
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
就職活動において、自分に合った企業を見つけるためには、業界選びが極めて重要です。
その中でも、将来性のある業界、すなわちこれから伸びる業界を見極めることは、キャリアの安定性と成長機会の両方を得る上で大きな鍵となります。
この記事では、成長が期待される業界の特徴や、その見極め方、さらに業界選びのヒントやインターン選びの考え方まで幅広く紹介していきます。
【これから伸びる業界】そもそも伸びる業界とは?
就職活動では業界選びが将来を大きく左右するため、どの業界が今後伸びるのかを見極めることは極めて重要です。
自身のキャリアを築いていく上で、成長性のある分野に身を置くことは、安定性ややりがいを得やすくなるだけでなく、変化の激しい時代にも柔軟に対応できる基盤を作ることにつながります。
ここでは、これからの社会で拡大が期待される業界について解説します。
市場規模や社会ニーズ
成長が期待される業界には、必ずと言ってよいほど明確な市場ニーズが存在します。
高齢化が進む現代においては、医療・介護・在宅支援といった分野がますます拡大しつつあり、多様なサービスや専門職の需要が高まっています。
一方で、環境問題への意識が高まる中、再生可能エネルギーや脱炭素技術を取り扱う業界にも社会的な関心と資金が集中しています。
このように、人々の生活課題や社会の構造的変化に基づく需要は、今後も持続的に市場を広げていく要因となります。
また、既存の仕組みでは解決できない課題に対して、新たな商品やサービスを展開する企業が評価されやすくなる傾向があります。
国の支援・政策との関係
業界の成長性を測るうえで、国の支援や政策との関わりは非常に重要な観点になります。
政府が重点的に予算を配分している分野や、法律改正により規制が緩和された業界には、起業家や企業が集まりやすくなり、結果として新たな雇用や事業機会が生まれます。
たとえば、スタートアップ支援制度や地方創生関連の補助金、カーボンニュートラルへの移行を後押しする技術開発助成などは、関連業界の発展を加速させる材料となります。
また、国が定める成長戦略や中長期ビジョンにおいても、どの産業に重点が置かれているかを知ることは大切です。
制度的な後押しがあることで資金調達もしやすくなり、業界全体の競争力や発信力が高まるという好循環が生まれます。
企業数・求人増加の傾向あり
伸びる業界には、人材需要の高まりや企業の新規参入が活発であるという共通点があります。
新たに起業する企業が増えている、もしくは大手企業が積極的に新規事業を展開している分野では、求人件数が急増する傾向にあります。
これは、既存の業界構造が変化している兆候であり、特に若手人材や未経験者にとってはチャンスが多く存在することを意味します。
また、業界全体が拡大していることで、キャリアパスの多様性や柔軟な働き方の選択肢も広がりやすくなります。
こうした求人動向を把握するためには、求人サイトや業界レポートを活用し、募集職種の傾向や求められるスキルの変化を定期的にチェックすることが大切です。
【これから伸びる業界】5年先を見据えた注目業界
将来性のある業界を見極めることは、就職活動において非常に重要な視点です。
どれだけ自分に合った仕事でも、その業界自体が縮小傾向にあると、長期的なキャリア設計に不安が残ります。
反対に、拡大を続ける業界では、新たなポジションや成長のチャンスに恵まれやすく、未経験者であっても挑戦の機会が得られる可能性があります。
ここでは、5年後、10年後を見据えて今後の成長が期待される業界について、背景や動向とともに詳しく解説していきます。
IT・DX業界
ITやDX(デジタルトランスフォーメーション)の分野は、全業種の基盤を支える存在として急速に重要性を増しています。
とくに企業の業務効率化や顧客体験の向上を目的としたシステム導入が加速しており、クラウドやAI、RPAなどの活用が一般化しつつあります。
