特別区のSPI日程はいつ?申込から採用までの年間スケジュールを編集部が解説

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伊東美奈
Digmedia監修者
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

特別区(東京23区)の職員採用試験には、第1次試験がSPIのみで受けられる「Ⅰ類採用試験【早期SPI枠】」があります。2026年度(令和8年度)は2月に申込受付、3月にSPI受検、5月末に最終合格発表というスケジュールで実施されました。

従来の春試験よりも約2か月早く結果が出るうえ、教養試験や専門試験の勉強をせずに挑戦できるため、民間就活と併行する学生からの注目度が高まっています。一方で「いつ申し込むのか」「SPIはいつ受けるのか」「合格後はいつ採用されるのか」といった日程の全体像は、初めて調べる人にはわかりにくいのが実情です。

この記事では、特別区の早期SPI枠について、申込から採用までの年間日程を編集部が時系列で整理します。民間就活のスケジュールとの重なり方や、日程から逆算した対策開始時期の目安もあわせて解説します。

この記事を読んでわかること

・特別区の早期SPI枠とは何か、従来試験と何が違うのか
・申込からSPI受検・2次試験・最終合格までの年間日程
・最終合格後、区面接を経て採用されるまでの流れ
・日程から逆算したSPI対策の開始時期の目安

この記事をおすすめしたい人

・特別区をSPIで受験しようと考えている大学生・既卒の人
・民間就活と公務員を併願していて、日程の重なりが気になる人
・「いつまでに何をすればいいか」をカレンダーで把握したい人

目次目次を全て表示する

特別区のSPI試験とは?早期SPI枠の基本を押さえる

日程の話に入る前に、「特別区のSPI」が指す試験の正体を確認しておきましょう。特別区人事委員会が実施するⅠ類採用試験【早期SPI枠】は、令和7年度に新設された比較的新しい採用ルートです。ここでは試験の位置づけと、従来の春試験との関係を編集部が整理します。

早期SPI枠は令和7年度に新設されたルート

特別区職員Ⅰ類採用試験【早期SPI枠】は、第1次試験を民間就活で広く使われる適性検査「SPI」だけで実施する試験区分です。特別区人事委員会が令和6年9月に新設を発表し、令和7年度から実施されています。

対象となる試験区分は事務(一般事務)で、合格すれば東京23区や特別区人事・厚生事務組合などの職員として採用される点は、従来のⅠ類採用試験と変わりません。

教養試験・専門試験・論文が課されないため、公務員試験特有の筆記対策をしていない学生でも挑戦しやすいのが最大の特徴です。

従来のⅠ類春試験との関係

従来からあるⅠ類採用試験【春試験】も引き続き実施されており、早期SPI枠はそれに追加された「もう1つの入り口」という位置づけです。春試験は教養試験・専門試験・論文という公務員試験らしい筆記構成で、1次試験は例年4月に行われます。

ただし注意したいのは併願制限です。早期SPI枠に申し込んだ人は、受験の有無にかかわらず同年度のⅠ類春試験と経験者採用試験に申し込むことができません。どちらのルートで挑むかは、申込前に決めておく必要があります。

SPIはテストセンター方式(SPI3-U)

早期SPI枠の第1次試験で使われるのは、テストセンター方式のSPI3-Uです。性格検査(約30分)を自宅のパソコンやスマートフォンで受検したあと、基礎能力検査(約35分・言語分野と非言語分野)を全国のテストセンター会場またはオンライン会場で受検します。

これは民間企業の採用選考で使われるSPIテストセンターと同じ仕組みです。民間就活でSPI対策を進めている人なら、その学習をそのまま流用できます。なお、性格検査の結果は合否には関係しないと受験案内に明記されています。

2026年度の早期SPI枠 年間日程を一覧で確認

ここからが本題の日程です。直近の実績である2026年度(令和8年度)の早期SPI枠のスケジュールを、特別区人事委員会の受験案内をもとに編集部が一覧表にまとめました。来年度以降も同じ時期に実施されるとは限らないため、大きな流れをつかむ参考として活用してください。

