【過去問45選一覧】テーマ別グループディスカッションの攻略法!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

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はじめに

就活生の多くが経験するグループディスカッションですが、頻出テーマとしていくつかに大別されるのはご存知でしょうか?

今回は代表的な5つのテーマを紹介してそれぞれの議論の進め方や効果的なフレームワークの使い方について解説します。

グループディスカッションの目的や評価項目について知ってから本記事を読むとより深い理解ができると思いますので以下記事もぜひ参考にしてみて下さい。

【グループディスカッションのテーマ一覧】グループディスカッションとは

GD(グループディスカッション)とは、その名の通り複数人でディスカッションを行うものです。

企業の選考過程の中で課されるもので、主に大手企業を中心に実施されています。

企業にもよりますが、学生側の人数は4〜8人で行う場合が多く、

ディスカッションの時間は15〜20分程度の短いものから60分近くの長めのものまであります。

グループディスカッションは、 就職活動においては 「時間制限の中、与えられたお題に対して複数人で議論するプロセスとそのお題の解という結果に対して評価する選考過程のうちの1つ」といえるでしょう。

グループディスカッションとグループワークの違い

グループディスカッションと似ている物として「グループワーク」が挙げられます。

グループディスカッションでは議論や根拠などのプロセスが重視される一方で、グループワークでは最終的な制作物や発表での完成度が重要視されます。

グループディスカッションで最も重視されるのは、協力などをはじめとした「過程」であるため、結果も大切ですが、過程の部分でいかに貢献できるか、そして貢献していることをアピールできるかが大切です。

【グループディスカッションのテーマ一覧】グループディスカッションの目的

そんなグループディスカッションの目的とは一体何なのでしょうか?

企業がグループディスカッションを実施する目的として、企業は学生を多角的なポイントから評価したいと思っていることが挙げられます。

具体的には、学生はどんな価値観を持っていて、どんな考え方をするのか、グループや集団行動をする際にはどんな立ち位置にいるタイプなのか、というようなポイントです。

新卒採用はポテンシャル採用とも言われているので、その学生が持ちうる潜在的能力を見極めようとしています。

ここでは大きく分けて2つの目的をご紹介します。

価値観や考え方を知るため

前述したように、グループディスカッションでは学生の価値観や学生がどういう思考回路をしているのかが見られています。

一つのテーマについて議論を進めていく中で、人事は学生がどんなことを大切にしていて、考えや価値観の軸にあるものは何なのかを見極めています。

また、学生それぞれの価値観が自社の求める人物像にマッチしているかどうかを判断することができるので、効率よく学生を評価したい大手企業などで主に用いられます。

グループ内での立ち位置を知るため

二つ目の目的として挙げられるのが、学生のグループ内での立ち位置を知るということです。

グループディスカッションでは、基本的に初対面の学生同士が一つのテーマに対して議論を進めていく形式で進められます。

応募者同士が初対面の場で議論をしていく中で垣間見られる発言やコミュニケーション能力、協調性などから、学生がどんな立ち位置でグループに貢献するのかを見ています。

また、グループディスカッションでは、リーダーシップがあるかどうかに注目されがちですが、決してリーダーシップだけが評価されるわけではありません。

もちろん、率先して議論を引っ張ってくれる人の方が採用したいと思うかもしれませんが、それよりも、前向きかつ積極的に議論に参加しようとする姿勢や、建設的な議論にしようとする姿勢の方が採用側には魅力的に映ります。

柔軟性を知るため

企業はグループディスカッションを通じて、就活生の柔軟性も確認しています。

ある程度過去問を調べられる場合、対策も可能ですが、「100%、このテーマが出題される」という細かい情報まで調べることは基本的に不可能なのが、グループディスカッションです。

つまり、その場で出題された問題に取り組み、どう対応できるかを見ることで、就職した際は柔軟に働いてくれるかを確認しています。

【グループディスカッションのテーマ一覧】グループディスカッションで頻出のテーマ5選

ディスカッションのお題は、「デパートの売り上げを伸ばす施策を考えよ」という具体的なものから「無人島に1つ持って行くとしたら何を持っていくか」という抽象度の高いものまで様々です。

