
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
マスコミの在り方は急速に変化しています。
新聞やテレビ、従来の広告だけではなく、IT化の流れを受けさまざまな形のメディアが日々生まれているのです。
そして、マスコミは就活生からは根強い人気を誇る業界としても知られています。
誰もが知る大手の企業の就職倍率は非常に高く、採用されるためにはさまざまな対策が求められます。
マスコミ業界に就職したいという学生のために、業界の現在の現状から、採用試験の必勝法まで徹底的に説明していきましょう。
【マスコミ業界 向いている人】マスコミ業界とは
マスコミとは、マスコミュニケーションの略語で、日本語に直訳すると大衆伝達となります。
つまり、不特定多数の人に情報を伝達することです。
公共性の高い情報を素早く平等に多くの人に届けるのがマスコミの役割と言えます。
マスコミ業界とは、インターネット・テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などのメディアを通して、人々に情報を提供する企業の総称です。
よく混合されがちなワードにマスメディアがあり、こちらはテレビやラジオなどの伝達に使用する媒体そのものを指すので違いを理解しておきましょう。
マスコミ業界は広告費で収入を得ているのが特徴です。
また、テレビ・放送・出版・新聞・広告の5つに細分化して考えられるケースが多く見受けられます。
【マスコミ業界 向いている人】主な職種
一口にマスコミ業界と言っても、情報伝達の手段は多岐にわたります。
そしてそれぞれのメディアに特性があり、同じ情報でも違った形で届けられるのです。
漠然としたマスコミで働きたいという思いがあっても、どのような業種があるのか、どのような特徴があるのかわからないと悩んでいる学生も多いでしょう。
そこで、マスコミ業界を大きく、の5つに分類しました。
・テレビ業界
・メディア・放送業界
・出版業界
・新聞業界
・広告業界
それぞれの特徴やビジネスモデルについて解説していきたいと思います。
テレビ業界
テレビ業界は、テレビやラジオなどの通信設備を通じて視聴者に情報を届けているマスコミです。
日本には120を超えるテレビ局が存在し、それらは大きく3つに分類できます。
1つ目は、テレビ局は公共放送や番組を全国に配信しているいわゆるキー局です。
次に各地域のみで放送を行う地域ごとにあるローカル局、最後に衛星放送などを提供するBS局・CS局があげられます。
今も昔も「業界人になれる」「芸能人に会えるかも」といった華やかなイメージを描く学生が多い、人気の業界です。
テレビ業界の職種
テレビ業界は、大きく2つに分けられます。
1つ目はテレビ局です。
テレビ局の業務内容は、番組を放送することです。
もう1つは番組制作会社で、テレビ局で放送する番組を制作するのが主な業務となっています。
企画の段階からテレビ局と連携を取り、どのような番組をどの時間帯に流すか、練り合わせながら番組を制作しているのです。
テレビ局で番組を制作するケースもありますが、ごく1部のニュース番組に限ります。
この2つについてさらに掘り下げて説明しましょう。
テレビ番組はさまざまな道のプロフェッショナルが集まって制作されています。
そのため、ほかの業界では見られないような特殊な職種も存在するのです。
まず放送部にはディレクターやプロデューサー、ニュースや中継を担当するアナウンサー、事件や事故などの取材をする記者放放送部には、ディレクターやプロデューサーが所属しています。
さらに、技術部ではカメラマン・照明・音響など、番組制作における縁の下の力持ちとなる、スキルのあるスタッフが活躍しているのです。
さらにCMのスポンサーを探す営業や広報・総務・経理や人事などのバックオフィス業務もあります。
どれが欠けても番組は成り立ちません。
それぞれの職種の仕事内容や自分長所をチェックし、自分に適性があるものを探してから選考の準備に入りましょう。
番組制作会社は、テレビ局から依頼のあった番組を作るだけではなく、ときには制作した番組を売り込むこともあります。
一口に制作会社と言っても、安定性が魅力のテレビ局系列と、専門性が売りの独立系に分かれているのを理解しておきましょう。
テレビ局だと営業やバックオフィスを担当する可能性もありますが、番組を作ることに特化しいている番組制作会社では高い確率で制作側に携われ、専門的なスキルを学べる傾向があります。
