
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
今回の記事では、就活のESで「実現したいこと」を聞かれた際、どのようなことを書くと企業からの評価が高くなるのかということを解説します。
社会人のイメージがあまりつかないまま「実現したいこと」を問われても回答が難しい場合が多いので、この記事を読んで企業にも刺さる内容を作っていきましょう。
エントリーシートで実現したいことの項目で何を書けばいいのか分からない人
大手志望の就活生
実現したいこと項目で回りの就活生と差をつけたい人
実現したいこととは何なのか
企業が実現したいことを聞く理由と高評価をあるためのポイント
業界別に参考にすると良い例文
実現したいことを聞く企業は意外とある
企業がエントリーシートで「実現したいこと」を問うのはよくあることで、特に大手企業やインターンシップの選考過程で頻繁に見受けられます。
この質問は応募者が自分の将来についてどのように考えているか、どのようなビジョンを持っているかを理解するためのものです。
そして、応募者の目標や価値観を把握し、企業とのマッチングを図るための重要な要素となります。
「実現したいこと」を問われた際には、自分のビジョンを明確にし、具体的な目標とその達成方法を回答できるように準備が必要です。
そもそも「将来実現したいこと」とは?
「将来実現したいこと」という表現は幅広く、漠然としたイメージを持たれることが多いですが、エントリーシート(ES)の質問として頻出の項目です。
ここでは、仕事を通じて達成したい目標を明確にし、「志望動機」との違いを理解しながら、効果的な回答の仕方について解説していきます。
仕事を通じて達成したい目標
企業がこの質問をする意図は、応募者が仕事を通じてどのような価値を提供できるかを知るためです。
個人的な夢やプライベートな目標ではなく、あくまでも「仕事を通して何を成し遂げたいのか」を具体的に伝える必要があります。
たとえば、「世の中の便利さを支えるシステムを開発したい」「お客様の課題解決に貢献できる営業を目指したい」など、仕事の延長線上での目標を考えることが重要です。
また、企業の事業内容やミッションと関連づけることで、より説得力のある内容になります。
「将来は海外事業の拡大に携わりたい」「新しい技術の導入によって業界全体の発展に貢献したい」といったように、具体的なビジョンを持つことが求められます。
「志望動機」との違い
「将来実現したいこと」と「志望動機」は似た質問に思えますが、求められる内容には明確な違いがあります。
志望動機は、「なぜこの会社に入りたいのか」「入社後にどのようなことをしたいのか」といった、企業への興味や熱意を伝えるものです。
一方で、「将来実現したいこと」は、入社後の中長期的な目標を示すものであり、キャリアプランや自身の成長ビジョンを含む必要があります。
たとえば、「5年後には○○の分野で専門性を高め、10年後には新規事業の立ち上げに関わりたい」といった具体的な成長プロセスを描くことが望ましいです。
そのため、「貴社に入社して○○を実現したい」といった志望動機の延長線上にある形で構成すると、自然で一貫性のある回答になります。
「将来の夢」との違い
「将来の夢」が、個人の漠然とした「こうありたい」という理想像や憧れを示すことが多いのに対し、エントリーシートで問われる「実現したいこと」は、より具体的で仕事を通じた達成目標を指します。
企業は、応募者が自社で働くことを前提に、どのような価値を生み出し、どのように貢献してくれる可能性があるのかを知りたいと考えています。
そのため、単なる願望ではなく、企業の事業内容や方向性を理解した上で、入社後に挑戦したい具体的な取り組みや、それによって成し遂げたい目標を明確に示すことが求められます。
抽象的な夢語りに留まらず、企業への貢献意欲を伴った、実現可能な計画として語ることが重要です。
【ESで実現したいことをアピール】企業が質問する意図
まず「実現したいこと」を企業が就活の場で聞いてくる理由や意図を把握しておく必要があります。
たまに志望動機と混同して同じような回答をしてしまうケースがありますが、似て非なるものなので注意をしてください。
価値観を知るため
企業研究ができているかの確認
志望度の確認
企業とのマッチ度を図るため
価値観を知るため
企業がエントリーシートで「実現したいこと」を問う意図の一つは、応募者の価値観を理解するためです。
応募者が将来何を実現したいと考えているかを知ることで、その人の志向性やモチベーションの源泉を把握できます。
