HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
今回はIT業界の企業研究を効率的にする方法を解説していきます。
具体的な企業研究の仕方は勿論、どんな点に着目し、どんなツールを使えば効率的に進められるのか?という点も紹介します。
また、その先に得た知識をどのように活かせばいいのか、というところまで解説していきます。
なので、特に理系の3年生でIT業界を目指す方は是非この記事を参考に効率的な企業研究をしてくださいね。
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【IT業界の企業研究】IT業界の概要
まず、企業研究をする前に前提としてIT業界とはどういうものか?ということをしっかりと理解しておく必要があります。
以下、IT業界の概要について主要な分野別に詳しく解説していくので、興味のある分野があれば是非参考にしてみてください。
IT業界の種類
IT業界と言っても、ひとまとめにできない位の種類が存在します。
大まかに5つに分けられるので下記にそれぞれ分けて解説していきます。
ここで全てを解説できるわけではないですが、重要なポイントを抑えて記載するのでチェックしてみてください。
通信業界
通信業界は、私たちの生活と経済の要となる重要なインフラを提供しています。
電話、光ファイバー、Wi-Fiなどのさまざまな技術を駆使して情報やデータを迅速に伝送し、世界中の人々やビジネスを繋ぎます。
またクライアント向けのビジネス(toB)と一般消費者向けのビジネス(toC)の両方を扱っています。
そして多岐にわたるニーズに応えるためのサービスや技術を開発しています。
特に近年では、5G技術の導入により、より高速で安定した通信が期待されており、これが業界のさらなる成長を牽引しています。
日本においては、この通信業界は数社の大手企業によって主導されています。
これらの大手企業は、技術革新やサービスの提供を通じて、日本国内だけでなく、グローバルな市場でも競争をリードしています。
アプリ開発業界
アプリ開発業界は、現代のテクノロジードリブンな社会で中心的な役割を果たしています。
それはスマートフォンやタブレットといったデバイスが私たちの日常生活に欠かせなくなってきたからです。
一般消費者向け(BtoC)のアプリは、エンターテイメントから健康管理、教育、ビジネス、通信、SNS等、様々な目的で使用されています。
これらのアプリが生み出す収益は、開発者だけでなく、多くの関連企業やサービス提供者にも恩恵をもたらしています。
この業界の成功の鍵は、ユーザーのニーズを正確に捉え、それを満たす製品を提供することにあります。
ユーザーの期待は日々進化しており、その変化に迅速に対応することが求められるため、競争は非常に激しいです。
しかし、その競争を勝ち抜くことで、企業や開発者は市場でのリーダーシップを確立することができます。
新しいテクノロジーやトレンドに柔軟に対応することも、この業界の要となっています。
例えば、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)、AIやブロックチェーンなど、新技術が次々と登場しています。
これらの技術を駆使して革新的なアプリを開発することは、エンジニアやデザイナーにとって大きなやりがいとなっています。
web制作業界
WEB制作業界は、BtoBのビジネスモデルで企業ホームページやECサイトの制作を手掛けています。
納期へのプレッシャーやクライアントの要望を満たすためには残業が増えることも少なくありません。
そして多くの場合、最先端の技術よりもデザインやユーザビリティが重視されることが多いでしょう。
そのため、エンジニアとして技術的な成長を求める場合には、より技術重視の企業や分野を選ぶことが勧められます。
ただやりがいも十分にある業界ですので、技術的な側面ばかりに気を取られてやりたいことを見失う事には注意が必要です。
情報処理サービス業界(SIer)
つぎに情報処理サービス業界、通称SIer(システムインテグレーター)です。
クライアント企業の要求に基づいて情報システムの設計、開発、導入を行う専門的な業界です。
主に金融、製造業など多岐にわたる業種のクライアントのニーズに応えて、高度な専門知識や技術を駆使してシステムを構築します。
クライアントの業務フローや課題の理解、最適な技術選定、システム設計、プログラミング、テスト、導入後の保守運用などです。
SIerの特徴として、業界内での多重下請け構造が顕著です。
大手のシステムインテグレーターが元請けとしてプロジェクトを受注し、その一部を中小のSIerや専門の下請け企業に委託するケースがよくあります。
この構造の中で、下請けになるほど厳しい労働環境や低い報酬が問題となり、一部にはブラック企業と称されるような企業も存在します。