職種はテレビ局と同様に、ディレクターやプロデューサーやADという番組制作の舵を切る制作スタッフ・カメラマンや編集などの技術スタッフ・番組の顔となるアナウンサーなどがあげられます。
ADでキャリアを積んだのちにプロデューサーとなるケースが多いようです。
テレビ局のビジネスモデル
テレビ局の収益は、主に広告収益と視聴料金の2つから成り立っています。
番組の枠内でCMを流したいスポンサーが、広告代理店を通してテレビ局に支払うお金が広告の収入になります。
スポンサーの支払った料金から広告代理店の手数料を引いた分が、実際の収益となるのです。
一方の視聴料金は、NHKのように広告を流さないテレビ局が、その代わりに視聴者から受信料を請求することです。
テレビ視聴の時間が減っていることを含め、これらのビジネスモデルは、今後変わるのではないかと予想されています。
また、そのほかにも、ライツという番組コンテンツのグッズ化や円盤化などによる二次使用収益も、テレビ局を支える利益の1つになっているのです。
メディア・放送業界
メディア・放送業界は通信設備を使用して放送事業を行っている業界のことを指します。
放送業界とは、テレビやラジオといった通信設備を通じて、視聴者に情報を届けるための仕事をする業界のことを指していました。
しかし、YouTubeのような動画共有サービス、近年ではスカパーやWOWOWのような衛星放送、NetflixやHuluのようなインターネットの配信事業などさまざまな企業が生まれました。
そして、それらの企業は私たちの生活に根付いています。
オリジナルの番組のクオリティが高いと評判で、テレビ局とは異なり国内だけではなく世界に発信可能なことが魅力です。
放送業界は職種もテレビ局同様、アナウンサーやラジオパーソナリティのように番組の顔となる表舞台の仕事から、プロデューサーやディレクターといった制作者、照明や音響などの技術者など多岐にわたります。
コロナ禍のステイホームの需要で爆発的に成長しましたが、今後ニーズの多様化を受け、ますます規模が拡大していくと思われる業界です。
メディア・放送業界のビジネスモデル
メディア・放送業界はテレビに採用された際の広告収入と、定額課金の2つによって成り立っています。
広告を用いたビジネスモデルには、動画配信業界でAVOD (アドバタイジング・ビデオ・オン・デマンド)と呼ばれているビジネスモデルも有名です。
広告を掲載することによってスポンサーから得られた収益で、視聴者が無料で動画が配信できるサービスを指し、YouTubeがこの代表的なモデルになります。
次に、定額課金ですが、多くのインターネット配信事業では月額使用料が設けられており、SVOD(サブスクリプション・ビデオ・オン・デマンド )と業界内では略されています。
ユーザーが固定しやすく、安定した収益を上げられることから、多くの配信事業はSVODを主な収益として運営されているのです。
出版業界
出版業界とは書籍の企画から編集、発行を行い、販売する業界を指します。
私たちの日常生活に根付いた書籍や雑誌やコミックに携われることから、読書好きな学生だけではなくクリエイティブな職種に憧れる就活生から、高い人気を集めている業界です。
しかし、採用人数が少ないことから毎年就活は激戦となることでも知られています。
また、一般常識のテストなど通常の採用試験の過程では見られな試験もあるために、独自の対策が求められます。
出版業界の職種
出版業界は、3つの業種から成り立っています。
1つ目は企画を立ち上げ、書籍を制作、発行する出版社です。
企画立案をしたあと、編集プロダクションに政策を外注するケースもありますが、中小規模の出版社では、すべてを自社で担っているケースが多く見受けられます。
2つ目は出版社と書店の間に立ち書籍を委託販売する出版取次、3つ目はユーザーに書籍を販売する小売の書店です。
これら3つが実際どのような仕事をしているのか、くわしく説明していきましょう。
出版社は書籍や雑誌の制作、企画、管理など、書籍の発行に関する一連の業務を担っているのです。
また、出版社も KADOKAWA・集英社・講談社・小学館のような多様な本を扱う大手総合出版社、コミックや美術、文芸など特定のジャンルに特化いた専門の出版社に分類できます。
出版社の業務内容は、制作・営業のセクションに分けられます。
制作部門では著者が書いた作品を、編集者がデザイナーやクリエイターと協力しながら本を制作し、校閲者と呼ばれる人が誤字脱字などをチェックし、印刷会社に入稿するのが主な流れです。
そしてその書籍を営業が売り込みます。
営業も取次会社に売り込む取次営業、雑誌に載せる広告主を探す広告営業、書店を回る書店営業など、業務内容によって分類されます。
