HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
- 「ガクチカと自己PRの違いは?」
- 「ガクチカと自己PRの内容は被っても大丈夫?」
- 「ガクチカや自己PRに何を書いたら良いのか分からない時にはどうしたら良いの?」
就活で、ガクチカや自己PRを聞かれることがあることについては知っていても、両者の違いになどについてこのような疑問がある人もいるのではないでしょうか。
この記事では、自己PRとガクチカの違いやガクチカと自己PRが被ってもOKな場合とNGな場合、ガクチカと自己PR作成のポイントなどを紹介していきます。
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【ガクチカと自己PRの違い】同じではない
ガクチカは、「学生時代に力を入れて頑張ったこと」を意味する略称で、学生時代に熱中した活動や頑張った経験に焦点を当てます。
これに対し、自己PRは自分の長所や強みをアピールするためのもので、個人の特性や他者との差別化ポイントを企業に伝えることを目的としています。
ガクチカは具体的な経験や成果を通じて示される一方で、自己PRはそれらの経験が如何に自分の強みとなり、仕事に活かせるかを強調します。
つまり、ガクチカが「何をしたか」に焦点を当てるのに対し、自己PRは「どんな人物か」という個人の特質や能力を前面に出す点で異なります。
この違いをしっかりと意識した上で就活の準備に臨むだけで、企業からの評価も上がってくるでしょう。
ガクチカでは困難を乗り越えたエピソードを使って、思考過程を伝えます。
思考過程がわかることで、その人の人柄を想像することができ、企業にマッチする人材か判断することができます。
一方、自己PRでは自分の強みを活かしたエピソードを使って、強み(企業が採用するメリット)を伝えます。
ガクチカは困難に取り組む姿勢や考えを伝え、自己PRは目標を達成するための具体的な手段(強み・能力)をアピールします。
自己PRとガクチカ|同じエピソード例文
ボランティアという同じテーマでガクチカと自己PRを作成した例文を紹介していきます。
ガクチカは「何をしたか」、自己PRは「自分の強みはなにか」を強調した書き方になっているのでその点を意識しながらチェックしてみてください。
自分のESにも活かせそうであれば真似してみてくださいね。
ボランティアのエピソードで自己PR
自分の強みは課題解決力です。
大学時代に子ども教育支援のボランティア活動に携わり、多くの困難な状況に直面しました
が、その際にこの力を発揮しました。
特に、企画したイベントの集客が思うように進まなかった際、深い分析を行い、改善策を練り上げました。
このプロセスを通じて、柔軟な思考と綿密な計画立てが、どんな問題も解決に導く鍵であることを学びました。
最終的に、参加者からの満足度100%という成果を達成しました。
この経験は、私が直面するあらゆる課題に対して、論理的かつ創造的なアプローチを取る能力を育てました。
今後もこの課題解決力を生かして、新たな環境や挑戦にも積極的に取り組み、貢献していきたいと考えています。
ボランティアのエピソードでガクチカ
大学在籍中、私は子ども教育支援のボランティアに力を注ぎました。
主に地域の小学生に英語を教え、国際交流イベントの企画・運営に携わりました。
特に、参加者が期待に達しなかったイベントにおいて、原因分析から改善策の実施までを行いました。
例えば、何が原因なのか、何をしたら参加のハードルが下がるか、当日どのようなことができたら魅力的に見えるか等を何度も考えました。
さらに他のメンバーとのミーティングを何度もし、集客の仕方を変えたり、内容の見直しを実施しました。
そして、最終的には参加者全員から高い評価を得ることができました。
この経験から得た課題解決力と、どんな状況でも成果を出すためにコミットする力は、私の大きな強みだと認識しています。
貴社においてもこの経験で得たスキルやスタンスを元に、更なる発展に貢献していきたいと考えています。
【ガクチカと自己PRの違い】企業が見ているポイントとは?
