
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
エントリーシート(ES)や面接で必ず聞かれる、ガクチカと自己PRですが、対策しようと思って書き始めると、内容が似通ったり、「これガクチカじゃなくて自己PR?」となってしまう方も多いのではないでしょうか?
どちらもエピソードとして「過去経験」を伝えるもののため、ガクチカと自己PRを聞かれた時の回答が同じになってしまう傾向があります。
そんな就活生の方向けに、ガクチカと自己PRの違いやポイントをこの記事で徹底解説していきますので、内定獲得のための対策としてぜひご参考にしてみてください!
【ガクチカと自己PRの一貫性】矛盾はNG
ガクチカと自己PRは相互で一貫性があるといいです。
ただ、絶対に一貫した内容でなければならないというわけではなく、「矛盾があるとNG」程度で考えておけば大丈夫です。
以下は例になります。
「私はサッカー部のキャプテンとしてチームをまとめ、試合での勝利に貢献しました。メンバー同士のコミュニケーションを大切にし、練習メニューの改善や戦略を考えることで、団体で成果を出す力を身につけました。」
「私は個人での成果を追求することが得意です。集中して1人で作業を行い、他者と協力するよりも自分のペースで効率よく仕事を進めることに自信があります。」
この例では、ガクチカで「チームでの協力」を強調している一方で、自己PRでは「個人での成果」を強調しているため、矛盾が生じ、一貫性がないように捉えることができます。
以下の例文ではガクチカと自己PRで強調したいことに一貫性があり、説得力の高い文章になっています。
「私は学生時代、サッカー部のキャプテンとしてチームをまとめ、試合での勝利に貢献しました。メンバー同士のコミュニケーションを大切にし、練習メニューの改善や戦略を考えることで、団体で成果を出す力を身につけました。」
「私はチームでの協力を大切にし、目標達成に向けて全員が力を発揮できる環境を作ることが得意です。サッカー部での経験を通じて、リーダーシップや他者とのコミュニケーション力を磨き、周囲を巻き込んで成果を出す力を培いました。これらのスキルは、仕事でもチームでのプロジェクトを成功に導く際に活かせると考えています。」
【ガクチカと自己PRの一貫性】それぞれの違い
ガクチカと自己PRは、厳密に言うと異なります。
どちらも就活ではよく耳にする言葉ですが、項目が分かれていることからもわかるように、まったく同じというわけではありません。
企業の採用担当者や面接官に、良い印象を与えるためには、自己PRとガクチカの違いについて理解することから始めましょう。
違いを理解することで、それぞれの役割を知り、適切に表現できるようになります。
違いを理解するには、企業がなぜ自己PRとガクチカの項目を設定するのかに、焦点を当ててみることがポイントです。
自己PRとは?
自己PRとは、就職活動において自分の強みや人柄を企業にアピールし、「入社後にどう活躍できるか」を伝えるための重要な項目です。
企業側は、面接やエントリーシートを通じて、「この人は会社にどのような価値をもたらすのか」「チームの中でうまくやっていけるか」といった観点から、採用の判断を行います。
そのため、単に自分の長所を羅列するのではなく、「どのような経験からその強みを身につけたのか」「その強みを活かしてどんな成果を出したのか」を、具体的に伝えることが求められます。
さらに、企業の求める人物像や業務内容と重ね合わせて、自分の強みがどう活かせるかを説明することで、採用担当者に「この人と一緒に働くイメージ」を持ってもらえるようになります。
企業に自分が適材であることを売り込むために、自分の長所や能力、価値観などを自己PRに盛り込むようにすることが、ポイントです。
自己PRでは、「自分の武器」が何かを伝えることが大切です。
「強み」をベースに、それを証明できるエピソードを根拠として使うことで採用後の活躍イメージを持たせることができます。
ガクチカとは?