一方で、元請けとしてプロジェクトを抱える大手のSIerでは、高い報酬や良好な労働環境を提供している場合も多いのが実情です。
ハードウェア業界
ハードウェア業界は、多岐にわたる技術と専門知識を要する分野であり、その中心にはデバイスの開発と生産が存在します。
代表的なものとしては、スマートフォンやパソコン、モニターなどが挙げられます。
クライアント特有の要望を満たすためのBtoBの開発や大量の一般消費者向けのBtoCの開発の両方が行われています。
近年の技術進展とともに、IoT(モノのインターネット)の概念が前面に出てきています。
これは、日常のアイテムや機器がインターネットに接続し、データの収集や共有、遠隔操作などが可能になるというものです。
このIoTの普及により、ハードウェア業界は新しい価値やサービスを生み出しており、将来的にも大きな可能性を秘めています。
一方で、ハードウェア業界は大手企業が主要な市場シェアを握っているため、新規参入は非常に難しいとされています。
ソフトウェア業界
ソフトウェア業界は、現代のテクノロジー駆動型の世界において、中心的な役割を担っている分野の一つです。
この業界は大きく二つのカテゴリに分けられます。
一つ目は、MacOSのようにコンピュータやモバイルデバイスの基盤となるオペレーティングシステム(OS)を開発する部門。
これは、デバイスの基本的な動作を制御し、アプリケーションソフトウェアが効果的に動作するために重要な役割です。
二つ目は、Adobeのイラレのようなアプリケーションソフトウェアの開発部門です。
これは、特定のタスクや機能をユーザーに提供するためのプログラムを作成する部門です。
日常の作業の効率化から娯楽まで、様々な目的のソフトウェアが存在することが特徴です。
またハードウェア産業と同じく、B2B(ビジネス向け)とB2C(消費者向け)の両面を持っています。
また、この業界のもう一つの特徴は、新規参入が比較的しやすいことも挙げられます。
IT業界の将来性
ここからはIT業界の将来性について解説していきます。
結論から言うと、現在も日々進化を続けているIT業界は非常に将来性という意味では明るいでしょう。
ただ具体的にどういう点が明るいのか?という点についても細かく項目にわけて説明していきたいと思います。
技術進歩と活用
技術の進化は日々加速しています。
特にAI、ブロックチェーン、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどの領域は目覚ましい成長を遂げてます。
これらの先端技術を駆使した新しいサービスや製品の登場により、多くのビジネスチャンスが生まれています。
このような背景から、IT業界の将来は非常に明るく、多くの可能性が広がっていると言えるでしょう。
この流れは経済全体の活性化にも寄与し、新しい価値の創出やイノベーションの推進を促進しています。
また、今後も技術の進展とそれに伴うサービスの革新は、IT業界の成長を支える大きな要因となるでしょう。
デジタル技術の普及
スマートフォンとインターネットの普及により、現代の人々の生活は急速にデジタル化されています。
従来のショッピングやコミュニケーションのスタイルは大きく変わり、オンラインショッピングやSNSが主流となりました。
これらのプラットフォームやアプリケーションは、手軽さや利便性、そしてグローバルなつながりを提供してくれます。
そのため、多くの人々にとって欠かせない存在となっています。
その結果、IT業界への需要は絶え間なく高まり、新しい技術やサービスの開発に向けた競争が激化しています。
デジタル技術の進化は、私たちの日常のありとあらゆる面での活用が期待されます。
そして、これからの社会でのデジタルの役割はますます大きくなるでしょう。
グローバルな市場
IT技術は国境を超えて広がり、グローバルな市場での需要が高まっています。
この動きは、インターネットやデジタル技術の進歩により、情報やサービスが世界中で瞬時に共有されるようになったことが背景にあります。
そのため、どの地域にいても、世界のビジネスチャンスを捉えることができるようになりました。
特に、クラウドサービスや人工知能、IoTなどの新しい技術は、多くの企業や個人のビジネスの可能性を広げています。
これにより、さまざまな規模の企業がグローバルな競争の舞台で活躍するチャンスを持っています。
このような状況から、ITは今後も大きな成長を見せるでしょう。
【IT業界の企業研究】なんで企業研究が必要?
ここからは、なぜ企業研究が重要なのか?ということについて解説していきます。
何についてもそうですが、そもそもの目的と意義を理解しておくだけでもインプットの質がかなり良くなります。
すでに理解しているつもりの方も念のため確認しておきましょう。
企業ごとの違いを発見するため
企業ごとの違いを明確にすることは、志望動機を強化し、自らの適性や価値観と合致する企業を見つける基盤となります。
まず、企業研究を通じて、その企業が市場でどのような位置付けをしているのか?
