HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
「調理師の面接って何を聞かれるんだろう？」「どう対策したら受かるんだろう？」と、不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、新卒で調理師を目指すあなたのために、面接でよく聞かれる質問から、面接官に良い印象を与えるための大切なポイントまで、必要な情報を網羅的に解説します。
しっかり準備をして、あなたの料理への熱い思いを伝え、成功を掴み取りましょう。
調理師の面接試験のポイント
調理師の面接は、他の職種と大きく異なる点があります。
それは、単に「料理が好き」という気持ちだけでなく、「食の安全を守るプロとしての意識」や「体力的な厳しさに耐えられるか」が非常に重視される点です。
ホテル、レストラン、病院など、どの現場であっても、面接官はあなたがチームの一員として、忙しい厨房の中で確実に仕事（業務）をこなし、前向きに技術を学んでいける人材かどうかを見ています。
あなたの熱意と同時に、プロとしての自覚と覚悟を伝えることが成功の鍵となります。
合格するには業務に対する理解が必要
一口に調理師の仕事と言っても、働く場所によってその内容や求められるスキルは大きく異なります。
例えば、高級ホテルのレストランと、病院や介護施設での調理では、料理の種類はもちろん、衛生管理の基準や、働く時間、求められる技術も全く違います。
面接を受ける前には、その企業（店、施設）が、どんなお客様に、どんな料理を提供しているのか、どんな点に特に力を入れているのか（例：地元の食材、栄養管理など）を徹底的に調べる必要があります。
その上で、「私は御社のこういう点に魅力を感じており、私自身が持つ〇〇（例：体力、丁寧さ、学生時代の経験）を、この業務でこのように活かして貢献したい」と、具体的に伝える準備をしておくことが非常に重要です。
予想できる問題はあらかじめ練習する
面接の成功は、どれだけ「準備」できたかで決まると言っても過言ではありません。
「なぜ調理師になろうと思ったのですか？」「自己PRをしてください」「学生時代に力を入れたことは？」といった基本的な質問は、どの企業の面接でも聞かれる可能性が非常に高いです。
こうした定番の質問こそ、あらかじめ回答の「核」となる部分を、あなた自身の経験や考えに基づいて作成し、しっかり練習しておくことが大切です。
ただし、例文を丸暗記するのはおすすめしません。
大切なのは、あなた自身の「思い」や「考え」を「自分の言葉」で伝えること。
調理の現場は忙しいことも多いため、面接官に簡潔かつ熱意が伝わるよう、声に出して練習し、準備万端で本番に臨みましょう。
調理師の面接のよくある質問と回答例
ここでは、調理師の面接で特に聞かれやすい「よくある質問」と、その回答のポイントを解説します。
これらの質問は、面接官（担当者）が、あなたの「人柄」や「調理師としての適性」、「仕事への熱意」を判断するための重要な材料となります。
回答例はあくまで参考です。
丸暗記するのではなく、あなた自身の経験や考え、応募する企業（店）の特徴に合わせて、オリジナルの回答を作成するためのヒントとして活用してください。
あなたらしい言葉で、自信を持って答えられるよう準備しましょう。
志望動機について
志望動機は、面接で最も重視される質問の一つです。
「なぜ数ある職業の中で調理師を選んだのか」「なぜ多くの中から、この企業（店、病院）を志望したのか」という2つの理由を、明確に伝える必要があります。
面接官は、あなたがどれだけ深く企業研究をしているか、そして「ここで働きたい」という熱意が本物かを見ています。
（回答の方向性例）「私が調理師を目指した理由は、料理を通じて人を笑顔にしたいという強い思いがあるからです。中でも御社（御店）は、〇〇（例：厳選された食材へのこだわり、地域密着の温かいサービス）を大切にされており、〇〇という点に深く共感いたしました。私もぜひこの現場で、調理技術の基本から学ばせていただき、一日も早くお客様に喜んでいただける料理を提供できる一員として貢献したいと考え、志望いたしました。」
入社後の抱負について
この質問では、あなたの将来性やキャリアプラン、仕事への意欲、そして何より「厳しい現場でも頑張れるか」という姿勢が見られます。
調理の仕事は、最初は皿洗いや仕込みといった下積みの業務から始まることがほとんどです。
そうした基本の仕事にも前向きに取り組む姿勢を伝えることが重要です。
（回答の方向性例）「まずは、皿洗いや清掃、仕込みといった調理の基本となる業務を、誰よりも丁寧かつ迅速に行えるよう全力で取り組みます。先輩方の仕事を見て学び、一日も早く現場の流れを掴みたいと考えております。将来的には、調理師免許の取得はもちろん、〇〇（例：衛生管理の知識、特定の料理分野）の技術も高め、お客様に安全で美味しい料理を提供し続けられる調理師に成長することが目標です。どんな仕事も積極的にこなし、貢献していきたいです。」
自己PRについて
自己PRは、あなたの「強み」や「スキル」を、調理師の仕事にどう活かせるか具体的にアピールするチャンスです。
調理師に求められる能力、例えば「体力（長時間の立ち仕事や力仕事に耐えられる）」「忍耐力（地道な作業をコツコツ続けられる）」「手先の器用さ」「チームワーク（他のスタッフと連携する力）」「衛生観念の高さ」などを、学生時代の具体的なエピソードを交えて説明しましょう。