ガクチカとは、「学生時代に力を入れて取り組んだこと」の略称で、就職活動では自己PRと並んで頻繁に聞かれる質問の一つです。
企業はガクチカを通じて、学生がどのような価値観を持ち、どのような行動特性を発揮する人物なのかを知ろうとしています。
なぜなら、社会人になれば必ず壁にぶつかる場面が訪れるため、課題や困難に対してどのように考え、行動してきたかは、入社後の活躍を予測する上で非常に重要だからです。
そのため、単に「◯◯を頑張りました」と伝えるのではなく、「なぜ取り組んだのか」「どんな壁があったか」「どのように乗り越えたのか」「結果として何を得たのか」まで丁寧に振り返る必要があります。
そして、その経験を通じて得た学びや成長が、入社後の業務にどのように活かせるのかまで言及できると、より説得力のあるガクチカになります。
エピソードをメインに語るガクチカは、つい結果にウエイトを置いてしまいがちですが、そうすると自己PRのように、自分を売り込んでしまうことになります。
企業の採用担当者は結果ではなく、そこに至るまでの過程を重視していますので、ガクチカを作成する際は、この点を忘れないようにしましょう。
ガクチカでは、過去の経験を「物語」のようにストーリー性を持たせて話すと良いです。
「経験」をベースに、価値観や行動力を伝える実例としてエピソードを話すことで人物像や現在から過去にさかのぼった自分の行動、成長プロセスを伝えることができます。
【ガクチカと自己PRの一貫性】質問の意図
自己PRについての質問とガクチカについての質問の意図は異なりますので、注意が必要です。
自己PRとガクチカはそれぞれ目的があり、それを考慮しながら答えることがポイントになります。
企業が質問する意図をよく理解して、自己PRとガクチカにそれぞれ反映させていきましょう。
伝え方のコツとしては、自己PRは自分の「強み」をベースにして「強みは何か」を強調するようにします。
ガクチカの場合は、「壁を乗り越えた経験」です。
作成する際のポイントについて、それぞれ説明します。
強みの具体例
強みとは自分の長所になりますので、「積極性がある」「好奇心旺盛だ」「忍耐強い」といった性格が挙げられます。
たとえば「前向きさ」を強みとする場合は、「私の強みは、どんなことに対しても、前向きに取り組むことです」とアピールできます。
その次に、主張を裏付ける根拠を示しますが、この場合はエピソードである場合がほとんどです。
例:「学生の頃、周囲が無理だと言っていた大学にどうしても入学したくて、あきらめずに3年間猛勉強しました」
最後は強みをどのように仕事に反映させていくか、将来のビジョンを語ります。
長所が思い浮かばないという場合は、「心配性の裏返しは、物事に慎重な性格」という風に、短所を長所に変えるということも考えてみましょう。
経験の具体例
ガクチカで利用する経験は、部活動やサークル活動、受験勉強、ボランティア、家族の介護、アルバイト、インターンシップなど、多岐にわたります。
旅行や将棋など、夢中になった趣味も経験の具体例と言えるでしょう。
過去に夢中になったことや努力した経験を振り返り、さらにその中で問題解決に真剣に取り組んだ経験があれば、それをガクチカとして利用します。
【ガクチカと自己PRの一貫性】矛盾しないための作成準備
エントリーシートや面接など、選考にも一貫性を出すためには作成する前に、深掘りや整理などの準備が必要です。
ガクチカと自己PRに一貫性を持たせるためには、主に「深い自己分析を行う」「業界分析を行う」「企業分析を行う」「第三者からの添削を受ける」という5つ準備をしておけば、基本的にはガクチカと自己PRに矛盾のない一貫した内容を作成することができます。
ぜひ、作成する前にこの5つをしてみてください。
自己PRとガクチカのそれぞれの違いを理解する
自己PRとガクチカでは企業が知りたいことの意図が異なります。
自己PR:強みや入社後の活躍イメージが知りたい
ガクチカ:過去の経験から行動特性や価値観を知りたい
これらの違いを理解した上で一貫性を意識した回答を心がけることが大切です。
自己PRとガクチカでは、「一貫性を持たせた方がいい」とは言われますが、同じエピソードや強みにこだわる必要はなく、それぞれの質問に合った角度から答えることが最も重要です。
例えば、「仲間との協力を通じて課題を乗り越えた経験」をガクチカで語り、自己PRでは「一人でも責任をもってやり切る粘り強さ」をアピールしても問題ありません。
