【徹底解説】グループディスカッションに必要なロジカルシンキングの基本

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

就活で行う、グループディスカッション(GD)。

日系・外資問わず幅広い企業で選考フローの一環として取り入れられています。

グループディスカッションを通過する明確な正解がないため、悩む就活生も多いのではないでしょうか? 確実に選考を通過できる方法はありませんが、良いパフォーマンスをするために押さえておきたい思考法は存在します。

この記事ではグループディスカッションに臨む際に必要なロジカルシンキングについて解説します。

ロジカルシンキングの重要性

ロジカルシンキングは論理的思考とも呼ばれ、簡単にいうと筋の通った考え方のことを言います。

例えば、「バイト先の居酒屋の売上を上げたい。

」という問題があった時に、「店に来てもらう客数を増やすためにSNSを運用したら良い!」というのはロジカルではない考え方です。

ロジカルに考えるというのは、以下のように考えることです。

そもそも居酒屋の売上は「客数×客1人が平均で使う金額」の掛け算になる。

 

客数は居酒屋にある席数も関わってくるし、サクッと食べてすぐ帰る客が多いのか長居してたくさん注文してくれる客が多いのか、営業時間も短かったら客数は少なくなる…。

 

今回は途中で止めましたが、 様々な要因を全て洗い出し、どこに対して打ち手を行えば課題解決になるのかをきちんと順序良く考えることがロジカルシンキングと言えるでしょう。

ロジカルシンキングの何が利点なのでしょうか? それは、 説明する時に説得力があり、迷うことなく議論を進めることができる点でしょう。

ロジカルシンキングがきちんとできる人の話は、「なんでそう思うのか?」という定性的・定量的根拠が明確です。

これはグループディスカッションを行う上で非常に大切です。

相手に納得してもらい、自分の意見でディスカッションを進めることができるという利点があります。

協調性やリーダーシップなどの様々な評価項目があるグループディスカッションですが、思考力ももちろん見られています。

その思考力をアピールするためにロジカルシンキングは非常に大切になってくるのです。

上の例を見て「ちょっと自分には無理」と思った方、大丈夫です。

ロジカルシンキングは後天性のスキルとしてよく知られています。

つまり、インプットして実践を繰り返せば誰でもある程度のロジカルシンキングができるようになります。

ロジカルシンキングに必要な考え方として、以下の2つを押さえておけばいいでしょう。

・MECE ・Why & So what思考

下記にて詳しく説明していきましょう。

MECEについて

ビジネスでよく用いられる「MECE」という言葉。

初めて聞いた人も安心してください。

ここで理解しておけば大丈夫です。

MECEは「ミーシー」と読み、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive の略で「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」の意味です。

簡単にいうと「モレなく、ダブりなく」ということです。

もともとは経営コンサルティングの一手法として使われていたものが、民間の企業でも使われるようになり広まりました。

MECEは物事をシンプルに考えたい時にとても有効です。

モレがあると本当は検討しなければならない事案があった時に検討することができません。

一方、ダブりがあると、同じことを無駄に複数回検討してしまい、物事をシンプルに考えることができなくなります。

あくまで手段ですが、ロジカルシンキングに必要な強力なツールだといえます。

具体的なMECEな例としては、都道府県や年齢といった切り分け方は有名な例ですね。

モレもなければダブりもありません。

しかし、これでは実際のグループディスカッションの時に使えそうにないので、もう少し使えるようにMECEにする考え方を2つ紹介します。

・因数分解 MECEを考える際に一番よく使われる考え方が因数分解です。

中学生の時に因数分解って数学の授業でやりましたよね。

それを実際の課題や起こっている事象にそのまま当てはめるだけです。

ここでは居酒屋の売上を上げるためにはというお題にのっとって考えてみましょう。

居酒屋の売上を上げたいと思った時に、広告をたくさん打つ!と先に打ち手を発表してしまうのはナンセンスです。

なぜならそれがインパクトがあるという根拠が明確でないからです。

居酒屋の売上を上げる場合、まずは売上の構成要素を因数分解によって把握することが重要です。

売上は、顧客数と顧客単価によって構成されています。

さらに分解すると、顧客数は1時間当たりの客数に営業時間をかけたもの、顧客単価はそれぞれの注文の種類の合計と言えます。

ここまで分解すると、何が問題であるかという仮説を立てることができます。

例えば、1時間当たりの客数は競合と比べて問題ない数字だが、客が来る時間帯と来ない時間帯の差が激しすぎる。

そのため、忙しい時間帯は満席で断っている機会損失であるのではないか、または客が単価の安いドリンクばかり頼んでいるのではないかなどです。

仮説が立てられたらそれを解消するための施策の意見出しをしていけば打ち手としてかなり根拠のあるものとなるでしょう。

・ステップ分解 ステップ分解は、物事の順序をステップに分けてモレなくダブりなく考える手法です。

とてもわかりやすくかつMECEとなっているものが年齢です。

例えば、グループディスカッションのテーマがお店の売上に関するものだった場合、お客さんがどのような年代かによって売れる商品が変わってきたりしますよね。

そのような時は、 ・20歳以下の学生中心とした年代 ・20~60歳の社会人 ・60歳以上の高齢者 など分けて考えてみると、それぞれにどのような施策が考えられるかがわかりやすくなります。