国もDX推進に対する支援を強めており、中小企業や行政に対する導入支援などの施策が進んでいます。
技術職に限らず、コンサルティングや営業、企画職においても人材需要が拡大しています。
変化の速い分野であるため、常に学び続ける姿勢が求められますが、その分スキルを身につけることで、どの業界でも活躍できる強みを得られる点が魅力です。
医療・ヘルスケア業界
医療・ヘルスケア分野は、少子高齢化の進展に伴い安定的な成長が続くと見られています。
病院やクリニックなどの医療機関だけでなく、在宅医療や介護サービス、健康管理アプリなど、支援領域が広がっています。
また、健康意識の高まりによって、予防医療やサプリメント、フィットネステックへの投資も盛んになっています。
医療現場の業務効率化や人手不足を補うためのIT技術導入も活発であり、テクノロジーと医療の融合が進んでいます。
文系・理系を問わず活躍できる場が多く、社会貢献性の高い仕事を志望する学生にとっては、有力な進路の一つとして挙げられます。
環境・エネルギー業界
環境・エネルギー業界は、脱炭素社会の実現や再生可能エネルギーの普及に向けて大きく動いています。
世界的なカーボンニュートラルの流れを受け、日本国内でも電力の再エネシフトや電気自動車インフラ整備などの取り組みが拡大中です。
また、再エネ発電設備の設計や建設、メンテナンスを担う技術職に加え、エネルギーマネジメントを行う企画・営業ポジションなど幅広い職種で需要が高まっています。
環境ビジネスはSDGsやESG投資といった観点からも注目されており、企業の社会的責任を果たす意味でも重要性を増しています。
将来的にも政府の支援や規制強化のもと、事業機会が多い分野として長期的に安定した成長が期待されます。
インフラ・建設テック業界
インフラ・建設分野は従来型の労働集約型から、ITやIoTを活用したスマート建設への移行が進んでいます。
国内では老朽化した道路や橋梁、水道施設などの更新需要が増加しており、公共投資も継続的に行われています。
加えて、人手不足対策として、建設現場での自動化や遠隔操作、BIM(建築情報モデリング)などの導入が加速しており、これらを担うIT人材へのニーズも高まっています。
また、災害対策や都市再開発の観点からも、インフラへの関心は今後も続く見通しです。
設計や施工管理だけでなく、ソフトウェア開発やデータ解析といったスキルも活かせるため、多様なバックグラウンドを持つ人に門戸が広がっています。
EC・物流業界
EC・物流業界は、ネット通販の拡大にともない、今後も成長が見込まれる分野です。
特にスマートフォンの普及とライフスタイルの多様化が背景にあり、日用品から食品、医薬品まで幅広い商品がオンラインで取引されています。
これにより、物流センターや配送システムの最適化が求められ、自動化技術やデジタルツールの導入が進んでいます。
また、再配達の削減やラストワンマイルの効率化といった課題解決に向けて、ITエンジニアや企画職の役割も重要です。
物流業界の変革は、単なる配送業務にとどまらず、ビジネスモデル全体を支えるインフラとしての進化が続いており、若手人材にとっても参入しやすく、多様なキャリアの可能性が広がっています。
食品業界
食品業界は、人々の健康志向の高まりや国内外の食文化への関心の高まりを背景に、常に一定の需要がある安定した業界です。
特に近年は、機能性食品やプラントベース食品、アレルギー対応商品など、ニッチな分野への市場拡大が進んでいます。
また、海外市場を見据えた輸出や、インバウンド需要を取り込むための戦略も進行中で、企画開発やマーケティング、国際営業など幅広い職種で活躍の場があります。
安全管理や品質保証の重要性も高く、理系の知識を持つ人材も求められています。
食の安心・安全を支えるという社会貢献性の高さも魅力であり、今後も市場ニーズに応じた柔軟な商品開発と供給体制が求められる成長領域です。
教育テクノロジー業界
