
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
就職活動において、自分に合った企業を見つけるためには、業界選びが極めて重要です。
その中でも、将来性のある業界、すなわちこれから伸びる業界を見極めることは、キャリアの安定性と成長機会の両方を得る上で大きな鍵となります。
目次[目次を全て表示する]
【これから伸びる業界】伸びる業界11選
将来性のある業界を見極めることは、就職活動において非常に重要な視点です。
どれだけ自分に合った仕事でも、その業界自体が縮小傾向にあると、長期的なキャリア設計に不安が残ります。
反対に、拡大を続ける業界では、新たなポジションや成長のチャンスに恵まれやすく、未経験者であっても挑戦の機会が得られる可能性があります。
ここでは、5年後、10年後を見据えて今後の成長が期待される業界について、背景や動向とともに詳しく解説していきます。
・SaaS業界
・医療・ヘルスケア業界
・環境・エネルギー業界
・インフラ・建設テック業界
・EC・物流業界
・食品業界
・教育テクノロジー業界
・金融テクノロジー業界
・宇宙・航空業界
・サイバーセキュリティ業界
・フードデリバリー業界
SaaS業界
SaaSは「Software as a Service」の略称です。
インターネットを通じてソフトウェアを提供するサービスのことを指します。
利用者はパッケージ製品を購入せず、月額料金などで利用権を得るのが特徴です。
このため初期費用を抑えて手軽に導入できるのが大きなメリットとなっています。
テレワークの普及や企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を背景に、市場は急速に成長を続けています。
業務の効率化やデータ活用に不可欠なツールとして、あらゆる業界で需要が高まっています。
今後も安定した市場拡大が期待される、将来性豊かな業界の一つです。
医療・ヘルスケア業界
医療・ヘルスケア分野は、少子高齢化の進展に伴い安定的な成長が続くと見られています。
病院やクリニックなどの医療機関だけでなく、在宅医療や介護サービス、健康管理アプリなど、支援領域が広がっています。
また、健康意識の高まりによって、予防医療やサプリメント、フィットネステックへの投資も盛んになっています。
医療現場の業務効率化や人手不足を補うためのIT技術導入も活発であり、テクノロジーと医療の融合が進んでいます。
文系・理系を問わず活躍できる場が多く、社会貢献性の高い仕事を志望する学生にとっては、有力な進路の一つとして挙げられます。
環境・エネルギー業界
環境・エネルギー業界は、脱炭素社会の実現や再生可能エネルギーの普及に向けて大きく動いています。
世界的なカーボンニュートラルの流れを受け、日本国内でも電力の再エネシフトや電気自動車インフラ整備などの取り組みが拡大中です。
また、再エネ発電設備の設計や建設、メンテナンスを担う技術職に加え、エネルギーマネジメントを行う企画・営業ポジションなど幅広い職種で需要が高まっています。
環境ビジネスはSDGsやESG投資といった観点からも注目されており、企業の社会的責任を果たす意味でも重要性を増しています。
将来的にも政府の支援や規制強化のもと、事業機会が多い分野として長期的に安定した成長が期待されます。
インフラ・建設テック業界
インフラ・建設分野は従来型の労働集約型から、ITやIoTを活用したスマート建設への移行が進んでいます。
国内では老朽化した道路や橋梁、水道施設などの更新需要が増加しており、公共投資も継続的に行われています。
加えて、人手不足対策として、建設現場での自動化や遠隔操作、BIM(建築情報モデリング)などの導入が加速しており、これらを担うIT人材へのニーズも高まっています。
また、災害対策や都市再開発の観点からも、インフラへの関心は今後も続く見通しです。
設計や施工管理だけでなく、ソフトウェア開発やデータ解析といったスキルも活かせるため、多様なバックグラウンドを持つ人に門戸が広がっています。
EC・物流業界
EC・物流業界は、ネット通販の拡大にともない、今後も成長が見込まれる分野です。
特にスマートフォンの普及とライフスタイルの多様化が背景にあり、日用品から食品、医薬品まで幅広い商品がオンラインで取引されています。