ここではグループディスカッションで頻出する5つのテーマをご紹介します。

各テーマごとに例題をまとめていますので、そちらも確認してみてください。

テーマごとに議論の進め方や扱う論点は異なります。

今回の記事では、それぞれのテーマごとに重要なポイントを解説していきます。

【グループディスカッションのテーマ一覧】抽象型

抽象的なテーマをもとに一つの答えを出すのが抽象テーマ型です。

お題が抽象的なことから、グループディスカッションに慣れていない学生が集まると、定義付けができずにぶれた議論になります。

抽象型のお題で【無人島から脱出する手段をあげてください】というものを例に解説していこうと思います。

【議論のポイント】 前提(定義付け)を決めてから、それぞれの意見を出していく

前提の確認

「無人島」といっても様々な状況があります。

例えば「島に食料が豊富にある」「島に脱出に使える道具がある」ということが考えられ、条件によって脱出手段も変わってきます。

議論の方向性を定めるためにまずは条件付け(定義づけ)をしていきましょう。

条件づけ(定義づけ)を行う際は「5W1H 」の項目の中から必要な要素をピックアップするとよいでしょう。

5W1Hとは以下を意味する言葉です。

Who(だれが) When(いつ) Where(どこで) What(なにを) Why(なぜ) How(どのように)

このお題でいえば 「誰が(Who)」島を脱出しようとしているのか? スポーツマンと一般の人では体力も違い手段が変わります。

「どこにある(Where)」島なのか? 近くに人が住んでいる島があるや観光地となる島など、状況によって手段は変わります。

意見出し(議論)

定義付けが終わったら意見を出す作業に入りましょう。

この時に先ほど決めた条件から外れないようにすることが重要です。

抽象型のお題では議論の結果よりも「条件付け」や「意見出し」など議論の進め方が見られるので過程を意識をしましょう。

意見のまとめ及び手段の決定

意見出しが終わったら意見をまとめる作業に入りましょう。

事前に設定した条件に最も近いものは何かを選ぶことを第一とします。

抽象型のテーマ例

グループディスカッションにおける抽象型のテーマ例には、過去問も含めて以下のようなテーマが挙げられます。

  • 「良いキャリアとは?」(メガベンチャー)
  • 「あなたの考える社会課題とは?」(ITベンチャー)
  • 「水を1番高く売ってください」(人材ベンチャー)
  • 「成長とは何か?」(コンサルのベンチャー)
  • 「10年後の未来は?」(五大総合商社)
  • 「リーダーシップとは?」(大手自動車メーカー)
  • 「あなたが思う学生の本分とは?」(日系大手銀行)
  • 「やりがいとは?」(外資銀行)
  • 「最高のチームを創るために必要なこと」(大手アパレルメーカー)
  • 「日本のサッカーを強くするには」
  • 「日本へのテロを防ぐには」
  • 「遅刻を防ぐには」
  • 「ATMに機能をもう一つ追加するなら」

前述のとおり、抽象型は議論のポイントがあいまいなため、見切り発車すると的外れな部分でディスカッションを重ねてしまうことになります。

あちこち意見が飛び交って、方向性が定まらない結果にもなります。

いずれのテーマにしても前提(定義付け)を決めることが重要なため、まずはどのような方向性で意見を出し合うのか整理しましょう。

【グループディスカッションのテーマ一覧】討論型

1つのテーマについて賛成・反対側に分かれて議論する/事前に役割を与えられて議論をするのが討論型です。

討論型ではつい勝ち負けに目が行ってしまいがちですが、 過度の自己中心的なふるまいは減点対象になってしまうので注意しましょう。

討論型のお題で 【店の喫煙席をなくすべきか】 というものを例に解説していこうと思います。

【議論のポイント】 明確な判断基準を決める

この基準を作ることで意見が大幅にそれたり、言い争いになることを避けることができます。

この時に自分の立場が優位になる基準を設定できればベターです。

基準の決め方はお題によって変わりますが この場合、賛成or反対に分かれる基準を 「店の売り上げをあげる」としたならば、賛成派は喫煙席をなくすことによる売上高へのメリットを、反対派は喫煙席を残したままの方が売上高に繋がるということを主張します。

