
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
面接で突然、ストレス解消法はなんですか、と聞かれて戸惑った経験はありませんか。
趣味を正直に答えていいのか、それとも何か意図があるのか、考えすぎてしまいますよね。
この記事では、そんな学生の悩みを解決します。
面接官がこの質問をする本当の理由から、他の就活生と差がつく答え方のポイント、具体的なOK例文とNG例文まで、網羅的に解説します。
面接でストレス解消法を聞く理由
なぜ面接官は、学生のストレス解消法を知りたがるのでしょうか。
それは単なる雑談や興味本位の質問ではありません。
この質問には、学生の人柄や能力を見極めるための、明確な2つの意図が隠されています。
この意図を正しく理解することが、的確な回答を準備する第一歩です。
面接官が本当に知りたいのは、学生がストレスとどう向き合い、仕事で活躍できる人材かどうかです。
ここでは、その具体的な理由を深掘りして解説していきます。
学生の価値観を理解するため
一つ目の理由は、学生の価値観や人柄、つまり学生がどんな人間なのかを深く理解するためです。
何に時間を使い、どんな行動で心が満たされるのかを知ることは、学生の個性や人間性を知る上で重要な手がかりとなります。
例えば、一人で黙々と打ち込む趣味が解消法なら、集中力や探究心がある人物かもしれません。
チームスポーツなら、協調性や社交性の高さがうかがえます。
面接官は、その価値観が自社の文化やチームの雰囲気に合っているかを見ています。
学生が仕事以外で何を大切にし、どのように自分を保っているのか。
そこから、入社後に同僚と良好な関係を築き、いきいきと働いてくれる姿をイメージしようとしているのです。
ストレス耐性を確認するため
二つ目の、そしてより重要な理由は、学生のストレス耐性とセルフマネジメント能力を確認するためです。
社会に出れば、学生時代には経験しなかったようなプレッシャーや困難な状況に必ず直面します。
その時、自分で自分の機嫌を取り、心身のバランスを保ちながら乗り越えていける人物かを見ています。
ストレス解消法がない、あるいは不適切な方法に頼る人は、壁にぶつかった時に潰れてしまうかもしれない、と懸念されます。
自分なりのストレスとの向き合い方を確立し、それをきちんと説明できることは、社会人として必須の自己管理能力を持っていることの証明になるのです。
面接でストレス解消法を答える際のポイント
では、面接官の意図を理解した上で、実際にどのように答えれば好印象を与えられるのでしょうか。
ただ単に趣味を羅列するだけでは不十分です。
ここでは、回答をより魅力的で説得力のあるものにするための3つの重要なポイントを紹介します。
これらのポイントを意識するだけで答えはぐっと深みを増し、自己PRへと繋がります。
面接官に、この学生は物事を深く考えられる、と印象付けるための具体的なテクニックを見ていきましょう。
具体的なエピソードを交える
回答に説得力を持たせる最も効果的な方法は、具体的なエピソードを交えて話すことです。
ただ、私のストレス解消法は運動です、と答えるだけでは、他の学生との差別化はできません。
なぜそれが学生にとっての解消法なのか、どんな状況で実践し、その結果どういう気持ちになるのかを語りましょう。
例えば、研究で行き詰まった時に30分間ランニングをしたら、頭がスッキリして新しいアイデアが浮かんだ、といったエピソードです。
これにより、学生の話にリアリティが生まれ、人柄がより鮮明に伝わります。
学生だけのオリジナルな体験を語ることで、自己分析の深さや表現力の高さも同時にアピールできるのです。
結論を先に述べる
ビジネスコミュニケーションの基本として、結論から先に述べる、いわゆるPREP法を意識しましょう。
面接官は多くの学生と話すため、話が長いと要点が伝わりにくくなります。
まず、私のストレス解消法は〇〇です、と明確に言い切ってください。
その後に、なぜなら〇〇という理由で、と続け、先ほど説明したような具体的なエピソードを話すのです。
この話し方によって、論理的思考能力やコミュニケーション能力が高いと評価されます。
ストレスを避ける方法も考慮する
ストレスを解消する方法だけでなく、そもそもストレスを溜めないために工夫していること、つまり予防策について触れることができると、さらに評価が高まります。