これにより、物流センターや配送システムの最適化が求められ、自動化技術やデジタルツールの導入が進んでいます。
また、再配達の削減やラストワンマイルの効率化といった課題解決に向けて、ITエンジニアや企画職の役割も重要です。
物流業界の変革は、単なる配送業務にとどまらず、ビジネスモデル全体を支えるインフラとしての進化が続いており、若手人材にとっても参入しやすく、多様なキャリアの可能性が広がっています。
食品業界
食品業界は、人々の健康志向の高まりや国内外の食文化への関心の高まりを背景に、常に一定の需要がある安定した業界です。
特に近年は、機能性食品やプラントベース食品、アレルギー対応商品など、ニッチな分野への市場拡大が進んでいます。
また、海外市場を見据えた輸出や、インバウンド需要を取り込むための戦略も進行中で、企画開発やマーケティング、国際営業など幅広い職種で活躍の場があります。
安全管理や品質保証の重要性も高く、理系の知識を持つ人材も求められています。
食の安心・安全を支えるという社会貢献性の高さも魅力であり、今後も市場ニーズに応じた柔軟な商品開発と供給体制が求められる成長領域です。
教育テクノロジー業界
教育テクノロジー業界は、オンライン学習の普及や個別最適化された学習支援のニーズにより、急成長している分野です。
小中高の義務教育から大学、社会人向けのリスキリングまで幅広い領域でITを活用した学びの仕組みが導入されています。
特にAIによる理解度の解析や、アダプティブラーニングといった手法は、学習の質を大きく変えています。
動画教材、eラーニング、教育アプリの開発には、教育分野への関心とITリテラシーを併せ持つ人材が求められており、スタートアップから大手企業まで活躍の場が広がっています。
金融テクノロジー業界
金融テクノロジー業界は、キャッシュレス化の加速や投資サービスの拡大を背景に急成長しています。
従来の銀行や証券会社が提供していたサービスが、スマートフォン一つで完結するようになり、金融サービスのUXが大きく進化しています。
個人投資家の増加や、分散型金融(DeFi)、暗号資産といった新しい技術も登場し、多くのベンチャー企業が台頭しています。
この分野では、プログラミングやデータ解析、セキュリティ知識を持つIT人材だけでなく、金融リテラシーのあるマーケティング職やプランナーも活躍しています。
金融の透明性や利便性を高めるという観点から、社会的にも注目されており、新たな金融体験の創出に関わりたい人にとって魅力的な業界です。
宇宙・航空業界
宇宙・航空業界は、民間企業による宇宙開発や観測技術の進化、さらには国際協力の拡大により注目を集めている分野です。
人工衛星を用いた通信、気象・農業支援、災害対策などの社会課題解決に貢献できることが、企業や国家からの投資を促進しています。
また、宇宙旅行や宇宙インフラ構築といった構想も現実味を帯びており、航空宇宙産業は今後10年で一層拡大する見込みです。
この分野では、機械・電気系のエンジニア、ロケットや衛星の開発技術者、データ解析を担う理系人材が中心ですが、プロジェクトマネジメントや広報など文系の活躍の場も広がりつつあります。
サイバーセキュリティ業界
サイバーセキュリティ業界は、デジタル化社会においてますます重要性が高まる分野です。
企業や行政機関の情報漏洩リスクが増大する中、セキュリティ対策は組織運営に不可欠な要素となっています。
リモートワークやクラウドサービスの普及に伴い、サイバー攻撃への備えが求められ、攻撃の予兆を察知する監視体制や、被害時の対応能力が重視されています。
エンジニアや情報系の専門人材だけでなく、セキュリティポリシー策定や教育研修などを担う人材も需要があり、文理を問わず参入が可能です。
国家レベルでも重要視される領域であるため、安定性や社会的使命感を持って働きたい人に向いています。
フードデリバリー業界
フードデリバリー業界は、ライフスタイルや価値観の変化に伴い急速に成長している分野です。
外食の代替手段としてだけでなく、日々の生活を効率化する手段としても定着しつつあります。
共働き世帯の増加、高齢化、個食傾向の広がりなどの社会的背景が追い風となり、飲食店や食品メーカーも積極的に参入しています。
