
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
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そもそも「私服でお越しください」の意味とは?
就職活動の面接において、企業から「私服でお越しください」と言われたとき、多くの新卒の方が「何を着て行けばいいのか」と戸惑うのではないでしょうか。
スーツが定番と思われがちな中、この一言はとても迷いやすい表現です。
実際のところ、「私服でお越しください」という案内は、文字通りの“私服”で問題ないというわけではありません。
企業側は応募者のファッションセンスや個性を見ているだけではなく、ビジネスシーンにふさわしい身だしなみができるかという社会人としての基本姿勢を確認しようとしています。
「スーツじゃなくていいの?」という新卒の疑問
多くの学生が抱く疑問のひとつが、「私服指定と言われたけれど、スーツで行った方が無難なのでは?」というものです。
長い就職活動の中で、スーツを着慣れている新卒の方にとって、急に「私服」と言われると不安になるのも無理はありません。
しかし、私服指定がされた場合、あえてスーツを着て行くことで「指示を理解できていない」「柔軟性がない」といったネガティブな印象を与えてしまうことがあります。
これは企業のカルチャーや業種によっても異なりますが、多くの場合、スーツは“正解”とは限らないのです。
大切なのは、「その企業がなぜ私服指定にしているのか」を理解し、それに合わせた服装を選ぶ姿勢です。
企業研究とTPOをわきまえる力が試されていると考えましょう。
実は“自由”ではなく“判断力”が見られている
「私服でお越しください」と言われたからといって、完全に自由な格好でいいという意味ではありません。
この指示の背景には、応募者がどの程度TPOをわきまえているか、場に応じた服装を選べるかといった判断力を見極める意図があります。
特に新卒採用では、社会経験のない学生が、どれだけ社会人としての常識を身につけているかが重要な評価ポイントになります。
言われた通りにただ「好きな服」を着るのではなく、「ビジネスの場面にふさわしい私服」を選べるかどうかが、評価につながります。
企業側はその選択を通じて、あなたがどれだけ相手の立場や状況を考えられる人物なのかを見ているのです。
Tシャツ・ジーンズでは絶対にNG!
「私服OK」と言われると、普段の服装でいいのではないかと考えてしまうかもしれませんが、就職面接はあくまでも“ビジネスの場”です。
どれだけ自由な社風の企業であっても、Tシャツやジーンズ、スニーカーなどのカジュアルすぎる格好は適していません。
私服指定=普段着ではなく、社会人としてのマナーと常識をもった上での“ビジネスカジュアル”が求められています。
就活生にとっては少し曖昧に感じるかもしれませんが、「清潔感」「落ち着き」「相手に不快感を与えない服装」を意識することが大前提です。
選ぶ服は、あなたの印象を大きく左右します。
どんなに話が上手でも、第一印象がマイナスではチャンスを失いかねません。
だからこそ、服装においても“ビジネスの一環”という意識を持つことが大切なのです。
企業が私服を指定する3つの理由
「私服でお越しください」と案内する企業には、それぞれ明確な意図があります。
単に服装の自由を与えているわけではなく、応募者の考え方や価値観、適応力を見極めるための一つの手段として“私服指定”を活用しているのです。
ここでは、企業が私服を指定する代表的な3つの理由について詳しく解説します。
社風に合うかを見ている
企業にとって、どんなにスキルが高くても、自社の文化や考え方にフィットしない人材は長く活躍しにくいと考えられています。
そのため、面接では「この人はうちの雰囲気に合うだろうか?」という点が常に見られています。
私服での面接は、応募者の素の姿や自然な感覚を引き出しやすいため、服装やその選び方から「この人は当社の社員と一緒に働くイメージが持てるかどうか」を判断する手段にもなります。
つまり、見た目や装いから、企業との相性を測っているというわけです。
特にベンチャー企業やクリエイティブ業界などでは、社員の多様性や自由な風土を重視するケースが多く、そうした職場に溶け込めるかどうかを服装から読み取ることも珍しくありません。
常識やTPO感覚を確認したい
もうひとつの理由として、「TPOをわきまえた服装選びができるか」という点が挙げられます。
社会人としての常識が備わっているかを確認する上で、服装は非常にわかりやすい判断材料となります。
例えば、「私服」と言われて本当にプライベート感全開の服で来てしまう場合、ビジネスマナーの基本が身についていないと判断されてしまうかもしれません。