この時基準を決めていなければ「タバコは健康に悪いため店に喫煙席を作るべきではない」といったような案が出て意見がそれてしまいます。

議論する際は反対側の意見を頭ごなしに否定することはいい評価を得ることができません。

そのため、議論する際は相手の意見を受け止めたうえでそれに対する反対意見を述べるようにしましょう。

討論型のテーマ例

グループディスカッションにおける討論型のテーマ例は、以下のとおりです。 これまでの過去問も含めてチェックしておきましょう。

  • 「学校に携帯は持っていって良いか」(ベンチャー企業 合同選考会)
  • 「公共交通機関は24時間運転すべきか」(五大総合商社)
  • 「大学生に宿題は必要か」
  • 「世界共通言語は導入すべきか」
  • 「NHKの教育番組は社会的には必要か」
  • 「日本に移民を入れるのは良いか」
  • 「日本スポーツ選手の海外流出について、とどめておくべきかどうか」

・「通年採用をするべきか」

討論型では、たとえば「学校に携帯を持って行って良い派(賛成派)」と「携帯を持って行ってはいけない派(反対派)」に分かれてディスカッションを進めるのが大きな特徴です。

このようにテーマ例を見れば、具体的にどのように討論するのかシミュレーションしやすくなります。

【グループディスカッションのテーマ一覧】課題解決型

与えられた課題の解決方法について議論するのが課題解決型です。

与えられる課題は時事ニュースに関するものや実際の企業を当てはめてテーマにしたものなど様々なものがあります。

課題解決型のお題で 【20代の車離れを防ぐにはどうすればいいか】 というものを例に解説していこうと思います。

【議論のポイント】 定義付けをした後に現状分析をもとに議論を進めること

前提の確認

前項にでてきた、前提確認の際には5W1Hの観点を意識しましょう。

「20代」といってもどこに(Where)住む20代か。

東京なのか、それとも地方なのか。

「防ぐ」とはどういうことか(どの範囲をさすか)定義付けをします。

この部分を定義付けしていなければ議論は広がり収拾が付きにくくなります。

「防ぐ」も現状をキープすること、現状を改善することで意味合いは異なります。

例えば「20代の車離れを防ぐ」という状態を「東京に住む20代の若者の車保有率を10%上げる」というように定義しましょう。

現状(課題)分析

<現状> ・そもそも免許証を持っている人が少ない ・交通機関の発達で車に乗る必要がない ・カーシェアの利用増加 ・維持費が高い

定義付けができたら以上のように「現状」を洗い出します。 このときに定義付けで決めたことに関する要素に関すること述べるようにしましょう。

スマホを使える場合は、客観的なデータをインターネットから調べることも有効です。

ここで現状を分析する際には議論をもれなくダブりなくするためにMECEやロジックツリーという手法を使って考えることをおすすめします。

この方法については、以下の記事にあるので参考にしてください。

〈ロジカルシンキングの重要性
ロジカルシンキングは論理的思考とも呼ばれ、簡単にいうと筋の通った考え方のことを言います。
例えば、「バイト先の居酒屋の売上を上げたい。」という問題があった時に、「店に来てもらう客数を増やすためにSNSを運用したら良い!」というのはロジカルではないです。

