
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
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はじめに
大学院に進学する際に、筆記試験や面接と同じく避けて通れないのが志望理由書の提出です。
当然簡潔で明確な文章であることが望ましいです。
さらに自身の研究したいテーマに対する姿勢や、今までの経験などをふまえた関連性のある文章を書く必要があります。
一見壮大で複雑な文章を書かなくてはいけないような気もしますが、志望理由書はいくつかのポイントさえ押さえれば決して難しいものではありません。
今回はそれらを詳しく紹介していくので、ぜひ今後の参考にしてみてください。
【理系大学院の志望動機書】大学院側が志望理由書を書かせる理由は?
志望理由書の内容は、筆記試験後の面接で必ず聞かれます。
大学院側が志望理由書を書かせる理由の1つに、面接時の事前情報として使いたいという理由があげられます。
また、面接だけでは伝えきれない人柄やその人の個性が、文章に表れることは決して珍しくありません。
ただありきたりな理由を書くだけではなく、しっかりと自分の個性ができるように書くことをおすすめします。
大学院側が志望理由に目を通す際に注目しているポイントをいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
学生がその研究室を選んだ経緯や熱意を知るため
大学院側が特に重要視しているのは、学生がその研究室を選んだ経緯や熱意を志望理由書にきちんと書かれているかということです。
文章のみに限らず、実際に面接でもそれらの質問を投げかける場合が多いでしょう。
当然大学よりも研究分野の内容が深くなっていくので、研究に対する熱意のほかに、何をどのように研究していきたいのかなどの具体的な将来のビジョンも示さなくてはいけません。
大学院側としても、研究を続けていくために必要な個人の適性をしっかりと見極めることに注力しています。
いくら優秀な成績の志望者だとしても、研究に対する姿勢や研究室を選んだ経緯があいまいだと、大学院に進学し研究を進める際に苦労し挫折してしまう場合が多いです。
自身の経験を織り交ぜるなどして、熱意が伝わるような文章を書くように意識しましょう。
また、研究室での活動や将来ビジョンを明確にしたい場合は研究室訪問がおすすめです!
研究室訪問やアポイントメールの書き方については、こちらの記事でご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
研究計画書の内容と志望者の適性を照合するため
志望理由書の最も大きな役割は、研究計画書との整合性を確認することにあります。
研究計画書には、研究テーマや方法といった内容が記されていますが、それがなぜそのテーマなのか、どのような目的意識を持っているのかを明確にするのが志望理由書です。
この二つの文書を照らし合わせることで、大学院側は志望者の考え方や本気度を判断します。
単なる興味ではなく、学びたい理由と具体的な研究内容が一貫している学生は、入学後も主体的に研究を進められる可能性が高いと評価されます。
また、テーマに対する背景知識や準備度も読み取れるため、志望者と研究室との相性を見極める材料にもなります。
大学院は、適性の高い学生を受け入れることで研究の質を高める必要があるため、この照合は非常に重要なプロセスです。
面接の議論の核となる資料とするため
志望理由書は、面接の場で最も活用される資料の一つです。
面接官は、この文書に記された内容をもとに質問を組み立て、志望者の考え方や姿勢を深く掘り下げます。
研究テーマを選んだ背景、これまでの学び、大学院で取り組みたい課題など、面接で話し合う土台がここで作られます。
また、志望理由書に書かれた内容には、卒業研究で得た知識や経験、今後の進路への意識などが反映されるため、学生の思考の深さを読み取ることができます。
面接官にとって、限られた時間の中で学生を理解するための手がかりになる非常に重要な資料です。
一貫性があり、自分の言葉で書かれた志望理由書は、面接の印象を大きく左右します。
そのため、大学院側はこの書類を重要な評価項目として扱います。
学生の研究に対する適性やポテンシャルを測るため
理系の研究では、複雑な現象を分析し、論理的に問題を解決する力が求められます。
志望理由書には、その力を示す手がかりが多く含まれています。
文章の組み立て方、専門用語の正確な使い方、論理の流れなどから、学生の思考力や言語化能力を読み取ることができます。
大学院は、知識だけでなく、研究を継続する力や考えを整理して伝える力を重視しています。
志望理由書は、そうした資質を評価するための重要な指標になります。
また、今後研究者として成長できるかどうか、潜在的な能力を見極める材料にもなります。
特に理系では、実験や解析の過程で論理的な思考が不可欠なため、この能力があるかどうかは入学後の成果にも直結します。
大学院側が志望理由書を重視する背景には、学生の将来的な可能性を慎重に判断したいという意図があります。
【理系大学院の志望動機書】評価される志望理由書とは?