出版取次は本の商社と呼ばれることもある、出版業界の橋渡し的な存在です。
出版取次の業務の1つに流通があります。
出版社が刊行した書籍を書店へ送品し、その際の代金を請求、回収します。
また、情報伝達という役割も担っているのです。
莫大な量の日本の出版社と書店の情報を収集・把握し、双方のマッチングをはかり、販売促進を援助して売り上げアップにつなげます。
また、書店の店舗運営や出版社の企画販売促進を請け負うなど、コンサルや、マーケティングの一面もあります。
電子書籍が急速に浸透したことを受け、その版社から提供されるデータをもとに、書店に送る電子書籍データを作成するなどの取次業務も請け負うようになりました。
まさに、出版業界の流通を司るブレーンと言えるのが、出版取次なのです。
出版業界の川下に位置し、書籍を直接販売するのが書店です。
丸善や紀伊國屋書店、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(TSUTAYA) などの大手書店は路面店だけでなくショッピングモールなどにも店舗を構えていますが、近年の不況の影響を受け中小の書店数は減少傾向にあり、きびしい状況が続いています。
実際の店舗販売だけではなく、ポイント制度などを導入してインターネット販売で利益をあげる企業も増えました。
また、大学や公共図書館に向けて書籍や雑誌などの図書館用図書の販売やデータベースの作成・販売など、文教市場に力を入れることで大きな、利益を生み出している書店もあります。
また、紙媒体だけではなく電子書籍専門の書店も目立つようになりました。
電子書籍の販売数は著しく増加しており、今後ますます浸透していくものと思われます。
出版業界のビジネスモデル
出版業界のビジネスモデルは非常にシンプルです。
出版社は本を刊行した売り上げの中から、製作費や出版取次への手数料を引いた分が利益となります。
出版取次は書店へ配本する際の手数料、書店は消費者に本を販売という形で収益を得ています。
しかし、出版業界の不況のあおりを受け、今までのビジネスモデルが大きく変わろうとしているのです。
まず、先述したように紙媒体の売り上げの縮小から、電子書籍の販売に力を入れる企業が増えました。
また、2021年に集英社・講談社・小学館と丸紅の4社で、出版流通会社を設立する計画が話題となりました。
AIを活用し、配本など流通全体の最適化によって、返品などによるコストの軽減、無駄な配送による環境への負荷の削減が目的です。
そして、大手出版社では自社の漫画や小説などのコンテンツを映画化することによって、権利ビジネスを拡大させている傾向があります。
新聞業界
新聞業界は新聞の制作・発行しており、華やかなイメージを描く学生、報道に携わりたい学生を中心に人気を集めています。
新聞は広い分野を扱う一般紙と、スポーツや株式・産業など特定の分野を扱う専門紙の2種類に分けられ、一般紙も全国紙とローカルに密着した地方紙に分類できます。
新聞は情報源として長らく私たちの生活を支えていましたが、デジタル化のあおりを受けネットニュースが浸透したことから、若年層を中心とした新聞紙離れが起こり、発行部数は減少しているのです。
利用者減少の影響を受け、新聞をデジタル配信するなどの取り組みが見られています。
テキストだけではなく、動画でわかりやすく配信しようと動きもあり、新聞社が運営する映像コンテンツポータルも目立つようになりました
今後新聞による報道の在り方は大きく変わってくると予想されます。
新聞業界のビジネスモデル
新聞業界のビジネスは、新聞の販売利益と広告収入によって成り立っています。
日本では朝と夕方の決まった時間に新聞が自宅に届く、戸別配達制度が確立しており、定期購読料が売り上げの多くを占めていました。
しかし、デジタル化や不況の影響を受け、毎年100万部近く売り上げが減少する状況も続いており、戸別配達制度だけでは成り立たなくなってきています。
そのため、先ほど述べたようなアプリによるデジタル購読料を徴収する、動画の有料配信などの試みも見受けられます。
次に、広告を載せることによりスポンサーから料金をもらう広告収入です。
しかし、ここ数年広告収益も大幅に減少しています。
今後は既存のビジネスモデルの立て直しが課題になると予想されています。
広告業界
広告業界とは広告主に提案をする、受注を得たら広告企画の制作・運営する、または広告枠の販売などが主な業務となっています。