逆に、オフィスカジュアルを意識し、清潔感と落ち着きを感じさせる服装を選べていれば、TPOの理解があると好印象を持たれる可能性が高くなります。
特に新卒の場合は社会経験がないため、服装の選び方ひとつでもその人の判断力や想像力、社会人としての基礎力が見られていることを意識する必要があります。
緊張を和らげるための配慮
企業が私服を指定するもう一つの背景には、応募者の緊張を少しでも和らげたいという思いがあります。
とくに新卒の学生にとって、初めての面接はどうしても緊張してしまうもの。
普段着慣れていないスーツを着て、かしこまった雰囲気の中で話すのは、それだけでも大きなプレッシャーとなります。
そこで企業側が私服を許可することで、「あまり構えずに、自然体で来てほしい」というメッセージを伝えているケースがあります。
リラックスした状態で面接に臨んでもらうことで、応募者の本来の人柄やコミュニケーション力を正しく評価したいという意図があるのです。
このように、私服指定には応募者への心理的な配慮も含まれており、決して“見た目だけ”を評価しているわけではないことを理解しておくことが大切です。
「私服で面接」=何を着ればいいの?新卒向け基本ルール
「私服でお越しください」と言われたときに最も困るのが、具体的にどのような服装を選べばいいのかという点です。
新卒の方にとっては、私服でビジネスの場に出向く経験がほとんどないため、判断に迷うのは当然です。
私服といっても、完全な普段着ではなく、社会人としてのマナーを備えた装いが求められています。
このような場面での最適解となるのが「オフィスカジュアル」という服装スタイルです。
ここでは、新卒が知っておくべき基本ルールとNG例について解説します。
基本は「オフィスカジュアル」が正解
私服面接で最も無難かつ好印象を与えられるスタイルは、オフィスカジュアルです。
これはスーツほどかっちりしていないものの、ビジネスの場にふさわしい適度なきちんと感を保った服装のことを指します。
オフィスカジュアルは、面接官に対して「TPOを理解している」「社会人としての感覚がある」といった印象を与えやすく、新卒の就職活動においては最も安全な選択肢のひとつです。
カジュアルすぎず、かといって堅苦しくなりすぎないバランスが大切です。
企業によって雰囲気や基準が異なるため、事前に会社のWebサイトやSNSなどを確認し、社員の服装傾向を調べて参考にすることも有効です。
オフィスカジュアルとは?新卒にもわかる基準
オフィスカジュアルの定義は少し曖昧に感じるかもしれませんが、「清潔感」「落ち着いた色合い」「派手すぎないデザイン」が基本となります。
男性であれば、シャツにジャケットを羽織り、チノパンやスラックスを合わせるスタイルが一般的です。
女性の場合は、ブラウスにカーディガンやジャケットを合わせ、スカートやパンツを選ぶのが定番です。
新卒にとって重要なのは、「この服装で会社の来客対応ができるかどうか」を一つの判断基準にすることです。
学校帰りの私服とは異なり、社会人として誰に見られても恥ずかしくない身だしなみが求められます。
また、オフィスカジュアルでは、服の状態にも気を配ることが必要です。
シワがないか、汚れがないか、全体のバランスが整っているかを確認し、身だしなみに自信を持って面接に臨みましょう。
やってはいけないNGコーデ例
面接時の服装で最も避けるべきなのは、相手に「社会人としての意識が足りない」と思われるスタイルです。
特に新卒の面接では、初対面の印象が非常に大きな影響を持つため、服装の選択を誤ると、どれだけ面接の内容が良くてもマイナス評価になってしまう可能性があります。
面接の場にそぐわない服装には共通する特徴があり、それらを避けることが好印象への第一歩です。
ここでは代表的なNGコーディネートの例を解説します。
ラフすぎる服装(Tシャツ、スウェット、ジーンズなど)
「私服」と聞いてすぐに思い浮かぶのがTシャツやジーンズ、スウェットといったカジュアルな服かもしれません。
ですが、これらはあくまでプライベートで着るものであり、ビジネスの場にはふさわしくありません。
特にTシャツやスウェットは、どれだけ高級なブランド品であっても面接の場では“だらしない印象”を与えてしまう恐れがあります。
また、ジーンズも形や色によってはスマートに見えることもありますが、基本的には避けた方が無難です。
企業側は「社会人としての基本ができているか」を見ているため、こうしたラフな服装を選ぶことで「場の空気が読めない人」という評価をされてしまうリスクがあります。
派手な色・柄、小物使いが過剰なもの