企業の価値観やビジョンと応募者の考えが一致していない場合、入社後のミスマッチが生じ、早期離職のリスクが高まります。
そのため、企業は応募者が自社の理念や方針に共感し、長期的に働いてくれるかを見極めるためにこの質問をします。
企業研究ができているか確認するため
また、「実現したいこと」を問うことで、企業は応募者がどれだけ企業研究を行っているかを見極めます。
応募者がその企業で実現できないようなことを話すと、企業について十分に理解していないと判断される恐れがあります。
そのため、企業がどのような事業展開をしているのか、どのような価値を提供しているのかをしっかりと頭に入れておく必要があります。
企業研究を通じて、自分の目標が企業のビジョンやミッションと一致していることを示すことが重要です。
志望度の確認のため
また、志望度の高さの確認をしたいという意図もあります。
「実現したいこと」を具体的にイメージできている応募者は、入社後のギャップを感じにくく、志望度が高いことを示しています。
企業の目指す方向と自分の目標が一致していれば、入社後にどのような役割を果たしたいか、どのように貢献したいかを明確に伝えることができます。
また志望度が高い応募者は、企業に対しても積極的にアプローチし、自分のビジョンを実現するために努力する姿勢を持っていると評価されます。
企業とのマッチ度を図るため
企業が「将来実現したいこと」をエントリーシートで質問する意図は、応募者と企業とのマッチ度を確認するためです。
実現したいことが企業の理念や目標と一致していない場合、応募者がその企業で活躍し続けることは難しくなります。
また、応募者自身のモチベーションの低下や、企業側の期待する成果を得られないというミスマッチが生じる可能性もあります。
企業は、自社が提供できる環境や成長機会が、応募者の目標達成に適しているかを慎重に見極めようとしています。
就活生にとっても、自身の実現したいことを明確にし、それが企業の目指す方向性とどのようにリンクしているかを伝えることが重要です。
これにより、自身も企業との相性を確認でき、互いにとって有意義な関係を築く第一歩となります。
【ESで実現したいことをアピール】評価されるためのポイント
ここからは「実現したいこと」を魅力的に示すための意識しておきたいポイントについて解説します。
下記に示す観点を自分の回答イメージが全て網羅できているか、しっかりと確認をするようにしてください。
自己理解ができているか
具体的にそんな行動をするのか示す
なぜ実現したいのか明確に述べる
志望する企業で実現できることを述べる
収益の視点からも考える
今から取り組んでいることは積極的に書く
自己理解ができているか
企業は応募者が自己理解をしているかどうかを重視します。
自己理解とは、自分の過去の経験から自分がどのような性格で、どのような価値観を持っているかを理解していることです。
突拍子もない目標や実現不可能なことを述べるのではなく、自己の経験や特性に基づいた現実的な目標を設定することが重要です。
過去の経験を深掘りし、それが現在の自分にどのように影響を与えたのかを考えることで、実現したいことを具体的かつ論理的に説明できます。
具体的にどんな行動をするのか示す
実現したいゴールがある場合、そのゴールを達成するために具体的にどのような行動を取るつもりなのかを明確に示すことが求められます。
単に「こうなりたい」と言うだけではなく、それを達成するための具体的な計画やステップを説明することが重要です。
例えば、目標達成のために必要なスキルを習得するための勉強計画や、実際に取り組むプロジェクトの例などを挙げると効果的です。
具体的な行動計画を示すことで、企業は応募者が目標達成に向けてどれだけ真剣に考え、計画を立てているかを評価しやすくなります。
なぜ実現したいのかを明確に述べる
最後に、目標や実現したいことを述べる際には、その理由を明確にすることが不可欠です。
なぜその目標を達成したいのか、どのような原体験やきっかけがあったのかを具体的に説明することで、企業は応募者のモチベーションや価値観を理解しやすくなります。
例えば、特定の経験がきっかけでその分野に興味を持ち、将来に向けてどのような貢献がしたいのかを伝えることが重要です。
このようにして、応募者の目標が単なる願望ではなく、深い意味や背景に基づいたものであることを示すことができます。
志望する企業で実現できることを述べる
志望する企業で実現できることをエントリーシートで述べることは、企業とのマッチ度を示すため、非常に重要です。
応募者がその企業で何を成し遂げたいかを具体的に書くことで、企業はその目標が自社の理念や事業内容と一致しているかを確認します。