電通や博報堂などのような大手総合広告代理店だけではなく、インターネット専業の代理店や、鉄道やマスメディア専門の代理店など、規模や趣向は違えど多くの広告代理店が存在しています。
「広告といえばテレビCM」という印象は強いかもしれませんが、近年では2割がインターネット広告となっており、デジタル化の影響を強く受け、変化を遂げつつあるのです。
テレビドラマの舞台になることも多い広告代理店は、学生からの人気が非常に高いことでも知られています。
サマーインターンの時点で、応募人数の数百倍の倍率になることも珍しくはありません。
入社したいという強い意志があるのならば、入念な業界研究が必須となります。
広告業界のビジネスモデル
広告業界の業務内容は大きく2つに分けられます。
1つ目は広告を出したい企業の広告を企画・提案・制作をし、メディアの広告枠を見つけ購入する、広告枠の販売・仲介の事業です。
2つ目は、クライアントの企業の課題に対してマーケティングの戦略を考えたり、実際にその戦略にのっとったアクションの実行を支援したりするコンサルティング業務です。
広告代理店は、広告枠の購入にかかった諸経費と手数料を請求することで利益をあげます。
今後はメインだったテレビの広告収入の売り上げが減少していくため、インターネットや広告代理店のМ&Aなどで収益をあげていくことが予想されます。
また、海外へ市場を広げる可能性もあり、グローバルに対応できる人材が求められる傾向にあるのです。
【マスコミ業界 向いている人】近年の動向
マスコミ業界は業種により、業務内容もカラーも大きく異なりますが、すべて学生からの人気が非常に高いのが特徴です。
そして、デジタル化や新型コロナウイルスの流行による、新しい生活様式の普及の影響を受け、大きな変化を迎えています。
マスコミ業界を志望するのなら、近年の動向を理解したうえで、自分の見解を述べられるようにしておく必要があるのです。
現在マスコミの経済的な状況や、仕事の内容について、まとめてみましたのでご覧ください。
売上状況
マスコミ業界全体で、売り上げが減少の傾向にあることは否めません。
先ほども述べましたが新聞業界では若者の活字離れや、無料ニュースアプリの普及を受け、毎年発行数は著しく減少しています。
また、テレビ業界では配信事業やスマートフォンの普及により、テレビ利用者の減少がしたことから、若年層を中心にテレビ離れが加速しているのです。
また、出版業界では、電子書籍の普及により紙媒体の発行部数が減ったため、全体的にマイナスとなっています。
広告業界はパンデミックの影響を受け、一時的に収益は後退しましたが、広告の単価は下がることがなく、先行きは不透明といわれています。
しかし、マスコミ全体の収益モデルが大きく変貌を遂げようとしている、過渡期とも言えることを忘れてはいけません。
希望する職種の動向についてはチェックしておきましょう。
仕事の現状
マスコミ業界の仕事は自分の携わったものが、番組や新聞や書籍、広告として世の中に出ることが何よりの醍醐味でしょう。
自分の関わったサービスが世の中に出て、人に影響を与えられる喜びは唯一無二のものであり、大きなやりがいを感じられます。
しかし、マスコミ業界全体では働き方が不規則でハードになりがちな一面も見逃せません。
広告代理店では納期に向けて、クライアントの意向をくみながら制作しなければならないため、必然的に時間外労働が多くなります。
テレビ局や番組制作会社も、早朝から仕事になるのは日常茶飯事です。
マスコミ業界は休日出勤も珍しいことではありませんし、夜間に会議をすることもあります。
ハードワークになることは覚悟しておくべきでしょう。
【マスコミ業界 向いている人】向いている人
マスコミ業界は決して上向きとは言えませんが、企業の利益のためだけではなく、人々に質の高い情報を届けるために働くというやりがいは、ほかにはないものです。
しかし、納期に間に合わせるため、ときにハードな働き方も求められるため、人によっては苦痛に感じるようです。
入社してから後悔しないためにも、就職活動の前に適性があるかどうかチェックしなければなりません。
マスコミ業界に向いている人はいったいどのような人なのでしょうか。
3つに分けて紹介します。
体力がある人
何よりも体力がある、タフな人材が求められています。
何度も述べているようにマスコミ業界は拘束時間が長く不規則で、休みも不定期になりがちです。
土日祝日は休みと謳われていても、納期が近い、クライアントからの要望で変更しなければならないとあれば、休日出勤もやむを得ません。
出張や取材が入れば、数日自宅に帰れないこともあります。