評価される志望理由書というのは、ただ単純にわかりやすく簡潔に述べられた文章や文章構成の優れたものだけとは限りません。
多少つたなくとも、研究に対する熱意や姿勢を丁寧に書いた文章のほうがより印象に残るでしょう。
ただやみくもに熱意をぶつけるだけではなく、自分が伝えたいことをキーワードとして使用したり、ある程度言い回しなどを決めたりしておくとよりその姿勢が伝わりやすくなります。
評価される志望理由書を書く際に、押さえておきたいポイントをいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
自分がその研究をやりたい理由を明確にしている
将来自分がどんなことをしたいのかなど、具体的なビジョンを明確にしているとよいです。
さらに、その将来に関連づけるような形から研究を選べていれば、なお印象に残るでしょう。
先ほど紹介したように、志望理由でもっとも重要なのは研究に対する真摯な姿勢です。
情熱ややる気に加えて具体的な目標などを書くことにより、計画性や忍耐力が伝わる文章になります。
特に大学院での研究は長期的なものになることが多く、生半可な気持ちで臨むことはできません。
研究に対する明確な理由を述べるのは必要不可欠であるといえるでしょう。
たとえば、ただ単に「大学時代から○○に興味があったから」という志望理由より、そこに至るまでの経緯などを述べているほうがより熱意を感じやすいです。
現在の研究テーマとのつながりが書かれている
現在学んでいる分野が、入りたい研究室の内容と関連性があるとより志望理由に説得力が増します。
極端な例ですが、植物について研究したい人が宇宙についての研究をしている研究室に入りたい、という内容の志望理由書を書いても著しく説得力に欠けるでしょう。
特に理系の大学院の場合、専門性の高い研究をしていることが多いので、適当に決めるのではなくより慎重に選ぶ必要があります。
自身の将来と照らし合わせながら、現在の研究テーマを選んだ経緯についてしっかりと伝えていきましょう。
そうすれば研究についての理解はより深まり、入りたい研究室も自然と関連性のあるものとなるはずです。
研究テーマと自身の将来が真っ直ぐな線でつながるような志望理由を書くことが望ましいでしょう。
研究室に入ったあと何がしたいのかが書かれている
先ほどは研究テーマと関連づけることが重要であると紹介しました。
それに加えて自分が研究室に入ってどう成長したいのかが書かれていると、より具体的な文章で計画的な印象を与えられます。
大学院の研究は、基本的に長い時間を費やして行うものです。
興味本位で研究テーマを選び、研究を進めていくと挫折することも珍しくありません。
だからこそ、研究をしていくうえでは具体的な計画をしっかりと立てる必要があります。
具体的な志望利用を述べれば、研究に対する姿勢はもちろん、自身の研究に対する具体性をアピールできます。
大学院側としても当然有意義な研究結果を期待しているので、具体的な計画があれば、より志望者の熱意を感じやすいでしょう。
将来のキャリアパスとの一貫性がある(修士課程修了後の展望)
志望理由書は将来像と研究テーマが自然につながっているかを示す場です。
修士修了後に目指す職種や領域を明確にし、その実現に向けて今なぜ当該研究室で学ぶ必要があるのかを説明します。
過去の学習や卒業研究で得た知識と技術を起点に、修士で深める専門性、修了後に解きたい社会や産業の課題を順序立てて結びます。
志望先の設備や共同研究体制、学位取得後の進路実績などと自分の計画を重ねることで、実現可能性の高い計画であることを示せます。
将来像が抽象的にならないように、扱いたい材料や対象スケール、導入したい評価指標などを具体に落とし込みます。
学びたいから学ぶという姿勢ではなく、解決したい課題が先にあり、その達成のために修士で何を積み上げるのかを先に示す構成が説得力を高めます。
この一貫性が保たれていると、学習意欲の継続性と計画性が読み手に明確に伝わります。
指導教員の研究テーマを深く理解している証拠がある
志望先の研究室で扱う主題や方法論を丁寧に把握していることを、文中の記述で示します。
研究室の近年の発表や代表的な成果に触れ、どの課題設定や手法が自分の問題意識と合致するのかを具体に述べます。
単なる関心の表明ではなく、既存の到達点と課題を整理し、その上で自分が追加できる視点や改良点を提案します。