これにより、企業側は応募者が自社で活躍できるかどうかの判断材料を得ることができます。
さらに、この内容を通じて、応募者の志望度や熱意も伝わります。
具体的な実現したいことを述べることで、「この企業だからこそ挑戦したい」という姿勢をアピールできます。
その結果、人事担当者の印象に残りやすくなり、選考を有利に進められる可能性が高まります。
したがって、志望する企業の特徴や事業内容を十分に理解した上で、自分の目標と結びつけた内容を記述することが大切です。
実現不可能な目標は述べない
エントリーシートで「実現したいこと」を語る際、その企業のリソースや事業内容、企業文化などを考慮せずに、あまりにも壮大で現実離れした目標を掲げることは避けましょう。
実現可能性の低い目標は、企業研究が不足している、あるいはビジネスの現実を理解していないといったマイナスの印象を与えかねません。
目標が「実現可能」かどうかは、単に個人の能力の問題ではなく、あくまで「その企業において成し遂げられるか」という視点が重要です。
企業の事業フェーズ、規模、業界での立ち位置などを踏まえた上で、地に足のついた、しかし挑戦的で意欲の感じられる目標を設定することが、説得力を持たせる鍵となります。
収益の視点からも考える
企業は営利目的の組織であり、どんなに素晴らしい目標であっても、収益につながらなければ継続的に実現することはできません。
そのため、自分のやりたいことを述べる際には、「それがどのように企業の成長や収益向上に貢献するのか」という視点を持つことが重要です。
たとえば、「環境に優しい製品を開発したい」という目標を持っている場合、それが企業にとってどのようなビジネスチャンスにつながるのかを考えることが大切です。
「持続可能な社会の実現に貢献しながら、新たな市場開拓やブランド価値の向上につなげたい」といったように、企業の利益と結びつけて説明すると、より実現可能性の高いビジョンとして伝わります。
今から取り組んでいることがあるなら積極的に書いていく
将来実現したいことを語るだけでなく、それに向けて現在どのような努力をしているのかを示すことで、計画性や本気度を伝えることができます。
企業は、単なる理想ではなく、実際に行動を起こしている人を評価する傾向にあります。
たとえば、「海外での事業展開に携わりたい」という目標があるなら、現在語学の勉強をしていることや、国際交流の機会を積極的に活用していることをアピールすると良いでしょう。
また、「データ分析を活用したマーケティングに携わりたい」という場合は、現在どのようなスキル習得に取り組んでいるのかを具体的に述べることが大切です。
こうすることで、計画性や実現可能性を示すだけでなく、「この人は成長意欲が高い」と企業に評価される要素にもなります。
【ESで実現したいことをアピール】構成方法
エントリーシートで将来実現したいことを述べる際、明確で読みやすい構成が重要です。
具体的には、結論から始め、理由や行動計画を段階的に記載し、読み手に伝わりやすい内容を心掛けましょう。
文章構成の効果的な方法として「PREP法」という方法があります。この方法では伝えたいことを読み手の方に効果的に伝えることができます。以下ではPREP法についてを詳しく述べてますので参考にしてみてください。
PREP法は、話を論理的かつ簡潔に、分かりやすく伝えるための代表的な手法です。 「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(結論)」の頭文字を取ったもので、この順番で情報を整理し伝えます。 まず最初に最も重要な「結論」を提示し、次にその結論に至る「理由」を述べます。 続いて、理由を補強する「具体例」やデータを示し、最後に念を押す形で再度「結論」を繰り返して締めくくります。 この構成を用いることで、聞き手や読み手は話の要点を素早く把握でき、内容の理解度と説得力が高まります。 プレゼンテーションや報告、文章作成など、ビジネスシーンを中心に幅広く活用されています。
まずは結論を
結論、つまり一番言いたいことを最初に述べることは、企業の方にとっても非常に重要なポイントとして見られています。
冒頭で結論を簡潔に記載することで、自分が何を実現したいのかが明確になり、読み手に強い印象を与えることができます。
たとえば、「貴社で新規事業の立ち上げに携わりたい」など、自分の目標を簡潔に記載します。
このように冒頭で結論を述べることで、採用担当者が「この先を読みたい」と感じるきっかけになります。
また、結論部分では簡潔さを重視しつつ、目標が企業の方向性とどのように結びつくかを示すと効果的です。
これにより、文章全体の流れがスムーズになり、伝わりやすい自己PRに繋がります。
実現したいことの理由を述べる
実現したいことを述べる際に理由を明確にすることは、企業に対して自身の価値観や動機を伝える上で非常に重要です。
ただ単に「○○を実現したい」と述べるだけでは、表面的な願望と受け取られる可能性がありますが、その背景にある体験や原体験を語ることで、説得力が大きく増します。
例えば、学生時代の研究やインターンでの経験が将来の目標に直結していることを示れば、「自分がなぜその企業で働きたいのか」が自然に伝わります。
また、自分自身の強みや得意分野が企業の事業領域に貢献できることを示せるため、マッチ度を高めることにも繋がります。
応募者の過去の経験や価値観が企業の求める人材像と合致しているかは、採用担当者にとって重要な評価ポイントです。
そのため、目標の背後にある強い動機を具体的に述べることが求められます。
実現するためにどう行動し企業に貢献するかを伝える
目標を実現するための具体的な行動計画と、それによって企業にどのような貢献ができるかを明確に述べることが大切です。
採用担当者は、応募者が行動力を持ち、企業に価値をもたらす人材であるかを重視します。
たとえば、「新規事業の成功に向けて、市場調査や他部署との連携を積極的に行いたい」など、具体的な行動を示します。
同時に、その行動がどのように企業に良い影響を与えるのかを記載することで、説得力が高まります。
さらに、企業の目標や課題を理解し、自分の行動がその課題解決に繋がることを示すと効果的です。
熱意を持って行動する姿勢を伝えることで、採用担当者に好印象を与えることができます。
ギャップを埋めるプロセスまで話せたら最高
将来実現したいことと現在の自分の間にあるギャップを認識し、それを埋めるためのプロセスを述べることで、さらに説得力が高まります。
自分に不足しているスキルや経験を具体的に挙げ、それをどのように補うつもりなのかを示しましょう。
たとえば、「現在はプレゼンテーションスキルに課題がありますが、研修や実践を通じて磨いていきます」など、具体的な行動計画を述べます。
このように記載することで、自分が成長を目指していることを伝え、企業での将来性をアピールできます。
また、このプロセスを記載することで、応募者自身が目標達成に向けて真剣に考えていることが伝わります。
【ESで実現したいことをアピール】実現したいことが見つからない場合
実現したいことをいきなり聞かれても何も思い浮かばない人も多くいると思います。
そんな時には行きたい企業の情報や、先輩を頼ったり、自己分析を細かく振り返ることで言語化できる場合があるので、具体的なやり方を解説します。
企業が求める人物像を参考にする
OB・OG訪問する
自己分析を振り返る
視点を変えて考えてみる
自分自身の価値観を明確にする
企業の求める人物像を参考にする
まだ実現したいことが明確でない場合、企業のホームページや説明会、パンフレットなどを参考にして企業の求める人物像を確認することが重要です。
企業のホームページには、求める人物像や企業理念が明記されており、それらを理解することで、自分がどのようにその企業で活躍できるかを具体的にイメージすることができます。
また、説明会や企業のパンフレットにも多くのヒントが含まれています。
企業がどのようなスキルや価値観を重視しているのかを理解することで、自分の強みやスキルをどのように企業の求める人物像に合わせてアピールするかを考えることができます。
OB・OG訪問をする
実際にその企業で働いているOB・OGを訪問することも有効です。
OB・OG訪問を通じて、実際の業務内容やキャリアパス、職場の雰囲気などを直接聞くことができます。
これにより、自分がその企業でどのように成長できるか、どのようなキャリアを築けるかを具体的にイメージすることができます。
また、OB・OGの話を聞くことで、自分がその企業で実現したいことが見えてくることもあります。
彼らがどのようなキャリアを積んできたのか、どのような目標を持って働いているのかを参考にすることで、自分自身の目標を具体化することができます。
自己分析を振り返る
自己分析を振り返り、自分がどのような仕事をしたいのか、どのようなプライベートを過ごしたいのか、どのような人と働きたいのかなど、将来のイメージを深めることも大切です。
自己分析を通じて、自分の価値観や強み、興味のある分野を再確認することで、実現したいことが見えてくることがあります。
例えば、自分が過去に達成したことや挑戦したことから得た経験や学びを基に、どのような環境でどのように働きたいのかを考えることができます。
