HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
本記事では、理系学生にとって憧れのキャリアである「研究職」に焦点を当てて解説します。
自らの研究成果で社会や技術の発展に貢献したいと考える人にとって、研究職は非常に魅力的な選択肢です。一方で、採用枠が限られていることから、就職偏差値は数ある職種の中でも高水準となっています。
「学士卒でも通用するのか」「研究実績はどこまで求められるのか」といった疑問や不安を感じている方も多いでしょう。そこで本記事では、研究職のリアルな選考難易度に加え、限られた枠を勝ち取るために知っておくべきポイントや対策を分かりやすく解説していきます。
就職偏差値とは
企業の人気や採用難易度を偏差値形式で数値化した指標です。
学生の間での志望度、企業の採用倍率、業界での地位などを総合的に加味して算出されます。
特に人気企業や大手企業ほど高い数値となる傾向があり、毎年注目されています。
就職先を選ぶ際の目安として活用されることが多いですが、あくまで参考指標のひとつに過ぎません。
研究職の就職偏差値ランキング
研究職は、業界を問わず就職偏差値が非常に高い職種として知られています。
その背景には、応募者の多くが大学院（修士・博士）修了者であり、学歴や研究実績が事実上の前提条件となっている点が挙げられます。
中でも製薬業界の創薬研究や総合化学メーカーの基礎研究部門では、旧帝大や有力研究大学の博士課程修了者が競合となるため、日本の就職市場でも最難関クラスに位置づけられます。
一方、食品・化粧品などの消費財メーカーは学歴条件がやや緩和されるケースもありますが、その分人気が集中し、倍率という意味で極めて高難度となるのが特徴です。
研究職の就職偏差値は、学力だけでなく研究内容の質、テーマ適合度、そしてタイミングや運の要素まで含めて評価される点が特徴といえるでしょう。
【研究職】SSランク（就職偏差値78以上）
- 博士号取得者を中心に、分野内で高い専門性を持つ人材が集まる
- 基礎研究や創薬研究など、成果創出までに長期間を要するテーマが多い
- 論文実績や学会発表など、研究成果そのものが選考評価の核となる
- 国内外の大学・研究機関と連携した高度な研究プロジェクトに関われる
【80】理化学研究所（基礎科学・量子・生命科学）
【79】武田薬品工業（創薬研究）
【78】第一三共（低分子・抗体医薬研究）
SSランクでは大学・大学院で積み上げた研究成果が、そのまま採用評価に直結する。
長期的な視点で研究を継続できる忍耐力と、分野トップレベルの専門知識が求められます。
博士号取得者、もしくはそれに準ずる研究実績が実質的な応募条件となるケースが大半です。
選考では研究計画の説明力や英語でのディスカッション対応力も重要になります。
【研究職】Sランク（就職偏差値75〜77）
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- 国内大手メーカーの研究開発部門が中心
- 修士卒を標準とし、専門性に加えて応用力が求められる
- 基礎研究だけでなく、製品化を意識した研究テーマが多い
- 待遇・研究環境ともに水準が高く、理系学生からの人気が集中
【77】三菱電機（デバイス・材料研究）
【76】日立製作所（AI・材料・機械研究）
【75】花王（素材・化学研究）
Sランクは研究力と事業貢献の両立が重視される、大手メーカー研究職の中核層である。
博士号は必須ではないものの、修士段階での研究内容の完成度が重要です。
研究成果を製品や技術にどう活かせるかを論理的に説明できる力が評価されます。
技術面接では専門用語の噛み砕いた説明が求められます。
【研究職】Aランク（就職偏差値70〜74）
- 中堅〜大手メーカーの研究・開発部門が中心
- 若手のうちから研究テーマに主体的に関われる
- 応用研究・改良開発が多く、研究成果が形になりやすい
- 学歴よりも研究姿勢や再現性を評価する企業も多い
【74】AGC（材料研究）
【72】住友化学（応用化学研究）
【70】コニカミノルタ（機能材料研究）
Aランクは研究経験を実務に直結させやすく、大学院での学びを活かしやすい層である。
