理系大学生はどのくらい大変なの?理系学部の大変さや就活への影響を徹底解説!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

はじめに

「大学受験を控えてそろそろ志望校を決定しないといけないけど、実はまだ理系学部と文系学部どちらに進むべきか悩んでいる」という方も多いのではないでしょうか。

なんとなく高校では理系を選択したが、大学まで理系に進むメリットがいまいちわからないといった理由でまだ決断できていないという方もいるかもしれません。

ここでは、理系大学生はどのくらい大変なのかということや、理系学部に進学するメリットについて詳しく解説していきます。

【理系大学生はどのくらい大変?】理系大学生はどのくらい大変なの?

文系と理系は専門的に学ぶ内容は大きく変わりますが、一般教養などを扱う授業が多い1~2年生の間はそこまで忙しさに差はありません。

しかし、理系は3年生以降になると、研究などでかなり忙しくなってきます。

大学進学の目的を学校外の活動や遊びといったことをメインに考えている場合は、文系学部に進学したほうが自由な時間を多くとれて充実した学生生活になるでしょう。

しかし、自分の好きな分野を集中して勉強したいというモチベーションの人は、理系学部のほうが周囲も研究中心の生活を送っている仲間に囲まれて過ごすことになるため、気が散ることもなく好きなことに没頭できる時間を送ることができます。

研究室を中心とした活動に時間がとられるため、アルバイト・サークル・勉強と3つをバランスよくこなすことは難しく、多くの人がアルバイトとサークル活動のどちらかを選ぶ傾向にあります。

【理系大学生はどのくらい大変?】理系大学生と文系大学生のスケジュールの違い

文系学部の場合、一般的に3年目以降は授業の必要出席数が減っていき、4年時には研究室関連の活動のみになることも多いです。

残りの時間の使い方は自主性に任せられる傾向にあるため、時間的な自由が多く、ここで課外活動や語学留学など大学以外の活動を大きく展開できるタイミングとなります。

一方、理系学部の場合、1〜2年は文系とさほど変わらないスケジュールですが3年目も必要な出席数が減ることはなく、4年時の卒業論文や卒業研究によって大学生活のなかで最も忙しい一年になることが多いです。

研究活動以外にやりたいことがあるなかで理系学部に進学する場合は、非常にしっかりとしたタイムマネジメントでやりたいことと研究活動を両立する必要があるといえるでしょう。

【理系大学生はどのくらい大変?】理系大学生が大変だと考えられる理由

漠然と「どうやら理系は文系に比べると大変らしい」ということまでは伝わったと思います。

しかし、受験生の皆さんは、実際にどういった要素が重なり大変になるのかが想像しにくいのではないでしょうか。

ここからは、「大変」を作り出しているいくつかの要素について、それぞれ具体的に解説していきます。

自分が大学生になったらやりたいと考えていることも頭に浮かべながら、大学での生活をイメージし、「どちらの学部に進学するか」の参考にしてみてください。

授業難易度

文系学部の場合、扱う科目や試験の形式の都合上もあり、テスト前に先輩や同級生と協力して対策をすれば、さほど日々の授業やそれに関連する単位を取得すること自体は難しくありません。

しかし、理系学部の場合、一つひとつの物事を理解して積み上げていくような作業が中心になるため、事前に詰め込みで対策をしようとしてもあまり意味がありません。

普段の授業にきちんと出席するのはもちろん、復習など授業外での勉強が必要になるという点では大きく文系学部とは異なります。

文系はすべての授業が簡単というわけではなく、なかには普段から準備が必要なものもありますが、理系はほとんどの授業において日常的な勉強が前提となっていることは覚えておきましょう。

必修科目数

理系学部は、文系学部と比べて必修科目が多い傾向にあります。

このため、同じ日に授業を固めて休みの日をつくるといったスケジュールの調整も難しく、前段階の授業の単位を取得していることが前提の必修科目も多いため、3年時においてもそれまでと変わらず大学で授業を受けることになる学生は多いです。

