
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
エントリーシートにはさまざまな項目があり、その中には資格を記入する欄もあります。
志望動機などよりもそんなにじっくりと見られなさそうと思って適当に書いてしまうと、常識から外れた書き方のまま提出してしまい印象良く思ってもらえない可能性もあります。
上手に自分をアピールするためにも、資格をどのように書くかというのは重要です。
こちらではどんなことに注意をして資格を記入していけば良いのか、マナーなども含めてコツを紹介します。
資格がないとエントリーシートで不利になる?
就職活動を進める中で「資格がないと不利なのでは?」と不安に思う学生は少なくありません。
特にエントリーシートでは、資格の有無が評価に影響するのか気になるところです。
ここでは、資格や免許の意味を整理し、就活においてどのように捉えるべきかを客観的に解説します。
資格と免許の違い
資格と免許は一見似ていますが、目的や使い方に明確な違いがあります。
資格とは、ある分野での知識や技術を持っていることを証明するもので、スキルや専門性の指標となります。
たとえば、TOEICや簿記、ITパスポートなどは資格に該当します。
一方、免許は特定の業務を行うために法律で定められた許可であり、運転免許や教員免許、医師免許などが代表的です。
このように、就職先や志望職種によって資格や免許の必要性は異なるため、業界研究と照らし合わせながら準備を進めることが大切です。
エントリーシートに資格を記載するメリット
就職活動でエントリーシートを作成する際に、「資格を記載すべきか」と悩む学生は少なくありません。
資格があることで自分のスキルや意欲を証明する手段となるため、記載することで得られるメリットは非常に大きいです。
ここでは、エントリーシートに資格を記載することで得られる3つの効果について解説します。
志望度の高さをアピールできる
志望する業界に関連する資格をエントリーシートに記載することで、その業界に対する熱意や本気度を伝えることができます。
例えば、金融業界を志望して日商簿記やFP資格を取得していれば、「事前に業界について学び、準備している」という姿勢を示すことができます。
また、コンサルティング業界における中小企業診断士や、公務員志望に向けた行政書士など、職種に直結する資格を持っていると、志望動機の説得力も増します。
こうした資格の取得は、単にスキル面だけでなく、「この業界で働きたい」という意思を行動で示した結果として、企業側から好印象を持たれやすくなります。
面接で深堀されることも!?
エントリーシートに資格を記載することで、面接時に話題のきっかけとなることがあります。
特に、志望業界や職種と関連の深い資格であれば、面接官の関心を引きやすく、「なぜこの資格を取得しようと思ったのか」「どのように学んだか」などの深掘り質問につながります。
これは、自分の価値観や努力の過程をアピールする良い機会になります。
また、面接での会話が広がることで、自分自身の人柄や志望理由、適性をより詳しく伝えられる可能性も高まります。
資格の取得が努力の証として評価されることもあるため、エピソードとともに準備しておくと効果的です。
スキルを証明できる
「自分には英語力があります」「プログラミングができます」と言葉で伝えても、それがどれほどのレベルかを証明するのは難しいものです。
その点、資格は客観的な評価としてスキルの証明になります。
たとえばTOEICのスコアを記載すれば英語力の指標となり、基本情報技術者試験の合格実績があればITスキルの証明になります。
資格はスキルの見える化を可能にし、企業側も採用の判断材料として評価しやすくなります。
また、資格を取得するために取り組んだ努力や継続力も、間接的に伝わるポイントとして評価につながることがあります。
エントリーシートに資格を書く際の注意点
ルールというのもいくつかあるので、一通り把握したうえでエントリーシートに記入をしましょう。
たとえば車の運転免許を取得した場合、ただ運転免許取得と書いてしまうと常識から外れていると思われます。
正式名称というものがあり、その通りに書かないといけません。
他にも資格を多数持っている場合、それをそのままやみくもに書いてしまうと、印象を悪くしてしまうケースもあります。
嘘は書いてはいけない
エントリーシートを見たときに資格を記入しなければいけない欄を見て、中には不安になってしまう方もいるかもしれません。
何か書かないと内定が貰えないかもしれないと思ってしまい、嘘を書きたくなる衝動に駆られてしまう方も出てくるでしょう。
しかし嘘を書いてしまうと後から突っ込まれて質問をされたときにわかってしまいますし、資格をまったく持っていないから内定を与えないということは一切ありません。
企業側としてはそれよりも自社でどのように活躍してくれるのか、その学生本人を見ています。
決して資格だけで判断しているわけではないので、 「特になし」と記入しても問題はないのです。
