HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
就活の第一関門、エントリーシート。
今回の記事では、エントリーシートを書いた後に確認すべき5つのポイントをチェックリストにまとめました。
エントリーシートで確認すべきポイント
就活において選考の一発目にやってくるものがエントリーシート。
自分なりに書いてみたのはいいけど、本当に選考を突破するに足りるのか不安になりますよね。
そこで今回は就活生が書くエントリーシートで確認すべき5つのポイントをご紹介します。
皆さんのエントリーシートも同じNG例をしていないか確認してみてください。
エントリーシートの「読みやすさ」の重要性
エントリーシートは、企業と就活生の最初の接点となるものです。
企業の人事担当はエントリーしてきた学生の分だけエントリーシートを確認し、通過させるかさせないかを決定する必要があり、その数は人気企業ともなると数万単位のエントリーシートを見なければなりません。
その中で 相手への読みやすさの配慮を欠いたエントリーシートは、選考において不利益に働く恐れがあります。
たとえその人がどれだけ素晴らしい経験をしてきたとしても、それを伝える文章が拙く読みづらいものであれば選考に落とされかねないのです。
しかし、自分の書いた回答が第三者から見て読みやすいものとなっているかどうかというのは、自分では見えづらいもの。
そこで今回はエントリーシートのチェックリストと併せて、就活生が書いてしまいがちなNGエントリーシートを添削してみました。
自分のエントリーシートと見比べて確認していきましょう。
エントリーシートで確認すべきチェックリスト
1. 質問にきちんと答えているかどうか エントリーシートで最も注意しておきたいのが「問われた質問にきちんと答えを返しているか」です。
「質問に的確な答えを返す」のは、コミュニケーション能力の基本です。
しかし、質問を無視して自分のアピールしたいことを全面に出してしまうエントリーシートが多いのも事実です。
あなたの回答が聞かれた質問にきちんと答えているか、改めて確認しましょう。
」回答: 「私は、マレーシアに1年間交換留学をしました。
そこで、異文化について学び、多様性を受け入れる姿勢を身につけることができました。
マレーシアは人種の“るつぼ”と呼ばれ、中華系の人々から欧米系の人など…」
上記の例は、質問の回答になっていないケースです。
ここでは「あなたの長所」の回答欄の一行目に「私は交換留学の経験があります。
」と経験を述べています。
これでは質問者が求める内容と異なる、ちぐはぐな回答を返すことになってしまいます。
このような事態を防ぐためには、質問内容で問われたことを主語にしてみてください。
まずは、 質問の内容に的確に返答する意識をつけるのがポイントです。
」回答: 「私の長所は、人それぞれ多様な考えがあることを認識し、どれだけ自分と違う意見でも他人の意見を尊重できることです。
この長所は、マレーシアに1年間交換留学したときに身につけることができたと考えています。
マレーシアは…」
2. 一読して文章・文の意味が伝わる構成か 文章構成の面で最も注意したいのは、結論ファーストで書くこと。
一文目で質問の答えを明確に言い切りましょう。
文レベルでは、文の主語と述語の関係をはっきりと明示することが大切です。
一文が長いと文意が読み取りづらく、主語と述語が食い違うミスが起きやすくなります。
文を改善するには一文を短く端的にまとめること、そして長い文の場合は主語と述語を近づけることを意識してください。
その中でも印象的だったのは店を良くするために新メニューの提案を行って実際に採用されたことです。
...」
上記の回答の場合「学生時代に頑張ったこと」は「アルバイト先の飲食店で新メニューの提案を行なった結果、売上向上に貢献したこと」になります。
しかし、ここでは結論の部分が後に出てくるため分かりづらい文章になっています。
このようなエントリーシートは、すぐに読まれなくなることが多いです。
なぜなら、人事担当者がエントリーシートを見た時に答えが見えないからです。
採用担当者は、数多くのエントリーシートに目を通すため、一読して答えが読み解けないものはその時点で読むのをやめてしまう可能性があります。
そのため、簡潔かつわかりやすい文章を心がけましょう。
私は3年間レストランでアルバイトを続けており、リーダー的なポジションを任されています。
私は自主的に店をよくするために店長に新メニューの提案を行なって、実際に採用されました。
...」
3. 接続詞を適切に使っているか 文と文の関係を示す「接続詞」も重要なポイントです。