他には、消費者の行動フローを表したAIDMAの法則であったり、メーカーが製品を仕入れから消費者に届けるまでの一連の流れを表すサプライチェーンがステップ分解の代表的な例となります。

Why & So what思考

もう1つロジカルシンキングに必要な思考法が「Why & So what思考」です。

とてもシンプルな考え方なのですが、強力なツールです。

課題解決型のテーマに対してよく使われ、Whyは根拠、So whatは結論を導き出してくれます。

上記の図はロジックツリーといい、縦に書くと原因と理由が一目でわかるようになっています。

例えば、地球温暖化という課題があった時に、なぜその課題が起こっているのかを考えてみると、原因である温室効果ガスの排出と吸収の関係であることがわかります。

さらになぜ?を繰り返していくと、温室効果ガスの排出は、車などの工業製品を作る時に工場が排出するものであったり、そもそも車から排出されるものだったりします。

また、人間もCO2を吐き出しているのでその一旦を担っているかもしれません。

吸収側も同じように考えていきます。

このように課題から「Why?」で深掘りしていくことをトップダウン型と言います。

もうこれ以上「Why?」を続けることができなくなったところがボトルネックという根本の原因となり、それを解決するために施策を考えると説得力のある課題解決の考え方となるでしょう。

番外編:フレームワーク

ここまでロジカルシンキングの考え方・思考法について解説してきました。

最後にビジネスの場でよく用いられるフレームワークを紹介します。

・3C分析 これはマーケティング環境を分析する時に用いられるフレームワークで、Customer(顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)の3つの頭文字をとって3C分析と言います。

主にこれからどこにビジネスを展開していくかや、既存のビジネスが伸び悩んでいるときにどう方向転換したら良いかなどを見定めるために用いられます。

・4P分析 企業がビジネスをする際に、「どのくらいの価格をどのような方法でどこにどうやって届けるか」を整理するフレームワークが4P分析です。

Price(価格) Place(場所) Product(製品・サービス) Promotion(宣伝)

の4つの頭文字を取って4Pと呼ばれます。

・AIDMA アイドマと読みます。

消費者行動のフローを表したフレームワークで、

Attention: 認知 Interest: 興味 Desire: 欲望 Memory: 記憶 Action: 購買

の頭文字をとったものです。

消費者が商品を見て欲しいと思い購入するまでを分析する時に用い、消費者がどの段階にいるかがわかります。

認知が圧倒的に足りないのであれば告知を増やし、興味が足りないのであれば、商品の魅力を告知にさらに盛り込んだりなど施策内容を変えることができます。

(最近ではSNSがビジネスシーンでも影響力を持っていることから、Attention, Interest, Search, Action, Shareの頭文字をとったAISASも用いられる。

・SWOT分析 SWOT分析は、Strength(強み), Weakness(弱み), Oppotunity(機会), Threat(脅威)の頭文字をとったフレームワークがSWOT分析です。

自社の強みや外部環境などのプラス要素と、自社の弱みと外部からの脅威のマイナス要素を分けて分析することによって、今後の戦略策定の参考にするために行います。

フレームワークを紹介しましたが、フレームワークを使うことが目的にならないようにしましょう。

目的は情報を整理することではなく、情報を整理した上でどのような意思決定をするか、グループディスカッションではどのような回答を選考官に提示するかが重要です。

フレームワークは先人が考えてくれた便利なツールですが、全ての事象に当てはまるわけではありません。

ロジカルシンキングとは何か課題にぶつかった時にどのように思考して整理していけば最短で課題解決にたどり着けるかを考えるものです。

基本的な「MECE」と「Why & What」思考をベースに思考力を鍛え、課題やテーマに応じた思考方法を自分で導き出すことができるようになりましょう。

終わりに

いかがでしたか。

ロジカルシンキングは特訓すれば誰にでも身につけることができるスキルです。

就活のためではなく、社会人になってからでももちろん役に立つ思考法ですので、この機会に身につけてみてはいかがでしょうか?

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