教育テクノロジー業界は、オンライン学習の普及や個別最適化された学習支援のニーズにより、急成長している分野です。
小中高の義務教育から大学、社会人向けのリスキリングまで幅広い領域でITを活用した学びの仕組みが導入されています。
特にAIによる理解度の解析や、アダプティブラーニングといった手法は、学習の質を大きく変えています。
動画教材、eラーニング、教育アプリの開発には、教育分野への関心とITリテラシーを併せ持つ人材が求められており、スタートアップから大手企業まで活躍の場が広がっています。
金融テクノロジー業界
金融テクノロジー業界は、キャッシュレス化の加速や投資サービスの拡大を背景に急成長しています。
従来の銀行や証券会社が提供していたサービスが、スマートフォン一つで完結するようになり、金融サービスのUXが大きく進化しています。
個人投資家の増加や、分散型金融(DeFi)、暗号資産といった新しい技術も登場し、多くのベンチャー企業が台頭しています。
この分野では、プログラミングやデータ解析、セキュリティ知識を持つIT人材だけでなく、金融リテラシーのあるマーケティング職やプランナーも活躍しています。
金融の透明性や利便性を高めるという観点から、社会的にも注目されており、新たな金融体験の創出に関わりたい人にとって魅力的な業界です。
宇宙・航空業界
宇宙・航空業界は、民間企業による宇宙開発や観測技術の進化、さらには国際協力の拡大により注目を集めている分野です。
人工衛星を用いた通信、気象・農業支援、災害対策などの社会課題解決に貢献できることが、企業や国家からの投資を促進しています。
また、宇宙旅行や宇宙インフラ構築といった構想も現実味を帯びており、航空宇宙産業は今後10年で一層拡大する見込みです。
この分野では、機械・電気系のエンジニア、ロケットや衛星の開発技術者、データ解析を担う理系人材が中心ですが、プロジェクトマネジメントや広報など文系の活躍の場も広がりつつあります。
サイバーセキュリティ業界
サイバーセキュリティ業界は、デジタル化社会においてますます重要性が高まる分野です。
企業や行政機関の情報漏洩リスクが増大する中、セキュリティ対策は組織運営に不可欠な要素となっています。
リモートワークやクラウドサービスの普及に伴い、サイバー攻撃への備えが求められ、攻撃の予兆を察知する監視体制や、被害時の対応能力が重視されています。
エンジニアや情報系の専門人材だけでなく、セキュリティポリシー策定や教育研修などを担う人材も需要があり、文理を問わず参入が可能です。
国家レベルでも重要視される領域であるため、安定性や社会的使命感を持って働きたい人に向いています。
フードデリバリー業界
フードデリバリー業界は、ライフスタイルや価値観の変化に伴い急速に成長している分野です。
外食の代替手段としてだけでなく、日々の生活を効率化する手段としても定着しつつあります。
共働き世帯の増加、高齢化、個食傾向の広がりなどの社会的背景が追い風となり、飲食店や食品メーカーも積極的に参入しています。
配送システムの最適化やアプリ開発、品質管理など、ITやロジスティクスに関する多様な職種が求められており、現場のオペレーションだけでなく、企画・分析・カスタマー対応なども重要な役割を担います。
今後もニーズの高まりと技術革新が期待される業界であり、柔軟な発想力と課題解決力を持つ人材に向いています。
【これから伸びる業界】見極め方を知っておこう
就職活動において、どの業界がこれから成長するかを見極める力は非常に重要です。
単に人気や知名度で選ぶのではなく、社会の変化に強く、新たな価値を生み出せるかという視点が求められます。
変化の激しい時代だからこそ、DXや多様性対応力、政策支援を背景に持つ業界は、将来性を見据えたキャリア選択の基盤となります。
ここでは、成長が期待される業界を正しく見極めるためのポイントを解説します。
業務効率化でアナログからの脱却をしているか
企業が成長し続けるためには、業務の非効率を見直し、アナログな作業から脱却する姿勢が欠かせません。
