
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
この記事では、土石業界の全体像から、就職偏差値ランキング、仕事のリアルな特徴、内定を掴むためのポイントまで、就活生の皆さんが知りたい情報を徹底的に解説していきます。
社会の「あたりまえ」を支えるスケールの大きな仕事に興味がある方は、ぜひ最後まで読んで、業界研究に役立ててくださいね!
目次[目次を全て表示する]
就職偏差値とは
就職活動を進めていると「就職偏差値」という言葉を耳にすることがあるかもしれませんね。
これは、企業の入社難易度や人気度、待遇などを総合的に評価し、受験勉強で使う偏差値のように数値化した、ひとつの「目安」です。
就活生にとっては、世間一般から見た企業の立ち位置を知るための参考情報になります。
ただし、この偏差値は予備校が公式に出しているものではなく、あくまでネット上の情報や個人の見解に基づいて作成されていることが多い点に注意が必要です。
偏差値が高いから自分にとっても良い会社とは限らないので、参考程度に留め、必ず自分の目で企業研究を深めることが大切ですよ。
土石業界の就職偏差値ランキング
ここでは、土石業界の就職偏差値ランキングの目安を紹介します。
土石業界は、社会インフラを担う非常に重要な役割を持ち、スーパーゼネコンと呼ばれる巨大企業から、特定の技術に強みを持つ専門企業まで、非常に幅広いです。
ランキング上位には、やはり高い技術力と安定性、そして大規模プロジェクトを手がけることで知られる企業が並びます。
一方で、偏差値だけがすべてではありません。
自分がどの分野で、どのように社会に貢献したいのか、自分の価値観と企業の文化が合うかをしっかり見極めるための材料として、このランキングを活用してください。
【土石業界】Aランク(就職偏差値70以上)
【70】AGC
ガラス、電子、化学品など多角的に事業を展開する、日本を代表する素材メーカーの頂点です。
土石業界の枠を大きく超えた最難関企業の一つです。
卓越した専門性や研究実績、グローバルに活躍できる高度な語学力と論理的思考力が求められます。
【土石業界】Bランク(就職偏差値66以上)
Bランク以降の就職偏差値を見るには会員登録が必要です。
無料登録すると、Bランク以降の就職偏差値をはじめとした
会員限定コンテンツが全て閲覧可能になります。
登録はカンタン1分で完了します。会員登録をして今すぐ土石業界の就職偏差値をチェックしましょう!
【69】HOYA フジミインコーポレーテッド
【68】日本ガイシ 日本特殊陶業 京セラ TOTO コーニングジャパン
【67】日本板硝子 太平洋セメント UBE MARUWA
【66】住友大阪セメント 東海カーボン ノリタケカンパニーリミテド トクヤマ 日本電気硝子
セラミック(ガイシ、京セラ)、ガラス(HOYA、日板)、セメント(太平洋)、衛生陶器(TOTO)など、各専門分野のリーディングカンパニーが集結しています。
BtoBが中心ながら高い技術力とブランド力を誇り、人気が集中します。
高い専門知識や研究実績に加え、BtoBの素材ビジネスが社会に与える影響への深い理解と、そこで何を成し遂げたいかを語る必要があります。
【土石業界】Cランク(就職偏差値61以上)
【65】東洋炭素 ニチハ 日本カーボン SECカーボン 日鉄高炉セメント セントラル硝子
【64】黒崎播磨 日本山村硝子 日立セメント
【63】オハラ 三谷セキサン 品川リフラクトリーズ
【62】ヨータイ ジオスター テクノクオーツ
【61】日本ヒューム 日本コンクリート工業 麻生セメント 琉球セメント
耐火物(黒崎播磨)、建材(ニチハ)、コンクリート二次製品(日本ヒューム)など、社会インフラや基幹産業に不可欠な素材・製品を扱う優良企業群です。
Bランクに次ぐ、各分野の有力メーカーが並びます。
その製品が社会でどのような役割を果たしているかを深く理解することが重要です。
安定供給を支える責任感や、堅実な社風への適応力もアピールポイントになります。