働き方改革により、従来よりも改善されつつありますが、いわゆる9時5時で働きたい方には不向きです。
毎日大量のタスクをこなしながら働くには、何よりも屈強な体力と精神力が必要です。
理不尽な出来事や急な残業にも、前向きに臨め、こなしていけるという自信がある方は、マスコミ業界にトライしてみても良いでしょう。
マルチタスクをこなせる人
一度に複数の仕事をこなせるのは必須条件です。
マスコミ業界の仕事は、一度にいくつかの業務を並行して担当するケースが多く見受けられます。
1つのことをこなすだけでなく、複数の案件を同時に進行させるマルチタスク能力は、マスコミで働くにあたり、必須なのです。
ただ同時に仕事を進行するだけではなく、抜け漏れなくそれぞれの仕事を納期までに行うのは、想像以上に困難なことです。
複数の仕事があるのならば、まずはToDoリストを作成してやるべきことの把握をする・その中で優先順位をつけて必要なものから処理していく、という作業が求められます。
忙しくなるとすぐパニックになってしまう方は向いていないかもしれません。
冷静に状況を判断して、一つひとつのタスクをこなしていける方は、マスコミ業界に適性があると言えるでしょう。
コミュニケーション能力がある人
コミュニケーション能力はもっとも重要とされる能力の1つです。
就活におけるコミュニケーション能力とは、ただ人当たりが良いだけではなく、他人の意見を正しく理解し、聞き入れながらも自分の意見を伝えられる能力のことを指します。
マスコミ業界は1つの仕事を、社内外の意見を取り入れながら進めていきます。
「クライアントが話したのに伝わっていなかった」というトラブルを避けるために、相手の言葉に耳を傾け、解釈が違わないように受け止めなければなりません。
また、打ち合わせの頻度も高いため、自分の意見があれば相手に届けられるプレゼン能力も求められます。
周りの人と円滑な関係を築きながらスムーズに仕事を進めるためには、相手の意見を尊重しながらも意思を伝えられる、コミュニケーション能力が何よりも求められるのです。
臨機応変に対応できる
マスコミ業界では、日々状況が変化するのが常です。
予期せぬ出来事や急な予定変更は日常茶飯事と言えるでしょう。
そのため、予定通りに進まない事態にも柔軟に対応できる能力が求められます。
例えば、事件や事故が発生すれば、すぐに取材体制を組む必要があります。
また、番組の放送内容が直前に変更になることもあります。
このような状況下でも、冷静に判断し、最善の行動を取れる人が向いています。
常に新しい情報をキャッチし、それに応じて計画を修正できる力も重要です。
変化を恐れず、むしろ楽しむくらいの気概がある人には最適な環境でしょう。
マニュアル通りではなく、その場その場で最適な判断を下せる人が活躍できます。
フットワークが軽い人
マスコミの仕事は、現場に出向くことが多いのが特徴です。
事件現場や記者会見、イベント会場など、様々な場所に赴く必要があります。
そのため、フットワークの軽さが非常に重要になります。
「呼ばれたらすぐに駆けつける」という姿勢が求められる場面も少なくありません。
また、地方や海外への急な出張も発生する可能性があります。
体力があり、移動を苦にしない人が向いていると言えるでしょう。
好奇心旺盛で、色々な場所に行ってみたいという人には刺激的な環境です。
積極的に情報を取りに行き、人との出会いを大切にできる人が活躍できます。
じっとしているよりも、常に動き回っていたいという人に適性があります。
【マスコミ業界 向いている人】向いていない人
マスコミ業界は、その特性上、全ての人に向いているわけではありません。
個人の時間を重視したり、予測可能な業務を好む方には、厳しい側面もあるかもしれません。
チームでの連携よりも、単独での作業を好む方も、働きにくさを感じる可能性があります。
個人で仕事をしたい人
マスコミの仕事は、基本的にチームプレーで成り立っています。
記者、編集者、カメラマン、音声、ディレクターなど、多くの人が関わって一つのものを作り上げます。
そのため、個人で黙々と作業を進めたいという人には、あまり向いていないかもしれません。
常に周囲とコミュニケーションを取り、情報を共有し、協力し合うことが不可欠です。
自分の意見を発信することも大切ですが、他者の意見に耳を傾ける協調性も求められます。
企画会議や編集会議など、意見を交換する場も多く設けられています。
一人で完結する仕事は少なく、常に誰かと連携を取りながら業務を進めることになります。
チームで目標を達成することに喜びを感じられる人が活躍できるでしょう。