デジタルトランスフォーメーション(DX)や自動化を積極的に導入し、社内プロセスや顧客対応業務を効率化している業界は、高い生産性を継続的に維持できる可能性があります。
たとえば、会計や人事業務におけるクラウド化やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、製造業でのIoT導入による品質管理の自動化など、業務改革の取り組みが成果を生むケースも多いです。
こうした取り組みによって、人材リソースをより高付加価値な業務に振り向けられる企業は、中長期的に競争優位を維持しやすくなります。
ライフスタイルの変化に対応しているか
社会全体のライフスタイルが変化する中で、それに対応できる業界は成長ポテンシャルを持ちます。
リモートワークや在宅勤務が常態化しつつある昨今、通信インフラやテレワーク支援サービスの業界や、健康志向に応える食品・フィットネス関連分野も注目されています。
従来は外食中心だった消費も、デリバリーや家庭での調理支援サービスへと変化しており、食品流通やフードテック企業の成長が顕著です。
こうした変化に柔軟に応じて新たな商品・サービスを生み出す業界は、消費者のニーズに即応できるという強みを持ちます。
ジェンダー・年齢問わず活躍できる環境
多様性を受け入れる企業文化を持つ業界は、長期的に人材を確保し成長を続けやすい傾向があります。
ジェンダーや年齢に関係なく活躍できる制度や研修が整備されていると、離職率の低下や多様な視点によるイノベーションが生まれやすくなります。
育児休業や時短勤務、ダイバーシティ推進プロジェクトの有無、またシニア人材の活用など、社員に合わせて柔軟に働き方を変えられる職場は魅力的です。
業界としてこうした取り組みに積極的なのかを調べるには、企業の公式サイトや有価証券報告書、口コミサイトなどが参考になります。
先端技術をさせる部品供給の中核を担う
先端技術を実現するためには、基幹部品の存在が不可欠です。
半導体、ディスプレイ材料、精密部品などは、エレクトロニクス、自動車、通信などの幅広い産業の土台であり、ここで高いシェアを持つ企業は強固なポジションを築いています。
とくに日本企業が得意とする精密加工や素材研究は、世界的にも高く評価されています。
こうした部品メーカーは業界の景気変動に左右されにくく、技術革新の一翼を担えるため、安定性と成長性を兼ね備えた分野と言えます。
部品シェア世界トップ、技術特許多数といった情報に注目し、基礎技術を支える強みを持つ企業に注目するとよいでしょう。
政策的に成長が期待されている産業
政府の成長戦略や補助金政策に後押しされている分野は、高い成長ポテンシャルを持つ傾向があります。
たとえば、再生可能エネルギーへの支援制度、デジタル社会推進関連の補助金、農山漁村でのスマート技術導入などは、意図的に企業の参入が促進されています。
こうした政策的支援は、市場参入のハードルを下げるだけでなく、投資家や大企業が新規事業に踏み出しやすい環境を整える役割もあります。
政府支援、補助金対象、規制緩和中といったキーワードを基準に業界や企業を比較する視点を持ち、長期的に成長しやすい環境を見極めることが重要です。
【これから伸びる業界】企業選びに迷ったときは?
就職活動を進める中で、自分に合った業界を選ぶのは非常に悩ましい課題です。
知名度のある企業や安定性で選ぶのも一つの方法ですが、今後の社会変化や成長性に目を向けることも大切です。
以下では、企業選びに困ったときの効果的な手法をお伝えします。
「自分の興味×伸びる業界」で選ぼう
将来性のある業界を選ぶうえで、自分の興味や関心と結びつけることは非常に有効です。
単に成長している業界だからという理由だけで選んでも、日々の仕事にやりがいを感じられなければ長続きしません。
一方で、自分の関心がある分野が社会の変化と合致していれば、やりがいを持ちながら長期的に働ける可能性が高まります。