面接において、自分らしさを表現しようと派手な色や大きな柄の服、小物を多用してしまうケースもあります。
しかし、採用担当者が見ているのは“ビジネスの場にふさわしいセンス”であり、過剰なファッション性はかえって逆効果になることがあります。
原色やネオンカラー、奇抜な柄物は視覚的に強すぎて、面接官の集中を妨げる恐れがあります。
また、アクセサリーや時計、バッグなどの小物も、主張が強すぎるものは避けるのがベターです。
大切なのは、全体として「落ち着き」と「清潔感」があるかどうかです。
あくまで面接の主役はあなた自身であり、服や持ち物が目立ちすぎてしまっては本末転倒です。
自分の魅力を自然に引き立てる服装選びを意識しましょう。
【男女別】おすすめ私服コーディネート例(画像・図解があると理想)
「私服でお越しください」と言われたとき、最も困るのが「具体的に何を着ればよいのか」という点です。
ここでは、特に新卒が面接で好印象を与えることができるオフィスカジュアルのコーディネートを、男女別に具体的にご紹介します。
実際に服を選ぶ際のイメージが湧くよう、できるだけ詳細に解説しています。
男性のコーデ例
男性の私服面接では、カジュアルすぎず、かといってスーツのように堅すぎない、スマートな印象の服装が求められます。
爽やかで清潔感がありつつ、きちんとした印象を持たれるスタイルが理想です。
シャツ+ジャケット+チノパン+革靴など
トップスには白や淡いブルーなどの無地シャツを選び、その上にジャケットを羽織ることでフォーマルさを保ちつつ、カジュアルダウンした雰囲気を演出できます。
ジャケットはテーラードタイプのものが適しており、カラーはネイビーやグレー、ブラックなどの落ち着いた色合いが無難です。
ボトムスにはチノパンかスラックスを選ぶのが基本です。
スリムで丈感の整ったパンツを選ぶことで、全体のシルエットが引き締まり、清潔感が際立ちます。
足元には黒や茶色の革靴を合わせ、ビジネスシーンでも違和感のないスタイルを完成させましょう。
この組み合わせは、どの業種でも幅広く通用する万能スタイルであり、新卒の就職活動において安心して選べる服装のひとつです。
バッグはシンプルなトートまたは手提げタイプ
面接に持参するバッグも重要な要素のひとつです。
男性の場合、リュックはカジュアルすぎる印象を与えてしまうため避けた方がよいでしょう。
代わりにおすすめなのが、書類やノートPCが収納できるサイズのシンプルなトートバッグや、ハンドル付きの手提げバッグです。
素材はナイロンやレザーなど、ビジネスシーンに合った質感のものを選ぶと、服装との統一感が出て全体の印象が整います。
カラーは黒、ネイビー、グレーなど、落ち着いたトーンを選ぶことで誠実さを演出できます。
バッグの中身も整理整頓を心がけ、必要な書類や筆記用具をスマートに取り出せるよう準備しておくと、面接中の立ち振る舞いにも良い影響を与えるでしょう。
女性のコーデ例
女性の私服面接では、柔らかく清楚な印象を持たれることが大切です。
オフィスカジュアルを意識しながら、自分らしさをほどよく取り入れたスタイルを目指しましょう。
ブラウス+ジャケット+膝丈スカート or パンツ
トップスには白やベージュなどの明るい色味のブラウスを選ぶことで、顔周りが華やかに見え、印象も柔らかくなります。
上にジャケットを羽織ることで、清潔感ときちんと感を加えられます。
ジャケットはネイビーやグレーなどの落ち着いた色が定番ですが、企業によってはベージュなどの柔らかい色味も好印象です。
ボトムスは膝丈のスカートか、細身のパンツを選びましょう。
スカートの場合は丈が短すぎず、動いても安心できるものを選ぶことが大切です。
パンツスタイルを選ぶ場合は、シルエットがきれいに見えるデザインを意識し、だらしなく見えないようサイズ感にも注意しましょう。
この組み合わせは、多くの業種において“きちんと感”を表現できる安心のコーディネートです。
パンプス+落ち着いた色味のバッグ
靴選びにおいては、ヒールが高すぎないパンプスが基本です。
ヒールの高さは3〜5cm程度が理想で、歩きやすさとフォーマルさを兼ね備えています。
カラーは黒、ネイビー、ベージュなど、コーディネート全体に調和する落ち着いた色を選びましょう。
バッグはA4サイズの書類がしっかり入るトートバッグや、手持ち型のバッグが適しています。
バッグの形は自立できるものを選ぶことで、面接の際に床に置いてもきれいに見えるためおすすめです。
小さすぎたりカジュアル感が強いバッグは避け、服装と同様にビジネス感を意識した選び方をすることで、全体のバランスが整います。
派手すぎず、落ち着いた印象のある小物選びが、好印象につながります。
「私服可・服装自由・私服でお越しください」の違いとは?