これは、学生が物事を多角的に捉え、計画的に行動できる人物であることを示す絶好の機会です。
例えば、大きな課題に取り組む際は、事前に計画を立ててタスクを細分化することで、精神的な負担を軽減しています、といった内容です。
これにより、問題が発生してから対処するだけでなく、問題の発生を未然に防ぐ能力、つまりリスクマネジメント能力があることをアピールできます。
受動的にストレスを受けるのではなく、主体的にコントロールしようとする姿勢は、高く評価されるでしょう。
面接で使えるストレス解消法の例文
ここからは、実際に面接で使えるストレス解消法の回答例文を7つ紹介します。
趣味や運動といったカテゴリ別に、具体的な伝え方のポイントも合わせて解説します。
これらの例文はあくまで一例です。
大切なのは、例文を丸暗記するのではなく、学生自身のエピソードや言葉に置き換えて、オリジナリティのある回答を作成することです。
自分ならどう話すか、を考えながら読み進めてみてください。
これらの型を参考に、学生らしい魅力的な回答を準備しましょう。
私のストレス解消法は、プラモデルの製作に没頭することです。
細かいパーツを一つひとつ丁寧に組み立てていく作業は、高い集中力を必要とします。
そのため、作業中は他の悩みや不安を完全に忘れることができます。
そして、数時間かけて一つの作品を完成させた時には、大きな達成感と満足感を得られます。
この経験を通して、複雑な課題に対しても、地道な作業を積み重ねることで必ず完成させられるという自信がつきました。
仕事においても、この集中力と粘り強さを活かして、困難なタスクにも着実に取り組んでいきたいと考えています。
私のストレス解消法は、週に3回、ジムで汗を流すことです。
特に、目標の重量や回数を設定してトレーニングに励むことで、達成感を得られるのが魅力です。
研究で思うような結果が出ず、落ち込んだ時でも、トレーニングで昨日の自分を超えることができれば、気持ちを前向きに切り替えることができます。
このように、目標達成のプロセスを繰り返すことで、精神的なタフさが身についたと感じています。
体力向上はもちろんのこと、継続的な目標設定と達成を通じて自己管理能力を養ってきました。
貴社でも、この粘り強さと目標達成意欲を活かして貢献したいです。
私のストレス解消法は、考えがまとまらない時に近所の公園を散歩することです。
歩きながら頭の中にある悩みを一つひとつ整理していくと、不思議と気持ちが落ち着き、客観的に物事を捉えられるようになります。
先日も、グループワークの方向性で意見が対立した際、一度持ち帰って散歩をしながら論点を整理したことで、全員が納得できる折衷案を冷静に提案できました。
このように、感情的にならずに一度立ち止まって思考を整理する習慣は、仕事で予期せぬ問題に直面した際にも、冷静な判断を下す上で役立つと考えています。
私のストレス解消法は、気心の知れた友人と食事をしながら話すことです。
ただし、一方的に愚痴を言うのではなく、現状を客観的に説明し、友人からフィードバックをもらうことを大切にしています。
自分一人では気づけなかった視点や考え方を得ることで、悩みが解決に向かうことが多くあります。
この経験から、困難な状況でも他者の意見を素直に受け入れ、状況を改善していくことの重要性を学びました。
貴社に入社後も、チームメンバーと積極的に対話し、多様な意見を取り入れながら課題解決に取り組んでいきたいです。
面接でのストレス解消法のNGな例文
好印象を与える回答がある一方で、伝え方によってはマイナス評価に繋がってしまうNGな回答も存在します。
自分では何気なく答えたつもりが、面接官に懸念を抱かせてしまうのは避けたいですよね。
ここでは、面接の場で答えるべきではないストレス解消法の代表的な例を3つ紹介します。
なぜこれらがNGなのか、その理由もしっかりと理解しておきましょう。
知らず知らずのうちに自分の評価を下げてしまわないよう、ここでしっかりと確認しておくことが大切です。
SNSで愚痴を言う
私のストレス解消法は、SNSの裏アカウントで愚痴を投稿することです、といった回答は絶対に避けましょう。
たとえ鍵をかけていたとしても、ネガティブな感情を不特定多数が見られる可能性のある場所に書き込む行為は、情報管理能力や倫理観を疑われます。
また、問題解決に向けて建設的な行動を取るのではなく、陰で不満を言う人物という印象を与えてしまいます。