ただし、両者で語られる自分の価値観や人柄に矛盾がないことが大切です
自己PRとガクチカの回答が違っていても根底にある価値観や人柄にブレがなければ回答に一貫性を持たせることができます。
一貫性とは、同じ話をすることではなく、その人らしさが一貫して感じられることです。
・質問の目的に合わせて視点を変えること
・「自分らしさ」の軸は共通させること これらのバランスをとることが一貫性に繋がる
深い自己分析を行う
自分の経験や価値観、強みや弱みを深く理解することが不可欠です。
自己分析は最低限、以下のステップを行っておきましょう。
何に対して情熱を持ち、どのような環境で力を発揮できるのかを深掘りする。
過去の経験から、自分の強みや改善すべき点を振り返る。具体的なエピソードを元に、どのように課題を乗り越えてきたかを整理する。
自分のキャリアにおける目標や夢を明確にし、それが志望する企業で実現可能かを考える。
これにより、ガクチカと自己PRで一貫した強みをアピールできるようになります。
自己分析のやり方の詳細については以下の記事で詳しく紹介しています。
業界分析を行う
次に、志望する業界全体を理解することが重要です。業界のトレンドや競合他社、将来の展望について調べることで、自分のスキルや経験がどのように役立つかを示せます。
業界分析では以下の点を分析しましょう。
現在の業界の動向や課題を理解し、自分がその中でどのように貢献できるかを考える。
業界ごとに求められるスキルや経験を確認し、それを自分のガクチカや自己PRに結びつける。
この分析を通じて、業界のニーズと自分の強みを擦り合わせて、説得力のあるアピールができるようになります。
企業分析を行う
最後に、志望する企業について詳しく調べ、その企業が求める人物像や価値観に自分が合致しているか確認しましょう。
企業分析は以下のポイントに注目します。
企業のミッションや価値観を把握し、それに共感できるかどうかを確認する。
その企業がどのような人物を求めているのかを理解し、自分の強みと一致する部分を見つける。
その企業で成功している人物の特徴を調べ、自分と共通点がないかを確認する。
第三者からの添削を受ける
最後に、エントリーシートや面接の回答を第三者に見てもらいましょう。
自分では気づかない矛盾や、一貫性の欠如に気づいてもらえることがあります。
就活エージェントやOB・OGに添削をしてもらうことで、自分自身がESを提出するときや面接に臨むときに自信を持つことができます。
結論として、ガクチカと自己PRのエピソードの内容はかぶってしまっても問題ありません。
しかし、伝え方は必ず変えるようにしましょう。
ガクチカではこれまでどのようなことに取り組んできたのか、どのような対策などを行ってきたのかを事実ベースに語る必要があります。
一方で、自己PRでは価値観をベースとして、エピソードに対してどのような気持ちで取り組んできたのか、そして自分のスキルは何なのかについて詳しく書けると良いでしょう。
ガクチカにおいて重要なのは、「あなたが何に取り組んできたのか」で、自己PRに必要なのはあなたは何が得意で、何ができるのかという部分です。
被った時の対処法
就活の自己PRやガクチカで内容が被ってしまう場合、エピソードを変える工夫が必要です。
例1:内容を変える
同じ部活動で被った場合とする
→ガクチカではチームワークを強調、自己PRでは個人の努力や成果に焦点を当てる
→一つのことからいろいろな学びが生まれたことをアピールでき、説得力が上がります。
例2:エピソードを変える
同じ経験で被った
→高校時代は受験勉強、大学時代は資格勉強と高校時代の内容を加える
→より幅広い成長過程を伝えられます。
こうした工夫をすることで、内容の重複を防ぎつつ、魅力的なアピールが可能になります。
【ガクチカと自己PRの一貫性】両者をリンクさせるコツ
一貫性のない自己PRやガクチカは説得力に欠けるため、注意が必要です。
簡単な方法として、強みや長所を言い換えて伝えることやどう活かすかを伝えることなどがあります。
詳しく以下の2点について気を付けてみてください。
1. 強みや長所を他の言葉に言い換える
一貫性を持たせながらも表現のバリエーションを増やすことが重要です。
そのため、同じ強みを異なる言葉で伝える工夫をしましょう。