研究テーマは応用寄りが多く、実験・評価・改善のサイクルを回す力が求められます。
成果が製品化につながる経験を積みやすい点も魅力です。
研究力に加えて、チームでの協働姿勢も評価対象となります。
【研究職】Bランク（就職偏差値65〜69）
- 製品評価・品質改良・開発支援が主業務
- 実務を通して研究スキルを身につけやすい
- 人物評価の比重が高く、研究内容の親和性が重要
- 安定した企業が多く、働きやすさを重視する学生に人気
【69】中堅化学メーカー（品質研究）
【67】食品メーカー（製品開発研究）
【65】電子材料メーカー（評価・分析研究）
Bランクは実験・分析などの実務能力が評価されやすい研究職ポジションである。
研究テーマと企業事業のマッチ度が選考結果を大きく左右します。
突出した研究実績がなくても、基礎力と姿勢で十分に勝負できます。
現場経験を積みたい人に向いた環境です。
【研究職】Cランク（就職偏差値60〜64）
- 試験・分析・評価業務が中心
- 実験操作やデータ整理スキルを磨きやすい
- チームで研究開発を支える役割が多い
- 中小・地域密着型メーカーが中心
【64】地場メーカー（試験・検査）
【62】中小化学企業（分析・評価）
【60】素材メーカー（実験補助）
Cランクは研究職への入り口として位置づけられる層である。
研究というよりは、実験・評価を通じて開発を支援する立場になります。
基礎的なスキルは実務の中で身につけられるため、経験値を積みたい学生に向いています。
安定性を重視する人にも選ばれやすい領域です。
【研究職】Dランク（就職偏差値55〜59）
- 研究補助や試料作成など定型作業が中心
- 高度な専門知識は不要
- 正確性と継続力が評価される
- 試験受託会社や関連企業が多い
【59】試験受託企業
【57】分析補助企業
【55】研究サポート企業
Dランクは研究現場を支える縁の下の力持ち的ポジションである。
指示通りに正確な作業を行う姿勢が重要視されます。
研究職としての基礎経験を積む第一歩として適しています。
実績次第で上位ランクへの挑戦も可能です。
【研究職】Eランク（就職偏差値50〜54）
- 実験準備・清掃・管理業務が中心
- 採用ハードルが比較的低い
- 研究環境に触れながら仕事ができる
- 小規模・地域企業が主
【54】小規模分析企業
【52】地域検査企業
【50】実験補助企業
Eランクは研究分野への入り口として位置づけられるポジションである。
専門性よりも研究への関心や真面目な姿勢が評価されます。
ルーティン業務が中心ですが、研究現場を知る機会が得られます。
将来的なキャリア形成の土台として活用できる選択肢です。
研究職の就職偏差値ランキングから見る業界別の傾向
研究職と一口に言っても、業界によって求められる専門性の深さや、採用のトレンドは全く異なります。
就職偏差値ランキングを正しく読み解くには、「アカデミックな専門性が重視される業界」なのか、それとも「商品への応用力や発想力が重視される業界」なのかを見極める必要があります。
ただ闇雲に大手企業の研究職を受けるのではなく、自分の研究スタイルや強みがどの業界の傾向とマッチするかを知ることが、内定への近道です。
ここでは、特に人気が高い4つの主要業界について、ランキングから読み取れる採用傾向と難易度の質について詳しく解説していきます。
製薬・バイオ業界の特徴と採用トレンド
研究職の就職偏差値の中でも、常に最上位クラスに位置しているのが製薬・バイオ系の企業です。
武田薬品工業やアステラス製薬、第一三共といった大手製薬メーカーの創薬研究ポジションは、採用人数がごく少数である一方、応募者は全国の有力大学院から集まるため、競争環境は極めて苛烈です。
低分子医薬からバイオ医薬・抗体医薬へと技術がシフトしている流れもあり、修士卒だけでなく博士号（Ph.D.）取得者を積極的に採用したいというニーズが高まっています。
学部卒での採用はレアケースとなっており、修士であっても研究テーマの専門性や成果が明確でなければ、書類段階で足切りされることも珍しくありません。
企業にとって研究力が事業の根幹を支えるため、学生という立場ではなく「一人の研究者」としてどこまで通用するかが厳しく見られる、ハイレベルなフィールドだと言えます。