配送システムの最適化やアプリ開発、品質管理など、ITやロジスティクスに関する多様な職種が求められており、現場のオペレーションだけでなく、企画・分析・カスタマー対応なども重要な役割を担います。
今後もニーズの高まりと技術革新が期待される業界であり、柔軟な発想力と課題解決力を持つ人材に向いています。
【これから伸びる業界】今後衰退する可能性のある業界
時代の変化とともに、これまで安定とされてきた業界も大きな変革期を迎えています。
特にテクノロジーの進化や消費者の価値観の変化は、既存のビジネスモデルに大きな影響を与えています。
ここで挙げる業界は、なくなるわけではありませんが、従来通りの形では存続が難しくなる可能性があります。
こうした業界の変化を知ることも、将来のキャリアを考える上で非常に重要です。
・金融業界
・テレビ業界
・出版業界
金融業界
金融業界では、AIやフィンテックの台頭により、従来の業務が大きく変わろうとしています。
これまで人が行っていた窓口業務や事務作業の多くは、AIやRPAによって自動化が進んでいます。
また、スマートフォンでのネットバンキングやキャッシュレス決済が当たり前になりました。
これにより、実店舗の銀行窓口が持つ役割は縮小していくと考えられます。
もちろん、高度な金融商品の開発やコンサルティングといった専門業務は残ります。
しかし、ITスキルを持たない人材や、定型的な業務しかできない人材の需要は、今後減少していく可能性があります。
テレビ業界
テレビ業界は、インターネットと動画配信サービスの普及により、大きな転換点を迎えています。
特に若者を中心に「テレビ離れ」が加速しており、リアルタイムでの視聴率は低下傾向にあります。
これまでテレビ局の収益の柱であったテレビCMの広告費も、インターネット広告に流れ続けています。
NetflixやYouTubeといったプラットフォームが、人々の可処分時間を奪い合っています。
もちろん、魅力的なコンテンツを制作する力は今後も求められます。
しかし、地上波放送を主軸とした従来のビジネスモデルのままでは、厳しい状況が続くと予測されています。
出版業界
出版業界は、インターネットの普及による「活字離れ」と、電子書籍への移行という二つの課題に直面しています。
雑誌や紙の書籍の販売部数は、長期的に減少を続けています。
人々は、スマートフォンでニュースサイトやSNSから情報を得ることが一般的になりました。
また、漫画や小説も、電子書籍やアプリで読むスタイルが定着しつつあります。
出版社や書店といった、紙媒体を前提としたビジネスは、規模の縮小を余儀なくされています。
今後は、デジタルコンテンツの制作や、Webマーケティングのスキルが不可欠となるでしょう。
【これから伸びる業界】見極め方7選
就職活動において、どの業界がこれから成長するかを見極める力は非常に重要です。
単に人気や知名度で選ぶのではなく、社会の変化に強く、新たな価値を生み出せるかという視点が求められます。
変化の激しい時代だからこそ、DXや多様性対応力、政策支援を背景に持つ業界は、将来性を見据えたキャリア選択の基盤となります。
ここでは、成長が期待される業界を正しく見極めるためのポイントを解説します。
市場規模が拡大しているか
成長が期待される業界には、必ずと言ってよいほど明確な市場ニーズが存在します。
高齢化が進む現代においては、医療・介護・在宅支援といった分野がますます拡大しつつあり、多様なサービスや専門職の需要が高まっています。
一方で、環境問題への意識が高まる中、再生可能エネルギーや脱炭素技術を取り扱う業界にも社会的な関心と資金が集中しています。
このように、人々の生活課題や社会の構造的変化に基づく需要は、今後も持続的に市場を広げていく要因となります。
また、既存の仕組みでは解決できない課題に対して、新たな商品やサービスを展開する企業が評価されやすくなる傾向があります。
国の支援する政策があるか
業界の成長性を測るうえで、国の支援や政策との関わりは非常に重要な観点になります。
政府が重点的に予算を配分している分野や、法律改正により規制が緩和された業界には、起業家や企業が集まりやすくなり、結果として新たな雇用や事業機会が生まれます。
たとえば、スタートアップ支援制度や地方創生関連の補助金、カーボンニュートラルへの移行を後押しする技術開発助成などは、関連業界の発展を加速させる材料となります。