【土石業界】Dランク(就職偏差値56以上)
【60】東京窯業 美濃窯業
【59】ノザワ 日本インシュレーション
【58】日本坩堝 ニッカトー トーヨーアサノ
【57】神島化学工業 理研コランダム ヤマックス
【56】クニミネ工業 新東 イトーヨーギョー 鶴弥 旭コンクリート工業
特定の技術分野や地域で確固たる基盤を持つ、BtoBの中堅専門メーカーが中心です。
窯業、耐火物、建材、コンクリート製品など、ニッチな分野で高いシェアを持つ企業が多数含まれます。
一般知名度に左右されず、その企業の持つ独自の技術力や市場シェアをしっかりと調べ上げることが重要です。
地道に技術や製品と向き合える誠実さが求められます。
【土石業界】Eランク(就職偏差値50以上)
【55】倉元製作所 アサヒ衛陶 ジャニス工業 ニッコー
衛生陶器(アサヒ衛陶、ジャニス工業)や、特定のガラス加工、陶磁器などを手掛ける専門メーカーが中心です。
全国的な知名度は高くなくても、特定の市場で長年の実績を持つ企業群です。
就職活動の基本対策を徹底することが前提です。
実際に製品を調べたり、ショールームを訪れたりするなど、その企業ならではの製品の良さを理解し、熱意を伝えることが求められます。
【土石業界】とは
土石業界と聞くと、皆さんは何をイメージしますか? ヘルメットをかぶって現場で働く姿でしょうか。
土石業界とは、私たちの生活や経済活動の基盤となる「社会インフラ」を整備し、維持管理する産業です。
道路、橋、トンネル、ダム、港湾、空港、鉄道、上下水道、発電所など、これらすべてが土石業界の仕事によって作られ、守られています。
まさに、社会の血液や骨格を作る、なくてはならない仕事なのです。
スケールが大きく、地図に残る仕事が多いのも、この業界の大きな魅力と言えるでしょう。
基本的な仕組み
土石業界の仕組みを理解する上で大切なのは、「建築」との違い、そして「関わるプレイヤー」です。
まず、土石(Civil Engineering)が道路や橋、ダムといった公共的なインフラを対象にするのに対し、建築(Architecture)は住宅やビル、商業施設といった「建物」を対象にする、という大まかな違いがあります。
土石プロジェクトは、まず国や地方自治体、あるいは電力会社や鉄道会社といった「発注者」が「こういうインフラが必要だ」と計画することから始まります。
次に、その計画を具体化するために、「建設コンサルタント」が調査や設計図の作成を行います。
そして、その設計図に基づいて実際に工事を行うのが、「ゼネコン(総合建設業者)」です。
ゼネコンは、工事全体の管理(施工管理)を行い、実際の作業は「サブコン(専門工事業者)」が分担して進めます。
このように、発注者、コンサルタント、ゼネコン、サブコンといった多くの関係者が協力し合い、一つの大きなプロジェクトを動かしていくのが土石業界の基本的な仕組みです。
主な役割と業務内容
土石業界の主な役割は、先ほど述べたように社会インフラを「作り、守る」ことです。
これには、新しいインフラを整備する「新設工事」と、既存のインフラを点検・補修・改良する「維持管理・更新」の二つが大きな柱となります。
また、地震や豪雨などの「災害復旧・防災」も土石業界が担う非常に重要な役割です。
具体的な業務内容は職種によって大きく異なります。
最も代表的なのが「施工管理」です。
これはゼネコンの主な仕事で、工事現場の「監督」として、安全・品質・工程(スケジュール)・原価(コスト)の4大管理を行います。
多くの作業員や専門業者をまとめ上げ、計画通りに安全に工事を進める、まさにプロジェクトの要です。
次に「設計」があります。
これは主に建設コンサルタントの仕事で、発注者の要望や現地の状況に基づき、構造物の安全性や経済性を考慮しながら最適な設計図を描きます。
ほかにも、発注者側の立場でプロジェクト全体を企画・管理する仕事や、新しい技術を開発する「研究開発」など、多岐にわたる業務が存在します。