食品・飲料業界における人気と倍率の高さ
味の素、サントリー、明治などの食品・飲料メーカーは、日常生活に身近な商品を扱っていることから、理系学生の中でも特に人気が集中する業界です。
研究テーマも「おいしさ」「健康」「安全性」など分かりやすく共感を得やすいものが多く、仕事のイメージがつきやすい点も志望者が集まりやすい理由の一つです。
その結果、就職偏差値は採用人数の少なさに対して応募数が非常に多い「倍率の高さ」で押し上げられています。
各社の研究職採用は数名〜数十名程度にもかかわらず、エントリー数は何千人規模になることもあり、実質的な倍率は数百倍に達するケースもあります。
製薬業界のように論文数だけで評価されるわけではなく、チームで働く姿勢や商品へのこだわり、顧客視点なども含めて総合的に見られるのが特徴です。
化学・素材（BtoB）メーカーにおける研究職の位置づけ
旭化成、東レ、三菱ケミカルといった総合化学メーカーや素材メーカーは、日本の製造業を下支えする重要なプレーヤーであり、研究開発への投資にも積極的です。
この業界では、高分子化学、有機・無機化学、材料工学など幅広い専門分野の学生が対象となるため、製薬業界と比較すると入口はやや広く感じられます。
しかし、BtoBビジネスであるがゆえに学生からは見えにくいものの、実際には高収益・高待遇の優良企業が多く、情報収集に長けた理系院生からの人気は非常に高いです。
特に半導体関連材料や環境負荷低減型素材など、成長分野に関わる研究テーマは各社が注力している領域であり、これらの分野で研究している学生は自分の専門性を強みとしてアピールしやすいポジションと言えます。
研究職としては、基礎と応用のバランスを取りながら、新しい材料の探索から量産化を見据えた評価まで一貫して携われる点が大きな魅力です。
化粧品・トイレタリー業界の研究職に求められる資質
資生堂、花王、コーセーなどの化粧品・トイレタリーメーカーは、ブランドイメージや広告露出も相まって、特に女子学生を中心に根強い人気を誇る業界です。
研究職には、界面化学や生物学、皮膚科学といった理系の知識に加えて、トレンドやユーザーインサイトを読み取る感性も求められます。
スキンケア・ヘアケア・メイクアップなどの処方開発では、科学的な裏付けと使用感の両立が重要であり、数字だけでなく感覚的なフィードバックを取り入れながら試作を重ねていきます。
採用人数は総じて少数精鋭で、書類選考や面接の段階でかなり絞り込まれるため、就職偏差値としては上位クラスに入る難関です。
選考では、研究内容の説明に加えて、「なぜこのブランドで研究したいのか」「どのような価値をユーザーに届けたいのか」といったメッセージ性も問われる傾向があります。
研究職が就職先に選ばれる理由
研究職は就職偏差値の高さゆえに「難しそう」「自分には無理かも」と感じられがちですが、その一方で毎年多くの理系学生が第一志望として選ぶ人気職種でもあります。
ここでは、数ある理系キャリアの中から研究職が選ばれる背景や、その魅力について整理していきます。
自分の専門性を最大限に活かせるキャリアだから
研究職は、大学や大学院で磨いてきた専門知識や実験スキルを、そのまま仕事として活かせる数少ない職種です。
学生時代に積み重ねた実験データや考察の経験が、企業に入ってからも新しい技術や製品を生み出す力として評価されます。
特に大学院での研究テーマと企業の研究領域が近い場合、入社後すぐに戦力として活躍できる可能性も高く、学びと仕事のつながりを実感しやすいのが魅力です。
「せっかく頑張ってきた研究を、社会に出ても続けたい」という思いを持つ学生にとって、研究職は理想に近いキャリア選択だと言えるでしょう。
社会や人の生活に長期的なインパクトを与えられるから
研究職の仕事は、成果が形になるまで時間がかかる一方で、成功したときには社会や産業に大きなインパクトを与える可能性を秘めています。
新しい薬や素材、環境負荷の少ない技術などが世の中に広まれば、多くの人の生活を根本から変えることにもつながります。
日々の業務は地道な実験や検証の繰り返しですが、その先にある「社会に貢献できた」という実感は、他の職種では得がたいやりがいです。