企業がガクチカと自己PRの両方を聞くのは、見ているポイントに違いがあるからです。
企業が「なぜガクチカや自己PRを聞くのか」「何を知りたいと思っているのか」ということを理解して作成しなければ、採用担当者に効果的なアピールができません。
ここからは、ガクチカと自己PRで企業が聞きたいポイントについて紹介していきます。
ガクチカや自己PRをこれから作成しようとしている人は、ぜひ参考にしてください。
ガクチカの場合
企業がエントリーシートでガクチカについて質問するのは、「学生時代にどのような経験をしているのか知りたい」からです。
経験したいと思ったきっかけや実績などを聞くことで、その学生の価値観や物事への取り組み方といったことが分かります。
もう一つの理由は「その経験の中からどのようなことを学んだのか知りたい」からです。
レベルの高い経験であればあるほど大きな問題に直面することも多く、その問題をどう解決したのかを知ることは仕事で課題に直面したときにも生かせるからです。
ガクチカは、学生の入社後、ぶつかるであろう問題にどう対処していくのか、企業がイメージする材料となります。
それではガクチカで具体的に企業が見ているポイント、注意すべきポイントをチェックしてみましょう。
- モチベーションの源泉
- 頑張ったことまでの過程
- 何を学んだかのアウトプット力
- 論理的に伝えられているかどうか
モチベーションの源泉
どの企業でも、採用するからには長く勤めてもらえる人材を求めています。
そこで、ガクチカを通して「なぜ頑張ることができたのか」などのモチベーションの源泉を知りたいと考えています。
モチベーションの源泉は言い換えると、その人の「価値観」とも言えます。
企業でいう価値観とは企業理念にあたります。
自分のモチベーションの源泉が、企業の理念と通ずるものがあれば企業風土に合い長く勤めてもらえる可能性が高くなります。
自分はなぜ物事に熱中できたのか、困難を乗り越えられたのかなどモチベーションの源泉を深堀して理解しておきましょう。
頑張ったことまでの過程
企業は学生のモチベーションの根源を知ろうとしています。
ガクチカというと、どれだけ大きなことを成し遂げたか、どれだけの結果を出すことができたかなどを一番に考えてしまいがちです。
何があったから取り組もうと思ったのか、スムーズに進まなかったこと、どうして頑張れたのか、どう努力したのかを考えてみましょう。
ガクチカでは、成し遂げたことの大きさではなく、頑張ったことまでの過程を詳しく伝えることが大切なのです。
何を学んだかのアウトプット力
ガクチカでは学生が取り組みから何を学んだのかを客観的に分析できているか、そしてその学びを適切に表現できているかもみられています。
例えば、「○○をするために『とても』努力しました。」と「○○をするために『毎日3時間を費やして』努力しました。」では、後者の方が客観的にイメージしやすい文章といえます。
自分自身で何を学んだのかを深掘りし、あなたが何を頑張ったのかを第三者でも想像できるようなガクチカを目指しましょう。
論理的に伝えられているかどうか
内容も大切ではありますが、伝え方が論理的であるかどうかもみられています。
素敵なエピソードでも、うまく伝えられないのは勿体ないですよね。
逆に、自信のないエピソードでも伝え方によっては企業の心を鷲掴みにすることも可能なのです。
ガクチカでは、無駄な部分を省き、かつ必要な部分を満たした簡潔な文章が求められます。
「STAR法」のようなフレームワークを用いて、論理的な構成を心がけましょう。
「STAR法」については後ほど詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
自己PRの場合
では、企業が学生の自己PRを聞くのはどうしてでしょうか。
それは、「学生の人柄を知りたい」というのが主な理由です。
そして、「長所や強みが自社の求めている人物像にマッチしているか」を確かめるためでもあります。
企業が学生に何を求めているのかと言えば、最終的には業績に貢献してくれること、そして企業を発展させてくれることです。
そのためには学生の長所や強みが仕事上で十分に発揮されなければなりません。
企業側は自己PRを聞くことでそれを判断しているのです。
自己PRは、学生が入社後どのような働きを見せてくれるのかを企業が想像する材料となります。
それでは、自己PRで具体的に企業がみているポイント、注意すべきポイントをチェックしてみましょう。
- 自社で活躍する人材かどうか
- 仕事に対する姿勢
- 努力の基準値
自社で活躍する人材かどうか
自社で活躍できる強みが学生に備わっているかをみています。
業界や職種により、活かせる強みは異なります。
そのため、企業側が求めている人物像や、経営理念などを調査する企業研究が必要不可欠になってきます。
企業研究を踏まえたうえで、入社後に自分の強みがどのような場面でどのように活かせるのかを具体的にアピールしてみてください。
仕事に対する姿勢
企業は、学生が学生時代にどのような姿勢で物事に取り組んできたのかをみて、入社後の仕事に取り組む姿勢をイメージしようとしています。
つまり、働いている姿が想像しやすい自己PRが求められているのです。
自分自身がどんな状況でどのように強みを発揮してきたのかを具体的に深堀りし、入社後その強みをどんな場面で活かしたいかという展望を考えてみましょう。
単なる長所を書くのではなく、自分の長所を仕事に活かす方向で、仕事と掛け合わせて考えてみると良いでしょう。
努力の基準値
自己PRでは、成果を出すためにどれだけ努力できる人材なのかを知ろうとしています。
簡単に達成できる取り組みでは、努力の基準値を図ることができないため、好ましくありません。
単なるスキルの高さではなく、目標達成のために努力できるポテンシャルをみている企業も多いのです。
自分の強みを最大限に活かすことができた場面や、継続的に努力した経験を述べるなどして、努力の基準値が高いことを積極的にアピールしましょう。
【ガクチカと自己PRの違い】被ってもいい?