申込から最終合格までのスケジュール表

2026年度(令和8年度)実施分の主な日程は以下のとおりです。

ステップ2026年度の日程内容
申込受付2月5日〜2月18日インターネット申込。面接カードも同時入力
第1次試験(SPI)3月4日〜3月17日期間内で受験者が日時・会場を選択
第1次合格発表3月27日メール通知+ホームページ掲載
第2次試験(プレゼンシート作成)4月19日都内会場で90分の課題式作成
第2次試験(口述試験)5月12日〜5月15日人事委員会が指定する1日に個別面接
最終合格発表5月29日採用候補者名簿に高点順で登載

申込からわずか4か月弱で最終合格まで到達する、公務員試験としては極めてスピーディーな日程です。

SPI受検日は自分で選べる

第1次試験のSPIは、約2週間の受験期間の中から受験者が都合のよい日時と会場を予約して受検します。全国のリアル会場に加えてオンライン会場も選択できるため、地方在住者も受けやすい設計です。

ただし受験期間の終盤はテストセンターの予約が混み合う可能性があると案内されています。受験依頼メールを受け取ったら早めに予約を確定させるのが安全です。期間内に受検できなかった場合は辞退扱いになります。

従来の春試験と比べて約2か月早い

従来のⅠ類春試験は、2026年度の場合3月6日〜23日申込、4月19日に第1次試験という日程で、最終合格は例年7月頃です。早期SPI枠は最終合格発表が5月29日ですから、結果が出るタイミングが約2か月早いことになります。

「早く進路を確定させたい」「民間の選考ピークと時期をずらしたい」という人にとって、この2か月の差は大きな意味を持ちます。

他の採用区分の日程も俯瞰しておく

参考として、特別区の他の採用区分の2026年度日程も押さえておきましょう。Ⅰ類秋試験は7月16日〜30日申込・9月13日1次試験、経験者採用の秋試験は6月25日〜7月16日申込・9月6日1次試験という日程でした。

ただしⅠ類秋試験は近年、土木・建築・機械・電気といった技術系区分が中心で、事務職の受け皿は早期SPI枠と春試験の2つが実質的な選択肢です。しかも両者は併願できないため、事務志望者にとって年間の出願チャンスは事実上1回と考えて日程管理をするのが安全です。

申込からSPI受検までの手続きを時系列で解説

次に、申込〜第1次試験の期間に受験者側がやるべき手続きを、つまずきやすいポイントとあわせて確認します。早期SPI枠はすべての連絡がメールとWebで完結するため、手続きの流れを知らないと重要な通知を見落とすおそれがあります。編集部が受験案内から要点を抽出しました。

申込時に「面接カード」まで書く必要がある

申込はインターネットのみで、受付期間は2週間程度しかありません。しかも申込時には顔写真データの登録に加えて、第2次試験の面接で参考資料に使われる「面接カード」の入力まで求められます。

つまり実質的には、申込の時点で志望動機や自己PRを一定の完成度で言語化しておく必要があるということです。申込開始日に慌てて書き始めるのではなく、前年の12月〜1月には面接カードの下書きを済ませておくことをおすすめします。

性格検査→基礎能力検査の順で受ける

申込後、3月上旬に第1次試験の受験依頼メールが届きます。メール記載のURLからSPIの受験手続きを行い、まず自宅等で性格検査を受検し、その後テストセンターで基礎能力検査を受検する流れです。

テストセンターIDをすでに持っている人は新規発行が不要とされており、民間企業の選考でテストセンターを受検済みであれば、所定の期間内に前回結果を送信する選択肢もあります。

合格発表はメール通知が基本

第1次試験の合格発表は3月下旬で、窓口等への掲示は行われません。合格者の受験番号がホームページに掲載されるほか、受験者全員に結果通知メールが送信されます。

結果通知や受験票のダウンロードには申込時に設定したパスワードが必要です。パスワードの照会には応じてもらえないため、必ず控えを保管しておきましょう。

また、申込時に登録したメールアドレス宛てに受験依頼メール・受験票・結果通知などの重要連絡がすべて届きます。大学のアドレスなど卒業後に使えなくなるものや、迷惑メール判定されやすいアドレスは避け、日常的に確認しているアドレスで登録してください。指定日にメールが届かない場合の対応方法も受験案内に記載されています。

