
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
【it 業界研究】it業界とは?
IT業界とは、コンピュータを活用して製品やサービスを開発し、提供する企業の総称です。
この業界には、ソフトウェア開発、ハードウェア製造、通信インフラ整備、システム構築、Webサービス運営など、多岐にわたる分野が含まれます。
【it 業界研究】主な業界
IT業界は多様な分野に分かれており、それぞれ異なる役割を担っています。
ソフトウェア開発やハードウェア製造、通信インフラの整備、Webサービスの提供、情報処理システムの構築などが主な業務となります。
ここでは、IT業界を5つの主要な分野に分類し、それぞれの特徴を詳しく解説します。
ソフトウェア業界
ソフトウェア業界は、コンピューターやスマートフォンを動かすためのプログラムを開発する分野です。
業務システムやクラウドサービス、アプリケーション、OSなど、さまざまなソフトウェアが開発され、企業や個人の生活を支えています。
また、近年ではAI技術やデータ解析を活用したソフトウェアの需要が増加しており、高度な専門知識を持つ人材が求められています。
この業界の代表的な企業には、Microsoft、NTTデータ、日立製作所などがあります。
ハードウェア業界
ハードウェア業界は、スマートフォンやパソコンなどの電子機器を製造・開発する分野です。
パソコンやスマートフォン、半導体、IoT機器など、物理的な製品を提供する企業が属します。
ハードウェアの進化は、AI、クラウドコンピューティング、自動運転技術などの発展を支えており、今後も重要な役割を担うでしょう。
この業界では、ソニーや日立製作所、富士通などが代表的な企業として知られています。
通信業界
通信業界は、インターネットや携帯電話の通信インフラを提供する分野です。
データ通信、モバイルネットワーク、光回線、衛星通信などが含まれ、社会のデジタル化を支える基盤となっています。
近年では、5GやIoTの普及により、高速・大容量通信の需要が拡大しており、新たな技術開発が進められています。
主要な企業には、ソフトバンク、NTTドコモ、楽天モバイルなどがあり、国内外の通信サービスを展開しています。
インターネット・web業界
インターネット・Web業界は、WebサイトやWebサービスの開発・運営を行う分野です。
SNS、検索エンジン、動画配信、ECサイト、広告事業など、幅広いサービスが含まれます。
この分野では、最新の技術トレンドを取り入れながら、ユーザーの利便性を向上させることが求められます。
代表的な企業には、Google、リクルート、サイバーエージェントなどがあり、デジタルマーケティングやクラウド技術を活用した事業展開が進められています。
情報処理サービス(si)業界
情報処理サービス(SI)業界は、企業や公共機関の情報システムの設計・開発・運用を担う分野です。
SIer(システムインテグレーター)が、クライアントの業務効率化やデジタル化を支援するため、システム導入や運用支援を行います。
一次請け企業がシステムの設計を担当し、二次請け企業が開発を行うことが一般的です。
主要な企業には、NECやNTTデータなどがあり、官公庁や金融機関などのシステム開発に強みを持っています。
【it 業界研究】主な職種
以下ではIT業界における主要な職種を紹介します。
職種によってかなり業務内容は違うので参考にしてみてください。
エンジニア
エンジニアと一口に言っても、技術領域によって職種が大きく異なります。
Webサイトの開発を担当するエンジニアもいれば、システムの基盤を支えるエンジニア、営業と技術の橋渡しをするエンジニアも存在します。
それぞれの分野で求められるスキルや役割が異なり、キャリアパスも多様です。
ここでは、代表的なエンジニア職を紹介し、それぞれの特徴や仕事内容について詳しく解説します。
Webエンジニアは、インターネット上で動作するWebサイトやWebアプリケーションを開発する職種です。
フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの2つに分かれ、それぞれの領域で異なる技術が求められます。
フロントエンドエンジニアは、HTML、CSS、JavaScript(React、Vue.jsなど)を用いて、ユーザーが直接操作する画面の設計・実装を担当します。
一方、バックエンドエンジニアは、Python、Java、Rubyなどを活用し、サーバーやデータベースの管理、APIの開発を行います。
Webエンジニアの平均年収は約494万円で、経験やスキルによって大きく変動します。
新しい技術の導入が早いため、最新の開発手法を学び続けることが重要です。
開発系エンジニアには、システムエンジニア(SE)とプログラマーが含まれます。
システムエンジニアは、クライアントの要望をヒアリングし、システムの設計を行う上流工程を担当します。