また、国が定める成長戦略や中長期ビジョンにおいても、どの産業に重点が置かれているかを知ることは大切です。
制度的な後押しがあることで資金調達もしやすくなり、業界全体の競争力や発信力が高まるという好循環が生まれます。
企求件数が増加の傾向あるか
伸びる業界には、人材需要の高まりや企業の新規参入が活発であるという共通点があります。
新たに起業する企業が増えている、もしくは大手企業が積極的に新規事業を展開している分野では、求人件数が急増する傾向にあります。
これは、既存の業界構造が変化している兆候であり、特に若手人材や未経験者にとってはチャンスが多く存在することを意味します。
また、業界全体が拡大していることで、キャリアパスの多様性や柔軟な働き方の選択肢も広がりやすくなります。
こうした求人動向を把握するためには、求人サイトや業界レポートを活用し、募集職種の傾向や求められるスキルの変化を定期的にチェックすることが大切です。
業務効率化でアナログからの脱却をしているか
企業が成長し続けるためには、業務の非効率を見直し、アナログな作業から脱却する姿勢が欠かせません。
デジタルトランスフォーメーション(DX)や自動化を積極的に導入し、社内プロセスや顧客対応業務を効率化している業界は、高い生産性を継続的に維持できる可能性があります。
たとえば、会計や人事業務におけるクラウド化やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、製造業でのIoT導入による品質管理の自動化など、業務改革の取り組みが成果を生むケースも多いです。
こうした取り組みによって、人材リソースをより高付加価値な業務に振り向けられる企業は、中長期的に競争優位を維持しやすくなります。
ライフスタイルの変化に対応しているか
社会全体のライフスタイルが変化する中で、それに対応できる業界は成長ポテンシャルを持ちます。
リモートワークや在宅勤務が常態化しつつある昨今、通信インフラやテレワーク支援サービスの業界や、健康志向に応える食品・フィットネス関連分野も注目されています。
従来は外食中心だった消費も、デリバリーや家庭での調理支援サービスへと変化しており、食品流通やフードテック企業の成長が顕著です。
こうした変化に柔軟に応じて新たな商品・サービスを生み出す業界は、消費者のニーズに即応できるという強みを持ちます。
ジェンダー・年齢問わず活躍できる環境
多様性を受け入れる企業文化を持つ業界は、長期的に人材を確保し成長を続けやすい傾向があります。
ジェンダーや年齢に関係なく活躍できる制度や研修が整備されていると、離職率の低下や多様な視点によるイノベーションが生まれやすくなります。
育児休業や時短勤務、ダイバーシティ推進プロジェクトの有無、またシニア人材の活用など、社員に合わせて柔軟に働き方を変えられる職場は魅力的です。
業界としてこうした取り組みに積極的なのかを調べるには、企業の公式サイトや有価証券報告書、口コミサイトなどが参考になります。
AIにできる仕事か見極める
AIは、決められた手順を正確に繰り返す定型的な作業や、膨大なデータの分析を得意とします。
そのため、将来の仕事を選ぶ上では、その仕事がAIに代替されやすいかどうかを見極めることが重要になります。
一方で、AIには苦手な分野も存在します。
例えば、人の気持ちに寄り添うコミュニケーションや、ゼロから新しいものを生み出す創造性、前例のない問題に対する複雑な意思決定などです。
医師やカウンセラー、企画開発やクリエイティブ職、経営に関わる仕事などは、今後も人間ならではの価値が求められるでしょう。
自分の興味がある業界や仕事が、こうしたAIには難しい能力を必要とするかどうかが、一つの判断基準となります。
AI時代に求められる創造力を伸ばしたい人には、Japan-Design(株式会社日本デザイン)の学習コンテンツがおすすめです。
未経験からでもデザインスキルを身につけ、好きなことを仕事にする力を磨けます。
参考:資格やツール操作より大切なのはデザイン力!手厚いサポートと仲間がいたから乗り越えられた45日間|株式会社日本デザイン
【これから伸びる業界】就職するメリットと注意点
これから伸びる業界で働くことには、将来の安定性以外にも多くの魅力があります。