用いるデータや実験系、解析手順、検証指標などを簡潔に記し、研究室の強みと自分の準備がかみ合う姿を描きます。
関連分野の基礎文献や先行研究に触れられると、理解の深さと学習の姿勢が伝わります。
研究資源の利用計画や共同指導の希望がある場合は、その必要性と期待される成果を簡潔に示します。
研究室の方針に即した目標設定と、合流後に着手可能な初期計画まで落とし込めると、受け入れ側の負担が小さい人材として評価が高まります。
論理的な文章構成と適切な表現で書かれている
志望理由書は読み手が短時間で理解できる構成が基本です。
結論を先に置き、その根拠を過去の学習、卒業研究の成果、保有する技能、志望先の強みという順に積み上げます。
段落ごとに一つの要点だけを扱い、主語と述語の対応を明確にして、指示語に頼らない表現を心掛けます。
数値や固有名を用いると説得力が増し、抽象的な言い回しに流れにくくなります。
専門用語は必要最小限とし、定義が揺れる語は避けます。
冗長な形容や感情的な表現は控え、事実と見解を分けて記述します。
誤字脱字や表記ゆれは信頼を損なうため、印刷して声に出して読み直す確認を行います。
最後に、冒頭の結論と整合しているか、志望先での学びが将来像に確実につながっているかを再点検し、全体の一貫性を整えます。
【理系大学院の志望動機書】志望理由書の構成とは?
志望理由に研究へ対する熱意などを書くことも重要ですが、文章構成によってはそれが伝わりにくい可能性もあります。
最低限構成を整え、研究に対する姿勢や自身の経験などが明確に伝わる文章を目指していきましょう。
順序さえしっかり守れば、自身の魅力が十分に伝わる文章を書くことは決して難しくありません。
特に重要なのは結論、理由、例などの基本的な構成を意識することです。
たとえば、結論を先に書いて理由を明確に伝えると、それ以降の文章で理由に対する肉付けをすることで説得力のある構成にできます。
詳しく紹介していくのでぜひ参考にしてみてください。
現在の自分の所属
まずは、自分が今までどのような研究に取り組んでいたのかをテーマとともに紹介しましょう。
その際に所属している研究室での経験などのエピソードがあれば、人柄や個性も伝えられます。
特に研究テーマやそれに取り組む姿勢は、その人の興味などが反映されやすいので、志望理由書だけではなく面接の際にも取っ掛かりになりやすいです。
このあと紹介する、大学院へ進学した理由と関連づけるような形で文章を構成していきましょう。
いってみればつかみのようなもので、ここではなるべく明確な文章かつ、強い印象を与えられるように意識するとよいです。
卒業テーマの紹介と選択した理由
自分の研究テーマを紹介したあとは、なぜそれを学んだのかを書きましょう。
先ほど紹介した研究テーマと肉付けするように文章を構成すると、説得力のある文を書くことができます。
より細かく具体的な内容を書くように意識していきましょう。
特に卒業テーマの紹介に関しては、大学院で研究したい内容と関連性が高い場合も多いのです。
研究に対する真摯な姿勢を伝えることで、今後の研究に対しても、意欲的に取り組んでくれるのではないかなどという期待をもたせることができるでしょう。
大学院に進学する理由
大学院へ進む理由とともに、なぜその大学院を選んだのかを書きましょう。
今までの文章は、あくまでも過去に自分の行った研究内容などを中心に構成してきました。
しかし、ここでは自身の将来に対するビジョンを含めて、簡潔に理由を書く必要があります。
実際にすべてを成し遂げられるかは一旦置いておいて、進学したい素直な熱意を伝えましょう。
その際には、卒業テーマと選択した理由と関連づけるような文章を意識していくとよいです。
構成のなかでも特に重要な部分なので、明確かつそれまでの内容をふまえて、説得力のある文章を意識しましょう。
研究室や指導員を選択した理由
大学院に進学する理由を書いたあとは、なぜその研究をしようとなどより具体的な自分の考えを書きましょう。
特に研究室や指導員を選択した理由が明確だと、大学院や研究したいテーマに対する意欲的な姿勢を伝えることができます。
事前に収集した大学院の情報を織り交ぜながら、自身の感じたことを書くと、より説得力のある理由になります。