自由選択で受けられる授業に比べ、「修めていることが前提となって今後の授業や研究に進んでいく」ことになる必修科目は、学生の理解の遅れが生じないようにするため、出席の確認や理解度を測るテストなどが厳しくなる傾向にあります。

上記が、文系学生に比べて理系学生が忙しい理由です。

また、同じ1単位として数えられる授業であっても「実験」として拘束時間が長かったり、それに付随するレポートの提出が必須だったりと一つ一つに手間のかかる作業が多いのも特徴の一つです。

細かな計算ミスなどで再提出になることもあるので、「課題に追われている」というような状態になることもよくあります。

研究室

理系学部の場合、ほぼすべての学生が3~4年生になると研究室に所属することになります。

文系学部も研究室には所属しますが、教授や自分の作業もあまり場所に制限されずにできるため、研究室という場所に縛られず比較的自由に自分の研究を進められることが多いです。

一方、理系学部の場合は、先輩や院生だけではなく教授の研究の手伝いや学会の手伝いなど、研究室の活動はかなり活発に行われます。

「研究室の活動」のほとんどのケースは実験の作業が主で、自宅ではできず大学で行う必要があるため、所属している人は多くの時間を研究室で過ごさなくてはなりません。

また、所属する研究室によって忙しさも変わるため、一日中研究室で過ごすような生活を送る学生もいます。

【理系大学生はどのくらい大変?】理系学部に進むメリット

「それほど大変なら文系学部のほうがいいのではないか」と思う方もいるかもしれませんが、大変さを乗り越えてでも進学するメリットが理系学部にはあります。

とくに大学卒業後の選択肢を広く持ちたいという方にとっては、大きなメリットばかりです。

もちろんやりたい研究がある、という方は迷わず理系学部に進むことをおすすめしますが、やりたいことがまだ明確ではない、という方で以下に挙げるメリットを重要だと感じた方は理系学部に進むことを視野に入れてみましょう。

専門性が身につく

社会にでる際に、周りに比べて特筆すべき専門性を身につけているということは大きな武器になります。

大学生活の後半にあたる3~4年生の時間を多く自身の研究に割くことになる理系学生は、就活や実際の仕事の現場においても同世代のほかの人との差別化がしやすく、また、得た専門性を伸ばしていくことでほかの人にはない活躍ができるかもしれません。

この、勉強や研究に生活を捧げるといった時間は、研究職などの特殊な業種に就かない限り卒業後に取り組むことが非常に難しく、大学生活を終えたあとでは獲得できない体験や知識であるともいえます。

「学生としての本分」に集中できる環境のなかで専門性を磨くことができるという貴重な経験は、人生においても大きな宝となるでしょう。

学校推薦を使える可能性がある

文系学生にはほとんどない就職活動の形として「学校推薦」というものがあります。

大学における学校推薦とは、大学から優秀な学生を企業へ「推薦する」という形の就職活動のことです。

世間的に就活がスタートする時期と、理系学生の研究が本格的になってくる時期が被るため、学生の本分である研究にしっかりと時間を割いている学生のことをきちんと評価するという意味合いもあり、高い確率で内定を獲得できるシステムとなっています。

しかし、内定辞退できないという側面もあるので、覚えておきしましょう。

自由応募での就活に比べ、かかる時間も少なくかつ専門性を活かせる職業に就きやすいという大きなメリットを得られるのが、理系学部における「学校推薦」です。

就職先としての業界の幅が大きい

文系学部に進学した場合、理系の知識が前提となっている業界や職種への就職は非常に難しいものとなります。

しかし、理系学部からの就活は専門性の高い分野はもちろんのこと、それ以外の分野の業界も比較的門戸が広く開いているため、文系の就活生に比べると選択肢は広いです。

もちろん、なかには文系学部で得た法律関係などの専門知識が必要な専門職もありますが、それ以外の一般的な職の場合はとくに条件として不利になることはありません。

就活の際に受験することになるWebテストなどでも、普段から数学などの科目に触れているだけではなく、電卓を使う機会が多いため有利な状況から対策をスタートすることができるでしょう。