会社は、課題に対して前向きに取り組み、周囲と協力して解決できる人材を求めています。
このような回答は、チームワークを乱す可能性や、企業の機密情報を軽率に扱うリスクがある人物と判断されかねません。
ギャンブルに依存する
パチンコや競馬といったギャンブルをストレス解消法として挙げるのは、非常に危険です。
これらの活動は、依存性の高さや金銭感覚の欠如を連想させ、自己管理能力が低いと評価される可能性が極めて高いからです。
企業は、従業員に対して計画性や堅実さを求めます。
特に、お金を扱う職種でなくとも、ギャンブルにのめり込む姿勢は、仕事に対する責任感や計画性の欠如と結びつけて考えられてしまいます。
たとえ趣味の範囲だとしても、面接という公の場で話す内容としては全く適切ではありません。
他に健全な解消法を伝えるようにしましょう。
ストレス解消法がないと答える
特にありません、あるいは、ストレスは感じないタイプです、といった回答もNGです。
一見、ストレスに強いことをアピールしているように聞こえるかもしれませんが、面接官はそうは受け取りません。
これは、自己分析ができていない、あるいは、自分の内面と向き合うことを避けている、という印象を与えてしまいます。
社会人になれば誰もが何らかのストレスを感じるのが当然です。
その現実から目を背けているかのような回答は、環境の変化に対応できない、精神的に未熟な人物だと判断されるリスクがあります。
自分なりの向き合い方を持っていることを示すのが重要です。
面接でストレス解消法を答える際の注意点
最後に、ストレス解消法を答える上で、全体を通して気をつけるべき注意点を3つ補足します。
これまで紹介したポイントや例文と合わせて、これらの注意点を押さえることで、学生の回答はより完璧に近づきます。
回答内容そのものだけでなく、伝え方や言葉の選び方一つで印象は大きく変わります。
面接官に少しでも懸念を抱かせないよう、細部まで気を配り、万全の態勢で面接に臨みましょう。
具体的ではない回答は避ける
私のストレス解消法は、趣味に時間を使うことです、のように、あまりに抽象的で具体性のない回答は避けましょう。
これでは、学生がどんな人物で、どのようにストレスと向き合っているのかが全く伝わりません。
面接官からは、自己分析が不足している、あるいは、質問に対して真剣に答えようとしていない、と受け取られる可能性があります。
趣味とは具体的に何なのか、それをすることでどう気持ちが変化するのか、といった具体的な情報を付け加えることが不可欠です。
学生の個性が伝わるような、解像度の高い回答を常に心がけてください。
他人任せの解消法は避ける
友人に話を聞いてもらう、家族に相談する、といった回答が悪いわけではありません。
しかし、それが全てで、自分自身の行動が伴わないような伝え方は、主体性がないと判断される可能性があります。
他者の助けを借りることは重要ですが、最終的にストレスと向き合い、乗り越えるのは自分自身です。
例えば、友人に相談してアドバイスをもらった上で、次はこのように行動しようと考えます、のように、他者からの働きかけをきっかけに、自分がどう主体的に行動するのかまでセットで語ることが重要です。
あくまで自分軸でストレスをコントロールしている姿勢を見せましょう。
健康に悪影響なものは避ける
やけ食いをします、徹夜でゲームをします、お酒をたくさん飲みます、といった、心身の健康を害する可能性のある方法は、たとえ事実であっても面接の場では避けるべきです。
これらは、自己管理能力の欠如を露呈しているのと同じです。
企業は、社員が心身ともに健康な状態で長く活躍してくれることを望んでいます。
不健康な方法でしかストレスを解消できない人物だと思われれば、入社後のパフォーマンスや勤怠に懸念を持たれても仕方がありません。
健全な方法で自己を律することができる、という社会人としての基本的な素養を示すことが大切です。
まとめ
面接でストレス解消法について聞かれる理由から、具体的な答え方のポイント、例文、注意点まで解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この質問は、学生を試すための意地悪なものではなく、学生の価値観や自己管理能力を知るための重要な機会です。
質問の意図を正しく理解し、学生らしい具体的なエピソードを交えながら、結論から話すことを意識してみてください。