ガクチカと自己PRはエピソードが被りがちですが、極力別のエピソードを用いたほうが良いでしょう。
同じエピソードを用いてしまうと、「この学生は物事への取り組みが消極的なのではないか」と思われてしまうことがあります。
そもそも、一枚のエントリーシートの中でガクチカと自己PRを同時に聞いてくるということは別々の内容を答えることを期待しているのであり、さまざまな角度からアプローチを行って被りのない内容にしたほうが無難です。
ガクチカと自己PRが被ってもOKな場合
ガクチカと自己PRに使えるエピソードがあまりないという人もいるでしょう。
ガクチカと自己PRのエピソードやテーマは、アピールポイントや見方を変えれば同じものを使ってもOKです。
たとえば、どちらもアルバイトのエピソードを使うとします。
ガクチカでは、「積極的にコミュニケーション取り、顧客のニーズを掴もうとした」ことを話し、自己PRでは「リーダーシップを取り、スタッフが働きやすい環境づくりに尽力した」ことを話すというように、視点を変えることで被ってもOKなものに仕上がるでしょう。
ガクチカと自己PRの内容を全く同じものにしてしまうのはNGです。
「学生時代に打ち込んだことや頑張ったことがないのか」
「大学生活に何をしていたいのか」
と思われてしまう危険性があります。
アピールできないだけでなく、マイナス評価を得てしまう可能性もあるため、できる限り違うエピソードを用意するようにしましょう。
もしエピソードが被るようであれば、前述したようにアピールポイントを変え、両者の違いが分かるように工夫する必要があります。
【ガクチカと自己PRの違い】自己PR作成のポイント
ガクチカと自己PRは混同されやすく質問に対する回答の内容が似通ったものになりがちですが、実際には求められている内容がまったく違うということはここまで見てきて分かっていただけたと思います。
求められているものが違えばアピールする内容も違うわけで、当然ながら書き方も違ってきます。
ここでは自己PRを作成するにあたって注意すべきことや、より魅力的な自己PR文を考えるポイントについて詳しく紹介しましょう。
第三者目線を入れる
自分の長所や強みを探す方法として最も基本的な方法は自己分析です。
「これまでに経験したことの中で、どんなことに一番興味を持って取り組んできたのか」、「ピンチになった時にどのように考えて、どのような行動を起こしたのか」といったとを掘り起こしてみると、自分という人間の特徴が明らかになってきます。
それでもなかなか見つからないという場合は、自分をよく知る第三者から意見を聞いてみるのも良いでしょう。
家族や親友などの意見を聞くうちに、自分では気付かなかった特徴が明らかになってくることもあります。
このような第三者の客観的な意見を自己PRに取り入れることはエントリーシートの内容に説得力をも持たせる効果もあります。
エピソードを入れる
「あなたの長所はどんなところですか?」という質問に対して「私の長所は◯◯なところです」と事実だけを伝えても何のアピールにもなりません。
たとえば、「私の強みはいつでも冷静に決断を下すことができるところです」と答えたとしても、それが本当なのか、それとも自分を少しでもよく見せるための噓の内容なのかを判断する材料がまったくないからです。
自己PRとして書いた内容に説得力を持たせるためには、具体的なエピソードを入れて信憑性をもたせる必要があります。
「どのような経験を通じてその長所を獲得することができたのか」
「その長所をどのような場面で生かすことができたのか」
ということまで具体的に伝えるようにしましょう。
業務につなげる
自己PR聞かれた時には、自分の特徴や長所が志望する会社において仕事をするうえで生かせることをアピールしなければなりません。
たとえば、応募した企業が海外進出に積極的な企業でフロンティア・スピリットを持つ人材を求めているにもかかわらず、自己PRとして「私の長所は堅実なところです」と答えたら採用担当者はどう思うでしょうか。
「うちの会社は積極的な海外進出を考えているから、堅実な人間は必要ない」と思われてしまうでしょう。
先程も説明したように、自己PRを通じて企業は「自社が求めている人物像に合致しているのか」を見ています。
ですから、自己PRを作成する場合は、仕事で求められる人物であることをアピールすることが重要です。
【ガクチカと自己PRの違い】構成
文章にしてもプレゼンにしても、伝わりやすい構成があります。
その構成に従うことで過不足なく伝えることができます。
就活にとどまらず入社後の仕事でも役立つ方法ですのでぜひ身につけておきましょう。
まずはじめに結論として自分の強みを述べます。