業界自体が成長しているため、新しいビジネスやポジションが次々と生まれていきます。
それは、働く個人にとっても、キャリアの可能性が広がることを意味します。
給与水準の向上や、若いうちからの挑戦の機会、そして社会への貢献実感など、多くのメリットが期待できるでしょう。
給料が上がりやすい
成長している業界には、多くの投資マネーが集まり、企業も高い収益を上げやすい傾向にあります。
企業に利益があれば、それを社員に還元する原資も豊富になります。
そのため、個人の成果に応じて給与やボーナスが上がりやすい環境だと言えます。
また、業界全体で人材需要が高いため、優秀な人材を確保しようと、企業はより良い待遇を提示します。
新しいスキルを身につけ、市場価値を高めることで、さらなる収入アップも期待できるでしょう。
これは、成熟した業界ではなかなか得られない大きなメリットです。
若手から裁量権を持つことができる可能性がある
伸びる業界は、常に新しい挑戦や変化に満ちています。
前例のない課題を解決していく必要があるため、年齢や社歴に関係なく、意欲のある若手に仕事が任されやすいです。
旧来の年功序列ではなく、成果主義の風土を持つ企業も多く存在します。
そのため、入社して早い段階から、責任のあるプロジェクトや重要なポジションを任される可能性があります。
こうした経験は、自身の市場価値を飛躍的に高めることにつながります。
圧倒的なスピードで成長したいと考えている人にとって、非常に魅力的な環境です。
社会貢献を実感しやすい
現在、成長している業界の多くは、社会が抱える大きな課題を解決しようとしています。
例えば、クリーンエネルギー業界は地球温暖化問題に、ヘルスケアテック業界は高齢化社会の問題に取り組んでいます。
また、ITやDX業界は、人々の生活をより豊かで便利なものに変えています。
こうした業界で働くことは、自分の仕事が社会をより良くすることに直結していると実感できる機会が多いです。
日々の業務を通じて、社会に貢献しているという手応えは、大きなやりがいと誇りにつながるでしょう。
業界の動向が変わる可能性がある
「これから伸びる」と期待されている業界でも、その将来が永続的に保証されているわけではありません。
テクノロジーの急速な進化や、新たな法律の施行、消費者の価値観の変化など、社会の動きによって業界の状況は一変することがあります。
例えば、ある時点では最先端ともてはやされた技術が、より優れた新しい技術の登場によって、あっという間に時代遅れになってしまうことも珍しくありません。
また、環境問題への意識の高まりが、エネルギー業界の勢力図を大きく塗り替える可能性もあります。
そのため、一つの業界の成長性だけを信じるのではなく、常に社会全体のトレンドに目を向け、柔軟にキャリアを考える視点が大切です。
常に学び続ける必要がある
変化のスピードが速い成長業界で活躍し続けるためには、継続的な学習意欲が不可欠です。
その業界で求められる知識やスキルは、日進月歩で新しくなっていきます。
一度スキルを身につけたからといって安心していると、すぐに自分の能力が通用しなくなってしまう可能性があります。
そのため、社内外の研修やセミナーに積極的に参加したり、自ら関連書籍を読んだりして、常に知識をアップデートし続ける姿勢が求められます。
近年注目される「リスキリング」のように、社会の変化に対応して新しいスキルを習得していくことが、成長業界で生き残るための鍵となるでしょう。
労働環境が良くない可能性がある
急成長している業界は、魅力的に見える一方で、労働環境に課題を抱えている場合があります。
特に、新しい市場を切り開いているベンチャー企業などでは、事業の急速な拡大に社内体制の整備が追いついていないケースが見られます。
慢性的な人手不足から、従業員一人ひとりの業務負担が大きくなり、長時間労働につながることも少なくありません。
また、教育・研修制度が確立されておらず、実践を通じて仕事を覚えていくことが求められる環境も多いでしょう。
業界の将来性という華やかな側面だけでなく、給与や福利厚生、残業時間といった労働条件の実態を、企業ごとにしっかりと確認することが重要です。
【これから伸びる業界】向いてる人の特徴3選
これから伸びる業界には、高い成長性と変化への適応力が求められます。