企業から送られてくる面接の案内文の中で、「私服でお越しください」「服装自由」「私服可」などの表現に出会うことがあります。
一見似ているようで実は意味が微妙に異なるこれらの言葉に、戸惑う新卒の方は少なくありません。
面接では第一印象が非常に重要であり、服装の選択はその印象を大きく左右します。
したがって、表現の意図を正しく理解し、それにふさわしい服装を選ぶことが大切です。
ここでは、これら3つの言い回しについて、新卒が安心して面接に臨めるように解説します。
新卒が混乱しやすい表現別の意味と対応策
似ているように見えて、それぞれの言葉には異なるニュアンスと意図があります。
どの表現も「スーツでなくても構わない」という共通点はあるものの、その裏にある企業の意図を読み取ることが求められます。
誤った解釈で服装を選んでしまうと、「空気が読めない」「TPOをわきまえられない」といった印象を与えてしまう可能性もあります。
ここからは、各表現の具体的な意味と、新卒としてどう対応すべきかについて解説していきます。
「私服でお越しください」=オフィスカジュアル
この表現が示すのは、「私服で来てください。
ただしビジネスマナーに即した服装であることが前提」というメッセージです。
新卒の場合、「私服」と聞くと普段の服装を想像しがちですが、実際には“オフィスカジュアル”が求められています。
これはつまり、私服ではあるもののビジネスの場にふさわしい節度あるスタイルで来てほしいという意図です。
ラフすぎる服装は避け、落ち着きと清潔感のある装いを選ぶことが必要です。
この指示に対してスーツで行くと、「企業の意図を汲み取れていない」と捉えられることがあるため、柔軟な発想で服装を選ぶ力が試されているとも言えます。
「服装自由」=どちらでも可だが私服に寄せるべき
「服装自由」という表現は一見、文字通り自由な服装を意味するように見えますが、実際には“何でもいい”というわけではありません。
スーツでも私服でも構いませんが、企業側が自由を与えることで応募者の感性や判断力を見ている場合があります。
このような表現の場合、多くの学生が「とりあえずスーツで行こう」と判断しがちですが、企業によっては私服に近いスタイルのほうが馴染むケースもあります。
社風が自由な場合、堅苦しいスーツが場にそぐわないこともあるため、事前に企業の雰囲気を調べたうえでオフィスカジュアル寄りの服装を選ぶのが無難です。
服装自由とは「自分で考えられるかどうか」を問うサインでもあります。
新卒の段階でこうした読み取りができるかどうかは、面接官にとって重要な判断材料となることがあります。
「私服可」=私服もOKだがスーツでもOK
「私服可」という表現は、最も柔軟なスタンスを示しています。
スーツでも私服でも、どちらでも良いという意味ですが、裏を返せば応募者自身の判断力に任されているとも言えます。
この場合、企業がどのようなカルチャーを持っているかによって、どちらがより好印象につながるかが変わります。
保守的な業界やお堅いイメージの企業であればスーツのほうが無難な場合もありますが、ベンチャー企業やクリエイティブ業界であればオフィスカジュアルのほうが自然に受け入れられることもあります。
新卒の場合は特に、迷ったときはややフォーマル寄りの私服を選び、企業の雰囲気に合わせた調整を心がけるのが賢明です。
どちらを選ぶにしても、清潔感とTPOを意識した服装を選ぶことが大切です。
面接当日までにできる準備チェックリスト
面接に「私服でお越しください」と指定されたとき、当日の服装選びはもちろん重要ですが、それだけでは準備として不十分です。
新卒の面接では、社会人としての第一印象が大きな評価基準になるため、全体の身だしなみや心構えを含めてトータルで準備を進めることが大切です。
服装だけでなく、髪型、靴、バッグ、さらには持ち物や姿勢まで、細かい部分にまで気を配ることが、好印象につながります。
ここでは、面接当日に向けてできる具体的な準備と、不安を感じたときの対処法について解説します。
服選びだけじゃない!身だしなみ全体も重要