また、自分が大切にしている価値観や人生観を基に、仕事を通じてどのように成長したいのか、どのような影響を与えたいのかを明確にすることができます。
視点を変えて考えてみる
「将来実現したいこと」が具体的に思い浮かばない時は、問いの角度を少し変えてみるのが有効なアプローチです。
「実現したいこと」を直接考えるのではなく、例えば「仕事を通じて、誰に、どのような影響を与えたいか?」「どんな課題を解決することで社会や企業に貢献したいか?」「どのような価値を提供できる人材になりたいか?」といった具体的な問いに変換してみましょう。
このように視点を変えることで、「多くの人の生活を豊かにしたい」「クライアントの成功を後押ししたい」「チーム全体の成果を最大化したい」など、漠然としていた思いが具体的な行動や目標に結びつきやすくなります。
自身の貢献イメージや仕事における役割を明確にするための良いきっかけとなるでしょう。
自分自身の価値観を明確にする
「将来実現したいこと」が漠然としている場合、自身の「仕事における価値観」を深く掘り下げることが有効です。
仕事を通じて何を最も大切にしたいのか、どのような状態や行動にやりがいを感じるのか、そして「これだけは譲れない」という信念は何か。
これらの価値観を明確にすることで、自ずと目指すべき方向性や具体的な目標が見えてきます。
例えば、「成長」を重要な価値観と捉えるならば、「様々な業務経験を通じてスキルを磨き、将来的には組織を牽引する立場で事業の発展に貢献したい」といった、仕事で達成したい具体的な目標へと繋げることができます。
自己分析を通じて自身の根幹となる価値観を理解することが、納得感のある「実現したいこと」を見つけるための重要なステップです。
【ESで実現したいことをアピール】書くときの注意点
実現したいことをESで書く際にはいくつか注意すべきことがあります。
企業はこの回答から自社における活躍イメージや、ミスマッチを防ごうと考えているので、そういった意識をもつことが重要です。
自分が主体な発言は控える(あくまでも企業ベース)
離職をイメージさせる発言は控える
抽象的な表現は避ける
自分が主体な発言は控える
ESで実現したいことをアピールする際には、自分が主体となる発言は控えるべきです。
例えば、「営業で1位になりたい」「こういう商品を作りたい」といった自己中心的な目標を掲げると、採用担当者に対して企業に貢献する姿勢が見えにくくなります。
企業は、自分の成果だけを追求する人材よりも、チームや組織全体に貢献できる人材を求めています。
したがって「消費者にとって価値のある商品を企画・開発し、企業の成長に寄与したい」といった、組織全体の利益を考えた発言が重要です。
このように、自分の目標を企業全体の目標とリンクさせることで、企業への貢献意欲をアピールできます。
あくまでも企業ベースに考える
エントリーシートで実現したいことを述べる際には、自分の成長や熱意だけでなく、それが企業にどのような利益や影響をもたらすかを意識することが重要です。
「自分が何を実現したいのか」を述べることは大切ですが、それだけでは企業側の共感や評価を得るのは難しい場合があります。
企業は応募者の目標が自社の事業や理念とどの程度一致しているかを重視します。
したがって、自分の目標が企業の成長や業績向上にどう貢献するかを明確に記載する必要があります。
具体的には、目標を達成するために必要なスキルや行動を示し、それが企業の利益や競争力向上に繋がることをアピールすると効果的です。
起業など、離職をイメージさせることは避ける
ESでのアピールでは、将来的な離職をイメージさせる発言は避けるべきです。
例えば、「いずれ起業したい」「独立して自分のビジネスを立ち上げたい」といった目標を掲げると、企業はその人材が長期的に働かない可能性を懸念します。
企業にとって、新しい人材を採用し、育成するには時間とコストがかかります。
採用した人材がすぐに離職してしまうと、企業にとって大きなデメリットとなります。
そのため、起業や独立を目指す発言は避け、企業での長期的なキャリアを見据えた目標を掲げることが重要です。
「長期的に企業の成長に貢献したい」といった、企業に対する忠誠心や継続的な貢献意欲を示す発言が望ましいです。
抽象的な表現は避ける
実現したいことをアピールする際には、抽象的な表現を避けることが大切です。
例えば、「頑張りたい」といった曖昧な表現では、具体的にどのような業務や目標を持っているのかが伝わりにくく、働いているイメージを採用担当者に持ってもらえません。