ここでのポイントは、強みをオリジナリティのある言葉に言い換えることです。
例えば「傾聴力」が強みと言っても、就活生の多くが使用するため埋もれてしまいます。
その場合、一言足して「相手のニーズを引き出す傾聴力」などと言い換えて印象を残すことが大切です。
そうは言ってもオリジナリティのある文言ってどうやって書けば良いのと思われるでしょう。
強みであるという主張には必ず何か根拠がありますので、根拠を深掘りしていきましょう。
深堀すると具体的な背景やエピソードが出てきます。
次に強みを培った背景について説明します。
この部分では採用担当者に納得感を与える役割を持ちます。
例えば、強みは「相手のニーズを引き出す傾聴力」であり、それに至った背景として「味方の動きを観察し、相手の視点を意識することが重要なバスケを6年間続けたこと」と説明できれば「なるほど」と納得感を与えます。
強みと背景はセットで考えることで入社後、仕事のシーンでも役に立ちますのでぜひ活用していきましょう。
次に強みを発揮したエピソードについて説明します。
どのようなエピソードでも良いですが、強みを発揮して課題を解決したエピソードが書きやすいためおすすめです。
エピソードは1つに絞る方が良いです。
なぜなら1つのエピソードを深く掘り下げていくことにより、具体的な話をすることができ、信憑性も高くなるからです。
深堀は「なぜ、なぜ」といった自問自答を繰り返します。
自分だけでするのが難しそうでしたら、ぜひ大学の友人と一緒に問いあいを気軽にやってみてください。
今まで自分でも気づいていなかった考えに気づくでしょう。
最後にどのように仕事で活かすことができるかを書きます。
企業の採用担当者に、結局のところ自社で活躍できるか、またどのように活躍してもらえそうかイメージしてもらうことが非常に重要です。
志望する職種の業務内容に合わせた活かし方を説明できると高評価につながります。
コミュニケーションに長けているなら顧客との関係性を広げたり、協調性があればチームの仲間との連携を円滑にしたりと仕事に活かせる場面は様々です。
自己PRの例文:傾聴力
私の強みは相手の考えを引き出す「傾聴力」です。
私が所属していたバスケットサークルでは、パスがうまくできず、相手にボールを取られることが多々ありました。
その結果失点につながり、敗戦を喫することが多かったです。
そこで私は、各選手の動きを観察したり、選手全員と直接話し合い、得意・不得意なプレーを聞いてまわりました。
そして、選手の配置やシミュレーションをおこない連携プレーを話し合ってチームのプレー方針を固めました。
その結果、試合ではディフェンス面が強化され毎試合の平均失点が10点少なくなりました。
バスケというチーム戦は選手同士の連携プレーが非常に重要です。
そのために一人ひとりの声に耳を傾けることが本当に大事なのだと改めて実感しました。
この強みを活かし、御社ではお客様のニーズをくみ取り、利益貢献できるよう努力したいとかんがえています。
【ガクチカと自己PRの違い】ガクチカ作成のポイント
ガクチカは就活において書類選考の材料となるだけでなく、面接に進んだ場合は質問のネタとして使われることもある、非常に重要なものです。
できれば複数のガクチカを用意しておくと応募する企業に応じて効果的にアピールすることができるでしょう。
また、ガクチカを質問された時は基本的には大学生での経験を伝えるべきで、大学受験など大学入学以前のことは避けるべきでしょう。
ここではガクチカを作成するにあたって押さえておきたいポイントをいくつか紹介していきます。
企業が求める人物像に合わせる
ガクチカを作成する際は自己PR同様、企業がどのような人物を求めているのかを理解して、その人物像に沿った形でアピールする必要があります。
ここの「ガクチカを聞く意図」のところでも説明したように、ガクチカは「学生時代にどのような経験をして、その経験の中で何を学んだか」という内容を書くわけですが、その内容が仕事に役立たないのであれば意味がありません。
大切なことは「経験の中で学んだことが仕事上でどのように役立つのか」、そして、「その結果として企業にどれだけの貢献ができるのか」ということです。
企業が成長力のある人材を求めているならば成長力があることを、即戦力を求めているなら十分な知識やスキルがあることをガクチカを使ってアピールするようにしましょう。
エピソードを入れる
ガクチカを作成する時に、「他の就活生に差をつけるためには大きな成功経験を書かなければならないのではないか」と考える学生も多いですが、そのような必要はありません。
ガクチカで重要なのは成果ではなく、「経験を通じて何を学んだのか」、「その教訓が社会人になってからどう生かせるのか」ということを説明することです。
