職においても大きな強みになります。
種類
事務職には多くの種類があります。
一般事務は書類作成や電話・来客対応を中心とし、営業事務は営業のサポートを担当します。
経理事務は経理・会計・財務業務を担当し、人事事務は人事採用や給与管理を行います。
総務事務は社内環境の整備や備品管理を行い、秘書はスケジュール管理や上司のサポートを担当します。
これらの役割により、組織内のさまざまな業務が円滑に進行するので、事務職は企業や組織において非常に重要な職種です。
一般事務:幅広い事務業務を担う
営業事務:営業部門のサポートとして、見積書・請求書作成、受発注処理、顧客対応などを行う
経理事務:経費処理、会計ソフトへの入力、決算業務の補助など、財務に関する事務処理を行う
人事事務:採用、給与計算、社会保険手続き、労務管理など人事部門のサポートを行う
総務事務:備品管理、オフィス環境整備、組織全体の庶務的な業務を行う
医療事務:病院やクリニックなどで受付、会計、診療報酬請求などを行う。医療に関する知識や資格が役立つ
学校事務:大学や専門学校などで、学生対応、教員サポート、学費管理などを行う
法務事務:契約書作成・管理、法律相談対応の補助など、法務部門のサポートを行います、法律に関する知識が役立つ
貿易事務:輸出入に関する書類作成、通関手続き、海外との連絡など、貿易に関する事務処理を行う。語学力が求められる
IT事務:社内SEのサポート、ヘルプデスク、システム管理の補助など、IT関連の事務処理を行う。ITに関する知識が役立ちます
どの仕事もあまり表には出てきませんが、気持ちよく仕事ができるような環境を作るためには必要不可欠であると言えます。
書類がバラバラで必要な書類が全然見つからなかったり、
締め切りギリギリの重要書類が山積みの郵便物の中から発掘されるような職場では働きたくないですよね!
ここまで、事務職とはどういった職種で、具体的にどんな仕事をしているのかについてお伝えしました。
ここから、理系のあなたが事務職として働くメリットやデメリットついてご紹介します。
【理系から事務職】働くメリット・デメリット
理系大学生として学業・研究に励んできたあなたの中には、周りの友人がIT系などの専門的な仕事や工学系の技術的な仕事に就いているという人も多いと思います。
そんな中で、理系のあなたが事務職として働くことにどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
理系ならではの特徴が、事務職という仕事にどのように影響するのかについてご紹介します。
理系が事務職として働くメリット
まずは、理系のあなたが事務職として働く上で、考えられるメリットについてご紹介します。
理系のあなたの中には、数字や統計に強かったり、システム系の知識を持っていたり、物事を論理的に考えることができるといった強みを持っている方が多いと思います。
そういった強みを活かすことができると知ることで、事務職として働くことへの興味や自信がより大きくなることでしょう。
論理的思考力と問題解決能力
理系の学生は、研究や実験を通じて「仮説→検証→考察」というプロセスを繰り返し経験しています。
この過程で身につく論理的な思考力は、事務職で直面する業務の優先順位づけ、原因分析、業務改善などに役立ちます。
また、想定外のトラブルが発生した際にも、冷静に状況を整理し、根拠に基づいて解決策を立案・実行できるため、業務の効率化やトラブル対応において高い評価を得られる傾向があります。
複雑な業務フローの構造理解や改善にも理系的な視点が強みになります。
分析力とデータ処理能力
理系の学問では、実験や統計解析などを通じて大量のデータを扱う場面が多くあります。
その中で養われた「データを客観的に読み解く力」や「正確に処理するスキル」は、事務職でも即戦力となります。
例えば、売上データの集計や経費管理、顧客動向の分析など、数字を扱う業務においてミスを防ぎながらスピーディに処理する力は重宝されます。
Excelや各種システムを用いた作業にも抵抗が少なく、論理的な視点から業務効率化を提案できる点も大きなメリットです。
専門知識の活用
理系出身者は、化学、物理、情報、機械など特定分野における深い専門知識を持っています。
これらの知識は、特定の業界での事務職において強みとなります。
たとえば、医薬品業界では成分に関する知識、IT業界ではシステムやデータ構造への理解が役立ち、単なる事務作業にとどまらず、業務の本質的な理解に基づくサポートが可能になります。