具体的な目標や計画を示すことで、より説得力のあるアピールができます。
例えば、「新規顧客開拓のプロジェクトを通じて、売り上げを20%向上させたい」といった具体的な目標を設定し、それを達成するための具体的なプランも示すことが重要です。
これにより、自分のビジョンや計画が明確に伝わります。
【ESで実現したいことをアピール】業界別!参考例文
業界別で将来実現したいことに関するESの例文をいくつか用意しました。
人気業界をピックして紹介するので、自分の興味関心がある業界の例文があれば是非参考にしてみてください。
IT業界
私が貴社で実現したいことは、最新の技術を駆使して社会全体のデジタル化を推進し、人々の生活をより便利に、豊かにすることです。
具体的には、AIとIoTを融合させたスマートシステムの開発に取り組みたいと考えています。
大学での研究を通じて、AIのアルゴリズム開発とデータ解析の基礎を学びました。
この知識を活かし、貴社の強力な技術基盤と連携し、スマートシティプロジェクトやデジタルヘルスケアの分野で新しいソリューションを提供することを目指します。
例えば、都市のインフラ管理を最適化するシステムや、個人の健康管理を支援するアプリケーションの開発などです。
これらのプロジェクトを通じて、地域社会や個々の生活の質の向上に貢献し、貴社の技術力を世界に示すことが私の目標です。
以下の記事ではIT業界についてのことが詳しく載っていますので是非参考にしてみてください。
広告業界
私が貴社で実現したいことは、クリエイティブな広告キャンペーンを通じて、消費者とブランドの間に強固な絆を築くことです。
具体的には、デジタルマーケティングの技術を駆使して、パーソナライズされた広告体験を提供したいと考えています。
大学時代にはマーケティングとデータ分析を専攻し、消費者の行動データを基にしたターゲティング広告の効果を研究しました。
貴社の豊富な経験とリソースを活かし、データドリブンなアプローチで広告のパフォーマンスを最大化し、クライアントのビジネス成長に寄与したいと考えています。
特に、AIを用いた広告の最適化や、SNSを活用したインフルエンサーマーケティングの戦略を構築することで、クライアントのブランド認知向上に貢献したいです。
以下の記事では広告業界についてのことが詳しく載っていますので是非参考にしてみてください。
メーカー
私が貴社で実現したいことは、革新的な製品開発を通じて、消費者の日常生活をより快適で便利にすることです。
特に、エコフレンドリーな製品の開発に注力したいと考えています。
大学での工学部での研究を通じて、環境に配慮した素材や製造プロセスについて学びました。
これを貴社の製品開発に応用し、環境負荷を低減しつつ、高性能でユーザーに喜ばれる製品を作りたいと思います。
例えば、再生可能エネルギーを活用した家庭用電化製品や、持続可能な素材を使った消費財などです。
これらの取り組みを通じて、貴社のブランド価値を高めるとともに、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。
以下の記事ではメーカーについてのことが詳しく載っていますので是非参考にしてみてください。
商社
私が貴社で実現したいことは、グローバルな視点で新しいビジネス機会を創出し、国際的な貿易やビジネスの発展に貢献することです。
特に、新興市場への進出や、サステナブルなビジネスモデルの推進に力を入れたいと考えています。
大学での国際ビジネスの専攻を通じて、異文化理解や国際貿易の基礎を学びました。
貴社の広範なネットワークと強力なリソースを活かし、新たな市場開拓や持続可能なビジネスの推進を目指します。
例えば、アジアやアフリカの新興市場での新製品の導入や、環境に優しい貿易ルートの確立など、貴社の国際的なプレゼンスを強化し、持続可能な経済成長を実現したいと考えています。
以下の記事では商社についてのことが詳しく載っていますので是非参考にしてみてください。
金融業界
私が貴社で実現したいのは、顧客一人ひとりに最適な金融サービスを提供することです。
大学では経済学を専攻し、金融市場の動向分析やリスクマネジメントについて学びました。
また、アルバイト経験を通じて、顧客ニーズを把握することの重要性を実感しました。
貴社での業務を通じて、顧客の資産運用やライフプランニングに寄り添いながら、長期的な信頼関係を築きたいと考えています。
さらに、時代の変化に対応した新しい金融商品やサービスの提案にも積極的に取り組みたいです。
私は、顧客の期待に応えるだけでなく、それを上回る提案を行うことで、貴社の成長と顧客満足度の向上に寄与したいです。