ですから、エピソード自体は平凡なものでも構わないのですし、失敗体験でも問題ありません。
それよりも大切なことはエピソードをできるだけ具体的に説明することです。
熱中することになったきっかけや、直面した問題、その問題を解決するために起こした行動などを書くと、ガクチカの内容に説得力が生まれてアピール度も高くなるでしょう。
構成
次はガクチカを書く上での構成を見ていきましょう。
ガクチカの構成は自己PRとは少し違います。
書き方の違いや意味についても理解して進めていきましょう。
まずはじめにどのようなことに取り組んだかについて結論を述べます。
自己PRと同じく、結論は端的に述べることが伝わりやすいため「結論ファースト」を心がけましょう。
ESの段階では採用担当者は質問ができないため、サークルの規模なども説明し、読む人がイメージしやすいように書きましょう。
次に背景について説明します。
背景を書いた方が良い理由は2点あります。
・結論の説得力が増す
・他者と差別化しやすい
しかし、背景は「なぜ取り組んだのか」など結論の補足部分になるため、あまり重要ではありません。
文字数に余裕があれば可能な限り書いて良いですが、文字数が厳しい場合は抜かしても構いません。
次に目標と達成に向かう上での困難を説明します。
文字数に余裕がある場合は、「なぜその目標にしたか」も説明できると良いです。
ガクチカの目的は人柄を確認することです。
「なぜ」を明確に説明できると、学生の人柄が見えてきます。
また、困難に対しての原因を明確にしておくと、施策との一貫性や妥当性が生まれやすいです。
他の就活生との差別化にもつながりますので、この機会に考えておきましょう。
次に施策と結果について説明します。
施策とは課題を解決する上で工夫したことです。
基本的には自身の強みを活かした施策が良いでしょう。
強みを活かした施策が思い浮かばない場合は、別の施策でも良いです。
その場合、課題と施策が一致していない・論理的に飛躍しているとロジカルではない印象を与えてしまうため注意が必要です。
ダメな例として、「課題はマニュアルに沿った対応」と書いているにもかかわらず「施策はマニュアルを変更した」といったように、論理的に飛躍した文章は避けるべきです。
また、結果についてはシンプルな方が伝わりやすいため、長文ではなく簡潔に述べましょう。
最後に経験を通してどのようなことを学んだかを説明します。
どのような学びでも良いですが、仕事に活かせる再現性のある学びであると高評価につながります。
また、学んだことを現在も実践し続けていれば言葉に真実味・重みがあり、より一層説得力が増します。
「継続することが大事」だと学んだのであれば、現在も継続していることはないか、「挑戦し続けること」であれば、今でも日常で何か挑戦しているかなどです。
採用担当者からも、この人は学び続けられる人、成長し続ける人だという印象を与えることもできます。
ガクチカの例文:野球部のマネージャー
私は学生時代、野球部のマネージャーとして力を注いできました。
高校時代は選手としてプレーしていましたが、裏方に興味があり大学ではマネージャーとして野球部に貢献しようと思いました。
マネージャーといっても、仕事は多岐にわたります。
練習中の裏方、選手の観察、リーグ戦や練習試合の段取り、データ分析など様々です。
私が特に力を注いだのがデータ分析です。
大学はリーグ戦であるため、同じ選手と複数回対戦することがあります。
味方選手の特徴・強みを伸ばし、どうすれば相手選手を攻略できるかということを試行錯誤しました。
その結果、チームは神宮大会に進出することができました。
神宮大会のフィールドに立つことはありませんでしたが、監督や選手から「〇〇のお陰でこの野球部は勝てた」と感謝してもらえたことが何よりの喜びです。
御社に入社した際は、社員の皆さまのサポートやお客様に寄り添ったサービスをしてお役に立てるよう努力いたします。
【ガクチカと自己PRの違い】何を書いたら良いのか分からない場合
ガクチカと自己PRは、どちらも就職活動で聞かれる機会が多く、その内容が選考結果を左右する重要な質問です。
そのため思いつきで解答するのではなく、しっかり事前準備をしてエピソードや構成について考えておかなければいけません。
しかし、何を書けば良いのかわからず作業が始められない方もいるでしょう。
そういった方は、以下の方法を参考にして自己PRとガクチカへの取り組みを始めてみてください。
自己分析をする
自己分析は、就職活動において企業研究と並んでとくに重要な活動です。
就職活動の手始めとして、まずは自己分析からスタートした方も多いでしょう。