施策を立案する

議論をするうえで注意しなければならないのは、最初に決めた定義付けのゴールを達成するための手段を考えるということです。

本当にこの施策に「効果」はあるのか?効果があるとしたら一体どの程度のものなのか?を意識するといいでしょう。

交通機関の発達がボトルネック(目的を困難にさせる問題や障害)だと判断したならば、それを解決するための施策を考えます。

施策の決定

施策を決定する際には

①期間・・・施策にはどの程度の期間を有するのか。

②インパクト・・・施策にはどの程度の効果があるのか。

といった観点で決めましょう。

課題解決型のテーマ例

グループディスカッションにおける課題解決型のテーマ例には、以下のパターンがあります。

実際に出題された過去問も含めてチェックしておきましょう。

  • 「成長期の某IT企業の経営戦略・事業戦略の実現のために、採用課題を見つけ、人材活用プランを提案せよ」 (人材ベンチャー)
  • 「人材コンサルとしてソックコウベ株式会社の課題を発見し、解決策を提案してください」(人材ベンチャー)
  • 「残業時間を減らすには」(ベンチャー企業 合同選考会)
  • 「違法駐車を減らすには」
  • 「道路の渋滞を緩和するには」
  • 「廃棄される食料を減らすには」
  • 「マラリア感染者を減らすには」
  • 「若者の車離れについての改善策」

課題解決型のテーマでは、課題として掲げられていることに対してさまざまな解決策の意見を出し合い、解決に向けてアプローチしていくのが特徴です。

課題解決型も抽象的なテーマになりやすい部分があるため、前述のとおり、まずは「残業時間を減らすには」というテーマなら「そもそもどこの業界なのか」などの定義づけが重要になります。

上記のテーマ例から、ディスカッションの効果的な進め方を整理しましょう。  

【グループディスカッションのテーマ一覧】売上UP型

ある商品や企業の売り上げを上げるための議論をするのが売上UP型です。

コンサルティング会社でよく出題される傾向があります。

議論を進める手順は③課題解決型と似ていますが、異なるポイントがあるのでおさえましょう。

売上UP型のお題で 【ラーメン店の売り上げを2倍にするにはどうするか】 というものを例に解説していこうと思います。

【議論のポイント】 売上の分解→現状分析→解決策の提示という流れを意識する

前提の確認

ここでも前項で使った5W1Hの観点で前提の確認をします。

「どこ」にあるラーメン店なのか? 学生街にあるのか? オフィス街にあるのか? 「どんな」商品をメインであつかっているのか? 食事のボリュームのあることが強みなのか? さっぱりとした醤油系のラーメンを扱っているのか? 「いつまで」に売り上げを2倍にするのか? 短期で売り上げを上げるのか? 長期的に売り上げを上げるのか? こういったことをはじめに整理します。

ここで決めたことが施策に関わります。

ここでは 「学生街にある食事のボリュームが多いラーメン店の月次売上を2倍にする」 のように決めます。

売上の要素分解

次に売上の要素分解をします。

一般的に良く用いられる一番シンプルな公式が 『売上』=『客単価』×『客数』 です。

その他にも『客数』を分解して 『売上』=『平均客単価』×『席数』×『平均席重鎮率』×『回転率』 とすることもあります。

平均席重鎮率=客が席に座っている状態

上記の公式を参考にテーマごとにチームのメンバーと意見をすり合わせた上での売上の設定を行ってください。

今回の「ラーメン店の売り上げを2倍にするにはどうするか」というテーマでは、『売上』=『平均客単価』×『席数』×『平均席重鎮率』×『回転率』という公式を用いて解説します。

売上要素をかけ合わせて合計2倍にする

今回の売上要素は4つ。

1.平均客単価  2.席数  3.平均席重鎮率  4.回転率

各要素の数値を上げて合計2倍にすることで売上を2倍にするという目的が達成されます。

かけ合わせて2倍にすることを例で示すと 客単価1.5倍×席数1倍×平均席重鎮率1倍×回転率1.3倍 客単価1倍→1.5倍 回転率1倍→1.3倍 (1.5×1.3=1.95→約2倍) になります。

このときにどの要素を上げるかによってこの後に決めるターゲットや施策が変わるのでチームで相談して決めてください。

例えば「平均客単価」を上げると決定したら、従来の商品よりも高いものを作り出したり、お客様がたくさんお金を使ってくれるようなキャンペーン施策を打ち出したりすることが考えられるでしょう。