「粘り強さ」→「辛抱強さ」「根気強さ」と言い換え可能です。
「リーダーシップ」→「周囲を巻き込む力」「指導力」と表現できます。
こうすることで、企業に自分の強みをより多面的に伝えられ、選考の場面ごとに適したアピールができます。
2. 活躍イメージで強みを表現する
企業が求めるのは、入社後に活躍できる人材です。
そのため、強みを単に述べるのではなく、どのように業務に活かせるかを説明しましょう。
「粘り強さ」が強み→「困難なプロジェクトでも諦めず、目標達成まで粘り強く取り組む」と具体的に伝えます。
「リーダーシップ」が強み→「周囲を巻き込み、チームの目標達成を支える力がある」と説明すると効果的です。
こうした工夫で、面接官はより具体的な人物像をイメージすることができ、企業に魅力的な印象を与えられます。
【ガクチカと自己PRの一貫性】構成方法を確認しよう
就職活動において、ガクチカと自己PRはそれぞれ異なる目的を持ちますが、共通するのは「自分がどんな人物で、入社後にどう活躍できるか」を伝える点です。
そのため、この2つの内容に一貫性がないと、採用担当者に「自分の強みや価値観が定まっていない」と受け取られてしまう可能性があります。
ガクチカで示した行動特性や価値観と、自己PRでアピールする強みがしっかりとつながっているかを確認しましょう。
書き終えた後は、内容の重複や矛盾がないかを客観的に見直し、より説得力のある内容に整えることが大切です。
ガクチカの構成
ここからはガクチカの構成について詳しく紹介していきます。
下記の構成はどのような経験をアピールする際でも活用できるガクチカの基本的な構成なので、企業によって他の経験をアピールすることがあったとしても、このフォーマットを活用して問題ありません。
まずは結論から述べていくことが非常に重要です。
「私が学生時代に力を入れたことは〇〇です。」と結論から述べていきましょう。
ここでのポイントは、わかりやすく説明することです。
例えば野球に取り組んできた場合「野球の部活動で〇〇を目指して取り組んだことです。」説明しましょう。
結論を具体化することで、採用担当者は文章をイメージしやすくなります。
特に人気の企業の場合、全てのガクチカを隅から隅まで読めるほど人事に余裕はありません。
よって最初に結論を述べることで今後の文章の展開を想像してもらい、内容をより深く理解してもらえることでしょう。
続いて、ガクチカの背景について詳しく紹介していきます。
この部分は結論に対する補足をする部分です。
個人や部活動の現状や取り組みについてイメージしてもらいやすい、内容を盛り込むことを大切にしていきましょう。
優先度が低い箇所のため、文字数の指定が少ない場合は必ずしも盛り込む必要はありませんが、余裕がある場合は入れておきたいポイントの一つです。
続いて目標や課題について述べていきます。
ただ、目標や課題を述べるのではなく、目標の場合は達成するためにはどのようなことが必要であったのか、課題の場合はどうして課題となっているのか、課題に関わる要素などについて詳しく一緒に説明すると非常に良いでしょう。
結果までの過程が重視されるため、この部分の分析はかなり綿密に行っていく必要があります。
また、目標や課題の部分はどうしても自分の知識を前提に話してしまいがちなので、難しい用語などが入っていないかなどについても再度確認しておきましょう。
目標や課題について述べることができたら、続いては取り込みについて詳しく説明していく必要があります。
目標や課題の部分で、取り組みについて詳しく説明していくのです。
ここが論理的に甘いと突っ込まれる可能性が非常に高いので、論理が破綻していないか、ツッコミどころがないかなどについて確認しておくようにしましょう。
例えば、取り組みが複数ある場合は「〇〇のために2つの施策を講じました。一つ目は〇〇、二つ目は〇〇」のように書くと良いでしょう。
三つだと多すぎるため、強調したい取り組みに優先度をつけておくと良いでしょう。
文字数の指定がかなり多い場合三つ以上でも良い場合はありますが、どれだけ多くても基本的には二つまでにしておきましょう。
続いて、取り組みに対してどのような成果が得られたのかについて詳しく説明していきましょう。
ガクチカは必ずしも結果が必要ではなく、どのようなことに取り組んで何を得たか、どのような経験やスキルを身につけたのかが重要なので、例えば部活動であっても優勝していなければならないわけではありません。