もちろん自己分析をして自身の経験や強みについて深掘りすることは、ガクチカや自己PRの作成にも役に立ちます。
自己分析には多くの手法があるので、年表の作成や自己分析ツールの使用などさまざまな方法を試してみてください。
他己分析する
他己分析とは、自身について友人や家族、教員などに質問し、他者から見た自身の評価について知ることです。
自己分析が主観的に自己を掘り下げる方法だとすれば、他己分析は客観的に掘り下げる手法だといえるでしょう。
他己分析の手法を用いると第三者の視点で自身の個性やスキルを再確認できるので、自己分析では気づけなかった強みやアピールポイントが見つかるケースも少なくありません。
エージェントに相談する
「ガクチカと自己PRに何を書いたら良いのか分からない」
「企業にアピールできるほどの経験がない」
という人もいるでしょう。
ガクチカと自己PRに何を書いたら良いのか分からない場合には、就活エージェントのサポートを受けるのがおすすめです。
就活エージェントは、専任のアドバイザーが企業探しだけでなく、履歴書やESの添削や面接対策など幅広くサポートをしてくれます。
ガクチカや自己PRを書けないと悩んでいる人にも、的確なアドバイスをしてくれるでしょう。
現在、様々な就活エージェントサービスがありますが、株式会社リアステージが運営する「ジョブコミット」がおすすめです。
専任のアドバイザーが、企業紹介から選考対策、入社準備まで二人三脚でサポートしてくれます。
ガクチカや自己PRを書けないと悩んでいる人は、「ジョブコミット」に登録しましょう。
【ガクチカと自己PRの違い】ガクチカの通過率をアップさせる方法
「自分が作成したガクチカに自信が持てない」
「これで選考に通過できるか不安」
という人もいるでしょう。
ここからは、ガクチカの通過率をアップさせる方法を紹介していきます。
前述したガクチカ作成のポイント、企業がガクチカを聞く意図などとともに、ここで紹介する通過率アップの方法も参考に、ガクチカを考えてみてください。
自分の強みを見つける
ガクチカの通過率をアップさせるためには、まず、企業に合った自分の強みを見つける必要があります。
「企業が入社後に活躍できる人材ある」
「物事や価値観が企業に合っている」
ということを採用担当者に感じてもらえなければ、書類選考を通過することは難しいでしょう。
企業がどのような人材を探しているのか把握し、入社後に活かせる強みをアピールできるエピソードを用意してガクチカを作成してください。
内定者のエントリーシートを参考にする
ガクチカの通過率をアップさせたい場合には、内定者のエントリーシートを参考にするのもおすすめな方法です。
内定者のエントリーシートを参考にすれば、自分のガクチカのどこを直せば良いものになるのか分かりますし、選考通過のために必要なポイントを理解できます。
また、内定者のエントリーシートを参考にすることで、一人で一から考えるよりも短い時間でガクチカを作成でき、就活をスムーズに進められるでしょう。
内定者のエントリーシートが集められたWebサイトもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
ES添削サービスを活用する
ES添削サービスを活用することも、ガクチカの通過率をアップさせる方法の一つです。
出来上がったガクチカは自分で何度も添削している人もいるでしょう。
しかし、自分だけではミスや主観が入った分かりにくい文章になっていても気づかない場合も少なくありません。
ES添削サービスを利用することで、第三者が読んで分かりやすいガクチカになっているか、ミスなどがないか客観的に見てもらえます。
質の高いガクチカになるように、ぜひES添削サービスを利用してみてください。
【自己PRとガクチカの違い】よくある疑問を解決
次は、ガクチカと自己PRについて多く見られる質問と、その解答をご紹介します。
ガクチカと自己PRの内容は選考において複数回言及されることも多く、他の質問の回答とも関連してくる可能性があるので、なるべく疑問点を解消してから作成するようにしましょう。
大学時代の経験でなくても良い?
ガクチカや自己PRのエピソードは、大学時代のものを扱うことが基本です。
ここ数年はコロナ禍の影響によって思うように大学生活を送れなかった可能性も考慮し、大学時代であることはあまり重視されなくなっていましたが、これは例外的な対応だと考えておいたほうが良いでしょう。
現在はコロナの影響も少なくなってきたので、基本的には大学時代のエピソードを用いることをおすすめします。
大学時代以外のエピソードを書くことも可能ですが、採用担当者から突っ込まれる可能性があるので、理由を答えられるようにしておきましょう。
企業ごとに変えるべき?