今回は「平均客単価」を2倍にすると仮定して進めます。

現状(課題)分析

平均客単価を2倍にする目的が決まった後に現状分析をします。

その際はフレームワークの知識を使うと、様々な要素を分解して考えることができます。

例をあげるとSWOT分析は現状の店の強みを洗い出し、店舗の優位性を示すことに役立つフレームワークです。

<SWOT分析> Strength(強み), Weakness(弱み), Oppotunity(機会), Threat(脅威)の頭文字をとったフレームワーク。

自社の強みや外部環境などのプラス要素と、自社の弱みと外部からの脅威のマイナス要素を分けて分析することによって、今後の戦略策定の参考にするために行います。

施策の決定

施策を決定する際には

①コスト・・・施策を実施するのにどれくらいの値段がかかるか。

②期間・・・施策にはどの程度の期間を有するのか。

③インパクト・・・施策にはどの程度の効果があるのか。

といった観点で決めましょう。

売上UPのテーマ例

グループディスカッションにおける売上UPのテーマ例には、過去問も含めて以下のようなパターンがあります。

  • 「花屋の売上を2倍にするには?」(メガベンチャー)
  • 「食堂の売上を伸ばすには?」(ベンチャー企業 合同説明選考会)
  • 「占い師の売上を上げるには」
  • 「タクシーの1日の売上を上げるには」
  • 「ディズニーランドの総売り上げを増やすには」
  • 「年賀状の売り上げ枚数を増やすには」
  • 「コンビニの客数を増やすには」
  • 「人材紹介サービスの売り上げを伸ばすための施策を考えてください」
  • 「オンラインライブで複数人視聴問題をなくし、売り上げを上げるためには?」(メガベンチャー)

売上UPのテーマも同様に、定義づけから始めることが重要になります。

たとえば「タクシーの1日の売上を上げるには」というテーマの場合、そのままでは抽象的すぎるため、「横浜市内を走るタクシーの1日の売上を、3か月後までに2倍にするには」などの前提の設定が必要です。

そのうえで売上要素を分解し、解決策をディスカッションしていきましょう。

【グループディスカッションのテーマ一覧】新規事業型

企業や団体が取り組む新規事業について議論するのが新規事業型になります。

進め方としては課題解決型と似ていることが特徴です。

【議論のポイント】 分析を基に実現可能性が高くオリジナリティのある施策を打ち出す

前提の確認

前項で使った5W1Hの観点で前提の確認をします。

新規事業型では特にどういった目的で新規事業を立ち上げるのか?ということを意識するといいでしょう。

初めに目的を決めることでぶれずに施策を立案できるようになります。

現状(課題)分析

現状分析ではフレームワーク等を使い、もれなく現状を洗い出すことを意識してください。

施策の立案

新規事業型の施策の立案で注意してほしいことが「思いつきの案だけで施策を決めない」ということです。

現状(課題)分析で浮かび上がった要素を基に施策を考えることが重要になります。

施策の決定

①コスト・・・施策を実施するのにどれくらいの値段がかかるか。

②期間・・・施策にはどの程度の期間を有するのか。

③実現可能性・・・施策が実現可能なものであるか。

④インパクト・・・施策にはどの程度の効果があるのか。

といった観点で決めましょう。

新規事業型に関しては実現可能性を意識したうえで、インパクトのある施策を立てられると印象がいいです。

実現可能性が低いものを立案することは面白みはあるかもしれませんが、ビジネス的観点ではよいとは言えません。

アイデアベースのアウトプットを求められる場合は、実現可能性は比較的重視されないのでその場合は例外に当たると考えてください。

新規事業のテーマ例

グループディスカッションで新規事業のテーマについて議論する場合、テーマ例には以下のようなものが挙げられるでしょう。

過去問も含めてピックアップしていきます。

  • 「社会課題をビジネスで解決するような新規事業を立案せよ」(ITベンチャー)
  • 「新規で保険を考えてください」(ITベンチャー)
  • 「企業方針を決めてください」(ITベンチャー)
  • 「LINEで新サービスを考えてください」(ベンチャー企業 合同説明選考会)
  • 「新卒の新しい採用方法を考えよ」(人材ベンチャー)
  • 「日焼けクリームの販売のビジネスモデルを構築せよ」(化粧品メーカー)
  • 「新幹線の中でできる新サービスは?」