一方、プログラマーは、設計書に基づいて実際のプログラムを作成し、システムを動作させる役割を担います。
使用する言語はJava、C++、Pythonなど多岐にわたり、プロジェクトによって異なります。
開発系エンジニアの平均年収は、システムエンジニアが約600万円、プログラマーが約500万円となっており、担当する業務の範囲によって差があります。
専門性を高めることで、より高度なシステム開発に関わる機会が増え、キャリアアップが期待できます。
インフラエンジニアは、ITシステムの基盤を設計・構築・運用する職種です。
具体的には、ネットワークエンジニア、サーバーエンジニア、データベースエンジニアなどがあり、それぞれ専門分野が異なります。
ネットワークエンジニアは、通信環境の設計や管理を担当し、安全で安定したネットワークの運用を行います。
サーバーエンジニアは、オンプレミスやクラウド上でサーバーを管理し、システムが適切に動作するように調整します。
データベースエンジニアは、大量のデータを管理するためのデータベース設計や最適化を担当します。
インフラエンジニアの平均年収は約660万円と、エンジニア職の中でも比較的高い水準にあります。
企業のITインフラを支える重要な役割を担うため、トラブル対応やセキュリティ対策のスキルも求められます。
セールスエンジニアは、技術的な知識を活かして営業を支援する職種です。
顧客の課題を理解し、最適な製品やサービスを提案することが主な業務となります。
一般的な営業職とは異なり、製品の詳細な仕様や導入後の効果について専門的な説明を行うため、技術知識とコミュニケーション能力の両方が求められます。
また、顧客のニーズに合わせたカスタマイズ提案を行うこともあり、プレゼンテーション能力や交渉力も必要です。
セールスエンジニアの平均年収は約700万円で、成果によってインセンティブが加算される企業も多いです。
営業力と技術力のバランスが取れた人材は、特にIT製品やシステムの販売分野で高い評価を受けることができます。
フルスタックエンジニアは、フロントエンドからバックエンドまで幅広い技術を扱うエンジニアです。
通常の開発では、フロントエンドとバックエンドの担当が分かれますが、フルスタックエンジニアはその両方を担当するため、幅広い知識とスキルが必要となります。
HTML、CSS、JavaScriptといったフロントエンド技術に加え、Python、Ruby、Javaなどのバックエンド技術も扱います。
特にスタートアップ企業や少人数の開発チームでは、一人で幅広い業務を担当する機会が多いため、フルスタックエンジニアの需要が高まっています。
フルスタックエンジニアの平均年収は約800万円と高めですが、習得すべき技術領域が広いため、継続的な学習が不可欠です。
データサイエンティスト・アナリスト
データサイエンティストとは、膨大なデータを分析し、ビジネスに役立つ情報を導き出す職種です。
企業の意思決定を支援するために、統計学や機械学習の知識を活用し、データのパターンを分析します。
近年はAI技術の発展に伴い、その需要が急速に拡大しています。
業務ではPythonやRといったプログラミング言語を使用し、データの前処理、可視化、予測モデルの構築などを行います。
また、SQLを使ったデータベース操作や、クラウドプラットフォームを活用するスキルも求められます。
特に金融業界やマーケティング業界では、顧客データの分析を通じて売上向上やリスク管理に貢献することが期待されています。
平均年収は700万円前後と比較的高水準であり、経験を積むことでさらなる年収アップが見込める分野です。
事務職
IT業界の事務職は、一般的な事務業務に加えて、IT関連のサポート業務を担当することが特徴です。
書類作成やスケジュール管理、メール対応といった業務のほか、社内システムの運用補助やデータ入力、簡単なプログラムの管理を行う場合もあります。
企業によっては、ITツールの導入支援や社内研修の調整を任されることもあり、基本的なITリテラシーが求められます。
最近では、クラウドサービスの活用やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入する企業も増えており、業務の効率化をサポートする役割も重要になっています。
平均年収は350万円~450万円程度であり、専門スキルを身につけることで、ITコンサルタントや社内SEといった職種へキャリアアップすることも可能です。
【it 業界研究】向いている人
IT業界で活躍するためには、専門的な技術力だけでなく、業務に適した適性を持つことも重要です。
業務内容によって求められるスキルは異なりますが、共通して求められる資質を持っていると、スムーズにキャリアを築くことができます。
ここでは、IT業界に向いている人の特徴について紹介します。
コミュニケーション能力がある人
IT業界では、システム開発やプロジェクトの進行を複数人で行うことが一般的です。
そのため、同じチームのメンバーと適切に意思疎通を図る能力が求められます。