土石業界の「川上」と「川下」
土石業界の構造を理解するために、「川上」と「川下」という表現がよく使われます。
これは、プロジェクトが進行する流れを川の流れに例えたものです。
「川上」とは、プロジェクトの計画や企画、調査、設計といった、工事が始まる前の段階を指します。
この領域を主に担うのが、国や自治体といった「発注者」や、その技術的パートナーである「建設コンサルタント」です。
彼らは、社会に何が必要かを見極め、プロジェクトの青写真を描く役割を担います。
一方、「川下」とは、設計図をもとに実際に構造物を作っていく「施工」の段階を指します。
こちらを担うのが、工事全体を取りまとめる「ゼネコン(総合建設業者)」と、専門的な工事を行う「サブコン(専門工事業者)」です。
就職活動においては、自分がプロジェクトのどの段階に最も興味があるのか、「計画・設計」に関わりたいのか、「ものづくり・施工」に関わりたいのかを考えることが、企業選びの重要な軸になります。
【土石業界】特徴
土石業界は、私たちの社会基盤を根底から支える、非常に公共性の高い産業です。
それゆえに、他の業界にはない独特の特徴をいくつか持っています。
まず、手掛けるプロジェクトの多くが「公共事業」であること。
発注者が国や地方自治体となるケースが多く、その仕事は国民の税金によって賄われています。
そのため、景気や国の政策、公共投資の動向に業績が左右されやすいという側面があります。
また、手掛ける「モノ」のスケールが非常に大きく、完成までに数年、時には数十年かかるプロジェクトも珍しくありません。
一つの仕事に多くの人が関わり、長期間にわたって協力していく必要があります。
こうした特徴を理解することは、土石業界で働くイメージを具体的にするために不可欠です。
社会貢献性が非常に高い
土石業界の最大の特徴は、何といってもその社会貢献性の高さです。
皆さんが毎日使っている道路や水道、電車、電気。
これらが当たり前に使えるのは、土石技術者たちがインフラを整備し、維持管理してくれているからです。
台風や地震などの自然災害が発生した際、いち早く現地に駆けつけて道路を啓開(けいかい:切り開くこと)し、ライフラインを復旧させるのも土石業界の重要な使命です。
自分の仕事が、人々の安全な生活や経済活動を直接的に支えているという実感は、他の業界ではなかなか味わえない大きなやりがいとなります。
「誰かの役に立ちたい」「社会の基盤を支えたい」という強い思いを持っている人にとって、土石業界はまさにその思いを実現できる場所と言えるでしょう。
自分の仕事の成果が、地図に残り、何十年もの間、多くの人々に利用され続ける。
これほどダイナミックな社会貢献はありません。
プロジェクトの規模が大きく、長期間にわたる
土石業界が手掛けるプロジェクトは、その規模の大きさが桁違いです。
例えば、新しい高速道路の建設、海を横断する長大橋、巨大なダム、都市の地下深くを走る地下鉄など、まさに「地図に残る仕事」です。
こうした大規模プロジェクトは、構想から完成までに10年、20年といった歳月を要することも少なくありません。
就活生の皆さんが入社してから定年を迎えるまでに、一つの巨大プロジェクトに深く関わり続ける、といったキャリアも十分にあり得ます。
また、一つのプロジェクトに関わる人の数も膨大です。
発注者、コンサルタント、ゼネコン、何百という専門工事業者、そして数千人、数万人の作業員。
これだけ多くの人々が、共通の目標(=構造物の完成)に向かって長期間協力し合う必要があります。
そのため、個人の専門性だけでなく、多様な立場の人々をまとめ上げるコミュニケーション能力や調整力、そして最後までやり遂げる忍耐力が強く求められるのが特徴です。
景気や公共投資の影響を受けやすい
土石業界、特に公共事業をメインに手掛ける企業は、国の経済政策や予算編成に業績が大きく左右されるという特徴があります。
主な顧客が国や地方自治体であるため、政府が公共事業費を増やせば仕事が増え、逆に削減すれば仕事が減る、という分かりやすい構造になっているのです。