また、どんな文化や価値観を持っているのかを把握することができます。
これにより、自らのキャリアビジョンや価値観がその企業と合致するかどうかの判断材料を得られます。
また、具体的な業務内容や社員の声、取り組むプロジェクトの内容など、日々の業務の実態を知ることも可能です。
自分とマッチした企業を見つけるため
「自分とマッチした企業を見つけるため」という点も重要な要素です。
自身のキャリアの方向性を明確にするためには、自分の希望や興味、そして強みと合致する企業や業界を特定する必要があります。
また、入社後に速やかに職場環境に適応するためにも、業界や企業の特性を事前に理解しておくことは有益です。
仕事のモチベーションを維持するためにも、自分の価値観や目標と合致する企業を選ぶことが肝要です。
その結果、社風や業務内容のミスマッチを事前に避けることで、早期退職のリスクを低減することができます。
【IT業界の企業研究】どうやって情報を集める?
ここからは、具体的に企業研究をする際にどうやって情報を集めていくのか?ということについて解説していきます。
これを知っておくだけでも限られた時間を有効的に使って効果的な企業の研究を進めていくことができるでしょう。
企業のHP
企業のホームページ(HP)は直接的かつ信頼度の高い情報源として注目されるようになっています。
企業自身が公式に発信する内容であるため、事実基盤に基づく情報が得られるのが大きな特長です。
しかし、ただ漠然とHPを閲覧するだけでは、多くの情報に埋もれてしまい、本当に知りたい点を見落としてしまうこともあります。
そこで効果的な企業研究のためには、企業HPのどういった箇所を見ればいいのか?と言う点を細かく解説していきます。
中期経営計画・IR
企業研究を行う際、企業の公式採用ページを最初に参照することが多いです。
確かにこれらのページは、企業が自らをどうPRしているかの第一歩として非常に参考になります。
しかし、採用ページは求職者を引きつけるための情報を掲載していることが多いです。
時として詳細な情報や本質的な事業内容が曖昧にされていることも少なくありません。
このため、より深い企業理解を目指すなら、株主や投資家向けに提供される「中期経営計画」や「IR情報」を参照するといいでしょう。
企業のビジョンや、どの事業領域に注力しているのか、売り上げや利益などの具体的な数値データも公開しています。
導入事例
導入事例は、企業が提供する商品やサービスが実際にどのように活用されているかを示す具体的な情報源です。
導入事例をもとにすると、その企業が実際にどのような価値を顧客に提供しているかが分かります。
また、どのような課題やニーズに応えているかを具体的に知ることができます。
そして、導入事例はその企業のクライアントや取引先がどのような企業であるかのヒントも与えてくれます
大手企業等がクライアントとして多い場合、それはその企業の製品やサービスが高い信頼性や実績があることを示唆します。
逆に、多様な業界や規模の企業と取引がある場合は、その製品やサービスが広く受け入れられていることを示す証拠となり得ます。
これにより、企業のポジショニングや市場での立ち位置、競合との差別化ポイントを明確に理解することができるでしょう。
説明会・インターン
説明会やインターンも非常に有益な情報収集の場所となります。
説明会では企業文化や最新の動向、未公開の情報を直接聞くことができ、自分の疑問を直接担当者に問うチャンスとなります。
インターンシップでは、実際の業務内容や職場の雰囲気、働く人々の価値観を肌で感じることができます。
これにより、企業の真の姿や自分に合った職場かどうかの判断材料が得られます。
ホームページは情報の入口であり、説明会やインターンはその実態を深堀するツールです。
これらの情報収集手段を組み合わせることで、真に価値ある企業研究が可能となります。
就活サイト
つぎに「就活サイト」です。
就活サイトは、多くの企業の基本情報や業界の動向、そして採用情報を一手に集めて提供しています。
これにより、求職者は自分の希望や適性に合った企業を効率的に見つけることができます。
特に、「Open Work」のようなサイトでは、実際にその企業で働いている人の生の声や評価を知ることができます。
なので、会社の社風や待遇、給与形態など、ウェブサイトや公式資料では知ることのできない情報を手に入れることができます。
業界地図
企業研究を行う際には、その企業が属する業界の背景や環境を理解することが不可欠です。
ここで「業界地図」の役割が特に重要となります。
「業界地図」は、業界内の主要企業を一覧で示すとともに、各企業の特徴や市場内での立ち位置を示しています。
これにより、競合関係や業界の動向、市場の成熟度など、企業が直面する外部環境を把握するのに役立ちます。
また、業界地図を用いることで、企業の強みや弱み、機会や脅威などをSWOT分析のような手法で総合的に評価する材料が手に入ります。
総じて、業界地図は企業研究の際の情報収集ツールとして、業界の全体像を掴むための第一歩となります。