特に、エンジニア同士での情報共有や、クライアントとの打ち合わせを円滑に進めるためには、わかりやすく説明できる力が必要です。
また、開発以外の業務に携わる場合でも、顧客の要望を正しく理解し、適切なソリューションを提案するために、コミュニケーション能力が重要になります。
論理的に考えられる人
システム設計やプログラミングでは、物事を論理的に整理し、正確に処理する能力が必要です。
エンジニアは、クライアントの要件を分析し、最適な技術を選定してシステムを構築します。
また、プログラミングでは、どのようにコードを組み立てれば効率的かを考えながら作業を進める必要があります。
論理的思考が得意な人は、バグの発見や修正の際にも、問題の原因を素早く特定できるため、IT業界での活躍が期待できます。
知識欲が高い人
IT業界は技術の進歩が速く、数年単位で新しい技術が登場するため、常に学び続ける姿勢が求められます。
たとえば、AI技術やクラウドコンピューティング、セキュリティ対策など、新しい技術が次々と生まれ、それに対応できるスキルが求められます。
業界で長く活躍するためには、日々の学習を習慣化し、新しい技術やトレンドをキャッチアップすることが重要です。
また、プログラミング言語のアップデートや新たなフレームワークの登場など、開発環境も変化し続けています。
そのため、既存の知識にとどまらず、新しい情報を積極的に取り入れる姿勢が必要です。
集中力が高い
IT業界の仕事では、長時間にわたって細かい作業を続ける場面が多く、集中力が求められます。
特にプログラミングを行う場合、一つのミスが大きなトラブルにつながるため、コードを慎重に記述する必要があります。
また、システムのバグを修正する際や、データ分析を行う際にも、高い集中力を維持しながら作業を進めることが求められます。
さらに、サーバーやネットワークの管理を担当するインフラエンジニアは、障害発生時に迅速に対応する必要があり、短時間で集中して問題解決を図るスキルが不可欠です。
【it 業界研究】最新の傾向
IT業界は技術革新が速く、トレンドが絶えず変化しています。
特に近年は、AIの発展やクラウド技術の進化により、市場の成長が加速しています。
また、IT人材の不足や新たなビジネスモデルの登場により、業界全体の動向にも変化が見られます。
ここでは、現在のIT業界の最新の傾向について詳しく紹介します。
市場規模は徐々に成長している
IT業界の市場規模は年々拡大しており、今後も成長が続くと予測されています。
特に、AI技術の進化やクラウドサービスの需要増加により、ITサービスの市場規模は拡大傾向にあります。
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に伴い、業務の自動化やデータ活用の需要が高まっています。
また、5G技術の普及により、通信インフラの高度化が進み、IT業界の発展を後押ししています。
このように、IT業界は社会全体のデジタル化に伴い、今後もさらなる成長が見込まれる分野と言えるでしょう。
志望する学生が多い
近年、IT業界を志望する学生が増加しています。
その背景には、IT業界の成長性や将来性の高さが関係しています。
特に、エンジニアやデータサイエンティストといった専門職の需要が拡大しており、高待遇の求人が多いことが魅力の一つです。
また、IT業界は他の業界に比べて転職市場が活発であり、一度スキルを習得すればキャリアの選択肢が広がる点も志望者増加の要因です。
さらに、リモートワークやフレックスタイム制度を導入する企業が増え、柔軟な働き方ができる点も人気を集めています。
AI市場の拡大
AI技術の進化により、IT業界におけるAIの活用が急速に広がっています。
近年では、生成AIや音声認識技術の進化により、AIの実用化が加速しています。
例えば、ChatGPTのような対話型AI、スマートスピーカーのSiri、家電製品に搭載されるAIアシスタントなど、日常生活のさまざまな場面でAIが利用されています。
また、企業向けのAIソリューションとして、画像認識、自然言語処理、予測分析などの技術が導入され、業務効率化に貢献しています。
【it 業界研究】抱える課題と今後の展望
IT業界は急速に成長している一方で、さまざまな課題を抱えています。
技術革新が進む中で、企業は新たな問題に直面し、改善策を模索しています。
ここでは、IT業界が抱える課題とその解決に向けた展望について解説します。
人材不足
IT業界は世界的に深刻な人材不足に直面しています。
特に、プログラマーやデータサイエンティスト、クラウドエンジニアといった専門職の需要が急増している一方で、それに対応できる即戦力の人材が不足しています。
この問題の背景には、IT技術の進化スピードが速く、求められるスキルが日々変化していることが挙げられます。
また、日本ではIT人材の育成が十分に進んでおらず、企業が教育を行わなければならないケースも多く見られます。
AIが発達すると、ITの仕事はなくなる?