専門性をもった事務職は部署間の橋渡し役としても貴重な存在となり、業務の質向上に大きく貢献できます。
精密さと正確性
理系の実験や研究においては、ミスが結果に直結するため、細部に注意を払いながら精密で正確な作業を繰り返す習慣が身についています。
この習慣は、ミスの許されない事務業務においても大きな強みとなります。
たとえば、経費精算や契約書類の作成、在庫管理などでは、わずかな入力ミスが大きなトラブルに発展する可能性があり、正確な作業が強く求められます。
理系出身者はこの点において高い信頼性を発揮し、ミスを防ぎつつ丁寧に業務を遂行できます。
新しい知識・技術への対応力
理系の学びは常に進化する科学技術に触れることが多く、新しい知識や技術を柔軟に吸収する姿勢が自然と身についています。
そのため、事務職で使用される新しい業務システムやITツール(たとえばERPやクラウドサービスなど)にも抵抗が少なく、短期間での習得が可能です。
また、業務改善の視点から新しいツール導入を提案したり、マニュアルを整備したりといった場面でも活躍が期待できます。
変化に対応できる柔軟性は、現代の事務職において重要な資質のひとつです。
理系が事務職として働くデメリット
次に、理系のあなたが事務職として働く上で、考えられるデメリットについてご紹介します。
デメリットの存在を知って終わってしまうのではなく、どうやったら改善することができるのかについても考えられると良いでしょう。
メリット・デメリット双方をしっかりと理解した上で事務職として働くかどうかを判断することで、後悔のない選択をすることができるはずです。
専門知識を直接活かせいない
理系出身者が大学や大学院で学んできた高度な専門知識や研究成果は、事務職の業務内容と直接的に結びつかないことが多くあります。
例えば、化学反応式やプログラミング、解析手法といったスキルは、書類作成や経費処理、電話応対といった業務ではあまり活用する場面がありません。
そのため、自身の学びや努力が活かされていないと感じ、仕事へのモチベーションが下がってしまう可能性もあります。
自分の専門性をどう間接的に活用していくかを考える必要がある点が、理系にとっての課題です。
ルーティンワークが多い
事務職の業務には、書類作成、データ入力、スケジュール管理などの定型的な作業が多く含まれます。
これらは日々の業務を支える上で不可欠ではあるものの、理系出身者にとっては「新しい知見を探究する」「仮説を立てて検証する」といった探求的・創造的な活動に比べ、刺激が少なく感じることがあります。
また、業務の幅が狭くなりやすく、自身の成長や達成感が感じにくいという声もあります。
創意工夫や改善提案の余地を見出すことで、やりがいを見出す必要があります。
キャリアパスのイメージがつきにくい
理系分野の専門職では、研究職、技術職、開発職など比較的明確なキャリアパスが描ける傾向がありますが、事務職では業務内容が多岐にわたり、昇進・異動の基準も職場によって異なるため、将来の姿をイメージしにくい場合があります。
特に、専門職としての経験を積むことに重きを置いていた理系出身者にとっては、業務の中で自分の市場価値がどう高まるのか見えにくく、不安を感じやすい傾向があります。
中長期的なキャリア設計には、自ら成長機会を掴みにいく姿勢が求められます。
給与水準が専門職と比べて低い
一般的に、事務職は営業職や専門技術職などと比較して給与水準がやや低く設定されていることが多く、特に専門性を活かして高収入を目指したいと考えていた理系出身者にとっては、ギャップを感じやすいポイントです。
大学院まで進学した場合、その学費や時間の投資に対するリターンが少ないと感じる可能性もあります。
また、評価制度が曖昧な職場では成果が給与に反映されにくいこともあるため、給与面での納得感を得るには、評価の仕組みやキャリア制度の整った企業を選ぶことが重要です。
周囲とのコミュニケーションの違いがある
理系出身者は論理的に物事を捉える傾向が強く、事実や根拠に基づいて話すことが多いため、感覚的・経験則的な判断が多い文系出身者との間で、意見のすれ違いや認識のズレが生じることがあります。
例えば、曖昧な指示に対して明確な根拠を求めすぎると、周囲から「融通が利かない」と受け取られる場合もあります。
一方で、チームとして業務を進める場面では、共通認識の形成や柔軟な対応が求められるため、コミュニケーションのスタイルに適応する意識が必要です。
多様な考え方を尊重し、調整力を磨くことが課題となります。
【理系から事務職】事務職の給料は?将来性はある?
