
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
BIG4という言葉を耳にしたことがあるものの、その実態や働く環境について詳しく知らない就活生も多いかもしれません。
高年収やグローバルな環境といった魅力がある一方で、「きつい」「激務」といったイメージがつきまとうことも事実です。
本記事では、BIG4がなぜきついと言われるのかを解説するとともに、それぞれのファームの特徴や向いている人・向いていない人についても詳しく整理します。
志望先として検討している方は、自身の適性やキャリアプランと照らし合わせながら参考にしてください。
【BIG4 きつい】そもそもBIG4とは
BIG4とは、監査・税務・アドバイザリー・コンサルティングなどを提供する4大国際会計事務所の総称です。
日本ではKPMG、デロイト、PwC、EYの4社が活動しており、各社が異なる分野で強みを持っています。
グローバル案件に携わる機会も多く、専門性や対応力を磨ける環境として高く評価されています。
一方で、成果への厳しさや業務量の多さなど、高い負荷がかかる場面もあり、覚悟と継続的な努力が必要とされます。
KPMG
KPMGは、監査、税務、アドバイザリーといった幅広い専門サービスを展開するグローバルなプロフェッショナルファームです。
日本においてはKPMGジャパンとして複数の法人から構成され、業界特化型のコンサルティングやサステナビリティ支援などの先進的なサービスを提供しています。
クライアントは大手企業からスタートアップまで多岐にわたり、案件のスケールや複雑さも高水準です。
そのため、常に高度な知識や対応力が求められ、業務量やスピード感においてもハードな一面があります。
ただし、研修制度やナレッジ共有の仕組みが充実しており、成長志向のある人材には大きなチャンスが広がっている環境です。
デロイト
デロイトは、監査・税務に加え、戦略・業務・ITの各種コンサルティングやファイナンシャルアドバイザリーサービスを提供する総合系ファームです。
グローバル全体での組織力を活かしたクロスボーダー案件にも強みを持ち、特に日本ではデロイトトーマツグループとして圧倒的な存在感を誇ります。
プロジェクトの回転が速く、各分野の専門性を発揮しながら多様な業務に携わることができる反面、業務負荷や長時間労働が課題となることもあります。
それでも、高度な実務経験とクライアント対応力を養える職場として評価が高く、コンサルタントとしての市場価値を高めたい人にとっては魅力的な環境です。
PwC
PwCは、監査、税務、アドバイザリーといったサービスを提供する世界有数のプロフェッショナルファームです。
世界157カ国に742の拠点を展開し、約27万6千人を超えるスタッフが在籍しており、規模・実績ともにトップクラスの存在感を誇ります。
日本においてはPwC Japanグループとして活動し、会計士やコンサルタント、IT専門家など多様な人材が連携しながら、企業の課題解決や成長支援を担っています。
業務領域は会計監査にとどまらず、デジタル変革支援やサステナビリティ戦略支援まで多岐にわたります。
その分、常に高い専門性とクライアント対応力が求められるため、責任感と主体性を持って挑戦できる人に適した環境です。
EY
EYは、会計・税務・コンサルティングなどの幅広いサービスを提供する国際的なプロフェッショナルファームです。
日本国内ではEY Japanとして複数の法人が連携し、業種特化型の支援やグローバル案件への対応力に強みを持っています。
特に人的資本経営やESG、テクノロジー領域など、変化の激しい分野においても高い専門性を発揮し、企業の持続的な成長を支える役割を果たしています。
業務ではスピード感や多様なステークホルダーとの調整能力が求められるため、論理的思考力と柔軟なコミュニケーションが不可欠です。
若手のうちから責任ある仕事を任される機会が多く、成長意欲が高い人にとっては大きなやりがいを感じられる職場です。
【BIG4 きつい】BIG4はきついのか
BIG4での勤務は、キャリアを積むうえで魅力的な選択肢とされる一方で、実際には厳しい環境であることも広く知られています。
特に、長時間労働や休日出勤、昇進プレッシャーの大きさなどから「きつい」と感じる社員も少なくありません。
入社前のイメージと現実のギャップに戸惑い、早期離職に至るケースもあるため、自身の働き方や価値観に合っているかを見極めることが重要です。
ハードな環境であることは確かですが、その分だけ成長や経験値の蓄積も大きく、目的意識を持って臨めるかが分岐点になります。
【BIG4 きつい】きついと言われる理由