先述したように、ガクチカや自己PRの最後には、自身の経験や強みを入社後にどう活かすかについて述べることが重要です。
企業によって経験や強みの活かし方は変わってくるので、この部分はそれぞれの企業に合わせた内容に変えましょう。
ただし、他業界や他業種の場合は、そもそもアピールするべき経験や強みが変わってくる可能性があるので、横着して使い回さずに新しく作成するつもりで取り組むことをおすすめします。
【自己PRとガクチカの違い】自己PR例文6選
学生時代に力を入れた経験は、就職活動において自己PRの重要な要素となります。
以下では、アルバイト、サークル、営業インターン、ボランティア、部活のそれぞれの経験を題材にした自己PRの例文を紹介します。
私は大学時代、コンビニエンスストアでアルバイトをしていました。
この経験を通じて、管理能力を培い、特に、シフト管理と在庫管理に力を入れました。
シフト管理では、アルバイト仲間と連携し、シフトの調整を行い、急な欠勤が発生した際もスムーズに対応しました。
また、在庫管理においては、売れ筋商品や季節商品を把握し、適切な発注を行うことで売上を向上させました。
例えば、夏季には冷たい飲み物やアイスクリームの在庫を増やし、売上を前年比の20%増加させることができました。
今後もこの管理能力を活かし、職場での業務効率化に貢献したいと考えています。
私は大学のサークル活動で、企画・発案に力を入れてきました。
特に、毎年の文化祭でのイベント企画において、その実行力を発揮しました。
例えば、文化祭では「地域交流フェスティバル」という企画を立案し、地域住民や他大学の学生を招待するイベントを実現しました。
このイベントのために、スポンサー探しや会場手配、参加者の管理など多岐にわたるタスクを担当しました。
その結果、予想以上の来場者数を記録し、地域との交流を深めることができました。
この経験を通じて、プロジェクトを成功に導くための計画力と実行力を身につけました。
職場でもこの実行力を活かし、職場で新しい企画を立案し、実行に移していきたいと考えています。
私は大学時代に長期の営業インターンシップを経験し、営業のスキルを磨きました。
特に、新規顧客開拓のプロジェクトに参加した際は、社員の皆さんに褒められるほど実績を上げることができました。
具体的には。
ターゲットリストの作成からアポイントメントの設定、商談までを一貫して担当し、月間の新規契約数を目標の150%達成しました。
この経験を通じて、顧客のニーズを的確に把握し、適切な提案を行う能力を身につけ、チーム内でのコミュニケーションや情報共有の重要性も学びました。
今後は、この営業スキルを活かして、企業の成長に貢献していきたいと考えています。
私は大学時代に、子どもたちの学習支援を目的としたボランティア活動に参加していました。
この活動を通じて、コミュニケーション能力を磨き、特に、学習意欲が低い子どもたちに対して、どのようにモチベーションを引き出すかに注力しました。
例えば、個々の興味に合わせた学習プログラムを作成し、一対一での指導を行いました。
その結果、彼らの学習意欲が向上し、学力も大幅に伸び、この時に相手の立場に立って考え、効果的なコミュニケーションを取ることの大切さを学びました。
このコミュニケーション能力を活かし、職場での円滑な人間関係を築いていきたいと考えています。
私の強みはチャレンジ精神です。
大学時代、私はバスケットボール部に所属し、常に自己の限界に挑戦してきました。
例えば、全国大会出場を目指して、毎日の練習に加え、個別のトレーニングも欠かさず行いました。
試合でのプレッシャーや挫折を乗り越え、チームと共に努力を続けた結果、ついに全国大会への出場を果たすことができました。
この出来事を経験してから、目標達成には継続的な努力と強い意志が必要であることを強く実感し、同時にチームメイトとの連携やサポートの重要性も実感しました。
今後もこのチャレンジ精神を持って、新しい環境や困難な課題に積極的に挑戦し、成果を上げたいと考えています。
私の強みは主体性があることです。
最も自分の強みを発揮したのが、大学でのゼミにおけるアンケート調査です。
私のゼミの研究発表は複数人のグループで行われます。
そのアンケート調査では、当初学部の生徒を対象にアンケートを行っていました。
しかし私はアンケート対象者の年齢が限定的であり、人数が少ないことに疑問を感じ、自らオンライン調査や現地調査を実施しました。
具体的にはLINEリサーチや店頭調査を活用し、大学生以外の年齢層にも調査を行いました。
当初の予定では150人ほどの回答数しか集められていませんでしたが、最終的には500人分の回答数を集めることができました。
この主体性に行動できる特徴を活かし、積極的に貴社に貢献したいと考えています。
【自己PRとガクチカの違い】ガクチカ例文6選
上記では自己PRの例文を紹介しましたが、ここからはアルバイト、サークル、営業インターン、ボランティア、部活のそれぞれの経験をベースにしたガクチカの例文を紹介します。