AIの進化により、IT業界の仕事が変化していることは間違いありません。
すでに一部の単純なコーディング作業やデータ入力業務はAIによって自動化されており、今後もこの傾向は続くと考えられます。
しかし、AIがすべてのIT職を置き換えるわけではありません。
AIには得意な分野と不得意な分野があり、特に創造性や高度な判断を必要とする仕事は、人間が引き続き担うことになります。
たとえば、AIがコードを生成できるようになっても、システム全体の設計や仕様の策定、クライアントとの調整といった業務は、引き続きエンジニアの役割として残ります。
そのため、IT業界で活躍するためには、AIに代替されないスキルを身につけることが重要になります。
具体的には、問題解決能力、プロジェクトマネジメントスキル、クライアントの課題を理解し提案する力などが求められます。
また、AIを使いこなすための知識やスキルを習得し、AIと協働できるエンジニアになることも、今後のキャリアにおいて有利に働くでしょう。
労働環境の改善
IT業界は昔から長時間労働が問題視されてきました。
特に、納期前のプロジェクトでは深夜残業や休日出勤が発生しやすく、過酷な労働環境が続いている企業も少なくありません。
このような状況は、エンジニアの離職率を高める要因となっており、人材不足の問題と密接に関係しています。
近年では、働き方改革の一環として、企業も労働環境の改善に取り組んでいます。
たとえば、フレックスタイム制度やリモートワークの導入、業務の自動化による業務負担の軽減などが進められています。
【it 業界研究】おすすめの資格
IT業界を目指す学生にとって、資格を取得することはスキルの証明となり、就職活動でも有利に働きます。
特に、ITの基礎を学ぶことができる資格から、より専門性の高い資格まで幅広く存在します。
ここでは、IT業界を志望する学生におすすめの資格を3つ紹介します。
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基礎的な知識を問う試験です。
情報技術に加え、経営やマネジメントに関する問題も出題されるため、IT業界に限らず幅広い業種で活用できます。
IT関連の資格の中では難易度が低めで、IT初心者でも比較的取り組みやすいのが特徴です。
試験内容は、情報セキュリティ、ネットワーク、データベースなどの技術分野に加え、IT戦略やプロジェクトマネジメントなどのビジネス要素も含まれます。
合格率は50%程度と比較的高く、大学生や社会人のITリテラシー向上を目的として受験する人も多いです。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITに関するより専門的な知識が問われる国家資格です。
出題範囲は、情報システムの設計・開発・運用に関する技術(テクノロジ系)、プロジェクトマネジメントや経営戦略(マネジメント系)、ITに関する法律や倫理(ストラテジ系)など、幅広い分野がカバーされています。
また、プログラミングに関する問題も出題されるため、アルゴリズムの理解も求められます。
難易度はやや高めですが、合格率は約40%と一定の割合で合格者が出ています。
応用技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位資格で、より高度なIT知識と応用力が求められる試験です。
試験範囲は基本情報技術者試験と重なる部分もありますが、より実務に近い応用的な内容が問われる点が特徴です。
例えば、システム設計やプロジェクト管理、データベース設計、ネットワーク設計といった実務的なスキルが試験に含まれています。
また、情報セキュリティやリスク管理に関する知識も重視されるため、ITコンサルタントやプロジェクトマネージャーを目指す人にも適した資格です。
おわりに
IT業界は、技術革新が著しく、市場の成長が続く一方で、人材不足や労働環境の改善などの課題も抱えています。
今後も進化を続けるIT業界で活躍するためには、最新の技術を学び続ける姿勢が重要です。
IT業界を受ける学生は下記の記事を参考にしてみてください。