これから取得する見込みのあるものは可能
目指している企業では持っていると有利な資格がある場合で今勉強をしているという方もいるでしょう。
現時点では資格取得していなくても、見込みがあるものについては書けます。
エントリーシートにたとえば日商簿記2級の場合この資格名称を書きその後に「~に向けて勉強中」と記入すれば問題ありません。
特にこれから受ける企業で持っていたら有利になりそうな資格の場合、勉強していてこれから試験を受け合格する可能性があるのに書かないままにしてしまったらもったいないです。
しっかりとアピールして、突っ込まれたら今どのように勉強をしていて、いつ試験を受ける予定なのかなど話しましょう。
記載する時は資格の一貫性をもつ
学生時代に資格取得にも力を入れたと、欄をビッシリと埋めたくなってしまうかもしれませんが 今一度立ち止まって企業にアピールとなる資格かどうかを見ましょう。
たとえば経理事務を目指している場合、日商簿記2級やパソコンでワードやエクセルの資格を取得したと書けば一貫性が感じられます。
経理事務の仕事をするうえで役立つものを取得しているのだなと思ってもらえ、好印象となるでしょう。
しかしここにインテリアコーディネーターや野菜ソムリエなども混ぜて書いてしまうと、経理事務とは関係のない資格ですので一貫性が感じられなくなってしまいます。
インテリア関係で働く際にはインテリアコーディネーターは大きくアピールできる資格ですが、経理事務の場合は何もアピールにはなりません。
エントリーシートの資格欄の正しい書き方・手順
エントリーシートの資格欄は、あなたのスキルや志望度を客観的に示す重要な項目です。
記入の方法によっては、せっかく取得した資格の価値が正しく伝わらないこともあります。
ここでは、資格欄をより効果的に記入するための正しい書き方と手順について、3つのポイントに分けて解説します。
資格は略称ではなく正式名称で書く
エントリーシートや履歴書などの公的書類では、すべて正式名称を使用するのがビジネスマナーです。
たとえば、「TOEIC 800点取得」ではなく、「TOEIC Listening & Reading Test 800点取得」と記載する必要があります。
略称で書くと正確さに欠けて見えるため、企業側の印象が悪くなることがあります。
中には、正式名称と誤解されやすい略語もあるため、記載前には必ず公式機関の情報などで正式名称を確認するようにしましょう。
正確な名称で記載することで、信頼性の高い書類に仕上がります。
取得年月順で書く
資格は取得した順に時系列で記載するのが基本です。
これにより、エントリーシートが整然と見えるだけでなく、あなたがどのような興味を持ち、どう成長してきたのかを企業側に伝えることができます。
たとえば、大学1年時に日商簿記3級を取得し、その後2級へ進んでいる場合は、資格取得の過程がスキルアップの証明として伝わります。
時系列に沿って並べることで、努力の積み重ねや成長の軌跡がより明確になります。
また、複数の資格がある場合でも整理されて見えるため、採用担当者が読みやすくなります。
採用担当者は限られた時間で多くの書類を見るため、情報の見やすさは非常に重要です。
時系列で書かれた資格欄は、学びの姿勢や継続性も自然にアピールすることができます。
日付はESの書き方と合わせて統一させる
資格や免許の取得年月を記載する際は、エントリーシート全体のフォーマットと合わせることが大切です。
たとえば、「2024年3月取得」と記載しているなら、他の項目も「年+月」の表記に統一するようにしましょう。
逆に「令和6年3月」など異なる形式が混在していると、読みづらさや違和感を与えてしまいます。
応募書類では一貫性が評価されるため、日付表記も含めて全体のルールを揃えておくことが、丁寧な印象につながります。
内容だけでなく見た目の整合性も含めて「完成度の高いエントリーシート」になります。
また、ExcelやWordなどでフォーマットを作成する際も、表記のブレがないように気を配ることが重要です。
些細な点かもしれませんが、こうした配慮が書類全体の印象を左右します。
エントリーシートに書くと良い資格や免許
エントリーシートには、自分のスキルや努力を客観的に証明できる「資格欄」が設けられていることが多くあります。
その中で、どの資格や免許を記載すれば良いのか悩む就活生も少なくありません。
ここでは、エントリーシートに記載すると企業からの評価につながりやすい代表的な資格や免許を紹介し、それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
TOEICの
英語力を重視する企業では、TOEICスコアを資格欄に記載することで語学力を客観的にアピールできます。
とくにグローバル展開している企業や、海外のクライアントとやり取りを行う職種では、TOEICの点数が一定の基準を満たしているかが評価の目安となります。
一般的には600点以上からが評価対象となり、700点以上であればビジネス英語の基礎があると見なされます。