過去には、公共事業の大幅な削減によって、業界全体が厳しい冬の時代を経験したこともありました。
しかし、近年はその状況が変わりつつあります。
東日本大震災以降の復興需要や国土強靭化計画の推進、そして高度経済成長期に作られたインフラ(橋、トンネル、水道管など)が一斉に老朽化し、その維持管理・更新が待ったなしの課題となっているからです。
今後は、新しいものを作るだけでなく、既存のインフラをいかに賢く、長く使い続けるかという分野での需要がますます高まっていくと予想されています。
【土石業界】向いている人
土石業界は、社会を支えるやりがいと、ものづくりのダイナミックさを併せ持つ、非常に魅力的な業界です。
しかし、その特殊な環境ゆえに、求められる資質や適性があるのも事実です。
では、どのような人がこの業界で輝けるのでしょうか。
それは、単に「土石が好き」というだけでなく、業界特有の働き方や価値観に共感できる人です。
例えば、一つの目標に向かって多くの人と協力することが好きな人、あるいは、目の前の課題に対して粘り強く解決策を探せる人などです。
ここでは、土石業界で特に活躍できる人の特徴を3つに絞って解説します。
自分自身の性格や価値観と照らし合わせながら、読み進めてみてください。
ものづくりや大きなプロジェクトに魅力を感じる人
土石業界の仕事は、何よりも「ものづくり」のスケールが違います。
図面でしか存在しなかったものが、自分の手で、あるいは自分のマネジメントによって、巨大な構造物として現実の空間に立ち現れる。
その瞬間の達成感や感動は、何物にも代えがたいものです。
特に、自分が関わった橋を多くの車が渡ったり、自分が作ったダムが街を洪水から守ったりする姿を見るとき、この仕事を選んでよかったと心から思えるでしょう。
また、一つのプロジェクトが数年がかりになることも普通です。
短期間で成果を出すことよりも、じっくりと腰を据えて、一つの大きな目標に向かってチーム全体で取り組んでいく。
そうした長期的な視点でのものづくりに魅力を感じる人、ゼロから何かを創り上げ、それが完成していく過程そのものを楽しめる人は、土石業界に非常に向いています。
社会貢献や人の役に立ちたいという意識が強い人
土石業界の仕事は、社会貢献の「塊」のようなものです。
道路がなければ物流は止まり、水道がなければ生活は成り立たず、電気がなければ現代社会は機能しません。
土石は、そうした「あたりまえの日常」を縁の下で支える仕事です。
華やかなスポットライトを浴びることは少ないかもしれませんが、「自分たちの仕事が社会を動かしている」という確かな自負と誇りを持つことができます。
特に、災害時にはその役割が際立ちます。
被災したインフラを復旧させるために、誰よりも早く現場に駆けつけ、昼夜を問わず作業にあたる。
「社会の安全・安心を守る」という強い使命感こそが、この業界で働く人々の原動力になっています。
利益を追求するだけでなく、公共の福祉に貢献したい、自分の仕事で多くの人の役に立ちたいと心から願う人にとって、土石業界は最高の舞台となるはずです。
チームワークやコミュニケーションを大切にできる人
土石の現場は、決して一人では成り立ちません。
一つのプロジェクトには、発注者、コンサルタント、ゼネコンの担当者、そして多種多様な専門技術を持つ職人さんたちまで、本当に多くの人々が関わります。
年齢も、立場も、専門分野も異なる人々と、日々コミュニケーションを取りながら、一つの目標に向かって協力していかなければなりません。
時には、意見がぶつかることもありますし、予期せぬトラブルが発生することもあります。
そうした時に重要になるのが、相手の意見を尊重し、粘り強く調整を図り、チーム全体として最適な解決策を見出そうとする姿勢です。
自分の考えを明確に伝える力と、相手の言葉に耳を傾ける力、その両方が不可欠です。
一人で黙々と作業するよりも、多様な人々と関わりながら、チームで大きなことを成し遂げることに喜びを感じる人。