ただし、どのような結果が得られたのか、説明が全くないと「後ろめたいことがあるのか?」と思われてしまうので、必ず説明する必要があるのです。
取り組みを正当化させるために、取り組みの前後でどのように変わったのかについても詳しく書いていくと良いでしょう。
最後にどのようなことを学んだのかについて詳しく説明していきましょう。
学んだことや取り組みを軸に考えると良いでしょう。
取り組みと学んだことがズレていると、最後に違和感を与えてしまうため注意が必要です。
また、ここで文字数が余っている場合は、学んだことを通じて企業にどのように貢献しているのかについても詳しく説明することができれば、より魅力的な文章を作成できるでしょう。
自己PRの構成
続いて自己PRの構成についても把握しておきましょう。
もちろんスポーツ経験について書く場面以外でもこの構成は活用できるので、ぜひ参考にしてみてください
まずは自分の強みについて一言で述べることができれば良いでしょう。
ここでのポイントは、強みをオリジナリティのある言葉に言い換えることです。
例えば、「傾聴力が強みである」と言っても、就活生の多くが使用するために、埋もれてしまいます。
そこで一言、「相手のニーズを引き出す傾聴力」などと言い換えて印象を残すことができれば良いでしょう。
差別化を図ろうと無理なことを書く必要はありませんが、ただ一言で述べるのではなく、自分の強みがどのようなものであるのか、相手がイメージしやすいキャッチコピーのようなものを添えることができれば、より分かりやすい文章になることでしょう。
自分の強みを発揮したエピソード、または身につけたエピソードについて語ることができれば良いでしょう。
どのようなエピソードでも良いですが、強みを発揮して課題を解決したエピソードが書きやすいため、おすすめです。
また、エピソードは一つに絞ることがポイントです。
いくつも述べてしまうと、文章が長くなってしまい、結局何の話かわからなくなってしまいます。
また、必ずしも解決の要素は必要ありません。
「目標を達成するために、強みである〇〇を活かして」という流れでも十分でしょう。
最後に、企業でそのスキルをどのように活かせるのかについて述べることができれば、よりあなたの文章が分かりやすく伝わることでしょう。
志望する職種の業務内容に合わせた文章を作成できれば、より良い印象を与えられるでしょう。
実際にあなたが活躍してるイメージもしやすいですし、何よりあなたが企業についてしっかり分析しているということが伝わるからです。
しっかり分析しているということは、入社への意欲も高いということであり、採用したいと思ってもらえることでしょう。
【ガクチカと自己PRの一貫性】参考例文
ここでは、一貫性を意識した構成を学ぶために、同じ経験から別の視点でエピソードを切り出すパターン、活躍する姿を想像させる構成にするパターン、異なる経験を結びつけて強みを伝えるパターンの3種類を紹介します。
どのパターンも、自分らしさと企業とのマッチ度を両立させるための参考になるはずです。
1. 同じ経験の別エピソードからアピールする例文(アルバイトの例)
ガクチカと自己PRに一貫性を持たせる方法として、同じ経験をもとにしながらも、異なるエピソードや切り口からアピールするという手法があります。
これにより、軸のぶれない人物像を伝えることができ、説得力のある自己表現につながります。
ここではアルバイト経験を題材にしたガクチカと自己PRの例文を紹介します。
それぞれ別の視点からエピソードを展開することで、経験の深さや自分の強みをより多面的に伝えられる内容になっています。
企業に自分の価値をしっかり届けるための参考にしてみてください。
私が学生時代に力を入れたことは、カフェのアルバイトにおける新人教育の改善です。
当時の店舗では「先輩の背中を見て覚える」指導スタイルが主流で、人によって教え方に差があり、新人が戸惑う場面を多く目にしました。
私自身、入社当初に業務の全体像が見えず不安を感じた経験があったため、同じ思いを他の人にさせたくないと強く感じました。
そこで、接客の基本動作やレジ操作、注意点をまとめた「接客ガイド」を自作し、それを用いて新人研修を行いました。
新人からは「説明がわかりやすくて安心できた」「メモがあるだけで助かる」といった声が寄せられ、店長や他のスタッフも協力してガイド内容を改善する流れが生まれました。