BIG4が「きつい」と言われる背景には、業務量の多さや成果への高い要求水準、組織文化の独特さなどが挙げられます。
華やかに見えるコンサルティングや監査の現場は、実際には厳しい納期、複雑な課題、長時間の業務に日々向き合う世界です。
高い報酬や成長機会がある反面、心身への負担が大きいことも事実であり、これらを正しく理解した上で進路を選ぶことが大切です。
以下では、BIG4が「きつい」とされる主な要因について具体的に解説していきます。
残業・休日出勤が多い
BIG4では、業務の繁忙期やクライアント対応の都合により、長時間労働が日常的に発生しやすい職場環境となっています。
特に監査やコンサルティングの現場では、決算時期やプロジェクトの納期が重なると、深夜までの残業や土日出勤が必要になるケースも多く見られます。
法人によっては月の残業時間が60時間を超えることもあり、慢性的な疲労やプライベートの確保が難しくなることが問題視されています。
こうした環境では、体調管理やメンタルの安定が仕事のパフォーマンスに直結するため、高い自己管理能力とストレスへの耐性が強く求められます。
仕事にやりがいや成長を求める一方で、私生活の充実を重視する人にとっては、覚悟が必要な側面といえるでしょう。
離職率が高い
BIG4では、激務や厳格な評価体制といった職場特性から、他業界と比較して離職率が高い傾向があります。
特にデロイトトーマツでは、20%を超える離職率が公表されており、これは同業界内でも際立って高い水準とされています。
高度な知識と成果が求められる環境で継続的に実績を出し続けるには、強い精神力と自己成長への意欲が欠かせません。
こうしたプレッシャーに疲弊し、短期間で退職に至る人も一定数存在します。
一方で、BIG4での勤務経験は専門性の証として評価されるため、転職市場では即戦力として重宝されるケースが多く、キャリア形成の一段階と捉える人も少なくありません。
人間関係
BIG4の職場環境は、成果主義が徹底されているため、個々の実績や能力が強く評価される傾向があります。
チームでプロジェクトを進めるものの、協調性よりも個人のパフォーマンスが重視されることが多く、結果として人間関係がドライに感じられる場面も少なくありません。
このような風土は、仲間との一体感や安心感を求める人にとって心理的な負担となりやすく、孤独感を抱く原因にもなります。
しかし、適度な距離感を維持しながら合理的に業務を進めたい人や、自分の成果を明確に評価してほしいと考える人にとっては、むしろ働きやすい環境といえるでしょう。
個人の価値観や働き方のスタイルが、職場適応の鍵となります。
常に勉強が必要
BIG4で扱う業務は、監査やコンサルティング、税務など専門性の高い分野が中心であるため、常に最新の知識と高いスキルが求められます。
クライアントの期待水準も非常に高く、制度改正や業界動向の変化に即座に対応できなければ、信頼関係を損ねるリスクもあります。
そのため、日々の業務をこなすだけでなく、自己研鑽や資格取得のための勉強に継続的に取り組む必要があります。
勤務時間外にも勉強時間を確保することが求められ、業務と学習の両立に悩む人も少なくありません。
一方で、知的好奇心が強く、常に新しいことを吸収し続けたい人にとっては、大きく成長できるやりがいのある職場といえるでしょう。
評価がシビア
BIG4では、「Up or Out」と呼ばれる実力主義の文化が根付いており、一定期間内に昇進できなければ、退職を選ばざるを得ない状況に追い込まれることがあります。
この制度は、年功序列とは異なり、成果と成長を基準とした昇格評価が徹底されている点に特徴があります。
そのため、常に高いパフォーマンスを求められ、評価の結果次第では将来のキャリアが左右されるという緊張感の中で働くことになります。
精神的なプレッシャーが大きい一方で、実力を客観的に評価してもらえる環境でもあるため、自分の力で道を切り開きたいという強い意志を持つ人にとっては、大きなやりがいを感じられる場ともいえるでしょう。
【BIG4 きつい】主な仕事内容
BIG4は監査業務だけでなく、多様なコンサルティングサービスも展開しており、その業務範囲は非常に広範です。
クライアントの経営課題に対して専門的かつ実践的な支援を行うことで、企業価値の向上に寄与しています。
そのため、担当する業務によって求められる知識やスキルは大きく異なり、高い専門性と柔軟な思考力が必要とされます。
ここでは、BIG4での代表的なコンサルティング領域について紹介し、どのような仕事が実際に行われているのかを整理していきます。
経営戦略コンサルティング
経営戦略コンサルティングは、企業の将来像を描き、持続的な成長を実現するための方向性を提示する重要な役割を担います。