自分が調べた内容を淡々と述べるだけではなく、研究室のどのような活動に魅力を感じたかなど、より具体的な内容を書くように心がけましょう。
将来の目標と大学院での研究の関連性
志望理由書の冒頭では、将来の目標と大学院での研究内容を結びつけることが重要です。
研究テーマを学ぶ理由が明確であり、それが自分のキャリアにどうつながるのかが読み手に伝わる構成が求められます。
例えば、新しい素材の開発や環境分野の技術者など、目指す職種や分野を明確にし、そのために必要な知識や技術を大学院で学ぶ必然性を説明します。
ここで大切なのは、志望動機を抽象的な表現にせず、自分の経験や興味と結びつけて具体的に述べることです。
研究室のテーマや設備との相性にも触れると、現実的な進路として説得力が増します。
また、研究で得た知識や技術を社会でどのように活かすのか、長期的な視点で示すことで、研究意欲の深さと計画性を伝えることができます。
この段階で将来像がはっきりしていると、面接官にも明確な印象を与えることができます。
自己PRと研究者としての適性を示すエピソード
志望理由書の中盤では、自分が研究者としてふさわしい人物であることを裏付ける内容が必要です。
研究活動では、学力だけでなく、根気や正確さ、柔軟な発想、協調性などが求められます。
そのため、自分の経験をもとに、どのような行動で課題を乗り越えたのかを具体的に書くことが大切です。
実験がうまくいかなかった時に工夫して改善した経験や、グループワークで成果を出した経験などが効果的です。
このようなエピソードを盛り込むことで、論理的思考力と行動力、そして研究に向く姿勢を自然にアピールできます。
また、失敗から学んだ経験を書くことで、成長意欲を伝えることもできます。
単に優れた成果を並べるのではなく、課題に直面した時にどう動いたかを丁寧に描くことがポイントです。
結びの言葉と強い熱意の表明
志望理由書の締めくくりでは、これまで述べてきた内容を短く整理し、研究への意欲と大学院での貢献意識を明確にします。
多くの志望理由書で見られるような感謝の言葉で終えるのではなく、自分が研究室の一員として何を成し遂げたいのかを積極的に表現します。
将来の目標と志望先の研究内容を再度結びつけることで、志望の真剣度を印象づけることができます。
また、自分の強みや能力をどう活かし、どのような姿勢で研究に取り組むかを一言でまとめると効果的です。
この部分は短くても良いですが、文章の印象を大きく左右する重要なパートです。
主体性を感じさせる表現で締めることで、受け手に強い印象を残せます。
熱意と覚悟を簡潔に伝えることで、志望理由書全体の完成度が一段と高まります。
最終的には、自分の将来像と志望先の研究がしっかりとつながっていることが伝わる構成に仕上げることが理想です。
【理系大学院の志望動機書】志望理由書の例文紹介
ここまで志望理由書を書く際の文章構成などを紹介してきました。
しかしこれらを理解したつもりでも、実際に文章を書いてみると思った以上に難しいと感じる場面が多くあるでしょう。
自身の考えと研究に対する姿勢をわかりやすく第三者に伝えることは、決して簡単ではありません。
特に大学院へ進学する理由に関しては、自分の過去と将来を関連づけながら書くことで説得力のある文章になります。
その分一貫性などを意識する必要があるので、自然と構成はより複雑になります。
しっかりとポイントを押さえ、よりわかりやすく印象に残る文章を書きましょう。
ここでは「現在の研究を深く学びたいから」という理由の例文を紹介するので、志望理由書を書く際の参考にしてみてください。
現在の研究を深く学びたいから
私が貴学を志望する理由は、今の研究内容をより深く学びたいと思ったからです。
幼少の頃から宇宙工学に興味があり、主に宇宙の輸送システムに関する研究を進めてきました。
特に大学2年次の海外留学を経て、国際的な視野を身につけるとともに、宇宙工学の最前線である再使用型宇宙輸送システムに関する理解を深めることができました。
同時に自らの手で研究を進め、宇宙工学の発展に貢献したいという気持ちが一層強くなり、貴学に進学することでさらなる研究結果をもたらしていきたいです。
そのためには、研究や学会発表を通じて研究者としての素養を学び、お互いが切磋琢磨しあえるような環境に身を置く必要があると考えました。
以上から、私は貴学を希望します。