「個人の成果」よりも「チームの成果」を重視する風土があります。
プライベートも充実させたい人
マスコミ業界は、勤務時間が不規則になりがちな傾向があります。
事件や事故、災害などが発生すれば、昼夜を問わず対応が必要です。
また、番組の放送時間によっては、早朝勤務や深夜勤務も発生します。
締め切り前は特に忙しくなり、残業や休日出勤も珍しくありません。
そのため、毎日決まった時間に退社し、プライベートの時間をきっちり確保したいと考える人には、難しい環境かもしれません。
仕事とプライベートの境界線が曖昧になることもあります。
もちろん、全ての職場がそうだというわけではありませんが、ある程度の覚悟は必要でしょう。
仕事に情熱を傾け、やりがいを重視する人にとっては、充実感を得られるでしょう。
しかし、プライベートとの両立を最優先に考える場合は、ミスマッチが生じる可能性があります。
【マスコミ業界 向いている人】おすすめの対策法
先ほども述べましたが、マスコミの就活は毎年かなりの競争率です。
大手出版社やテレビ局、広告代理店では毎年、数十名の募集に応募が殺到するため、倍率が数百倍にもなります。
高い倍率を乗り越えてマスコミ業界に就職するためには、それぞれの企業や業界の特徴と、求められている人物像をきちんと把握し、自分の強みをしっかりと売り込まなければなりません。
マスコミ業界の選考を勝ち抜き、内定を得るために必要な対策を3つ紹介しましょう。
早くから選考対策をしておく
マスコミ業界の中で、特にテレビ局は経団連に参加している一般企業に比べて、選考が早く始まるのも特徴です。
キー局の場合は、大学3年生の12~1月に選考がスタートし、アナウンサーの場合はさらに早い9月エントリーの企業もあります。
一般の学生より半年ほど前倒しで就活がスタートするために、早めの選考の対策が就活の成功のカギを握ります。
テレビ局以外を志望する学生も、準備は早めにすることが推奨されているのです。
マスコミ業界は学歴が高く、優秀な人材が集中するために、付け焼き刃の対策では早い段階でぼろが出てしまいます。
ゆとりをもって入念に準備をすることで企業理解を深め、ほかの学生よりも優れた志望動機や自己PRを作成できます。
大学2・3年の早い時期から、自己分析や業界研究に取り組みましょう。
アンテナを高くしておく
マスコミで多くの人の心がつかめる情報を発信するためには、常日頃からアンテナを張って、情報感度を高くしておく必要があります。
マスコミではさまざまな業界の人と仕事をします。
そのため、自分の興味のある分野だけではなく、常に世の中のあらゆることの動向を押さえておき、守備範囲を広くしておくことが大切です。
ニュースを見るのは当然のことで、それに対して自分の意見をしっかりと言えるようにしておきましょう。
「最近のニュースで気になるものはなんですか」という質問は、就職の面接で定番の質問です。
また、先述したように出版社を中心に、業界によっては一般常識のテストが採用試験に取り入れられています。
足きりの対象にならないためにも、時勢には常日頃から目を光らせておきましょう。
インターンに参加しておく
業界を問わず、インターンへの参加は就活への必要なステップと認識されるまでになりました。
マスコミ業界のインターンは、夏季と冬季の短期で開催されるケースが多く見受けられます。
マスコミ業界では、説明会のような形ではなくグループで実務に近いプログラムを実施する、体験型のインターンを開催している企業が目立ちます。
職業体験ができるため、入社後のイメージが明確になり、志望動機に厚みをもたせられるようになるでしょう。
それだけではなく、インターンで優秀なイメージを残せば、本選考が有利に働くケースも珍しくはありません。
インターンの募集は3ヶ月前ほどから行われます。
優秀な学生が多く応募するために、本選考に近い倍率になることも考えられます。
エントリーシートは手を抜かず、しっかりと対策したうえで記入してください。
おわりに
SNSの普及により、紙媒体を中心に市場規模は減少しつつありますが、インターネット上への進出により、マスコミ業界はデジタル化を加速させています。
生き残りをかけるために、既存のビジネスモデルからの脱却が課題になっていることは間違いないでしょう。
そのため、学生には、新しい風を吹き込んでくれる柔軟さや、革新的なアイデアを期待する傾向があります。
志望する企業の今後の方向性を理解したうえで、自分がどう貢献できるか、どれだけ魅力的にアピールできるかが合否のカギを握ります。
自分の強みを把握し企業にしっかりPRして、狭き門を突破してください。