ビジョンやミッションの明確化を起点に、業界動向や競合状況の分析を行い、自社の強みを活かした戦略を構築します。
新規事業の企画、海外進出支援、M&A戦略の立案など、経営の中枢に関わる領域で幅広いテーマを扱う点が特徴です。
また、経営層と直接議論する機会も多く、論理的思考力や説得力のあるプレゼンテーション力が強く求められます。
インパクトの大きな提案を行う責任と緊張感はありますが、企業変革に深く関与できることから、やりがいも非常に大きな仕事です。
業績改善コンサルティング
業績改善コンサルティングは、企業の収益性や効率性を高めるために、経営課題を定量的に分析し、具体的な改善策を提示する業務です。
売上の減少やコストの増加、利益率の低下など、数値から課題の本質を特定し、根本原因に対する戦略的な施策を構築します。
施策の提案にとどまらず、実行段階においても進捗管理や現場の支援に携わることが多く、実務レベルでの理解と対応力が求められます。
経営に直結する重要な領域であるため、スピードと正確さの両方が不可欠であり、成果を出し続けるためには高いプレッシャーに耐える力も必要です。
クライアントからの信頼を得るには、論理性だけでなく、実行力と誠実な姿勢が不可欠といえるでしょう。
ITコンサルティング
ITコンサルティングは、企業のデジタル化を支援し、業務効率や競争力の向上を図る重要な役割を担います。
業務内容は多岐にわたり、基幹システムの刷新やクラウド移行、AI・IoTの導入など、先端技術を活用した提案と実装が求められます。
戦略策定から要件定義、ベンダー選定、導入後の運用支援まで幅広く対応するため、ITスキルだけでなく業界知識や業務理解も不可欠です。
また、技術革新のスピードが速い分野であるため、常に最新動向を学び続ける姿勢と柔軟な対応力が求められます。
複雑な課題を現実的な解決策に落とし込む実行力も重視されるため、高い専門性と責任感を持つ人にとってはやりがいのある領域です。
人事コンサルティング
人事コンサルティングは、企業の人材戦略を支援し、組織の持続的成長を実現するための重要な業務です。
採用・育成・報酬・評価制度といった領域を中心に、人材に関する幅広い課題に対応します。
近年では人的資本経営への注目が高まり、従業員エンゲージメントやダイバーシティ推進など、社会的要請を踏まえた提案も求められています。
人材データを活用した分析に基づき、経営戦略と整合性の取れた制度設計を行うため、高度な分析力と論理的思考力が必要です。
また、経営陣や現場の声を的確にくみ取るヒアリング力、納得感のある説明を行うプレゼン力も欠かせません。
人事制度は企業文化や働き方そのものに影響を及ぼすため、大きな責任とやりがいを伴う仕事です。
【BIG4 きつい】向いている人
BIG4はハードな環境である一方で、その中に身を置くことで得られる成長機会やキャリアの幅は非常に大きなものがあります。
そのため、どのような価値観や資質を持った人がこの環境に適応し、活躍できるのかを理解することは、進路選択において非常に重要です。
以下では、BIG4に向いているとされる人物像を具体的に挙げ、それぞれがなぜ適しているのかを詳しく解説していきます。
学ぶことが好きな人
BIG4の業務はプロジェクトごとに内容が大きく異なり、業界やクライアント、取り組む課題も常に変化します。
一度習得した知識で対応し続けるのは困難であり、新しい分野への挑戦が日常的に求められます。
このため、常に学び続ける姿勢が不可欠であり、知識の習得を義務ではなく楽しめる人ほど早く成長できます。
業界の最新動向、法制度の改正、ITやデータ分析など、学ぶべき領域は多岐にわたります。
自ら興味を持って主体的に吸収する力がある人は、新たな挑戦に対しても前向きに取り組むことができ、環境の変化にも柔軟に対応できます。
学ぶことに喜びを感じる人にとっては、大きな刺激と成長を得られる場所といえるでしょう。
ストレス耐性がある人
BIG4では、常に高い成果が求められ、納期や品質に対する厳しい要求に応え続ける必要があります。
クライアントの期待も非常に高いため、緊張感のある日々が続き、仕事に対する責任感と集中力が常に試されます。
また、プロジェクトの進行状況によっては長時間労働や急なスケジュール変更も発生しやすく、肉体的な疲労だけでなく精神的なストレスも蓄積しやすい環境です。
そうした中でも冷静さを保ち、的確に判断し、感情に流されずに行動できる人は、安定した成果を出しやすくなります。
プレッシャーを成長の糧と捉え、ストレスを前向きな力に変えられるタイプの人にとっては、力を存分に発揮できる環境といえるでしょう。
強い上昇志向がある人
BIG4は、若手のうちから大規模かつ難易度の高い業務に挑戦できる数少ない環境の一つです。