そういう人が土石業界では求められています。
【土石業界】向いていない人
一方で、土石業界の特性が、どうしても自分の性格や価値観と合わない、という人もいるでしょう。
ミスマッチな状態で入社してしまうと、自分自身も会社も不幸になってしまいます。
そうならないためにも、業界の「リアル」な部分をあらかじめ知っておくことは非常に重要です。
土石業界は、社会貢献性が高い反面、時には自然の厳しさや仕事のハードさと向き合わなければならない場面もあります。
ここでは、あくまで一般的な傾向として、土石業界の仕事が「少し大変かもしれない」と感じる可能性のある人の特徴を3つ挙げます。
自分に当てはまるかどうか、冷静に自己分析するきっかけにしてみてください。
体力的な負担や屋外での作業が極端に苦手な人
土石業界、特に施工管理の仕事は、現場が「職場」です。
現場は、空調の効いたオフィスとは違い、夏は暑く、冬は寒いのが当たり前。
雨の日も風の日も、基本的には屋外での作業が中心となります。
もちろん、最近はICT技術の導入などで事務所内での作業も増えていますが、現場を歩き回り、自分の目で安全や品質を確認することは依然として非常に重要です。
そのため、一定の体力は必要になりますし、天候に左右される環境で働くことにストレスを感じる人には、正直なところきついかもしれません。
また、プロジェクトの場所によっては、山奥や海沿いなど、生活環境が大きく変わる場所での勤務になることもあります。
こうした物理的な環境の変化や、屋外での作業そのものに強い抵抗感がある場合は、設計コンサルタントなど、比較的デスクワークが中心の職種を検討する方が良いかもしれません。
地道な調整や泥臭い仕事に抵抗がある人
「地図に残る仕事」と聞くと、とても華やかでクリエイティブなイメージを持つかもしれません。
もちろん、そうした側面もありますが、その裏には、非常に地道で泥臭い作業の積み重ねがあります。
例えば、施工管理の仕事では、現場の職人さんたちとの細かな打ち合わせ、役所への申請書類の作成、近隣住民の方々への説明と調整など、人と人との間で汗をかく仕事が非常に多いです。
プロジェクトを円滑に進めるためには、こうした「調整ごと」が極めて重要になります。
また、現場では予期せぬ問題(例えば、掘ってみたら設計図になかったものが出てきた、など)が日常茶飯事に起こります。
そうした泥臭い問題から目をそらさず、一つひとつ粘り強く解決していく姿勢が求められます。
派手な成果だけを求め、地道なプロセスや人との折衝を軽視してしまう人には、土石業界は向いていないかもしれません。
柔軟な対応や変化への適応が苦手な人
土石の現場は「生き物」です。
天候はコントロールできませんし、機械が突然故障することもあります。
資材の納入が遅れることだってあるでしょう。
事前にどれだけ綿密な計画を立てても、計画通りに完璧に進むことはまずありません。
重要なのは、そうした予期せぬ事態が発生したときに、パニックにならず、冷静に状況を分析し、どうすれば計画に近づけられるか、あるいは計画自体を見直すべきかを判断し、迅速に行動することです。
つまり、マニュアル通りの対応ではなく、臨機応変な「柔軟性」が常に求められます。
また、大手ゼネコンなどでは、全国転勤や、プロジェクトが終わるごと(数年ごと)に勤務地が変わる「現場異動」がつきものです。
決められた場所で、決められたことだけを淡々とこなしたい、という安定志向が強すぎる人にとっては、変化の多い土石業界の環境に適応するのは難しいかもしれません。
【土石業界】内定をもらうためのポイント
土石業界は、社会インフラを支えるという重要な役割を担っており、特に専門知識を持つ土石系学生にとっては、比較的「売り手市場」が続いていると言われています。
しかし、AランクやBランクに挙げたような人気企業や、スーパーゼネコンの内定を勝ち取るのは、決して簡単なことではありません。
専門性だけでなく、土石業界特有の環境で活躍できる「人間力」が問われるからです。