新規事業型のグループディスカッションのテーマの場合、分析を実施したうえで実現可能性の高さとオリジナリティの両方を実現する必要があります

ただのインスピレーションのみで施策を決定すると、実現可能性に欠けることが多いため、アイデアが優れていれば良いという単純な話にはなりません。

たとえば「新幹線内の新サービス」の場合、現状どのようなサービスが新幹線で提供されているのか整理し、コスト・期間・実現可能性・インパクトの観点から意見を出し合っていきましょう。

【グループディスカッションのテーマ一覧】各テーマごとの解答例

続いて、各テーマごとの解答例を確認しましょう。

それぞれの例を確認し、しっかりと対策ができれば、本番も余裕を持って臨めるはずです。

抽象型の解答例

問題「日本における社会問題を挙げて、解決策を提示してください」

会話例

A「皆さんは社会問題と聞くと何を思い浮かべますか?」
B「それぞれが考えるための時間を3分設けて、問題の選択肢を何個か考えておきましょう」
C「Bの意見に賛成です。ただし、3分だと短いため、5分にしましょう。時間は私が測ります」
D「私は少子高齢化が日本の最も深刻な社会問題であると考えています。労働人口の減少に加え、年金問題も深刻で、一人ひとりが払う年金の額は増す一方です」

悪い根拠

年金問題を解決するために、年金制度を廃止するべきだ。

見ず知らずの人の生活のために未銭を切る余裕は無い。

あまりにも極端すぎるため、解決策として適していません。

良い根拠

労働人口の増加のために、一人ひとりが働きやすい環境を整えるべきだ。

ハローワークのように、職業訓練ができる場所を増やしてはどうだろうか。

解答例

「少子高齢化を解決するために、まずは生活を安定させることが重要。奨学金や子育て支援制度の拡充など、子供を作ることがマイナスに感じられる状況の改善を目指すべき」

討論型の解答例

問題「飲酒運転の厳罰化に賛成か反対か、根拠とともに説明してください」

A「まずは賛成派と反対派の意見を取りまとめるため、主張をまとめる時間を設けるのはどうでしょうか」

B「それぞれ5分間で意見を相手に伝える準備をしましょう」

(5分後)

C「私は賛成です。飲酒運転は人の命を簡単に奪いかねない、極めて危険な行為ですが、飲酒運転をする人は後を絶ちません。厳罰化はもちろん、より多くの注意喚起をするため、国が定期的に、SNSなどで飲酒運転の危険性を視覚的に伝える動画を配信するのはどうでしょうか。」

良い根拠

賛成派「たとえ、いわゆるほろ酔い状態でも運転事故の可能性は約2倍になるとされています。

他人の命を奪いかねない危険な行為なため、厳罰化するべきです」

悪い根拠

賛成派「飲酒運転は危険なため、たとえ一口でも飲んでいることが判明した場合は無期懲役にするべきだ」

飲酒運転が危険なことは間違いありませんが、ごく軽微な、運転に影響の無いアルコールでも厳罰化した場合、チョコ菓子などを食べただけでも犯罪になる可能性があります。また、刑罰も重すぎます。

解答例

「飲酒運転は人の命を簡単に奪いかねない、極めて危険な行為である。
よって、厳罰化と併せて、SNSや新聞広告を活用して飲酒運転の危険性を発信するべき」

課題解決型の解答例

問題「万引きの数を減らすための方法を、チームで考えて述べてください」

A「万引きが多い理由は立地でしょうか」

B「まずは具体的な原因から入る前に、どのようなお店なのか定義しましょう」

C「では、駅に近く、規模の大きなコンビニにしましょう」

D「万引きが多い理由にはいくつか考えられますから、それぞれ考える時間を5分ほど設けましょうか」

悪い根拠

「万引きは心の病気が原因であるため、万引きをした人全員にクリニックの受診を勧める」
万引きをする人全員がそうとは限らないし、根本的な解決にはならない

良い根拠

「貧富の差が激しい地域の場合は、炊き出しや就労支援を行い、万引きをしなくても良い環境を作る」
「近隣の学生による万引きが多い場合は、学校と連携を取り、万引きが犯罪であることや、どのような問題があるかについて注意喚起をしてもらう」