技術革新や市場の変動が激しい中で働くには、環境の変化を前向きに受け入れる姿勢や、継続的にスキルを更新する意識が重要です。
そのため、成長業界で活躍するためには、単に能力だけでなく、考え方や行動特性も重視されます。
ここでは、成長業界に向いている人の特徴について具体的に見ていきます。

変化を前向きにとらえられる
成長業界において最も重要な素養の一つが、変化に前向きであることです。
急速に進化する市場環境の中では、昨日までの常識が通用しない場面も少なくありません。
そうした状況において、過去のやり方に固執するのではなく、新しい手法や環境を受け入れ、柔軟に対応できる力が求められます。
たとえば、業務プロセスの刷新や、組織の再編などがあったとき、否定的に捉えるのではなく、自らチャンスとして行動できる姿勢が重視されます。
特にITや医療、エネルギーといった分野では、技術革新や法改正などが頻繁に起こるため、変化に前向きなマインドは不可欠です。
学び続ける姿勢がある
成長産業では、常に新しい知識や技術が求められます。
そのため、学び続ける姿勢があるかどうかは、長期的な活躍に直結する重要なポイントとなります。
新しい情報をキャッチアップし、それを自らの業務に取り入れていく能力が、変化の激しい業界では不可欠です。
たとえば、技術の進化が早いIT業界では、プログラミング言語やツールのアップデートに対応するための自己研鑽が欠かせません。
また、医療や金融でも、制度や技術の変化に適応するために、継続的な知識更新が求められます。
企業は、研修制度やスキル支援を整えているところも多いため、それを活かし自ら学ぼうとする姿勢が評価されます。
柔軟なコミュニケーション力がある
成長業界では、チームや他部門、外部パートナーとの協働が非常に多くなります。
そのため、柔軟なコミュニケーション力がある人材は、企業にとって重要な戦力となります。
単に自分の考えを伝える力だけでなく、相手の立場や状況を理解し、適切に対応できるバランス感覚が求められます。
とくに新しい取り組みやプロジェクトでは、明確な正解がない中で、多様な関係者と調整を進める場面が多くなります。
そうした場面で、相手の意見を尊重しつつ自分の意見も述べることができる柔軟性が求められます。
また、リモートワークや多国籍チームのように、働く環境や人材が多様化するなかで、円滑に連携できる力も重要です。
【これから伸びる業界】よくある質問
成長産業や将来性の高い分野に注目が集まる中で、就活生の間ではどの業界が伸びるのか、そこに進むべきかなど、さまざまな疑問が生まれています。
ここでは、よくある質問に対して客観的な視点から解説し、就職活動の方向性を見極めるためのヒントを紹介します。
安定している業界=伸びる業界なの?
安定している業界と成長している業界は、必ずしも一致しません。
安定しているとは、市場規模が大きく、急な変動が少ない業界を指すことが多いです。
たとえば、インフラや医療、公共事業系の業界は、景気に左右されにくい点から安定的とされます。
一方、成長している業界は、需要が急拡大していたり、新たな技術やライフスタイルに対応して変化している領域を指します。
そのため、成長性はあるものの、変化のスピードが早く、将来の競争も激しくなる可能性があることも理解しておくべきです。
就活では、自分の価値観や将来像に照らして、安定と成長のどちらを重視するかを明確にすることが重要です。
文系でも入れる伸びる業界ってある?
伸びている業界は理系出身者が多いイメージを持たれがちですが、実際には文系人材を歓迎する成長分野も数多く存在します。
たとえば、IT業界ではエンジニア職に目が向きがちですが、営業、企画、マーケティング、コンサルタントなど、文系出身者が活躍できる職種は豊富にあります。
また、金融業界においても、資産運用や法人営業、リスク管理などで論理的な思考力やコミュニケーション力を持つ文系人材が求められています。
さらに、広告・人材・教育といったサービス業全般も、デジタル化により再成長している分野として注目されています。
文系だからといって、成長業界に挑戦できないわけではありません。
必要なのは、自分の強みと業界ニーズを照らし合わせた上で、具体的にどのように関わることができるのかを考える視点です。
インターンは伸びる業界から選んだほうがいい?