成果が世の中に広がるまで時間がかかるからこそ、長期的な視点で物事を考えたい人や、腰を据えて一つのテーマに向き合いたい人に選ばれやすい職種と言えます。
専門性と安定性を両立しやすい職種だから
研究職は、専門スキルが重視されるため、景気の変動があっても一定のニーズが保たれやすいという特徴があります。
特に製薬・化学・素材・インフラ系など、社会インフラや医療・環境に関わる分野では、長期視点での研究投資が続けられることが多く、安定した環境で働きやすい傾向があります。
また、社内でキャリアを積んだ後に専門職として処遇が上がるケースや、将来的に大学・研究機関へのキャリアチェンジを視野に入れられる点も、研究職ならではの魅力です。
「一つの専門性を磨きながら、長くキャリアを形成したい」と考える理系学生にとって、研究職は安定性と専門性を両立できる選択肢として支持されています。
研究職の高偏差値企業に内定するための対策
超難関である研究職の内定を勝ち取るためには、単に研究室に籠もって実験をしているだけでは不十分です。
企業は「研究ができる学生」ではなく、「研究を通じてビジネスに貢献できる人材」を求めています。
研究能力が高いことは大前提として、それをどう社会に還元できるかという視点を持つことが、ライバルとの差別化に繋がります。
ここでは、高偏差値企業の研究職を目指すために、今日から取り組める実践的な対策を4つ紹介します。
専門外の人にも伝わる「研究概要書」を仕上げる
研究職の選考において、最重要書類の一つが「研究概要書」です。
ところが、実際には専門用語や図表を並べるだけで、同じ分野の人にしか理解されない内容になってしまっているケースが少なくありません。
人事担当者や他分野の研究者が読むことを前提に、「なぜその研究が必要なのか（背景）」「自分はどこに工夫を加えたのか（独自性）」「どのような価値を生み出せるのか（意義）」の3点を整理して書きましょう。
専門用語をかみ砕いて説明できるかどうかは、そのまま論理的思考力やコミュニケーション力の評価につながり、選考通過率に大きく影響します。
研究職と開発職の違いを理解して志望軸を明確にする
企業の中では「研究職」と「開発職」は役割がはっきり分かれているにもかかわらず、就活生側がそこを曖昧にしたままエントリーしてしまうことがよくあります。
研究職は未知の現象を解き明かし、新しい原理や技術の芽を見つけることが主なミッションで、時間をかけて一つのテーマを深掘りする力が求められます。
一方、開発職は既にある技術をもとに、製品として市場に出せるレベルまで仕上げる役割で、スピード感や社内外との調整力が重要です。
自分の強みが「仮説を立ててじっくり検証するタイプなのか」「技術を形にして世の中に届けることにやりがいを感じるのか」を言語化し、志望職種との整合性を示せるようにしておきましょう。
この軸が定まっていれば、面接でも一貫したメッセージを伝えられ、企業側もミスマッチの少ない人材として安心して評価できます。
学会発表や論文など「外部評価」を積極的に取りにいく
研究職を目指す上で、学会発表や論文投稿などの実績は大きな加点要素になります。
修士1年〜2年のタイミングでチャンスがあるなら、多少忙しくても積極的にチャレンジした方が良いでしょう。
たとえまだ成果が途中段階であっても、「どのような仮説を立て」「どのように実験計画を組み立て」「どのような工夫で課題を乗り越えようとしているのか」を説明できれば、ポテンシャルは十分に伝わります。
企業が見ているのは、成功した結果だけではなく、壁にぶつかったときの向き合い方や粘り強さ、改善のプロセスです。
日頃から実験ノートやデータ整理を丁寧に行い、「自分なりのPDCA」を具体的なエピソードとして語れるよう準備しておきましょう。
チームで研究を進める力と対話力をアピールする
企業の研究職は、個人で完結する仕事ではなく、プロジェクトチームで進めるのが基本です。
同じ部署の研究者だけでなく、製造・品質保証・知財・営業などさまざまな部門と連携しながら、研究成果を事業に結びつけていく必要があります。
そのため、「自分の意見だけを押し通すタイプ」よりも、「相手の立場を理解しながら議論できるタイプ」が評価されやすい傾向があります。