外資系企業や商社など一部の企業では800点以上を求めるケースもあるため、志望企業がある程度決まっている場合は、その企業が求める基準点を事前に確認しておくことが重要です。
スコアと合わせて勉強期間や学び方なども伝えることで、学習姿勢をアピールすることもできます。
日商簿記
日商簿記は、会計や経理、財務関連の業務に就きたいと考えている就活生にとって非常に有効な資格です。
企業のお金の流れを正確に理解し、管理するスキルを示すことができるため、商社、金融、製造業など幅広い業界で評価されます。
エントリーシートに記載する際は、3級よりも2級以上を記載することで、より実践的なスキルを持っていることがアピールできます。
特に経理職や財務職など専門性の高いポジションを志望する場合には、1級や税理士試験の科目合格も視野に入れると、志望度や専門性の高さが伝わります。
また、理系出身でも会計知識を身につけていることを示す手段として有効です。
学部や専攻にかかわらず、数字に強い印象を与える資格です。
IT関連資格
近年、業界を問わずデジタル化が進んでおり、IT関連の知識やスキルを持つ人材はさまざまな企業で求められています。
エントリーシートにITパスポートや基本情報技術者試験といったIT関連の資格を記載することで、パソコンの基本操作はもちろん、情報セキュリティやネットワークの基礎知識があることを証明できます。
たとえば、文系出身者でもITパスポートを取得していれば、業務で必要なITリテラシーを備えていると判断されやすくなります。
理系の学生であれば、より高度なIT資格を記載することで、システム開発や業務効率化に貢献できる人材であることを示すことができます。
今後の働き方においてもITスキルは欠かせない要素であるため、業界を問わず活かせる資格です。
運転免許
自動車運転免許は、職種や勤務地によっては「持っていて当然」とされる場合もあります。
特に地方勤務や、営業職で社用車を利用する企業では、免許を持っていないと選考の段階で不利になる可能性があります。
東京などの都市部では公共交通機関の発達により業務に支障がないケースもありますが、それでも「移動手段の選択肢がある」ことは企業にとってプラスに働きます。
エントリーシートに普通自動車第一種運転免許(AT限定可など)と明記しておくことで、採用担当者に安心感を与えることができます。
なお、免許を「取得予定」の段階でも記載は可能です。
その場合は「取得予定(◯年◯月)」と明記し、選考時点での状況がわかるようにしておくと良いでしょう。
エントリーシートに書かなくてよい資格
エントリーシートには、自分のスキルや知識を証明するために資格欄が設けられています。
しかし、すべての資格を記載すれば良いというわけではありません。
資格の内容によっては、かえって印象を悪くしてしまうこともあります。
ここでは、書かなくてもよい資格の具体例とその理由を解説します。
大学レベル未満の資格
エントリーシートに記載する資格は、自分の能力や専門性をアピールするものであるべきです。
しかし、英検3級や漢検3級など、一般的に中学生〜高校生レベルとされる資格を記載しても、大学生としての成長や専門性はアピールできません。
場合によっては「この人は他にアピールできる資格がないのか」とマイナスに捉えられる可能性もあります。
また、誰でも取得できるような検定や技能系の民間資格も同様で、記載することで逆効果となるケースがあります。
資格を記載する際は、応募する企業や職種と関連性があるか、大学生・社会人として評価される水準であるかを基準に判断するようにしましょう。
趣味関連の資格
カラーコーディネーターやフードアナリスト、DIYアドバイザーなど、趣味を深めるために取得した資格は、ビジネススキルとしての評価にはつながりにくい傾向があります。
こうした趣味関連の資格は、専門職としてのスキルとは切り離して考えられるため、エントリーシートの資格欄に記載しても、採用担当者の印象には残りづらい可能性があります。
とはいえ、趣味欄や自己PRで趣味と結びつけて話す際には、有効なエピソードとして活かせることもあります。
特に、創造性や継続力を示せるような文脈がある場合には、別の箇所でうまく活用することを検討してもよいでしょう。
資格欄には業務に関連性の高い資格を優先的に記載し、趣味関連は適切な場面で補足的に紹介するのがおすすめです。
【エントリーシートで資格】この記事全体のまとめ
エントリーシートに資格を記載する際には、持っている資格をすべて書けば良いわけではありません。
まず企業と関連して活かせるものでなければならないですし、嘘もダメです。
さらに一定のレベルではないものは、逆に書いてしまうとマイナスに捉えられてしまいます。
なんとなくエントリーシートに記入をする欄があるので何かしら書かなければいけないという気持ちになりがちですが、なければ「特になし」でも問題ありません。
かっこつけて嘘を書き、後からバレてしまうより断然好感が持てます。
これから取得する見込みのものも、「~に向けて勉強中」と書いてもOKです。