インターンの参加先を選ぶ際に、成長産業かどうかを基準にするのは一つの有効な判断軸になります。
伸びている業界では、変化への対応や新しいサービスの創出が活発に行われており、学生にとっても学びが多い環境です。
また、インターンを通して業界の雰囲気やビジネスモデルを理解することで、自分に合うかどうかを確かめる機会にもなります。
とはいえ、インターンはあくまで業界や職種理解を深める場であり、成長業界でなければ意味がないということではありません。
まだ関心が明確でない場合は、幅広く経験してみる中で興味を持てる分野が見つかることもあります。
【これから伸びる業界】おすすめの対策方法
これから伸びる業界への就職を成功させるためには、戦略的な準備が欠かせません。
まずは自己分析を徹底的に行い、自分の強みや興味がどの業界で活かせるかを見極めることが第一歩です。
その上で、業界の動向に詳しい就活エージェントなどを活用し、効率的に情報収集と選考対策を進めることが重要になります。
受け身の姿勢ではなく、自ら積極的に行動することで、納得のいくキャリア選択に繋がります。
自己分析を行う
まず、なぜ自分が「これから伸びる業界」で働きたいのか、その動機を深く掘り下げることが大切です。
これまでの経験を振り返り、どのような時にやりがいを感じ、何が得意なのかを明確に言語化してみましょう。
そうして見えてきた自身の強みや価値観が、成長業界の求める人物像とどう合致するのかを考えることが、志望動機作成の核となります。
「成長しているから」という漠然とした理由ではなく、「自分のこの強みを活かして、このように貢献したい」という具体的なビジョンが不可欠です。
自己理解を深めることは、入社後のミスマッチを防ぎ、いきいきと働くためにも繋がります。
就活エージェントを利用する
成長業界は、新しい職種が次々と生まれるなど変化が速く、個人での情報収集には限界があります。
就活エージェントは、こうした業界の最新動向や、各企業が求める人材について専門的な情報を持っています。
一般には公開されていない、将来性の高いスタートアップやベンチャー企業の非公開求人を紹介してもらえる可能性もあります。
キャリアアドバイザーが、客観的な視点であなたの強みや適性を見極め、最適な企業を提案してくれます。
エントリーシートの添削や面接対策といった実践的なサポートも受けられるため、効率的かつ効果的に就職活動を進めることができるでしょう。
資格を取得する
これから伸びる業界を目指す上で、資格の取得は有効な対策の一つです。
専門性が高い業界では、求められる知識やスキルが明確な場合があります。
資格は、その分野に関する一定水準の知識があることの客観的な証明となります。
特にITパスポートや基本情報技術者試験のようなIT系の資格は、あらゆる業界のDX推進に役立ちます。
また、TOEICなどの語学資格や、データサイティスト検定なども需要が高いです。
資格取得に向けた学習プロセスそのものが、体系的な知識の習得につながります。
さらに、変化の速い業界で必要な「自ら学ぶ姿勢」のアピールにもなるでしょう。
自身の目指す業界や職種で求められるスキルを見極め、関連する資格に挑戦することをおすすめします。
ITパスポート・基本情報技術者試験
ITパスポートは、ITを利用するすべての社会人が備えるべき基礎知識を証明する国家資格です。
職種を問わず、ITの安全な利活用に関する正しい知識が身につきます。
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門とされ、より専門的な知識と技能の証明が可能です。
DX推進が加速する現代において、これらの資格はIT業界以外でも高く評価される傾向にあります。
ITの基礎体力がある人材として、キャリアの選択肢を広げる上で非常に有利になるでしょう。
TOEIC
TOEICは、英語によるコミュニケーション能力を評価する世界共通のテストです。
ビジネスのグローバル化が進む現代において、英語力は多くの企業で必須のスキルとされています。
特に外資系企業や海外展開を進める企業への就職・転職では、高いスコアが有利に働きます。
昇進や昇格の要件として、一定のスコアを求める企業も少なくありません。
英語力を客観的な数値で証明できるため、自身の市場価値を高める上で非常に有効な資格です。
今後さらに国際化が進む中で、その重要性は増していくでしょう。
日商簿記検定
日商簿記検定は、企業の経営成績や財政状態を記録・計算する技能を証明する資格です。
経理や会計の専門職を目指す上では必須の知識と言えます。
しかし、その価値は専門職に限りません。
営業職や企画職であっても、取引先の経営状況を把握したり、自社の事業計画を数字で理解したりする上で役立ちます。
コスト意識や経営感覚を養えるため、すべてのビジネスパーソンにおすすめです。
業界を問わず通用する普遍的なスキルとして、キャリア形成の強固な土台となるでしょう。
データサイエンティスト検定
データサイエンティスト検定は、データ分析やAI活用に関するスキルを証明するための資格です。
あらゆる業界でDXが進み、データに基づいた意思決定の重要性が高まっています。
この検定は、データサイエンス領域の知識やスキルを体系的に証明できるため、近年需要が急増しています。
AIや機械学習のプロジェクトで活躍したい人にとって、自身の能力を示す有力な武器となります。
今後、データ活用人材の不足は深刻化すると予測されており、将来性が非常に高い資格と言えるでしょう。
まとめ
これから伸びる業界を見極めるためには、単に流行や噂に流されるのではなく、社会構造や技術の変化、政策の動きなどを冷静に捉える視点が求められます。
業界研究を通じて視野を広げながら、自分らしく働ける環境を見つけていきましょう。
就活コンサルタント木下より
この記事では、成長が期待される業界の特徴や、その見極め方、さらに業界選びのヒントやインターン選びの考え方まで幅広く紹介していきます。