このように、明確な志望理由に具体的な経験を加えるように意識しましょう。
未経験の研究分野に挑戦したい場合の例文
私は現在、機械系の分野で材料解析の研究に取り組んでいます。
しかし、現状の研究では対象が限定的であり、より広い視点から社会的課題にアプローチする必要性を感じています。
特にエネルギー変換材料の開発分野では、今後の産業と環境対策の両面から大きな役割を果たす可能性があります。
私はこの分野に身を置くことで、より実践的で社会に貢献できる研究を進めたいと考えました。
現在の分野で培ったデータ解析力と機器操作の技術は、材料評価や実験設計に応用できると考えています。
また、未知の領域に踏み込むことに不安はありますが、過去に新しい測定装置を短期間で習得した経験があり、環境の変化に柔軟に対応できる自信があります。
志望する研究室では、複合材料に関する基礎研究と応用研究の両方が進んでおり、私の持つ汎用的なスキルを活かしながら貢献できると考えています。
内部進学の場合の例文とアピールポイント
私は学部生として現在の研究室に所属し、流体解析の基礎研究に携わってきました。
その中で、装置の扱い方や測定手法、実験データの処理などを身につけ、研究の一連の流れを実践的に経験しています。
研究テーマに関しても基礎的な部分の理解を深めており、修士課程からはより応用的な課題に取り組みたいと考えています。
また、研究室の雰囲気や設備環境を熟知しているため、入学後すぐに研究を再開できる点は大きな強みです。
先輩の研究テーマの一部を引き継ぎ、実験精度の向上と新しい手法の導入によって研究を発展させたいと考えています。
今までの経験から、自分には地道な作業を積み重ねる粘り強さと、問題点を論理的に整理して改善する力があると感じています。
修士課程では、これまで築いてきた基盤を土台にしながら、研究成果を積極的に学会や論文の形で発信することを目標にしています。
外部受験の場合の例文とアピールポイント
私は現在、情報系の研究室でセンサー信号の解析を中心とした研究を行っています。
しかし、より高いレベルでデータ解析と材料開発を融合させる研究に取り組みたいと考え、進学先として貴研究室を志望しました。
志望先の研究室には、高感度測定が可能な独自の装置と、数値解析を組み合わせた研究体制が整っています。
この強みは、私の研究目標である材料特性と信号解析の連携において不可欠な要素です。
外部の環境に飛び込むことに不安はありますが、私はこれまで新しい解析ソフトや実験装置を短期間で習得し、研究成果につなげてきた経験があります。
その経験をもとに、新しい環境にも素早く順応し、自分の力を発揮できると考えています。
また、異なる専門分野の知見を持ち込むことで、研究室内の多様な視点の一端を担えると確信しています。
【理系大学院の志望動機書】試験勉強に力を入れるべき!
理系大学院の入試では、志望理由書や面接だけではなく、筆記試験が合否を大きく左右します。
どれほど研究への熱意があっても、筆記試験で合格点に届かなければ次の選考に進めないことも少なくありません。
特に理系の大学院では、専門科目や英語の筆記試験が一次選考の基準になるケースが多くあります。
志望理由書と筆記試験の重要度のバランス
大学院入試では、筆記試験が一次選考として機能していることが非常に多いです。
この段階で足切り点に達しなければ、志望理由書や面接でいくら良い評価を得ても合格にはつながりません。
つまり、筆記試験は合格への最低条件とも言える重要なステップです。
志望理由書や面接で個性や研究への熱意を伝えることは大切ですが、それは筆記試験を突破した上で初めて評価されるものです。
まずは確実に合格ラインを超える基礎力と応用力を身につけることが、合格への第一歩になります。
特に配点の高い専門科目では、基礎を徹底的に固めておくことで大きな差がつきます。
筆記試験と志望理由書のどちらが欠けても合格は難しいため、両方をバランス良く進めることが必要です。
早い段階から試験対策を始めておくことで、志望理由書の作成にも余裕が生まれます。
試験勉強が志望理由書・面接に与える影響
筆記試験の対策は、単なる暗記作業ではありません。
専門科目の理解を深めることで、志望理由書に書く研究テーマの背景をより正確に説明できるようになります。
これは文章全体の説得力を高める上で非常に効果的です。