【理系大学生はどのくらい大変?】理系学部に進むデメリット

理系学部への進学は、就職活動の選択肢が広がるという点において、非常にメリットが大きいということがおわかりいただけたかと思います。

しかし、理系学部への進学には文系に進んだときと比べると「デメリット」といえる部分があるのも事実です。

進路を決める際、自分にやりたいことや大学でしたい研究がある場合は、それを軸に考え決定することが大切です。

そういったものがまだ見えていない場合は、いろいろな角度から情報を集め、自分が送りたい大学生活という指針に照らし合わせながらメリットとデメリット両方をしっかりと踏まえたうえで考えることをおすすめします。

学費が高い

まず大きなデメリットとして挙げられるのは「学費の高さ」です。

文系学部の場合、普段の講義や研究においても「機材」や「設備」が必要になるケースは多くありません。

ほとんどの場合、書籍や資料といったものが重要視されるので、大きな費用がかかるのは稀でしょう。

しかし、理系学部の場合は実験や研究における資材・設備にかかる費用、物理的に広いスペースが必要な研究室の維持費など、多くの経費がかかります。

これらの経費が学費に反映されて高くなってしまうという傾向があります。

国立大学の場合は、文部科学省令によって示されている標準額を基準に設定するためそこまで大きな差はありませんが、私立大学の理系学部となると、文系学部との学費差はかなり大きくなるのです。

自由な時間が少なくなる

理系学部は忙しい、という件は前述した内容でもありますが、やはりこれも大きなデメリットといえます。

これは決して「遊ぶことに時間を使えない」ということだけではなく、いろいろな形で顕在化してくる要素です。

たとえば、研究が忙しいことでアルバイトをすることが難しい場合・学費や家賃を支払う場合「奨学金」という形で大きな借金をすることになるかもしれません。

また、サークルや部活といった課外活動や、ボランティアといった社会貢献活動に関してもやはり時間を割くことが難しくなるでしょう。

このように、よくも悪くも「大学が生活の中心」となるのでそれに対してどう考えるか、というのは理系学部に進学する際の一つの指針となってくるでしょう。

【理系大学生はどのくらい大変?】理系学生は就職に有利?

「就職活動における選択肢」という点では文系学生と比べて理系学生のほうが有利であるということは前述しましたが、就職活動全般において有利かというと必ずしも有利とは限りません。

理系の強みである「専門性を有している」という点も、志望する業界や企業の求める人材像に合致すれば大きなリードとなりますが、「専門性がある」という事実だけを切り取るとほかの理系学生との差別化はできません。

また、文系学生に比べると就職活動に避ける時間が短いのも不利な要素の一つです。

課外活動などを通じて多くの人とコミュニケーションをとり、自分の意志でさまざまな経験をしやすい環境にある文系学生と競合した際、専門性が活きない業界の場合には違う角度からのアピール材料を用意する必要もあります。

総合して考えたときに、「選択肢の広さは魅力的だが、それぞれの場で有利不利はそこまで存在しない」といえるでしょう。

おわりに

一般的に理系学生は文系学生よりも大学生活が忙しくなる傾向にあり、そのことに不安をおぼえている方もいらっしゃるでしょう。

しかしこれまで解説してきた通り、その忙しさを補って余りあるメリットがあるのも事実です。

重要なのは、自分はどのような大学生活を送りたいか、何を学びどういった未来へつなげていきたいかです。

それが定まれば、理系学部と文系学部どちらを選ぶかも自ずと決まってくるでしょう。

今回の記事を参考にしつつ、ぜひ自らの進路を考えてみてください。

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