自己PRとの違いも意識しながら読んでみてください。
学生時代に力を入れたのは、コンビニエンスストアでのアルバイトです。
大学1年生から3年間、週5日勤務し、シフトリーダーとして働き、スタッフの教育に力を入れました。
新人アルバイトのトレーニングプログラムを作成し、彼らが迅速に業務に慣れるようサポートしました。
その結果、新人スタッフの定着率が向上し、店舗全体の業務効率が向上しました。
この経験を通じて、教育の重要性や、顧客満足度向上のための努力が業績に直結することを学びました。
企業に入社してからも、職場での人材育成と顧客対応の重要性を常に念頭に置いて業務にあたりたいです。
イベントサークルの広報係としての活動に力を入れていました。
当時、私はサークルの知名度を上げるため、SNSを活用した広報戦略を立案・実行しました。
例えば、FacebookやInstagramを活用し、定期的にイベント情報やサークルの活動報告を投稿しました。
さらに、動画コンテンツを制作し、視覚的に訴えることでフォロワー数を大幅に増やしました。
結果、サークルの認知度が向上し、イベントの参加者数が前年の2倍に増加しました。
これを通じ、マーケティングや広報の重要性を学び、効果的な情報発信の方法を身につけました。
このスキルは企業で働く上で重要なスキルだと認識しているので、積極的に活用していきたいです。
私が学生時代に力を入れたことは、長期の営業インターンシップです。
大学2年生の夏から1年間、ベンチャー企業で営業チームのサポートを担当し、特に、既存顧客との関係構築に注力しました。
具体的には、定期的なフォローアップや顧客訪問を行い、顧客のニーズや問題点を詳細に把握しました。
そして、顧客のフィードバックをもとにサービスの改善提案を行い、顧客満足度を向上させることができました。
この経験を通じて、顧客対応の重要性や顧客の声を活用した業務改善の方法を学びました。
業務でもこの経験を活かし、自分が対峙する顧客の満足度の向上を最優先にして働きたいと考えています。
学生時代に力を入れたことは、海外の子どもの学習支援のボランティア活動です。
大学2年生の夏休みに、フィリピンの子どもたちに英語や数学を教えるプログラムに参加し、現地の教育環境が厳しい中で、子どもたちの学習意欲を引き出すための工夫をしました。
取り組みとしては、ゲームや歌を取り入れた授業を行い、楽しみながら学べる環境を作りました。
すると、子どもたちの学力が向上し、笑顔で授業に参加する姿を見て大きなやりがいを感じました。
異文化理解やコミュニケーション能力の重要性をこの時実感しました。
この強みを活かし、職場に自分と異なる考えの人がいても、積極的にコミュニケーションをとって組織の円滑化に貢献したいです。
私が学生時代に力を入れたことは、バレーボール部での活動です。
大学ではキャプテンを務め、チームを全国大会に導くことを目標にしていました。
特に、練習の質を向上させるために、戦術ミーティングを定期的に開催し、個々の技術向上に努めました。
また、メンバー間のコミュニケーションを円滑にするためのチームビルディング活動を実施し、チームの結束力を高めました。
その結果、私たちのチームは県大会で優勝し、念願の全国大会出場を果たしました。
この経験を通じて、リーダーシップの重要性や、チームでの協力の大切さを学びました。
このリーダーシップを活かして、職場でのチームマネジメントに貢献していきたいと考えています。
私が学生時代に力を入れたことは、大学のゼミ活動です。
私はそのゼミでゼミ長を勤めていました。
ゼミでは「AI技術の活用方法」というテーマをグループで取り組みました。
当初は議論の参加に消極的な学生もいましたが、ゼミの時間外でコミュニケーションをとる機会を設けるなどして、徐々に協調性が生まれてきました。
最後のゼミ発表では教授たちから高評価をもらい、最終的にプロジェクトを成功させることができました。
貴社のプロジェクトでもリーダーを任された際には、この経験で得たリーダーシップを活かして貴社に貢献していきたいと考えています。
ガクチカと自己PRの違いを理解して自分をアピールしよう
いかがでしたか。
ガクチカと自己PRを混同してしまっている学生も多いですが、企業がそれぞれの質問からどのような回答を引き出そうとしているのかを理解していれば、内容が重複してしまうということはないでしょう。
ガクチカも自己PRも就活ではとても重要な質問なので、しっかりと準備をして魅力的な文章を作成しなければなりません。
ここで紹介したポイントを十分に理解した上で、採用担当者に「一緒に働きたい」と思われるように頑張りましょう。
就活コンサルタント木下より
この記事を読むことで、自己PRとガクチカの違いを理解できるだけでなく、通過率をアップさせるガクチカや自己PRの作成方法を把握できるはずです!
ガクチカや自己PRの違いが分からず、どのように作成したら良いか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください!