HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
要約
広告業界への就職を考えている就活生のため、広告代理店の年収ランキングを紹介します。
広告業界は毎年就活生から非常に人気の高い業界であり、志望者が多い分、ライバルの多い難しい就職先であることは否めません。
勝ち抜くためには事前に情報収集をしっかり行い、業界の構成を知ったうえで自分なりのキャリアパスを描くことが重要です。
内定をもらえる確率を上げるためにも業界研究、企業研究は欠かせないと考えましょう。
同時に、就活生が一番気になるのが年収です。
さまざまな噂を耳にしやすい業界ですし、華々しい話も聞きますが、果たして広告業界は本当に稼げるのか、ここでは広告代理店各社の年収面から掘り下げます。
はじめに
広告業界に就職するため、広告代理店に興味を持つ学生は毎年とても多いです。
ただし競争率の高い広告代理店に就職したいなら、曖昧なイメージや噂話だけで就活を進めるわけにはいきません。
よく知られた業界であるように見えて、実は詳しいビジネスモデルや仕事内容を理解していない人は少なくないでしょう。
まずは広告業界についての理解を深め、華やかなイメージに惑わされない確実な知識を得なければ、高倍率の選考を突破することはできません。
就活生にとって興味があるのは年収面でしょうが、その年収はそもそもいったいどこから得られているのか、企業がどのように事業を行い収益を上げているのか、知ることが大切です。
【広告業界の年収】広告代理店のビジネスモデルとは?
まず、広告代理店がどのような形で収益を得ているのかを知る必要があります。
華やかなイメージがある広告業界ですが、ビジネスモデルを読み取ることで、どのような人材が求められるのかを知ることができるでしょう。
特に大手広告代理店とベンチャー系広告代理店とでは違いがありますので、そこにも注目することで業界の構図を読み解くことができます。
大手広告代理店
大手広告代理店という言い方が一般化していますが、総合広告代理店と言ったほうがよく理解できるでしょう。
世の中で広告代理店というと誰もが思い浮かべるような企業であり、まさにテレビや新聞、ラジオ、雑誌という昔からの4マス媒体を中心に、実に多岐にわたる広告を取り扱う代理店です。
とにかく歴史が古く、日本のメディア黎明期からずっと文化とともにあった存在です。
もちろん芸能プロダクションとも深いつながりがあり、学生のイメージに一番近い企業と言えるでしょう。
そのビジネスモデルは、広告主から広告の発注を受け、プランニング・制作し、各種プラットフォームへ発注するという請負業です。
役割としてはメディア枠売買を請け負う広告代理業と、広告主の課題や要望、成し得たいことを実現するためのコンサル業とがあります。
ベンチャー系広告代理店
ベンチャー系広告代理店は、専門広告代理店と表現できます。
基本的なビジネスモデルは大手広告代理店と変わりませんが、違いはひとつのメディアに特化した広告代理業を得意とする点です。
従来の4マス媒体を利用した広告ではなく、インターネット広告に特化した企業も多く存在します。
一般消費者のライフスタイルが大きく変わった昨今、昔のように広告といえば4マス媒体と決められた状況ではなくなりました。
国民一人ひとりがスマートフォンを持つような時代において、インターネット広告に熱く注目する広告主も増えています。
ただ消費者行動がスピーディに変化する流れは今後も加速すると予想されるため、4マス媒体とデジタルプラットフォームとの統合も視野に入れたビジネスモデルの革新が今も続いている状況です。
【広告業界の年収】大手広告代理店の平均年収
大手広告代理店の平均年収をまとめていきましょう。
職種は会社ごとに名称が異なりますが、おおむね営業、マーケティング、クリエイティブ、メディア担当に分けられます。
いずれにせよ配属された職種でキャリアを積むか、他部署へ異動するなどしてキャリアアップを目指します。
電通
参考:平均年収jp https://heikinnenshu.jp/kininaru/dentsu.html 総合職とデジタルクリエイティブ職、アート職があり、クリエイティブ以外は営業がメインです。
20代でもLC(主任)になると年収1,000万円を超える場合もあり、30代からはPC(係長)、SP(専任部長)などの要職につけば年収も上がります。
GM(部長)やMD(局長)になると年収2,000万円以上も夢ではありません。
また総合職からクリエイティブに転属になるケースもありますし、能力で職種が変動することもあります。
博報堂
参考:平均年収jp https://heikinnenshu.jp/kininaru/hakuhodo.html 営業、マーケティング、制作があり、職種別の年収に大きな差はありません。
役職はアカウントエグゼクティブ(法人営業)などにつけば、30歳前半で年収1,000万円にも到達可能です。
ディレクターは30代から昇格可能、40代以上のシニアディレクターになると、マネージャークラスと同水準で年収2,000万も到達可能です。
ADK
参考:平均年収jp https://heikinnenshu.jp/kininaru/adk.html 営業職とメディア職(テレビ局担当)、インタラクティブメディア職があります。
コンテンツビジネスを強みとしている同社だけあり、企画・制作の他にもキャラクター商品化や広告販促使用、劇場公開映画とのタイアップなどの業務も多いです。
役職は係長クラスで832万円、課長クラスで1,117万円、部長クラスで1,399万円レベルを目指せます。
【広告業界の年収】インターネット広告代理店の平均年収
近年勢いを伸ばすインターネット広告代理店では、平均年収も年々上がり傾向です。
ただしWeb媒体は広告枠に希少性がほぼない状態であることから、なんらかの強力なメディアをもつ企業が高収益体質を維持できるという特徴もあります。
各職種は大手広告代理店と変わりはありませんが、ITをメインとすることからエンジニアの職種が用意されている場合もあります。
入社後配属された職種でキャリアを積み、昇進することで年収アップします。
サイバーエージェント
インターネット広告事業とメディア事業があります。
インターネット広告事業ではアカウントプランナー(営業)、クリエイティブプランナー、メディアプランナーが主な職種です。
メディア事業ではメディア営業、プロモーションプランナー、エンジニアという職種があります。
特徴的なのはメディア営業で、Amebaブログなどをはじめとサイバーエージェントが運営するメディアに出稿する広告商品の営業活動を実施する職種です。
またエンジニア職は、広告配信システムの開発やWebやアプリ開発などの仕事を行います。
裁量権が大きく、エンジニア発信で企画提案することができるのが特徴です。
セプテーニ
総合職のメイン職種はアカウントプランナー(営業)、コンサルタント、クリエイティブです。
配属にあたっては人材育成システムを活用した相性配属をしているのが特徴で、環境適応度をチェックしたうえでキャリアアップできる環境があります。
20代後半以降は役職が期待され、主任600万円、係長678万円、課長895万円、部長で990万円程度の水準になります。
オプト
参考:年収ガイド https://www.nenshuu.net/corporation/contents/corporations.php?security_code=2389 アカウントプランナー、トレーディングマーケティングコンサルタント、ソーシャルマーケティングプランナーの職種があります。
特徴的なのはトレーディングマーケティングコンサルタントで、検索エンジンマーケティングとメディア回りのコンサルティングを行うというITならではの職種です。
検索エンジン周辺サービスで効果を最大化させるため現状分析や競合他社分析を行い、広告媒体社との窓口業務を行います。
3年目からのリーダー職で500万円、10年目からの係長職で700万円、15年目からの課長職で1,000万円が期待されます。
【広告業界の年収】仕事はきつい?
広告業界の仕事はクライアントありきですので、クライアントワークはどうしても重労働になりがちなことは否めません。
激務になるか否かは担当するクライアント次第というのが事実ですが、配属チームごとに担当するクライアントが決定しますので、どのチームに入るか次第と言えるでしょう。
また季節感を重視するような商材は出稿サイクルが早く、常に入稿締め切りに追われることになります。
広告プランは、ひとつ決めるのにも10~20の案を提出する必要があるわけですから、営業もクリエイティブも当然ながら必死です。
媒体が多岐にわたると調整に時間がかかり、出稿後も広告効果測定の作業が膨大な量になります。
こうしたプレッシャーの中、常に期限を守る責任を果たさなければなりませんので、メンタルタフネスも必要です。
まとめ
広告業界は確かに一般的な水準と比べて「稼げる」業界ではあるでしょう。
ただしそれは、それに見合うだけの仕事を納められることが大前提であることは認識するべきです。
楽に高収入を得ることは当然不可能ですので、金額だけに目を取られるのではなく、やりがいにしっかり目を向けて進路を決めてください。
広告業界に向く人は天職を得られることも確かですので、自分が向いているのか、本当に自分がやりたいことがそこにあるのかをよく考えて選択することが重要です。
新しいものを見つけるのが好きな人、チームプレーが得意な人、何事にもタフで人の心をつかむのが得意な人はまさに向いています。
業界をしっかり研究し、就活では「自分こそがこの業界の適任者だ」という自信をもって臨んでください。