また、面接では志望理由書に書かれた内容をもとに、専門的な質問が出されることが多くあります。
試験勉強を通じて得た知識は、こうした質問に対して自信を持って答えるための土台になります。
理系の研究では、背景知識の深さと論理的な説明力が高く評価されます。
筆記試験の勉強を進めながら研究分野への理解を深めることで、志望理由書の内容と面接での受け答えに一貫性が生まれます。
この一貫性こそが、志望者としての信頼性を高める大きな要素になります。
筆記試験の効率的な対策方法
筆記試験の対策で最も効果的なのは、過去問の徹底的な分析です。
まず、過去問を確認して出題傾向を把握し、頻出する分野を特定します。
次に、その範囲に集中して教科書や参考書を活用し、知識を確実に定着させます。
基礎を押さえた上で、過去問や類題を繰り返し解き、時間配分や解答のスピード感を身につけることが重要です。
特に出題内容が大きく変わらない科目では、過去問演習がそのまま得点力につながります。
一問一答形式よりも、実際の試験と同じ形式で解く練習を重ねることで、時間管理能力も鍛えられます。
また、苦手分野を早めに把握して重点的に克服することも大切です。
筆記試験の対策は、志望理由書や面接対策とも深く関わっているため、計画的に取り組むことで全体の合格率を高めることができます。
【理系大学院の志望動機書】志望理由書と研究計画書の違いと関係性
理系大学院の入試では、志望理由書と研究計画書の両方が求められることが多くあります。
この二つは似たような内容に見えますが、それぞれの目的と役割は明確に異なります。
ここでは、それぞれの役割と関係性、そして差別化のポイントについて詳しく解説します。
志望理由書:なぜその研究室かに焦点を当てる
志望理由書の核心は、なぜその研究室で学びたいのかという明確な理由を伝えることです。
この文書では、あなたの過去の学びや経験、問題意識、そして将来の目標を軸に、大学院進学の動機を論理的に説明します。
研究内容の詳細に踏み込むよりも、その分野を志す理由や背景、そして志望する研究室との相性を示すことが重視されます。
例えば、学部時代の研究やインターンで得たスキルが志望先の研究内容とどのように結びつくのかを説明することで、研究への本気度が伝わります。
さらに、指導教員の研究テーマや研究室の方針に共感している点を明確にすることも効果的です。
大学院側は、この文書を通じて志望者の熱意と方向性を把握し、研究室とのマッチングを判断します。
つまり、志望理由書はあなたの研究者としての姿勢と目的意識を伝えるための入り口となる重要な資料です。
研究計画書:何をどう研究するかに焦点を当てる
研究計画書の中心は、研究テーマの具体性と実行可能性です。
ここでは、志望理由書のような動機の説明ではなく、実際に何を、どのように研究するのかを明確に記述します。
研究テーマの背景や課題の整理、目的の設定、使用する手法や実験計画、得られる成果の見込みなどを論理的にまとめます。
さらに、研究のスケジュールを大まかに示すことで、計画性と実現性をアピールすることができます。
この段階では、専門知識の深さやリサーチ力が問われます。
過去の研究経験やスキルを踏まえて、自分がどのように研究に取り組むかを具体的に示すことで、大学院側に信頼感を与えることができます。
志望理由書が研究者としての方向性を語る文書であるのに対し、研究計画書はその方向性を具体的な行動に落とし込んだ計画書です。
両者を明確に書き分けることが、評価を高める大きな鍵になります。
両者の内容に一貫性を持たせよう
志望理由書と研究計画書は、内容の一貫性が非常に重要です。
志望理由書で書いた課題意識や研究への興味が、研究計画書では具体的な研究計画として展開されていなければ、説得力が大きく損なわれます。
志望理由書では、なぜその課題に取り組みたいのかを説明し、研究計画書ではその課題をどう解決するかを示します。
この二つが自然に結びついていると、大学院側は研究意欲と計画性の両面を高く評価します。
逆に、内容にずれや矛盾があると、準備不足と判断されることもあります。
動機と計画が一本の筋として通っているかを入念に確認することが大切です。
志望理由書と研究計画書は別々の書類ですが、同じ研究テーマを異なる角度から説明するものであるという認識が重要です。
掲載事項が重複する場合の注意点と差別化