2次試験から最終合格までの日程と内容

第1次試験を通過すると、4月〜5月に第2次試験が行われます。早期SPI枠の2次試験は「プレゼンテーションシート作成」と「口述試験」の2日構成という独特の形式です。日程の全体像を把握するうえで欠かせないポイントを編集部が整理します。

4月中旬:プレゼンテーションシート作成

2026年度は4月19日に、都内会場でプレゼンテーションシート作成が実施されました。提示された統計や記事などの資料をもとに、行政課題に関するシートをA4版1枚・90分で作成する課題式の試験です。

注意すべきは、この作成日を欠席すると口述試験自体が受験できなくなる点です。2次試験の中では地味に見えますが、日程管理上は絶対に外せない1日です。

5月中旬:口述試験(プレゼン+個別面接)

口述試験は5月中旬の指定された1日に行われます。冒頭で自分が作成したプレゼンテーションシートに基づくプレゼンテーションを行い、その後シートと面接カードをもとにした個別面接が続く形式です。

指定された日時は変更できません。5月中旬は民間企業の面接も増える時期のため、併願している人は他社選考との日程調整を早めに進めておく必要があります。

5月末:最終合格発表と順位通知

最終合格は第1次試験と第2次試験の結果を総合的に判定して決まり、2026年度は5月29日に発表されました。希望者には総合得点と順位が通知されます。

この「順位」は次のステップである提示(区への紹介)の順番に影響するとされる重要な数字です。最終合格はゴールではなく、採用に向けた次の段階の始まりと捉えましょう。

最終合格後の日程:提示・区面接から採用まで

特別区の採用試験は、最終合格しても即内定ではありません。採用候補者名簿への登載、各区への提示、区面接という段階を経て、ようやく採用内定に至ります。ここでは合格発表後から実際に働き始めるまでの日程感を解説します。

名簿登載と「提示」の仕組み

最終合格者は採用候補者名簿に高点順に登載されます。特別区人事委員会は、原則として受験者の希望区を考慮しながら、成績上位者から順に各区へ「提示」します。

ただし希望者が特定の区に集中した場合などは、希望どおりに提示されないこともあると案内されています。提示のタイミングは順位や各区の充足状況によって人ごとに異なります。

区面接を経て採用内定へ

提示を受けた区は面接を行い、その結果に基づいて採用内定を出します。つまり最終合格後にもう1つ、区面接という関門があるわけです。

区面接で不選択となった場合は、採用予定数の充足状況に応じて別の区へ再提示されます。ただし充足状況によっては提示されず、結果として採用に至らないケースもあり得ると明記されています。

採用は翌年4月1日以降・名簿の有効期間は1年

採用は原則として試験翌年の4月1日以降です。2026年度試験の合格者であれば2027年4月1日以降の採用となります。

採用候補者名簿の有効期間は原則1年間です。かつての春試験では名簿が最長3年有効でしたが、現在は1年に短縮されているため、「合格を保持して数年後に就職する」という使い方は基本的にできなくなっています。

大学3年生の春に受験して合格した場合は、4年生の1年間を「内定確保済み」に近い状態で過ごし、卒業と同時に入庁する流れになります。処遇面では、2026年度の受験案内に初任給約278,400円(令和8年4月1日現在の給料月額+地域手当)と示されており、職務経験がある人には一定基準による加算もあり得ます。

日程・制度は必ず最新の受験案内で確認を

この記事の日程は2026年度(令和8年度)実施分の実績です。翌年度の日程や採用予定数、併願制限などの制度は変更される可能性があります。受験する年度の受験案内が特別区人事委員会ホームページで公表されたら、必ず原文を確認してください。

民間就活のスケジュールとどう重なるか

Digmedia読者には民間就活と特別区を併願する人が多いため、両者のカレンダーの重なり方も見ておきましょう。早期SPI枠の日程は、実は民間就活の山場とかなり重なっています。編集部が両スケジュールを突き合わせて分析しました。

3月:広報解禁とSPI受検が重なる

早期SPI枠のSPI受検期間である3月上旬〜中旬は、民間就活では広報解禁直後のエントリーラッシュにあたります。エントリーシート提出と企業のWebテスト受検が集中する時期です。

ただし試験がSPIテストセンターという共通形式である以上、対策は完全に共用できます。民間向けのSPI対策がそのまま特別区の1次対策になるため、負荷の増加は見た目ほど大きくありません。

4〜5月:面接シーズンの二重進行に注意

一方で注意したいのが4〜5月です。プレゼンテーションシート作成と口述試験の時期は、民間の面接選考が本格化するタイミングと重なります。

特別区の口述試験は日時変更ができないため、民間の面接と重なった場合はどちらかを調整することになります。併願する人は、4〜5月の予定はできる限り空けておく前提でスケジュールを組みましょう。

5月末に結果が出る意味

最終合格発表の5月末は、民間大手の選考がピークを迎える直前の時期です。ここで特別区の結果が出ていれば、「合格を確保した状態で民間の最終面接に臨む」あるいは「特別区に絞って区面接に備える」といった判断ができます。

進路の意思決定材料が早く手に入ることこそ、早期SPI枠を受ける実利的なメリットといえます。

なお、都庁のⅠ類B新方式も2026年度からSPI3のテストセンター方式となり、最終合格発表は特別区早期SPI枠と同じ5月29日でした。首都圏の公務員志望者にとって「5月末に結果が出揃う」スケジュール環境が整いつつあることも、年間計画を立てるうえで知っておきたい変化です。

日程から逆算するSPI対策スケジュール

最後に、年間日程から逆算した準備スケジュールを提案します。早期SPI枠は筆記の負担が軽いぶん、対策の中心はSPIの得点力と2次試験の準備に絞られます。編集部が推奨する時期別のアクションをチェックリスト形式でまとめました。

前年秋〜12月:SPIの基礎固め

SPIの基礎能力検査は言語・非言語あわせて約35分と短く、1問あたりにかけられる時間はわずかです。スピードと正確性を両立するには、前年の秋から問題集を1〜2周して出題形式に慣れておくのが理想です。

一般にSPIは正答率6〜7割が通過の目安とされますが、早期SPI枠は倍率が高めに出る傾向があるため、それ以上の得点を安定して出せる状態を目指しましょう。

1月:面接カードの下書きと申込準備

1月は申込準備の月です。以下のチェックリストで漏れを確認してください。

申込前チェックリスト

・受験案内の公表を特別区人事委員会ホームページで確認したか
・受験資格(年齢・学歴要件)を満たしているか確認したか
・面接カードの下書き(志望動機・自己PR・ガクチカ)を作成したか
・条件を満たす顔写真データ(JPEG)を準備したか
・春試験・経験者採用との併願制限を理解して申込先を決めたか

2〜3月:申込完了とSPI仕上げ、4月以降は2次対策へ

2月に申込を済ませたら、3月のSPI受検に向けて模擬形式の演習で仕上げます。受検日は期間の前半に設定し、後半を予備日として残しておくと、体調不良などのリスクに備えられます。

SPI受検を終えたら、すぐにプレゼンテーションシート対策と面接練習に切り替えましょう。1次の合格発表を待ってから始めると、プレゼンシート作成日まで3週間程度しかありません。

プレゼンテーションシート作成の試験問題は毎年度、試験終了後に公表されます。前年度の公表問題を使って「90分でA4版1枚にまとめる」練習を2〜3回行い、書いた内容を口頭で説明するところまでをセットで練習しておくと、口述試験対策も同時に進みます。

まとめ

この記事では、特別区の早期SPI枠について、申込から採用までの年間日程を編集部が解説しました。

2026年度の実績では、2月申込、3月SPI受検、4月プレゼンシート作成、5月口述試験、5月末最終合格という流れで、従来の春試験より約2か月早く結果が出ます。最終合格後は名簿登載・提示・区面接を経て、翌年4月1日以降の採用となります。

日程面の要注意ポイントは、申込時に面接カードまで書く必要があること、同年度の春試験・経験者採用と併願できないこと、そして口述試験の日時変更ができないことの3つです。

SPI対策は民間就活と完全に共用できるため、秋からの早めの準備がそのまま両方の武器になります。受験年度の正式な日程は必ず特別区人事委員会の最新の受験案内で確認したうえで、この記事のスケジュール感を参考に逆算の準備を進めてください。

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