ここでは、文系・理系を問わず、土石業界を志望する皆さんが、ライバルに差をつけ、内定に近づくために押さえておくべきポイントを3つにまとめて解説します。
表面的な対策ではなく、本質的な準備を心がけましょう。
資格取得や専門知識の習得(土石系学生向け)
まず、土石工学や関連分野を専攻している理系の学生さんにお伝えしたいのは、大学で学んでいる専門知識そのものが、強力な武器になるということです。
企業は、皆さんが「即戦力」として活躍してくれることを期待しています。
授業や研究、設計演習などで学んだ内容を、ただ単位を取るためでなく、「将来この知識をどう活かすか」という視点で深く理解しておきましょう。
特に、施工管理や設計において必須となる「CAD」の操作や、測量の技術は、インターンシップなどでも役立ちます。
また、必須ではありませんが、「施工管理技士(2級の学科試験は在学中に受験可能)」や「技術士補(JABEE認定プログラム修了者)」といった資格取得に意欲的な姿勢を見せることは、志望度の高さをアピールする上で非常に有効です。
自分の研究内容が、志望企業のどの技術やプロジェクトと関連しているかを具体的に語れるよう、準備しておきましょう。
業界研究とインターンシップの活用
これは文系・理系問わず、土石業界を志望するすべての人に共通する最も重要なポイントです。
土石業界は非常に裾野が広く、ゼネコン、コンサル、デベロッパー、インフラ企業など、立ち位置によって仕事内容が全く異なります。
「なんとなく社会貢献がしたい」「大きなものを作りたい」といった漠然とした志望動機では、面接官には響きません。
なぜ建設業界の中でも「建築」ではなく「土石」なのか。
なぜ「コンサル」ではなく「ゼネコン」なのか。
これを自分の言葉で説明できなければなりません。
そのために最も有効なのが、インターンシップ、特に「現場実習」に参加することです。
夏や冬の休暇を利用して、実際の現場の雰囲気、社員の方々の働き方、仕事の厳しさとやりがいを肌で感じてください。
百聞は一見に如かず。
そこで得た一次情報こそが、説得力のある志望動機や自己PRの源泉となります。
OB/OG訪問も積極的に行い、リアルな情報を集めましょう。
「なぜその会社か」を明確にする志望動機
業界研究やインターンシップを通じて、「土石業界で働きたい」という気持ちが固まったら、次に取り組むべきは「企業研究」です。
特にスーパーゼネコンや大手コンサルは、事業内容が似ている部分も多く、差別化が難しいと感じるかもしれません。
しかし、各社には必ず「強み」や「社風」の違いがあります。
例えば、「海洋土石に圧倒的な強みを持つ会社」「山岳トンネルの技術が世界トップレベルの会社」「環境や再生可能エネルギー分野に注力している会社」など、その会社ならではの「色」が必ずあります。
企業のホームページや統合報告書を読み込み、彼らが今、何に力を入れ、将来どこを目指しているのかを分析しましょう。
そして、自分がこれまでに培ってきた経験や価値観と、その企業の強みやビジョンとが「どこで交差するのか」を見つけるのです。
「御社の〇〇というプロジェクトに感銘を受け、私の〇〇という強みを活かして貢献したい」と、具体的に語れる志望動機こそが、内定を引き寄せる鍵となります。
【土石業界】よくある質問
土石業界について解説してきましたが、就活生の皆さんからは、まだまだ不安や疑問の声が聞こえてきそうです。
特に、給与や働き方、キャリアパスといった「リアル」な部分は、なかなか表に出てきにくい情報でもありますよね。
ここでは、私が就活アドバイザーとして学生の皆さんから特によく受ける質問をピックアップし、できる限り本音でお答えしていきます。
もちろん、企業や職種によって状況は異なりますが、業界全体の傾向として参考にしてください。
これらの疑問を解消することで、土石業界への理解をさらに深め、皆さんが納得のいく企業選びができることを願っています。
「きつい」「ブラック」というイメージがありますが、実際はどうですか?