理系から事務職を目指す場合「やっぱり理系の道に進んでおけばよかったかも」と後悔するようにならないか不安に思う方も多くいます。
そこで、実際の事務職の年収や将来性について解説するので、参考にしてください。
平均年収は約300万円
事務職の平均年収は約300万円とされていますが、これは業界、企業規模、地域、経験年数などによって大きく異なります。
新卒や未経験で就職する場合は、年収250万〜280万円程度からスタートすることが多く、経験を積むことで徐々に昇給していく傾向があります。
また、経理・人事・法務・IT事務など専門性の高い事務職は、スキルによっては年収400万円以上も可能です。
理系出身者の場合、データ分析スキルやITスキルを活かすことで、一般的な事務職よりも高い給与水準を目指せる可能性があります。
事務職の仕事はなくならない?
AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の普及により、データ入力や定型業務は自動化が進んでいます。
しかし、すべての事務作業が機械やAIになってしまうわけではありません。
業務の全体像を理解し、複数の関係者と調整を行いながらタスクを進めるといった人間的な対応が求められる場面は今後も残ります。
理系出身者の場合は、論理的思考力や分析力、業務の最適化を図る力を活かして、業務効率の改善や新たな仕組みの導入といった上流工程に関わるチャンスもあります。
さらに、ITや語学といった分野のスキルを組み合わせることで、汎用的な事務職からより専門的なポジションへのステップアップも可能です。
今後も残る事務とは
自動化が進む中でも、すべての事務業務が機械に置き換えられるわけではありません。
今後も人間による判断や対話が求められる領域は多く存在します。
たとえば、クレーム対応や重要な来客応対など対人関係を伴う業務、複数部門と連携しながら進める調整業務、あるいは法務・経理・システム導入など、専門的な知識を要する業務は今後も継続して求められます。
理系出身者であれば、システム理解や業務プロセスの設計力を活かして、ITやDXに関わる事務業務に携わることもできます。
日常的なルーチンだけでなく、仕組みそのものを作り出す・改善する視点を持つことが、今後の事務職において重要です。
【理系から事務職】理系から事務職を目指すときの注意点
ここからは理系から事務職を志望する場合に気を付けておいたほうがいいことについて解説します。
以下の注意点は最低限全て網羅していないと、内定をもらえる可能性がかなり低くなってしまうので
よく意識しておいてください。
明確な志望動機
理系から事務職を目指す場合、特に重要なのは明確な志望動機です。
単に研究職が合わない、技術職が合わないという理由だけではなく、事務職のどのような点に魅力を感じるのか、どのような貢献をしたいのかを明確にすることが重要です。
「なぜ事務職を選びたいのか」「事務職でどんな成果を得たいのか」「企業にどう貢献できるか」を明確に伝えることが求められます。
理系のバックグラウンドを持つことで、問題解決能力や分析力を活かせる点を強調し、他の応募者との差別化を図ることがポイントです。
採用担当者が納得できるような具体的な志望動機を用意することが大切です。
志望動機の書き方は以下の記事を参考にしてみてください。
事務職に必要なスキルを習得する
事務職を目指す上では、まず基本的なパソコンスキルの習得が欠かせません。
具体的には、Wordでの文書作成、Excelでのデータ整理や関数活用、PowerPointでの資料作成といった実務的なスキルが求められます。
さらに、業務の正確さや効率性を高めるためには、簿記の知識やTOEICなどの語学資格があると評価が上がりやすいです。
また、社内外との連携をスムーズに行うために、ビジネスの場で必用な報連相の習慣を身につけておくことが非常に重要です。
自己分析を行う
理系から事務職を目指す際は、自己分析が欠かせません。
自分が得意とするスキルや適性を把握し、それを事務職でどう活かすかを考えることが重要です。
理系の強みである分析力、コンピュータースキル、注意深さ、ストレス耐性、課題解決力を
どのように事務職に活かすかを明確することを心掛けてください。
自己分析を通じて自分に合った仕事を見つけることで、モチベーションを維持し、仕事に対する満足度を高めることができます。
