「個人面接を控えているけど、どんな対策をすればいいんだろう?」
「個人面接って目的って何?」
「個人面接では、どんな質問がよくあるの?」
これから個人面接を迎える方のなかには、このような疑問をもっている方もいるでしょう。
この記事では、個人面接の主な9つの対策法を中心に紹介していきます。また、個人面接でよく聞かれる7つの質問例を提示しながら、どのような回答が考えられるのか、回答のポイントと合わせて確認していきます。
記事を読み終わる頃には、個人面接のイメージが具体的にしやすくなり、就職活動を有利に進められるようになるでしょう。対策法や質問例を1つ1つ丁寧に確認し、緊張しがちな個人面接にぜひ備えてみてください。
目次[目次を全て表示する]
個人面接とは
まずは、個人面接がどのような流れで行われるかを知っておきましょう。
【個人面接の流れ】
・個人面接は、選考フローの中盤で行われることが多い。
・一般的に書類選考や集団面接、GDなどを突破したら進むことができる。
・通常は2~3回ほど面接が行われ、最終面接では企業の役員や社長と面接を行う。
・面接1回につき30分〜1時間程度。
個人面接の具体的な流れは、このような形になっています。
企業によって異なりますが、 ベンチャーや中小企業は初期の段階から個人面接で行うことが多いです。一方、 大企業では集団面接をした後に、通過した人だけが個人面接を行うことが多いです。
そのため個人面接が行われる場合が多いので、対策を行っておく必要があります。
個人面接の狙い
個人面接は、就活生一人一人の資質・価値観を知るために行われます。
「企業と合っているか」
「成長意欲が高いか」
企業によって、見ているポイントもさまざまです。ここでは、個人面接と集団面接との違いも実際に紹介していきます。
【集団面接との違い】
・面接に臨む就活生は一人だけ
・じっくりと話ができる
【個人面接で面接官が知りたいこと】
・その人が企業風土に合っているか
・社内で活躍できる資質・能力を備えているか
集団面接では複数人同時に面接を行うため、一人の持ち時間が短い場合が多いですが、個人面接ではじっくりと話し合うことができます。そのため、 この面接で「この会社で自分が挑戦したいこと」という自己PRをしっかりと行うことが大切です。
時間がある分、しっかりとアピールができないと面接官に良い印象を与えることはできません。あらかじめどんなことをアピールしたいのかを対策しておくことで、本番でも緊張せずに面接に臨むことができます。
個人面接の主な9つの対策法
それでは、個人面接はどのように対策していけば良いのでしょうか。自身に足りない部分、あるいはできていない部分があれば、ぜひ補っていき個人面接を有利に進めていきましょう。
ここでは、個人面接の対策法について紹介していきます。
1:企業について入念に調べる
就職希望の企業について入念な下調べを行いましょう。個人面接ではさまざまな質問をされることが想定されます。企業情報を研究・整理することで多角的な質問に対しても、自信をもって回答できるようになるでしょう。
入念な下調べによって、企業に関する直接的な質問をされた際にも焦ることは少なくなり、企業理念や企業方針をしっかりと把握しておくことで企業の求める人材に沿って回答しやすくなります。
2:自己分析を怠らない
個人面接では自分自身をきちんと把握できていることが重要であるため、自己分析は怠らないようにしましょう。自己分析を通して、「自分の強みとは何か」をはっきりさせ、そこからさらに具体的にどのように企業に貢献できるかも合わせて考えてみてください。
自己分析は履歴書や職務経歴書、エントリーシートなどを作成する際の「自己PR」でも活かすことができるため、自己内省は繰り返し行い、まずは誰よりも自分自身を把握しておくようにしましょう。
3:早めに到着して余裕をもつ
余裕が持てるように早めに面接会場に到着しておきましょう。一般的には、目安として5分前、あるいは10分前が望ましいとされています。こうすることで、面接前に緊張した気持ちを落ち着ける時間を確保できます。
ただし、面接官は準備や他の業務で忙しい場合があるため、それよりもはるか前に到着してしまうとかえって迷惑になることもあります。約束の時間よりも早めに来るよう言われない限りは、5分前か10分前の到着を目安としておきましょう。
4:話す内容がブレないようにする
事前に提出した履歴書や職務経歴書、エントリーシートの内容と話す内容がブレないようにしましょう。
個人面接では、それらの応募書類に沿いながら、質問していくスタイルが一般的です。質問内容と記載内容が一貫していなかったり、噛み合っていなかったりすると、面接官に不信感を与えてしまうでしょう。
また、自己分析がきちんとできていない場合、企業理念に賛同できているか、業務を理解しているか、本当に志望しているのかなど、面接官に疑問を抱かせてしまう可能性もあります。