年次に関係なく実力があれば責任あるポジションを任されるため、自分の市場価値を早期に高めたいという意欲を持つ人には非常に魅力的な職場です。
成果主義が徹底されているため、継続的に結果を出す必要はありますが、その分だけ成長のスピードも格段に早くなります。
明確なキャリアビジョンを持ち、目標に向かって努力を惜しまない姿勢があれば、環境を最大限に活かすことができるでしょう。
昇進、専門性の獲得、将来の起業や転職など、具体的な目標に向けて行動できる人にとって、BIG4は最高のキャリア形成の場となります。
論理的思考力のある人
BIG4の業務では、企業の複雑な課題に対して論理的にアプローチし、納得感のある解決策を導き出す力が求められます。
クライアントが抱える問題の構造を整理し、原因を特定し、現実的な対応策を提示するという一連のプロセスにおいて、すべての意見や提案に根拠が必要となります。
「なぜそう言えるのか?」を明確に説明するためには、事実やデータに基づいた論理的思考力が不可欠です。
また、複雑な内容をわかりやすく伝えるための資料作成力やプレゼンテーション能力も問われるため、論理と表現の両面が求められます。
課題を感覚や主観で捉えるのではなく、客観的に分析し、論理的に解決へと導ける人は、BIG4の中で高く評価されやすく、プロジェクトを円滑に進めるための大きな武器となります。
【BIG4 きつい】向いていない人
BIG4は成長志向の強い人にとって大きな飛躍の場となる一方で、その厳しさから向き不向きが明確に分かれる職場でもあります。
高い成果が求められる環境、スピード感のある業務、プレッシャーの大きさなどに対して、自分の性格や価値観が合致していない場合、心身ともに大きな負担となり得ます。
ここでは、BIG4の職場環境と相性が悪いとされる人物像を具体的に紹介し、自分にとって適したキャリア選択ができるよう整理していきます。
ワークライフバランスを充実させたい人
BIG4では、繁忙期や厳しい納期への対応が日常的に求められるため、長時間労働が避けにくい環境にあります。
特に監査やコンサルティングの現場では、プロジェクトの進行に合わせて深夜残業や土日出勤が続くことも少なくありません。
その結果、生活リズムを整えたり、プライベートの時間を確保したりすることが難しくなり、心身ともに疲労が蓄積しやすくなります。
仕事と私生活をバランス良く両立させたいと考えている人にとっては、理想とのギャップに悩む場面が増える可能性があります。
もちろん、所属する部署や時期によって業務負荷には差がありますが、全体としては仕事を中心としたライフスタイルが前提となるため、慎重に適性を見極める必要があります。
手厚い研修を期待する人
BIG4では、座学中心の研修やマニュアルに沿った育成ではなく、現場での実践を通じてスキルを身につけるOJT型の教育が基本です。
そのため、業務の進め方や知識の習得は、先輩社員の動きを観察しながら自ら吸収していく必要があります。
質問や相談も自分から積極的に行うことが前提となっており、手厚いフォローや段階的な指導を期待している人には大きなギャップを感じる可能性があります。
特に、受け身で学ぶことに慣れてきた人にとっては、初期の段階で強い不安や孤独感を覚えることもあるでしょう。
学ぶ意欲があることは前提として、自ら動き、調べ、判断し、行動に移せる「自走力」が求められる職場であるため、自立した姿勢を持てない人には適応が難しい側面があります。
競争が苦手で、打たれ弱い人
BIG4では、優秀な人材が集まる中で成果を競い合う環境が常態化しており、業務の成果やスキルが常に周囲と比較される相対評価の文化が根付いています。
このような環境では、結果が出ない期間が続いたり、上司やクライアントから厳しいフィードバックを受けたりすることも日常的に起こります。
そのため、競争に対する耐性が低い人や、他者との比較で自信を失いやすい人にとっては、大きな精神的負荷となる可能性があります。
感情のコントロールや気持ちの切り替えが苦手なタイプの人は、継続的にモチベーションを維持することが難しく、長期的に働き続けるには適さない環境となることもあります。
競争を前向きに捉え、自身の成長機会として活かせる人には合っていますが、そうでない場合は別の環境の方が力を発揮しやすいかもしれません。
まとめ
BIG4は、高い専門性と実力主義が求められる厳しい環境であり、成長意欲や論理的思考力を持つ人には大きなチャンスがあります。
一方で、長時間労働や厳しい競争、継続的な自己学習が前提となるため、価値観や性格によっては大きな負担となることもあります。
本記事を通じて、BIG4の実態と向き不向きを正しく理解し、自分に合ったキャリア選択につなげていくことが大切です。