自己分析のやり方は以下の記事を参考にしてみてください。
業界・企業研究を行う
事務職はほぼすべての業界・企業に存在する職種であるため、自分に合った就職先を見極めるには、徹底した業界・企業研究が必要です。
例えば、製造業の事務では生産管理や在庫管理が多く、商社では貿易事務などの専門性が求められる場合があります。
また、企業によって事務職の役割やキャリア形成の支援体制、残業の有無、働き方(在宅勤務の可否など)が異なるため、自身の価値観やライフスタイルに合った企業選びが大切です。
キャリアパスを意識する
事務職は「サポート業務」として見られがちですが、長期的に見れば多様なキャリアパスが存在します。
入社後はまず業務の正確な遂行を通じて信頼を築き、その後はリーダー職や総務・経理・人事などの専門部門への異動、あるいは業務改善や企画への関与など、ステップアップのチャンスがあります。
また、業務フローの改善やITツールの導入などを通じて、社内での重要な役割を担うことも可能です。
将来的にどのような事務職を目指すのか、専門性を高めていきたいのか、管理職としてマネジメントに関わりたいのかなど、具体的な目標を持つことがキャリアの指針となります。
【理系から事務職】事務職として働く理系にオススメの業界
先ほどお話したように、業界によっては扱う情報が科学的な場合があり、理系の知識を持っている人の方が、そうでない人よりも効率的に仕事をこなすことができます。
事務職の全容がわかってきたところで、もしかすると、事務職として働きたいという気持ちが強くなってきた人もいるかもしれません。
そこで、事務職として理系出身者を求めている業界をいくつかご紹介します。
医薬品・化粧品メーカー
医薬品や化粧品は、製品を一つ作るのにも、生物学や化学の知識、人体に与える影響を判断する医学や薬学の知識など、幅広い分野の知識が使用されています。
これらは人体に直接影響を与える製品であるため、その成分が本当に有効なのか、危険性はないのか、といった部分の科学的根拠がかなり厳格に規定されています。
そのため、国に提出しなければならない基礎研究および臨床試験のデータは膨大で、そのデータの収集、精査・分析には同じく幅広い分野の知識が必要とされます。
そのため、理系のあなたの高度な知識を活かすことができます。
大学・研究機関
研究者が研究のみに注力できる環境を整えることを目的として、事務作業や情報収集など研究に関する業務全般を請け負う、URA(University Research Administrator)という職種があります。
例えば、論文投稿の手続き、研究に関する広報活動、研究室の安全管理、共同研究者等との情報共有・会議資料の作成などの業務を行っています。
この職種は、研究室に所属した経験のある理系のあなたがまさに力を発揮できる職種といえるでしょう。
化学メーカー
製品を製造する段階で、人体に有害な化学物質を使用する際には、その物質の詳細情報を国に提出しなければならないと定められています。
国に書類を提出する際には、必要項目を漏れなく正確に記入しなければなりません。
そのため、大学で化学を専攻していたり、専攻していなくてもある程度の化学に関する知見のある理系のあなたであれば、活躍できるチャンスがあるでしょう。
食品メーカー
私たちが普段目にする食品のパッケージには、原材料や栄養成分などが必ず表示されていると思います。
食品表示は、法律で定められた要件を満たすように表示する必要がありますが、何よりも重要なのは、表示する内容が正確であることです。
商品名などの基本情報をはじめ、原産国やアレルギー、遺伝子組み換えに関する情報、栄養表示・添加物や調味料など情報が必要とされており、
表示する情報を精査するために、栄養学や化学の知識を活かすことができます。
まとめ
事務職という働き方は、理系のあなたも存分にその強みを発揮できるということを理解していただけたかと思います。
今後は、事務職に限らず、従来は文系の仕事と思われていた領域に理系出身者が進出し、その専門性を武器に成功を掴み取る機会がさらに増えるのではないかと考えています。
そんな社会の中で最も重要なのは、自分に合う職種・働き方を見つけることです。
自己分析や業界・企業研究に力を入れ、ベストな就職先を見つけましょう。
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