結果的に、新人が早期に戦力化され、店舗全体の雰囲気も柔らかくなりました。
この経験から、現状に違和感を持ったら放置せず、自分にできる改善行動をとることで周囲にも良い影響を与えられると学びました。
今後も、自ら課題を見つけ、周囲を巻き込みながら行動していく姿勢を大切にしていきたいと考えています。
私の強みは、状況に応じて周囲を巻き込みながら全体の動きを調整できるリーダーシップです。
大学2年から続けているカフェのアルバイトでは、特に混雑時に店内の業務が混乱することが多く、注文、ドリンク、ホールがそれぞれバラバラに動いてしまうことで、店全体の効率が落ちるという課題がありました。
そこで、ピークタイムに向けた役割分担の見直しを提案し、ホールとキッチンの連携を円滑にするために、簡単な行動ルールを作成しました。
また、新人スタッフには事前に「この時間帯はこう動くと全体が回りやすい」と伝えることで、慌てずに行動できるようサポートしました。
自ら声をかけ、「次これお願いします」と指示を出すことで流れがスムーズになり、回転率と接客品質が向上しました。
店長からも「空気を読みながら必要な行動ができる存在」と評価をいただきました。
この経験を通じて、目の前の作業に集中しつつも全体を俯瞰し、最適な行動を選ぶことができる力を身につけたと自負しています。
今後はこの力を活かして、どんな組織においても円滑なチームワークの中心となれるよう努めていきたいです。
どちらも同じカフェのアルバイトでの経験をもとにしていて、ガクチカでは「自発的に課題を見つけて改善する行動力」、自己PRでは「チーム全体を見て動くリーダーシップ」をアピールしているのがわかります。「主体性」と「周囲への貢献」の姿勢が共通して伝わるところに一貫性が感じられますね。
2. 活躍イメージからアピールした例文(サークル活動の例)
ここでは、大学のサークル活動をテーマに、ガクチカでは「課題にどう向き合ったか」、自己PRでは「その経験をどう活かして活躍できるか」という視点の例文を紹介します。
特に自己PRでは、実際のエピソードに基づきながらも、自分が社会でどのように力を発揮できるかという「活躍イメージ」を言い換えの表現でわかりやすく伝えています。
視点を変えながらも軸をぶらさず、自分らしい強みを明確にアピールする例文として参考にしてください。
私が学生時代に力を入れたのは、よさこいサークルの副代表として、全国大会に向けてメンバーと本気で取り組んだ経験です。
コロナ禍の活動制限が緩和された直後で、活動の再開にはメンバーの技術差やモチベーションの低下という大きな課題がありました。
そこで私は、練習の目的を明確にし、「なぜこの振り付けを練習するのか」「どんな雰囲気で踊るのか」といった意味付けを大切にしました。
日々の練習では対話を重ね、信頼関係を築くことに注力し、技術だけでなくメンバーの気持ちにも丁寧に向き合いました。
その結果、練習の雰囲気は前向きになり、本番の演武では観客と審査員の両方から高い評価を得ることができ、過去最高の成績を残すことができました。
この経験から、どんなに難しい状況でも粘り強く向き合い、周囲と信頼関係を築きながらチーム全体を前進させる力を身につけることができました。
今後もチームの中で信頼を得ながら、成果に向けて行動できる人材でありたいと考えています。
私の強みは、目標に対して粘り強く取り組み、周囲を巻き込みながら成果を引き出す力です。
大学ではよさこいサークルの副代表として活動し、全国大会という大きな目標に向かってチームをまとめました。
当初はコロナ禍明けということもあり、技術面やメンバーの気持ちにばらつきがありましたが、一人ひとりの意見を尊重しながら、練習の目的や意義を丁寧に伝えていきました。
特に意識したのは「納得感」です。
単に指示を出すのではなく、「どうしてこれを練習するのか」を言葉にし、仲間と目的を共有することで、チームの方向性を一つにまとめていきました。
困難な状況でも一歩ずつ積み重ねていけば、チーム全体が変わっていくことを実感できた経験でした。
この姿勢は、仕事でもプロジェクトやチーム業務の場面で必ず活かせると考えています。
目標に対して自ら考えて動き、メンバーの意見を取り入れながら全体を前進させる存在として、過程を大切にしながら成果につなげる行動を継続していきたいと思っています。