志望理由書と研究計画書では、一部の内容が重なるのは自然なことです。
ただし、同じ文章をコピーして使用すると、熱意や説得力が弱まってしまいます。
志望理由書では、自分の背景と動機に重点を置き、なぜその研究に取り組みたいのかを簡潔に示します。
一方、研究計画書では、その研究を実際にどのように進めていくのか、背景、目的、方法、スケジュールといった計画を詳細に記述します。
つまり、志望理由書は研究に向かう姿勢と方向性、研究計画書はその実行内容を説明するものとして差別化することが必要です。
この差別化がしっかりできていると、全体としてまとまりのある出願書類に仕上がります。
また、読み手がどちらの文書を読んでも研究内容を理解できるよう、視点をずらしながらも一貫したメッセージを伝えることが大切です。
二つの文書を補い合う形にすることで、強い印象を残すことができます。
【理系大学院の志望動機書】面接で聞かれる志望理由と対策
理系大学院の面接は、志望理由書の内容が本当に本人の考えによるものかを確かめる重要な場です。
面接官は、志望者の熱意や研究への理解度、人柄、論理的な思考力を総合的に判断します。
志望理由書を丸暗記して答えるのではなく、自分の言葉で自然に説明できるように準備することが大切です。
ここでは、理系大学院の面接でよく聞かれる三つの質問テーマと、その対策方法を詳しく解説します。
志望理由書の核心を問う質問への準備
面接では、志望理由書に書かれた内容が最も注目されます。
面接官は、あなたの文章を読み込みながら、特に熱意のこもった部分や論理のつながりが弱い部分に着目して質問を投げかけてきます。
たとえば、「なぜその研究室なのか」「なぜ他大学ではなくここを選んだのか」といった質問は必ずといってよいほど聞かれます。
このような質問に答える際は、志望理由書の内容をそのまま繰り返すのではなく、自分の言葉で短く要点を伝えることが重要です。
志望理由書の各段落を一言でまとめておき、どの質問にも30秒程度で簡潔に答えられるよう練習しておくと安心です。
また、研究室の特徴や教員の研究内容を把握し、そこに共感している理由を具体的に説明できるようにしておきましょう。
研究テーマに関する専門的な質問への対策
理系大学院の面接では、卒業研究や志望する研究テーマに関する専門的な質問が中心になります。
面接官は、志望者がどの程度の専門知識を持っているか、また研究の本質を理解しているかを確認します。
質問の例として、「研究で得られた結果の意義を説明してください」や「実験手法の選択理由を教えてください」といったものが挙げられます。
このような質問に答えるためには、テーマの理論的背景や使用した実験手法の特徴、得られた結果の意味を整理しておく必要があります。
また、成果だけでなく課題や限界点、今後の改善策についても自分の考えを述べると高い評価を得られます。
専門的な内容を聞かれても慌てず、図や数値を思い浮かべながら、相手にわかりやすく説明する姿勢が大切です。
将来の展望(修士課程・博士課程,就職など)に関する質問
面接官は、あなたの将来の方向性を通して、大学院進学への真剣度を判断します。
「修士課程修了後はどのような進路を考えていますか」「博士課程への進学を希望しますか」といった質問はよく出されます。
この質問には、単に希望を答えるだけでなく、大学院での研究がどのように将来のキャリアにつながるかを具体的に説明することが求められます。
たとえば、企業の研究開発職を目指す場合は、「研究で培う分析力や課題解決力を実務で応用したい」といった形で答えると良いです。
博士課程を考えている場合は、研究テーマの発展性や社会的意義を踏まえて説明すると説得力が増します。
また、「貴研究室で学べる○○の技術が将来の目標達成に不可欠です」といった表現を加えると、志望先とのつながりを強調できます。
まとめ
今回は大学院が志望理由書を書かせる理由やその内容、構成の対策について紹介しました。
明確でわかりやすい志望理由書を書くことはもちろん重要ですが、一番大切なのは、素直に研究をしていきたいという純粋な気持ちです。
無理に自分を大きく見せるよりも、大学院に進学するまでの強い学習意欲や研究に対する思いを伝えれば、必ず印象に残る志望理由書を書けるでしょう。
志望理由書を書く際に少しでも不安なことがあれば、今回紹介したことをぜひ参考にしてみてください。