また、デジタル技術を活用し、新たな金融サービスの可能性を探り、顧客と企業双方に利益をもたらしたいです。
以下の記事では金融業界についてのことが詳しく載っていますので是非参考にしてみてください。
コンサルティング業界
私が貴社で実現したいのは、クライアントの課題解決を通じて、企業の成長を支援することです。
大学時代、ビジネスコンテストに参加し、企業が抱える課題を分析し、具体的な解決策を提案する経験を積みました。
その際、データ分析やチームでの議論を重ねたことで、課題解決能力の重要性を学びました。
貴社では、クライアントの現状を的確に把握し、実現可能な戦略を提案するコンサルタントとして活躍したいと考えています。
また、プロジェクトを通じて自身も成長し、幅広い業界の知識を身に付けたいです。
そして、クライアントの期待を超える成果を提供することで、貴社の信頼をさらに高める役割を果たしたいです。
将来的なキャリアとしては、経営戦略だけでなく社会的な課題解決にも寄与できるプロジェクトに携わりたいと考えています。
以下の記事ではコンサルティング業界についてのことが詳しく載っていますので是非参考にしてみてください。
【ESで実現したいことをアピール】業種別!参考例文
ESで「将来実現したいこと」を魅力的に伝えるのは難しいものです。
ここでは、具体的なイメージ作りの参考として、職種別の例文をご紹介します。
営業、販売、エンジニア、開発、クリエイティブ職の5例です。
ご自身の経験や強み、志望企業の特徴を反映させ、あなたならではの回答を作成する際のヒントにしてください。
あくまで例文ですので、内容を丸暗記するのではなく、構成やアピールの切り口を参考にすることが重要です。
営業職
貴社の「顧客との長期的な信頼関係構築」を重視する営業スタイルに強く共感しています。
学生時代のカフェでのアルバイトリーダー経験で培った、相手の立場に立ってニーズを汲み取り、期待を超える提案をする力を活かしたいです。
将来的には、単に製品を販売するだけでなく、顧客の事業成長に深く寄り添うパートナーとして、〇〇業界における課題解決に貢献したいと考えています。
そのために、まずは担当顧客との関係構築に全力を注ぎ、3年後には顧客から最も信頼される営業担当者となることを目指します。
そして、顧客の成功を通じて貴社の〇〇分野でのシェア拡大を実現したいです。
販売職
「お客様一人ひとりの日常を豊かにする」という貴社の理念に魅力を感じています。
私はアパレル販売のアルバイトで、お客様との会話から潜在的なニーズを引き出し、パーソナルな提案を行うことにやりがいを感じてきました。
この経験を活かし、貴社の店舗で「またあなたに相談したい」と思っていただけるような、温かい接客を実現したいです。
将来的には、豊富な商品知識と顧客理解に基づいた VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)提案なども行い、店舗全体のファンを増やし、売上向上に貢献したいと考えています。
お客様の笑顔を一番近くで見られる販売職として、ブランド価値向上の一翼を担いたいです。
エンジニア職
貴社の〇〇技術が持つ、△△分野における革新性に将来性を感じています。
大学での□□に関する研究で培った課題解決能力と粘り強さを活かし、製品の性能向上や生産効率改善に貢献したいです。
特に、貴社が注力されている〇〇システムの安定稼働と、さらなる機能拡張に携わりたいと考えています。
将来的には、技術的な知見を深めるだけでなく、ユーザーの視点を理解し、真に価値のあるソリューションを提供できるエンジニアになりたいです。
そのために、最新技術の学習を怠らず、チームメンバーと積極的に議論を交わしながら、高品質なモノづくりを通じて社会の発展に貢献したいです。
開発職
「世の中にない新しい価値を創造する」という貴社の開発ポリシーに強く惹かれています。
私は大学で〇〇(プログラミング言語や研究分野など)を学び、△△(具体的な開発経験や研究内容)に取り組む中で、0から1を生み出すことの難しさと面白さを実感しました。
貴社が持つ□□に関する独自技術と、私の〇〇の知識を掛け合わせることで、人々の生活をより便利で豊かにする△△のような新しいサービスやプロダクトを開発したいです。
将来的には、技術トレンドを先読みし、事業戦略に基づいた革新的な開発をリードできる人材になることを目指し、貴社の持続的な成長に貢献したいと考えています。
クリエイティブ職
貴社の〇〇(商品や広告など)が持つ、人の心を動かす独創的な世界観に魅了されています。