服装の選び方に集中しがちですが、実際に面接で見られているのは「見た目全体の印象」です。
つまり、衣類だけでなく、清潔感や整った印象が全身に行き渡っているかどうかがポイントになります。
採用担当者は、あなたがどれだけ真剣に面接に臨んでいるかを、服の着こなしや身だしなみから感じ取ろうとしています。
たとえ服装がオフィスカジュアルとして適切でも、髪型が乱れていたり、靴が汚れていたりすると、それだけで印象がマイナスになってしまうこともあります。
社会人としての基本を問われる面接の場では、細部まで丁寧に整えた「身だしなみ」が、あなたの誠実さを伝える大切な要素になります。
見た目の清潔感は、話す内容以上に面接の評価を左右することもあるため、細やかな準備が必要不可欠です。
髪型、ヒゲ、靴、バッグまでのトータルで清潔感を出す
面接当日に最も重視されるのは、「清潔感があるかどうか」です。
服装に合わせて、髪型や靴、バッグなどにも意識を向け、全体としてバランスのとれた見た目を整えることが求められます。
髪型については、長さやカラーに関係なく、しっかり整っていて乱れていないことが大前提です。
寝ぐせが残っていたり、顔にかかりすぎていたりする場合は、印象を悪くする可能性があるため注意が必要です。
男性の場合、ヒゲはしっかり剃るか、整えることで清潔感を保ちましょう。
靴も意外と見られやすいポイントです。
汚れがついていたり、くたびれた印象を与える靴では、服装がきれいでも全体の印象が台無しになります。
面接の前日には磨いておくと安心です。
バッグは派手すぎない落ち着いたデザインのものを選び、書類やペンなどの中身も整えておくことが大切です。
整理整頓ができているかどうかも、社会人としての素養を問う視点で見られるため、油断せず準備を進めましょう。
不安な場合の解決法
「私服指定」と言われても、具体的にどの服を選べば良いのか、今の身だしなみが適切かどうか、自分ひとりでは判断に迷うこともあるでしょう。
特に新卒の方にとっては、社会人の基準がまだ曖昧な状態で服装を選ばなければならないことに不安を感じるのは当然のことです。
そのようなときは、信頼できる第三者に相談するのが最も確実な方法です。
判断に自信が持てない場合には、学校のキャリアセンターに相談することをおすすめします。
キャリアアドバイザーはこれまで多くの就活生を見てきた実績があり、的確なアドバイスをしてくれます。
また、転職や就職支援に特化したエージェントサービスを利用するのもひとつの手です。
企業の雰囲気に合った服装や、面接での印象の作り方について、プロの目線で具体的なアドバイスを受けられるため、不安の解消につながります。
さらに、すでに就職活動を経験した先輩や、内定をもらった友人などに実体験を聞いてみるのも有効です。
身近な存在からリアルな情報を得ることで、より現実的で安心できる準備ができるようになります。
【業界別】服装に差が出る業界もチェックしよう
「私服でお越しください」と案内されたとき、もう一つ考慮すべき大事なポイントがあります。
それが、志望する業界ごとの服装文化や常識の違いです。
実は、業界によって「ふさわしい服装」の基準が大きく異なり、私服指定の意味合いも少しずつ変わってきます。
たとえば、クリエイティブな業界では個性や独創性が重視される一方で、金融やインフラなどの堅実な業界ではフォーマルさや信頼感が求められることが多いです。
服装は「その業界にふさわしい人材かどうか」を見られる重要な要素でもあります。
ここでは代表的な業界の服装傾向を紹介しながら、自分の志望先に合った服装選びのヒントをお伝えします。
アパレル・広告・エンタメは個性が重視されやすい
アパレル、広告、エンタメといった業界は、「その人らしさ」や「感性」「独自性」を評価する傾向があります。
これらの業界では、面接時の服装も単なるマナーの一部ではなく、応募者のセンスや価値観を知るための手段として活用されることが少なくありません。