たとえば、環境問題に関心がある人であれば、再生可能エネルギーやリサイクル業界に注目するとよいです。
IT技術に興味があれば、デジタル化が進む業界やサービス開発を行う企業に魅力を感じるかもしれません。
このように、将来的な社会のニーズと自分の関心が交わる業界を見つけることが、後悔のない就職選択につながります。
働き方や職種から考えるのもアリ
業界選びは、職種や働き方から逆算する方法も非常に効果的です。
どのようなスキルを活かしたいのか、どのような働き方を望んでいるのかを起点にすることで、視野を広げた業界選択が可能になります。
たとえば、在宅勤務やフレックス制度に魅力を感じるなら、ITやクリエイティブ系の業界が候補に挙がるでしょう。
人と接する仕事がしたいという思いが強ければ、営業職を多く抱える業界や、接客業務が中心の分野に向いているかもしれません。
このように、自分のライフスタイルや価値観に合わせた職種や働き方を軸に据えることで、実際に働いたときの満足度も高まりやすくなります。
【これから伸びる業界】成長業界に向いてる人の特徴
これから伸びる業界には、高い成長性と変化への適応力が求められます。
技術革新や市場の変動が激しい中で働くには、環境の変化を前向きに受け入れる姿勢や、継続的にスキルを更新する意識が重要です。
そのため、成長業界で活躍するためには、単に能力だけでなく、考え方や行動特性も重視されます。
ここでは、成長業界に向いている人の特徴について具体的に見ていきます。
変化を前向きにとらえられる
成長業界において最も重要な素養の一つが、変化に前向きであることです。
急速に進化する市場環境の中では、昨日までの常識が通用しない場面も少なくありません。
そうした状況において、過去のやり方に固執するのではなく、新しい手法や環境を受け入れ、柔軟に対応できる力が求められます。
たとえば、業務プロセスの刷新や、組織の再編などがあったとき、否定的に捉えるのではなく、自らチャンスとして行動できる姿勢が重視されます。
特にITや医療、エネルギーといった分野では、技術革新や法改正などが頻繁に起こるため、変化に前向きなマインドは不可欠です。
学び続ける姿勢がある
成長産業では、常に新しい知識や技術が求められます。
そのため、学び続ける姿勢があるかどうかは、長期的な活躍に直結する重要なポイントとなります。
新しい情報をキャッチアップし、それを自らの業務に取り入れていく能力が、変化の激しい業界では不可欠です。
たとえば、技術の進化が早いIT業界では、プログラミング言語やツールのアップデートに対応するための自己研鑽が欠かせません。
また、医療や金融でも、制度や技術の変化に適応するために、継続的な知識更新が求められます。
企業は、研修制度やスキル支援を整えているところも多いため、それを活かし自ら学ぼうとする姿勢が評価されます。
柔軟なコミュニケーション力がある
成長業界では、チームや他部門、外部パートナーとの協働が非常に多くなります。
そのため、柔軟なコミュニケーション力がある人材は、企業にとって重要な戦力となります。
単に自分の考えを伝える力だけでなく、相手の立場や状況を理解し、適切に対応できるバランス感覚が求められます。
とくに新しい取り組みやプロジェクトでは、明確な正解がない中で、多様な関係者と調整を進める場面が多くなります。
そうした場面で、相手の意見を尊重しつつ自分の意見も述べることができる柔軟性が求められます。
また、リモートワークや多国籍チームのように、働く環境や人材が多様化するなかで、円滑に連携できる力も重要です。
【これから伸びる業界】業界研究の始め方
これから伸びる業界を見極めるためには、まず業界の全体像を把握し、職種や企業との違いを正しく理解することが大切です。
業界研究は就職活動の土台となるステップであり、今後の進路選択に大きく影響を与えます。
そのためには、信頼性のある情報源を活用しながら、少しずつ自分の関心や適性と照らし合わせていくことが重要です。
そもそも「業界」って何?