5:堂々と話す
面接においては話す内容も大切ですが、伝えたいことを堂々と話すように心がけましょう。仮に、自信なさげに受け答えしてみるとどうでしょうか。入社後、コミュニケーションがうまくとれるだろうか、仕事を任せても大丈夫だろうかと、面接官を不安に感じさせてしまうでしょう。
話す際の仕草も重要とされており、適度な身振り手振り、アイコンタクトなどもうまく取り入れ、信頼感を得られる話し方を意識してみてください。
6:話すときだけでなく聞く態度にも注意する
面接では自分をアピールする一辺倒ではなく、相手の話を聞く態度にも注意すると良いでしょう。たとえば、相手の目を見ない、うなずきがないような聞き方は印象が悪くなりがちです。また、相手の話を最後まで聞かずに、話を遮るのは良い聞き方とは言えないでしょう。
この場合、「相手に興味をもつ」という姿勢を意識してみてください。その意識づけによって相手の話を聞く準備が整い、印象も大きく変わってくるでしょう。伝えるところは伝え、聞くところは聞くといったメリハリのあるコミュニケーションが大切です。
7:どんな質問にも答えられるようにしておく
なかには「あなたを動物にたとえると何ですか」といったトリッキーな質問もありますが、どのような質問にも答えられるようイメージトレーニングしておきましょう。
的を射た回答のためには、前述したように自己分析が重要であり、日頃から自分自身について考える癖をつけておく必要があります。そして、回答する際には、面接官の質問の意図をしっかり理解し、論理的に答えるようにしてください。
8:回答の丸暗記はしない
回答の丸暗記は逆効果になる可能性があるため、できるだけ自分の言葉で話すようにしましょう。
事前に答える内容を丸暗記しておくことで安心しやすいですが、棒読みになったり、言葉に詰まりやすくなったり、忘れたときにパニックになったりといったデメリットもあります。また、想定外の質問には受け答えに困ってしまうこともあるでしょう。
暗記力にはできるだけ頼らず、自分の言葉で臨機応変に伝えられる柔軟性を身につけてみてください。
9:予想外のことが起きても慌てない
予想外のことが起きても焦らないように、心を落ち着けて個人面接に挑みましょう。
個人面接ではどれだけ用意周到に準備をしてきても、想定してなかった質問が投げかけられたり、思った反応がなくて早口になってしまったり、予想外のことが起きてそれを取り戻そうとして空回りすることがあります。
どのような状況においても落ち着いた態度を一貫するよう意識することで、面接官から評価されやすくなるでしょう。
個人面接でよく聞かれる7つの質問例
ここまでは個人面接の対策法について解説してきましたが、次は個人面接でよく聞かれる質問について具体的に見ていきましょう。よく聞かれる主な質問を7つピックアップします。それぞれの回答ポイントも合わせてチェックしてみてください。
1:志望動機
志望動機は、面接の冒頭でよく聞かれる質問です。この質問によって、面接官は志願者の入社意欲・会社への理解度を確認します。相手に一緒に働きたいと思わせるような志望動機を考えると良いでしょう。
以下が、志望動機の回答例です。
私が御社を志望する理由は、「お客様の生活を豊かにする」という経営理念に強く共感したからです。御社の製品は以前から愛用しており、私の生活は豊かになりました。
今度は開発側に回り、御社と共にさまざまな製品開発に携わり、多くのお客様をより幸せにしたいと考えています。
2:自己PR
自己PRは、自身をアピールするチャンスです。企業が求めている人材を加味しながら、アピールしていきましょう。その際、「やってきたこと」「できること」「会社にどのように貢献したいか」を意識して考えてみてください。
以下が、自己PRの回答例です。
私は4年間、大学で文化祭実行委員として活動してきました。活動を通して培われたアイディア力や協調性を大いに発揮し、御社の商品開発チームで今までにないヒット商品を世に出していけるように日々邁進していく所存です。
3:ガクチカ
ガクチカとは、学生時代に特に力を入れてきたことを指す言葉です。ガクチカの質問では、実績を評価するのではなく、志願者の努力の過程や問題への取り組み方を評価します。また、志願者の持っている能力が企業の求める人材に合致しているかも評価のポイントになります。
ガクチカを考える際は、「結論」「問題提起」「取り組み内容」「今後の課題」といった流れに沿うと作成しやすいでしょう。
以下が、ガクチカの回答例です。
私が学生時代に力を入れたことは、英語力の強化です。日本では英語を使用する機会が少ないと感じたため、アルバイトで費用を工面し、大学2年生のときにアメリカへ1年間留学しました。
現地では、日本語を一切使わない環境に身を置き、ストイックに語学勉強を行いました。今後は、御社でも活用する機会に備えて、ビジネス英語をより強化していきたいと考えています。