学生時代に△△(デザイン、映像制作、コピーライティングなど)の経験を通じて培った、コンセプトを形にする力と、ターゲットのインサイトを捉える力を活かしたいです。
貴社のクリエイティブチームの一員として、ブランドの魅力を最大化し、生活者の記憶に残るような□□(具体的な制作物:広告キャンペーン、Webサイト、パッケージなど)を生み出したいと考えています。
将来的には、データ分析なども取り入れながら、感性だけでなく論理に基づいたクリエイティブ戦略を立案・実行し、社会にポジティブな影響を与える表現を追求したいです。
【ESで実現したいことをアピール】NG例文と解説文
先に述べた「実現したいこと」を書く際の注意点を、より具体的に理解するために、ここでは陥りやすい「NG例文」と詳しい解説を紹介します。
「根拠がない」「目標が低すぎる」「貢献視点がない」といった典型的な失敗例とその問題点を明らかにします。
これらの例を反面教師とし、ご自身のESに同様の問題がないか確認・改善するための参考にしてください。
良い例だけでなく、悪い例から学ぶことも効果的なES作成の近道です。
裏付けとなる根拠がない
私は、世界を変えるような革新的なサービスを生み出したいという強い情熱を持っています。
貴社は業界のリーディングカンパニーであり、優秀な方々と共に働くことで、必ずや社会に大きなインパクトを与えることができると信じています。
持ち前のコミュニケーション能力とチャレンジ精神を活かし、これまでにない斬新なアイデアで、貴社の発展に貢献し、世界中の人々を驚かせるようなプロジェクトを実現したいです。
簡単に達成できる目標
私は、貴社に入社後、まずは一日も早く部署の皆さんと仲良くなり、チームの一員として基本的な業務をしっかりと覚えることを実現したいです。
そして、先輩方の指示をきちんと聞き、ミスなく着実に仕事をこなせるようになることを目指します。
就活コンサルタント木下より

この回答の問題点は「目標設定の低さ」と「受け身の姿勢」です。 「同僚と親睦を深める」「基本業務の習得」「ミスなくこなす」などは、新入社員として最低限求められることであり、「実現したいこと」としてアピールするには物足りません。 これでは成長意欲が低いと見なされる可能性があります。 また「覚える」「聞く」といった受動的な表現が多く、主体的に目標達成を目指す積極性が感じられない点も、意欲をアピールすべき場ではマイナス評価に繋がりやすいでしょう。
会社の業績向上には触れない
私は、貴社が持つ最先端の〇〇技術に強い興味があります。
入社後は、充実した研修制度やOJTを通じて、まずはこの〇〇技術に関する知識とスキルを徹底的に吸収したいと考えています。
そして、その分野の第一人者と呼ばれるような専門家へと成長していくことを実現したいです。
就活コンサルタント木下より

この回答は、自身の学びや成長への意欲に終始し、「会社への貢献」視点が欠落している点が問題です。 「専門家になりたい」という目標に対し、その成長をどう企業の業績向上や事業発展に繋げるのかが具体的に述べられていません。 また「研修を受ける」「吸収する」といった受動的な表現が多く、主体性に欠ける印象を与えます。 結果として、会社の資源を使って自己成長することばかりが強調され、自己中心的で採用する企業側のメリットが不明瞭な回答となっています。
まとめ
ESで問われる「将来実現したいこと」は、あなたの価値観と企業への貢献意欲を示す重要な項目です。
単なる「夢」や抽象論ではなく、自己分析に基づいた具体的な目標を、PREP法なども参考に論理的に記述しましょう。
なぜそれを目指すのか(理由)、どう達成するのか(行動)、そして企業にどう貢献するのか(貢献)を明確に示すことが重要です。
目標が見つからない場合は、視点を変えたり、自身の譲れない価値観を深掘りしたりすることが有効です。
本記事で紹介した業界別例文や、根拠のない目標・自己中心的な内容といったNG例文解説を参考に、あなたならではの熱意あるビジョンを伝え、長期的に活躍できる人材であることをアピールしてください。
就活コンサルタント木下より
この回答の問題点は、熱意は伝わるものの「根拠の欠如」と「表現の抽象性」です。 「世界を変えたい」等の意欲に対し、「なぜそう思うのか(原体験)」「なぜこの会社か(事業との関連)」「どう実現するか(経験・スキル活用)」という具体的な裏付けが欠けています。 また「革新的なサービス」「大きなインパクト」などの言葉は抽象的で、どの企業にも当てはまるため、説得力がありません。 結果として、目標達成への本気度や計画性、企業への深い理解が伝わらず、評価されにくい内容となっています。