これは、本当によく聞かれる質問ですね。
かつて土石業界が「3K(きつい、汚い、危険)」と呼ばれていたのは事実です。
特に工期末の繁忙期は、残業や休日出勤が避けられないこともありました。
しかし、結論から言うと、このイメージは急速に変わりつつあります。
業界全体として、深刻な人手不足や若者の業界離れへの危機感から、働き方改革が猛スピードで進んでいます。
国も「週休二日制モデル工事」を推進しており、大手ゼネコンを中心に、以前に比べて休日は格段に取りやすくなっています。
また、ICT技術(ドローンでの測量、遠隔操作の重機など)の導入による生産性向上や、安全管理の徹底も進み、「新3K(給与、休暇、希望)」と言われるようにもなってきました。
とはいえ、現場や時期によっては依然として忙しい場面があるのも事実です。
企業説明会やOB/OG訪問で、残業時間や休日取得の実績について、具体的な数値を聞いてみると良いでしょう。
文系でも土石業界で活躍できますか?
全く問題ありません。
むしろ、文系学生の力は土石業界にとって不可欠です。
土石業界の仕事は、理系の技術者だけで成り立っているわけではありません。
プロジェクトを受注するための「営業」、工事が円滑に進むよう資材や用地を手配する「調達・用地」、現場の安全や労務を管理する「安全・総務」、プロジェクトの収支を管理する「経理」、そして会社を支える「人事」や「法務」、「広報」など、文系出身者が活躍するフィールドは多岐にわたります。
特に、大規模プロジェクトでは多くの利害関係者との調整が必要となるため、文系学生が持つコミュニケーション能力や調整能力、法的知識が高く評価されます。
もちろん、インフラという特殊な分野の知識は入社後に学ぶ必要がありますが、それは理系学生も同じです。
「社会インフラを支えたい」という熱意さえあれば、文系・理系という垣根は関係なく、大いに活躍できる業界です。
転勤や現場への長期出張は多いですか?
これは、皆さんのライフプランにも関わる重要な質問ですね。
答えは「企業と職種による」ですが、大手ゼネコンの総合職(特に施工管理)の場合は、「多い」と考えておくのが現実的です。
ゼネコンは、全国、あるいは海外から受注したプロジェクトの現場(工事事務所)に社員を派遣します。
一つのプロジェクトが終われば(数ヶ月~数年)、また次の現場へ、というのが基本的な働き方になります。
そのため、全国転勤や単身赴任は比較的多い傾向にあります。
一方で、地場ゼネコン(特定地域が拠点)や、建設コンサルタントの本社勤務、インフラ企業の特定エリア担当などは、転勤の頻度が低い場合があります。
自分が将来、どのような働き方、暮らし方をしたいのか。
「全国規模でダイナミックな仕事がしたい」のか、「地元に腰を据えて貢献したい」のか。
自分の価値観と照らし合わせて、企業選び(勤務地限定職の有無なども含めて)をすることが非常に重要です。
まとめ
土石業界は、私たちの「あたりまえの日常」を文字通り最前線で支える、非常に誇り高い仕事です。
社会貢献性、プロジェクトのスケールの大きさ、そして「ものづくり」の醍醐味。
これらすべてを実感できるのが、この業界の最大の魅力でしょう。
確かに、屋外での作業や転勤など、ハードな一面もありますが、それ以上に「社会の役に立っている」という確かな手応えが得られるはずです。
この記事を読んで、土石業界に少しでも興味が湧いたなら、ぜひインターンシップや現場見学会に足を運んでみてください。
百聞は一見に如かず。
あなたの目で見た「現場」こそが、業界研究の何よりの答えになるはずです。