文と文の間の論理構成が正しくできているかを確認する際のキーとなるのが、接続詞です。
接続詞の用い方を誤って、主張の方向性が何度も変わると非常にわかりづらい文章となってしまいます。
採用担当者がスムーズに文章を読み解けるように、逆接を多用するのは避けましょう。
」 回答: 「私が貴社を志望している理由は、商材を通して世界と日本のネットワークを作り上げたいからです。
私は大学で経済を学んでいます。
経済を回すためには、モノを生産することが大切です。
一方でモノを消費することも同様に必要です。
しかし経済を発展させるためにはその仲介に立つ流通が重要です。
...」
上記では逆接の接続詞を多用しているため、一番伝えたいメッセージが見えなくなってしまっています。
文と文同士の関係を表す接続詞を適切に使っているか確認しましょう。
」 回答: 「私が貴社を志望している理由は、商材を通して世界と日本にネットワークを作り上げたいからです。
私は大学で経済を学んでいます。
経済を回すためにはモノを生産し、消費を促す必要があります。
そのため、生産と消費の仲介に立つ「流通」は非常に重要となります。
...」
4. 読み手に前提を共有できているか エントリーシートを回答する際に「読み手に前提をきちんと共有できているか」を必ず確認しておきましょう。
エントリーシートでは学生時代に頑張ったこととして部活やサークル、アルバイトの経験を記入する機会が多くあるかもしれません。
その際に 専門用語や一部の人しか使わない語彙を説明なしで多用していないか、エピソードの背景をきちんと説明しているかに特に注意してください。
自分について何も知らない人が読んでもすぐにわかる文章であるか、改めて見直しましょう。
」 回答: 「私の長所は、チームのために努力を継続できることです。
私はラグビー部に所属しており、ポジションはフルバックでした。
私はポジションを活かして、全体に指示を積極的に出していました。
また、試合で活躍するため当初は苦手だったキックの練習に励みました。
...」
」 回答: 「私の長所は、チームのために努力を継続できることです。
私はラグビー部に所属しており、ポジションはフルバックでした。
フルバックは全体を見渡すことができるポジションです。
私は、積極的にチーム全体へ指示を出していました。
また、フルバックではキックをする機会が多いため、当初は苦手だったボールのキックの練習に励みました。
...」
エントリーシートの回答例ではラグビーを取り上げています。
NG例では専門用語が使われている上に、補足となる説明がなされていません。
これではラグビーに詳しい人以外は、何について話しているのか分からず困惑してしまいます。
汎用性のある言葉に置き換える、もしくは専門用語への説明を補足することを意識しましょう。
5. 抽象度が高すぎる、もしくは事実を羅列した文章になっていないか 最後に確かめておきたいのが、 最も伝えたいメッセージが正しく伝わる文章か。
確認するポイントとしては「抽象度が高すぎる、もしくは事実を羅列した文章になっていないか」という点です。
文章の抽象度が高すぎると、読み手に意図が明確に伝わりづらくなります。
また具体的な根拠に乏しいので、説得力に欠けてしまいます。
一方、事実だけを羅列した文章でも、最も伝えたいメッセージが伝わらず、中身がないと受け取られてしまいます。
」 回答: 「私の強みは責任感です。
所属したイベントサークルでは会計係を任されていました。
全員のお金を預かる責任は重く大変でしたが、適切な財務状況にするために管理することは喜びを感じました。
」
NG例では抽象的な文言に触れるに止まり、具体的にどのような行動を起こしたのか説明されていません。
そのため根拠に乏しく「本当にこの学生の強みがあるのか?」というように疑問を残す内容になってしまいます。
抽象度が高い文章に具体性を組み入れるには具体的な数字や体験談を加えましょう。
」 回答: 「私の強みは責任感です。
所属したイベントサークルでは会計係を務めました。
昨年度から続く赤字を黒字転換することに力を入れ、収入・支出それぞれに対する施策を打ちました。
企業からの協賛を募り、イベントにかかる経費を削減しました。
その結果、黒字を達成し自分の責任を果たしたときに喜びを感じました。
」
「分かりやすさ」がエントリーシートの秘訣
記事で紹介した5つのチェックリスト項目を意識して、もう一度エントリーシートを見直してみましょう。
同じエピソードにまつわる内容でも文章構成・表現によって伝わりやすさは格段に上がります。
OBや先輩からの添削や推敲を重ねて、納得いくエントリーシートを作成し、志望企業へと提出しましょう。