特にアパレル業界では、「自社ブランドへの理解」や「ファッションに対する感度」が重視されるため、スーツよりもそのブランドや業界の空気感に合った私服で臨むことが好印象につながります。
広告やエンタメの分野でも、クリエイティブな発想や自由な表現が求められるため、服装からその人の“雰囲気”や“柔軟性”を判断されることがあります。
ただし、いくら個性を出すとはいえ、清潔感や社会人としての常識は忘れてはいけません。
奇抜すぎたり、露出が多かったりする服装は逆効果になる可能性があるため、あくまでも「品のある自分らしさ」を意識することがポイントです。
金融・製造・インフラ系は保守的なのでややきっちり目に
一方、金融、製造、インフラといった業界は、比較的保守的で安定志向の強い業界です。
そのため、服装にも「きちんと感」や「信頼感」が求められる傾向があります。
「私服でお越しください」と言われたとしても、その意味は“自由”というより、“自己管理能力”や“社会人としての基本マナー”を見ていると捉えるべきでしょう。
このような業界では、オフィスカジュアルの中でも、ややフォーマル寄りのスタイルを選ぶのが安全です。
たとえば、男性であればジャケットとシャツを基本に、スラックスで落ち着いた印象を出すことが望まれます。
女性の場合も、ブラウスにジャケット、落ち着いた色味のスカートやパンツを合わせることで、きちんとした印象を与えることができます。
また、バッグや靴などの小物も、機能性とシンプルさを兼ね備えたものを選ぶことで、誠実で信頼できる人材としてのイメージを伝えることができます。
私服であっても“節度”が大前提となることを忘れず、全体のコーディネートに配慮することが重要です。
まとめ|新卒の私服面接は「自由」ではなく「戦略」
「私服でお越しください」という言葉は、一見すると“自由”のように思えますが、実際には“自由の中にある戦略”が問われているといえます。
社会人経験のない新卒だからこそ、与えられた自由をどう読み解き、どう行動するかが評価の対象となります。
服装は、単なる見た目以上に「社会人としてのマナー」「状況に応じた判断力」「企業文化への適応力」といった要素を可視化する手段です。
だからこそ、服装の選び方ひとつで、あなたという人物像を面接官に強く印象づけることができるのです。
私服面接=「あなたが会社に合うか」を見ている
私服面接において、企業が本当に知りたいのは、あなたがその会社の雰囲気や価値観にフィットする人材かどうかということです。
これはスキルや学歴といった数値で測れる情報ではなく、あなたの“感性”や“思考の傾向”を服装や言動から総合的に読み取ろうとしているのです。
たとえば、社風が自由で柔軟な会社であれば、きっちりしすぎたスーツ姿は「この人は堅すぎるかもしれない」と捉えられることもあります。
一方で、伝統的で保守的な企業であれば、ラフな私服は「空気が読めない」と受け取られるリスクがあります。
つまり、服装そのものに正解・不正解があるのではなく、「その企業の文化や価値観に合っているかどうか」が評価基準になります。
私服面接では、自分の価値を服装を通じてどう伝えるかという視点が必要です。
オフィスカジュアルを基本に、業界・企業に合った服装を
新卒の方にとっては、「私服」と言われても、その幅の広さに戸惑ってしまうかもしれません。
そんなときの基本の考え方として頼りになるのが、「オフィスカジュアル」というスタイルです。
オフィスカジュアルは、ビジネスの場にふさわしい節度を持ちながら、自分らしさを適度に表現できるバランスの良い服装です。
ただし、すべての企業が同じ基準で「私服」を求めているわけではありません。
アパレルやクリエイティブ業界のように個性が重視される場では、少しセンスや柔軟さを意識した服装が求められることもあります。
反対に、金融やインフラ業界のように信頼感や誠実さが重視される場では、ややフォーマルな印象を保った服装がふさわしいとされます。
重要なのは、自分が応募する企業の「空気感」を事前に調べたうえで、それにふさわしい服装を自分の言葉で語れるようにすることです。
その準備こそが、面接本番での安心と自信につながります。