4:自分の強み・弱み
自分の強み・弱みに関する質問では、自分を客観視できているかが鍵になるでしょう。面接官は強みと自社のニーズが合致しているか、弱みを謙虚に認識し改善しようとしているかを評価の基準にしています。回答する際には強み・弱みに矛盾が起きないよう注意してください。
以下、自分の強み・弱みの回答例です。強み・弱みの根拠も交えると、深みのある回答になります。
私の強みは相手目線で物事が考えられる点です。同僚から仕事の相談を受けることが多く、相手にとってベストであろう解決案を提案できます。相談後にはアドバイスに大変感謝され、毎回「ありがとう」と言ってもらえます。
私の弱みは、相手の気持ちになって考えすぎてしまう点です。同僚からの相談のなかで相手が悩んでいると、相手の問題解決を最優先にしてしまい、自分が苦しい立場になってしまうことがありました。今は相手の気持ちだけでなく、自分の軸も大切にするように心がけています。
5:入社後の展望
入社後の展望では、今後どのようなことに取り組みたいか、どのような人材を目指しているかを明確に伝えると良いでしょう。面接官は志願者が入社後にどのように活躍してくれるかイメージしやすくなります。
入社後の展望について回答する際には、具体的な立場やポジションを明示したうえで、達成したい目標に必要な努力について答えていきます。くわえて、自分の長所やスキルも関連づけると、将来性を強く感じさせることができるでしょう。
以下、入社後の展望の回答例です。
私は人事部を希望しており、周囲から尊敬される存在になりたいです。そのためには、まずコミュニケーション力が重要であると私は考えます。私の長所は社交的な性格であるため、同僚だけでなく、他の部署とも積極性なコミュニケーションを図っていきます。
また、あらゆる仕事に果敢に挑み続けるなかで、同僚への配慮も決して忘れることなく、人事部のみならず、会社全体の社員からの信頼を勝ち得たいと考えています。
6:他社に応募しているか
他社に応募しているか質問された場合、自社への志望度の高さが評価されます。できるだけ、その企業で働きたいという強い意思を示すようにしてください。企業は早期退職リスクを回避したいため、他社への志望度が高い場合には、採用を見送る可能性もあり得ます。
就職活動において、複数の企業に応募するのは悪いことではありませんが、「志望度の高さ」が伝わるような回答をするようにしましょう。その際、複数受けているのにもかかわらず「1社しか受けていない」と嘘を言うのはやめましょう。
以下、他社に応募しているかの質問に対する回答例です。
私は強い関心を持っている建築業界を中心に応募させていただいています。A社は書類選考段階ですが、B社は今度一次面接を控えております。しかしながら、御社の施工技術に大変魅力を感じており、ぜひ開発部に参加させていただきたいと考えております。
7:時事ネタ
時事ネタの質問によって、日頃の情報感度や意見の表現力の有無が判断されやすいでしょう。回答のポイントとしては、ある時事問題に対して「どのような解釈をしているか」「どのような意見をもっているか」「社会へどのように影響するか」といった点を意識して明確に伝えます。
ただ起きている時事問題をテレビや新聞の情報に基づいて淡々と語るのではなく、自分の意見まで落とし込み、論理的に回答するようにしてください。
以下、時事ネタの回答例です。
近年、ビジネスや経営にて社会的マイノリティの雇用機会確保を目的とし、「ダイバーシティ」という言葉が話題になっています。
この言葉は、人種・性別・国籍などだけではなく、学歴や年齢、価値観の違い、性的指向、障がいの有無などあらゆる状況の多様性をも包括して用いられるようになりました。
しかし、「ダイバーシティ」という言葉が肥大化していくことで、そこにある潜在的な個別の問題が把握しづらくなっているのではないかと私は考えます。
確かにダイバーシティの実現は非常に重要ではありますが、複雑化している各事柄の問題点を把握する視点が欠けている現状では、ダイバーシティ本来の雇用機会確保という目的は達成できないのではないかと強い懸念を抱いております。
個人面接の対策を万全にしよう
いかがでしたでしょうか。面接は誰しもが緊張するものです。しかし、事前に対策をしておくことで、本番でもスムーズに回答することができるのではないでしょうか。
まずは、面接を受ける企業の風土などを調べ、 個人面接の事前準備を入念に行っていきましょう。個人面接は、緊張せずに話すことができれば、まずは大丈夫です。事前の準備をしっかりしておくことが本番での成功につながります。
個人面接は、集団面接と違い、アピールできる時間があるので 何を伝えるかを明確化しておくことが大事です。面接官に好印象を残せることができれば、内定獲得へ大きく近づいてきます。
これから個人面接を受ける人は、ぜひ参考にしてみてください。