そして、競合や市場環境を理解する基本資料として、極めて重要です。
SNS
近年、SNS、特にTwitterは、情報収集の主要な手段として注目されています。
Twitter上には、インターンシップの募集状況や企業の特徴、本選考の締切情報など、様々な情報を発信するアカウントが存在します。
これにより、迅速に最新の情報を手に入れることが可能となります。
しかしながら、SNS上の情報の信頼性は必ずしも高くはないため、注意が必要です。
例えば、公式でないアカウントからの情報は、誤った情報や偏った見解が含まれている可能性があります。
したがって、SNSで得た情報は、企業の公式HPや公式リリースなど、他の信頼性の高い情報源と照らし合わせることが重要です。
OB訪問
「OB訪問」は、現役の従業員や卒業生と直接対話することができるため、非常に有益な手段と言えます。
OB訪問の最大の魅力は、働いている人のリアルな声を直接聞くことができる点です。
なので、企業の公式な情報や宣伝文句だけでは知り得ることができないことを聞くことができます。
例えば、実際の職場の雰囲気や働く上での課題、実際の業務の内容などを深く知ることができます。
また、エントリーシートの添削等も依頼することができるので、非常に有効な手段と言えるでしょう。
【IT業界の企業研究】企業研究で着目するポイント
ここからはIT業界の企業研究で着目しておいた方がいいポイントについて解説していきます。
情報収集のやり方や、何をみればいいのか?だけ分かっていてもあまり意味がありません。
特に気にするべきポイントを知っておくだけでも飛躍的に効率はあがるので、これらは押さえておきましょう。
企業理念・社風
企業研究の際、特に重要なのが「企業理念・社風」です。
これは、自分の価値観やキャリアビジョンと企業の方針や文化が合致するかを判断する基準となるからです。
例えば、柔軟性を重視する人には創造的でオープンな社風が合うかもしれないし、安定を求める人には伝統的で安定した環境が合うかもしれません。
社風や企業理念が自身と合わなければ、就業後の適応が難しく、ミスマッチにつながるリスクが高まります。
従って、自分の価値観との合致を確認することは、長期的なキャリア形成のために不可欠です。
事業内容・製品
企業研究の際、事業内容も非常に重要なポイントとなります。
事業内容を知ることで、その企業がどのような市場で活動しているのかを知ることができます。
また将来的にどのような方向性を持っているのかを把握することができます。
そして製品の情報を調査することで、企業の技術力、イノベーション、顧客のニーズへの対応力などが明確になります。
また、競合他社との比較を行うことで、どのような差別化を図っているのかが明確になります。
注力事業
「注力事業」も重要なポイントです。
「注力事業」はその企業が最も力を入れて取り組んでいることで、企業の現在の戦略や方向性を理解するうえで非常に役立ちます。
志望動機を考える上でも、自分のキャリアや興味がその注力事業とどのように合致しているのかを明確にすることは大切です。
それにより企業への入社意欲や適性を強調することができます。
【IT業界の企業研究】企業研究で得た情報の活かし方
最後に、企業研究をした結果得る事のできた情報の活かし方について解説していきたいと思います。
情報は得ただけで満足しては意味がありません。
志望動機やその先の面接にも活かすことが可能なので、ここまでしっかりと意識しておきましょう。
志望動機(ES)
企業研究を通じて、その会社の強みや特色、文化を理解することで、自分のキャリアや価値観と合致するか知れます。
また企業の注力事業や企業文化を知ることも大切です。
これにより、自分自身の興味や強み、価値観とどのようにリンクしているのかを見つける鍵となります。
このように、企業研究は志望動機を明確にし、それを伝えるための非常に有効な手段と言えます。
単に「この会社に入りたい」と感じるだけでなく、具体的な事業内容や企業の方針をもとにすることは効果的です。
自分の存在がその会社でどのように価値をもたらすのかを考え、アピールすることで差別化にもつながるでしょう。
面接
企業研究は面接時にもその価値が如実に現れます。
例えば面接官が「弊社でどのような事業に取り組みたいですか?」と質問した際などです。
事業部名や具体的な業務内容を明確に答えられることは、その企業への真剣な関心と熱意を示す最も効果的な方法です。
やりたい事業が明確でない場合でも、注力事業や企業の強みを挙げることができます。
そしてそれを自分の原体験や過去の経験と繋げることで、企業に対する深い理解と共感を示すことができます。
総じて、企業研究をしっかりと行い、それを面接で的確に伝えることは、自分の価値やポテンシャルアピールの鍵となります。
おわりに
今回はIT業界の企業研究の仕方や効率的な情報収集まで細かく解説しました。
この記事を参考にして効率的な企業研究をして、志望企業の内定を掴み取ってくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。