業界とは、共通の製品やサービスを扱う企業の集まりを指します。
たとえば、自動車業界、IT業界、医療業界などがあります。
就活で混同しがちなのが、業界と職種、企業の違いです。
業界は何を提供するか、職種はどんな役割を担うか、企業はどの会社で働くかと整理して考えることがポイントです。
たとえば、営業職という職種でも、働く業界が医療か広告かで求められる知識や提案内容は大きく異なります。
まずは自分がどの業界に関心を持っているのかを明確にし、その上でどの職種に向いているかを考えると、スムーズに自己分析や志望動機に繋げることができます。
業界という大枠を理解することで、就活全体の軸が整いやすくなります。
業界マップ・四季報などを活用しよう
業界研究を始めるうえで有効なのが、業界マップや四季報、各種業界ガイドです。
業界マップは、日本経済新聞社などが毎年発行しており、業界同士のつながりや規模感を視覚的に把握できます。
また、就職四季報には企業情報だけでなく、業界全体の解説や将来性、働き方の特徴なども掲載されています。
まずはこうしたツールで、広く浅く全体像を掴むことが重要です。
偏った情報源ではなく、複数の信頼できる資料に触れることで、業界をより多角的に捉えられるようになります。
一気に完璧な知識を得ようとするのではなく、時間をかけて段階的に理解を深めることが、質の高い志望動機につながります。
気になる業界は企業もみて具体化
興味のある業界が見つかったら、次のステップは実在する企業を調べて、具体的な業務や働き方のイメージを深めることです。
企業ごとに扱う商品やサービス、事業展開の方針、社風などは異なります。
たとえば、同じ食品業界でも、高級志向の企業と低価格路線の企業では、マーケティング戦略や営業スタイルも変わります。
気になる業界の中から複数の企業をピックアップし、公式ホームページやIR情報、ニュース記事などを通じて理解を深めましょう。
このプロセスを通じて、この企業でどんな仕事をしたいのか、なぜこの業界なのかという自分なりの答えが見えてきます。
【これから伸びる業界】よくある質問
成長産業や将来性の高い分野に注目が集まる中で、就活生の間ではどの業界が伸びるのか、そこに進むべきかなど、さまざまな疑問が生まれています。
ここでは、よくある質問に対して客観的な視点から解説し、就職活動の方向性を見極めるためのヒントを紹介します。
安定している業界=伸びる業界なの?
安定している業界と成長している業界は、必ずしも一致しません。
安定しているとは、市場規模が大きく、急な変動が少ない業界を指すことが多いです。
たとえば、インフラや医療、公共事業系の業界は、景気に左右されにくい点から安定的とされます。
一方、成長している業界は、需要が急拡大していたり、新たな技術やライフスタイルに対応して変化している領域を指します。
そのため、成長性はあるものの、変化のスピードが早く、将来の競争も激しくなる可能性があることも理解しておくべきです。
就活では、自分の価値観や将来像に照らして、安定と成長のどちらを重視するかを明確にすることが重要です。
文系でも入れる伸びる業界ってある?
伸びている業界は理系出身者が多いイメージを持たれがちですが、実際には文系人材を歓迎する成長分野も数多く存在します。
たとえば、IT業界ではエンジニア職に目が向きがちですが、営業、企画、マーケティング、コンサルタントなど、文系出身者が活躍できる職種は豊富にあります。
また、金融業界においても、資産運用や法人営業、リスク管理などで論理的な思考力やコミュニケーション力を持つ文系人材が求められています。
さらに、広告・人材・教育といったサービス業全般も、デジタル化により再成長している分野として注目されています。
文系だからといって、成長業界に挑戦できないわけではありません。
必要なのは、自分の強みと業界ニーズを照らし合わせた上で、具体的にどのように関わることができるのかを考える視点です。
インターンは伸びる業界から選んだほうがいい?
インターンの参加先を選ぶ際に、成長産業かどうかを基準にするのは一つの有効な判断軸になります。
伸びている業界では、変化への対応や新しいサービスの創出が活発に行われており、学生にとっても学びが多い環境です。
また、インターンを通して業界の雰囲気やビジネスモデルを理解することで、自分に合うかどうかを確かめる機会にもなります。
とはいえ、インターンはあくまで業界や職種理解を深める場であり、成長業界でなければ意味がないということではありません。
まだ関心が明確でない場合は、幅広く経験してみる中で興味を持てる分野が見つかることもあります。
まとめ
これから伸びる業界を見極めるためには、単に流行や噂に流されるのではなく、社会構造や技術の変化、政策の動きなどを冷静に捉える視点が求められます。
業界研究を通じて視野を広げながら、自分らしく働ける環境を見つけていきましょう。