解答例

「近隣の中学生が万引きを犯すことが多いと仮定する。学校側と連携を取り、万引きが原因で店舗が閉店に追い込まれる可能性があることや、学生時代に犯罪を犯すことに慣れることの危険性を授業などで伝えてもらう」

売上UP型の解答例

問題「個人で運営している中華料理店の売上を伸ばすにはどうすれば良いか」

A「売上が伸びない理由はなんでしょうか」

B「まずは立地や料金設定について定義しましょう」

C「では、駅からは離れた立地で、中国人夫婦が2人で切り盛りしている設定にしましょう」

D「それぞれ案を出すための時間を5分取りましょう。
時間は私が測っておきます。」

悪い根拠

「客単価を上げるために、全てのメニューを150円値上げし、ライスもおかわり自由ではなく、一杯200円にする」
完全に悪手というわけではないが、「料金を上げる=儲かる」わけではない

良い根拠

「2人で運営しているため、オペレーションがうまくいっていない。
また、注文のためにスタッフを呼んでからメニューを考える客が多いため、食券機を導入し、回転率を上げることで売上UPを目指す」

解答例

「客単価は問題ないと仮定し、回転率の悪さに注目した。券売機を導入し、回転率を上げることで売上UPを目指す」

新規事業型の解答例

問題「外国人観光客をターゲットにした旅行会社のビジネスモデルを構築してください」

A「外国人にウケの良い旅行日程は何でしょうか」

B「まずは外国人の中でもどの層をメインターゲットとするのかについて考えましょう」

C「5分測るので、全員でそれぞれ大まかな事業例を考えてから、折衷案を出していきましょう」

悪い根拠

「外国人は資金に余裕がある場合が多いため、単価の高い寿司やステーキなどの日本食をめぐり、そしてお土産屋に複数寄るようにしましょう」
外国人観光客、全員が資金に余裕があるわけではない。
また、「とりあえず高いお店に連れて行こう」という不誠実な姿勢では誰もが楽しめるサービスは作れない

良い根拠

「観光客がスムーズに楽しめるよう、お店でよく使う日本語のリストと、同時翻訳アプリをインストールしたタブレット端末を支給する。
また、予算別にツアーを組むが、必ず日本食を楽しめるよう取り計らう」

解答例

「料金別にレストランは異なるが、毎回の食事で日本食を提供する。また、自由時間にもストレスフリーに過ごせるよう、同時翻訳アプリをインストールしたタブレット端末を支給する。」

【グループディスカッションのテーマ】各テーマごとに対策を加えて、選考通過を目指そう

今回はグループディスカッションの代表的な5つのパターンに関してまとめました。

グループディスカッションをする上で各テーマの進め方を意識して取り組むことは選考突破に有効です。

この記事で学んだことを活かしていただけると幸いです。

また、グループディスカッションは選考の前半に行われることが多く、内定を獲得するためにはその後の面接に通ることも必要になります。

以下のdigmediaの面接対策の記事もぜひ参考にしてください。

 面接官は、学生の話している内容だけでなく、その学生と将来一緒に働きたいと思えるかどうかを総合的に見ています。

そのためには、どれだけの経験を積んだのかだけでなく、まずは企業への志望度を自分の行動から伝えていくこと、そして「一緒に働きたい」「この学生なら仕事に対して真摯に向き合ってくれるだろう」と相手に思ってもらうことが重要です。

これからグループディスカッションを控えている就活生は、ぜひ頑張ってください。

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