面接では、ゼミでのディスカッションや共同研究、後輩指導などのエピソードを通じて、周囲と協力しながら成果を出してきた経験を具体的に伝えましょう。
高い専門性と円滑なコミュニケーション力の両方を備えていることを示せれば、研究職としての総合力を強くアピールできます。
研究職の就職偏差値に関するよくある質問
研究職を目指す理系学生から、毎年のようによく相談される悩みや疑問にお答えします。
噂に惑わされず、正しい情報を知って戦略的に就活を進めてください。
Q. 学部卒でも研究職として採用されることはありますか？
A. 大手メーカーの基礎研究ポジションでは、修士以上を応募条件としているケースが多く、学部卒での採用は決して多くはありません。
一方で、開発寄りのポジションや、生産技術・品質保証など研究に近い職種であれば、学部卒を受け入れている企業も一定数存在します。
特に、食品系や中堅メーカー、地域密着型企業などでは、ポテンシャルを重視して学部卒を採用する例も見られます。
ただし、ライバルの多くが大学院卒であることを踏まえると、「なぜ進学せず就職を選ぶのか」という理由や、自分なりに磨いてきた強みを明確に語れることが重要です。
視野を広く持ち、就職偏差値だけでなく仕事内容や成長環境も含めて検討することがポイントになります。
Q. 専攻と企業の事業内容があまり一致していなくても大丈夫ですか？
A. 専攻と事業内容が完全に一致していなくても、応募できる企業は多くありますし、内定を獲得している例も多数あります。
企業は、学生が持つ現在の専門知識だけでなく、「新しい分野を学んでキャッチアップできるかどうか」という吸収力も重視しています。
特に化学・素材系の企業では、異なる分野の知見を組み合わせることでイノベーションを生み出したいというニーズがあり、必ずしも専攻の一致を最優先しているわけではありません。
重要なのは、自分の研究で身につけた考え方やアプローチが、志望企業の技術領域でどのように活かせるかを自分なりに整理しておくことです。
その上で、「異分野だからこそ提供できる視点」もセットでアピールできると、ポジティブに評価されやすくなります。
Q. 博士課程に進学すると、民間企業への就職は不利になりますか？
A. 昔は「博士はオーバースペック」と見られることもありましたが、現在はそのイメージは大きく変わりつつあります。
製薬・化学・素材・電機・IT・AIなどの分野では、高度な専門性を持つ博士人材を積極的に採用しようとする企業が増えており、むしろ研究職では博士が歓迎されるケースも目立ちます。
一方で、企業側は「専門が細かすぎて柔軟性がないのではないか」という懸念を持つこともあるため、専門分野に閉じこもらない姿勢を示すことが大切です。
博士進学を選ぶなら、アカデミックな実績に加えて、「ビジネスの現場でどのように価値提供できるか」を意識したキャリアプランを持つようにしましょう。
専門性と柔軟性の両方をアピールできれば、修士卒よりも高い評価や処遇で迎えられる可能性も十分にあります。
Q. 学校推薦を使えば、内定はほぼ保証されますか？
A. 近年は「推薦だから必ず受かる」という状況ではなくなっており、人気企業の研究職では推薦応募でも普通に不合格になるケースが増えています。
特に志望者が集中する大手メーカーでは、学校推薦であっても面接やプレゼンの内容が不十分であれば、容赦なく落ちると考えておいた方が安全です。
学校推薦は「企業に対して一定の信頼がある学生」であることを示すものではありますが、それだけで選考を免除してくれる魔法のチケットではありません。
むしろ推薦を使う以上、「この学生を推薦して良かった」と思ってもらえるだけの準備をする責任が伴うと考えましょう。
自由応募と同じ、もしくはそれ以上にしっかりと研究説明や志望動機を練り込んでから選考に臨むことが重要です。
まとめ
研究職の就職偏差値は確かに高く、狭き門です。
しかし、それは裏を返せば、あなたの研究への情熱と努力が正当に評価される、やりがいに満ちたフィールドであるとも言えます。
偏差値という数字に萎縮するのではなく、自分の専門性が活かせる場所はどこか、研究で培った「考える力」をどうアピールするかを戦略的に練り上げてください。