どちらも「粘り強さ」と「人を巻き込む力」という一貫した強みが軸になっています。 ガクチカでは「粘り強くチームの課題に向き合い、信頼関係を気付いた経験」を伝えていて、自己PRでは「その粘り強さを活かして、社会人としてどう活躍できるか」を展開していることが分かります。軸となる強みがブレでいないため、面接官に「信念を持って動けるひとだ」ということが伝わる例文になっていますね。
3. 異なる経験をリンクさせる例文(ゼミ/インターンシップ)
ガクチカと自己PRで経験が重複しないことで読み手に飽きさせない工夫にもなり、多面的な人間性を伝える上でも効果的です。
場面ごとに異なる行動の特性が伝わるため、よりリアルで具体的な人物像が浮かびやすくなるというメリットもあります。
ただし、経験が異なっても軸となる強みやスタンスは一貫している必要があります。
以下では、異なる経験を用いながらも、共通する価値観や行動の軸を意識した例文を紹介します。
私が学生時代に力を入れたのは、ゼミで取り組んだ「産業廃棄物処理の重要性を企業に発信する活動」です。
私たちは環境対策に消極的な企業に対して、処理方法や管理体制の改善を促す目的で調査・提案を行っていました。
しかし、当初は「難しそう」「関係ない」といった反応が多く、話を聞いてもらうことすら難しい状況でした。
そこで私は、「専門的な説明をやめる」ことを意識しました。
専門用語の使用を避け、図解や実例を活用して直感的に理解できるよう工夫しました。
さらに、企業ごとに関心がありそうな視点(コスト、法令、評判など)を見極め、資料や説明内容を柔軟に調整しました。
その結果、「話がわかりやすくなった」「それなら導入できそう」という反応が増え、実際に社内改善に取り組んだ企業も現れました。
この経験から、情報は伝える側の視点だけでは不十分であり、相手の立場に立ってこそ初めて届くということを実感しました。
今後は、相手に寄り添った伝え方を意識し、信頼関係を築きながら多様な人と関わる姿勢を大切にしていきたいと考えています。
私の強みは、相手の立場に立って伝え方を工夫できることです。
この力を発揮したのは、自動車会社での法人営業インターンの経験です。
私は電話営業の担当として企業に車両導入の提案をしていましたが、開始当初はほとんど話を聞いてもらえませんでした。
電話口のわずか数秒で興味を持ってもらうには、「話す順序」「使う言葉」が非常に重要だと痛感しました。
そこで、事前に企業の業種や課題を調べ、最初の一言で「自社にとってのメリット」が伝わるよう構成を練り直しました。
たとえば、車両管理にコストをかけていた企業には、保守費用を抑える提案から話を始めたところ、担当者から前向きな返答をいただきました。
このように、相手の業務背景やニーズを想像しながら話すことで、会話の質が大きく向上したと実感しています。
この経験から学んだ「短時間で本質を伝える力」「相手目線で考える姿勢」は、営業や提案業務において大いに活かせると考えています。
限られた時間の中で、相手が求める情報を的確に届けられるよう努力を重ねていきたいです。
ゼミの活動では、「相手に関心のないテーマ」をどう伝えるか工夫した経験、インターンシップでは営業に携わり「限られた時間」で伝えるための工夫をした経験が話されています。相手の視点を考えて自ら工夫している行動の特性や「伝える内容」よりも「伝え方」に価値を置いている点から大事にしている価値観などの人物像が良く伝わるないようですね。どちらも「自分の伝える力、特に相手に伝わる工夫を大切にする姿勢」が一貫した軸としてあり、どれぞれの経験から異なる環境でも同じ強みが発揮されていることがよくわかる文章です。
【ガクチカと自己PRの一貫性】まとめ
自己PRとガクチカの書き方について説明しました。
良いものを作成するには、両者の違いを把握して、目的に沿ったものに仕上げることがポイントです。
自己PRとガクチカにはそれぞれ書き方がありますので、パターンを覚えて、採用担当者に好印象を与えるものを作りましょう。
同じ題材でガクチカと自己PRの例文を確認したい方はこちらをご活用ください。
就活コンサルタント木下より
自己分析は会社を選ぶ基準や企業とのマッチ度のチェックにも役立ちます。
長所短所などその他の質問に対しても説得力を持った回等ができるようになるため、自己分析を深めて面接対策をしておきましょう。