（回答の方向性例）「私の強みは、目標達成に向けた忍耐強さと体力です。学生時代、〇〇（例：部活動、飲食店のアルバイト）で、〇〇という厳しい練習（業務）にも毎日コツコツと取り組み、3年間（または〇年間）無遅刻無欠席でやり遂げました。調理の仕事は、体力と根気が必要な厳しい現場であると伺っております。この経験で培った忍耐力と体力を活かし、どんなに忙しい時でも笑顔と元気を忘れず、チームの一員として貢献できると自負しております。」
時事問題について
調理師は、食のトレンドや社会問題に常にアンテナを張る必要がある仕事です。
この質問では、あなたの情報感度や、食に対する意識の高さが試されます。
特に、食中毒に関するニュース、食品ロス問題、アレルギー対応の重要性、新しい食材や調理技術、健康志向の高まり（例：オーガニック、プラントベースフードなど）といった、食の業界に関連する問題はチェックしておきましょう。
（回答の方向性例）「私が最近気になっているのは、食品ロスの問題です。食材を大切に使い切り、無駄を出さないことは、調理師としての基本的な姿勢であると同時に、社会全体で取り組むべき大きな課題だと感じています。私自身も、日々の業務の中で、食材の管理方法や仕込みの仕方を工夫し、少しでもロスの削減に貢献できるような調理師になりたいと考えています。」
基本的な面接突破の方法
調理師としての専門技術や知識も大切ですが、それ以前に、面接官は「一人の社会人として、またチームの一員として信頼できるか」を厳しく見ています。
特に厨房（現場）は、多くのスタッフが連携して成り立つ仕事場です。
面接は、知識を試す試験であると同時に、あなたと面接官との「対話」の場。
元気の良さ、素直さ、そして「この人と一緒に働きたい」と思わせる誠実な姿勢が何よりも重要です。
面接官の質問を理解し対応する
面接での基本中の基本は、「聞かれたことに的確に答える」ことです。
緊張のあまり、用意してきた回答を一方的に話してしまったり、質問の意図とずれた答えをしてしまったりしないよう、まずは相手の話を最後までしっかり聞くことを意識しましょう。
調理の現場では、先輩や担当者からの指示を正確に理解し、迅速に行動することが求められます。
面接の時点から「人の話をしっかり聞けるか」という点は見られています。
回答する際は、まず「結論」から話し、その後に「理由」や「具体例」を続けると、簡潔で伝わりやすくなります。
もし質問が聞き取れなかった場合は、恐れずに「申し訳ありません、もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか」と素直に確認する姿勢も大切です。
丁寧にはっきりと声を出す
調理の現場（厨房）は、機械の音やスタッフ間の指示の声などで、想像以上に騒がしいことが多いです。
面接の時に小さな声でボソボソと話していると、「現場でしっかりコミュニケーションが取れるだろうか」「体力的に大丈夫だろうか」と面接官に不安を与えてしまうかもしれません。
自信がなくても、意識的に背筋を伸ばし、相手の目を見て、はっきりと大きな声で話すことが非常に重要です。
「はい！」という元気の良い返事一つで、あなたの熱意や健康状態、明るい人柄を強くアピールすることができます。
これは技術ではなく「意識」の問題。
今からでもすぐに準備できる大切なポイントです。
自分の言葉で回答する
面接対策本やインターネットで見つけた例文をそのまま暗記して話すのは、最も避けるべきことの一つです。
面接官（特に料理長や店長など現場の担当者）は、これまでに何人もの応募者を見てきており、そうした「借り物の言葉」はすぐに見抜かれます。
また、少し深掘りされた質問（「それはどうして？」「具体的にどんな時そう感じた？」）をされた際に、答えに詰まってしまう原因にもなります。
大切なのは、あなた自身の「経験」や「料理への熱い思い」に基づいた「自分の言葉」で語ること。
たとえ少し拙くても、自分の考えを一生懸命伝えようとする誠実な姿勢こそが、面接官の心を動かし、良い印象を与えます。
調理師の面接試験の注意点
調理師の面接では、あなたが話す「内容」と同じか、それ以上に「清潔感」と「健康状態」が厳しくチェックされます。
これは、お客様の口に入る「食」を扱うプロフェッショナルとして、安全な料理を提供するという意識が、身だしなみや態度に表れると面接官が考えているからです。
ここでは、回答内容以外の、しかし合否に直結する可能性のある重要な注意点を解説します。
服装や髪に気をつける
面接における服装の基本は、何よりも「清潔感」です。
新卒の場合、リクルートスーツが基本ですが、シワや汚れがないか、アイロンがしっかりかかっているかを前日までに必ず確認しましょう。
特に調理師として重要なのは、髪、爪、髭です。
髪が長い場合は、顔にかからないよう清潔にまとめます。
爪は短く切り、汚れがない状態にしておくこと。
ネイルアートはもちろんNGです。
男性の髭は、基本的にはきれいに剃っていくのが無難です。
また、靴も意外と見られています。
磨かれたきれいな靴で臨みましょう。
香水や派手なアクセサリーは、食を扱う場にふさわしくないため厳禁です。
態度と姿勢
面接は、面接室に入室するところから始まっています。
調理師は体力勝負の仕事でもあり、お客様に料理を提供するサービス業の一面も持っています。
そのため、「元気の良さ」「明るさ」「素直さ」が伝わる態度が非常に良い印象を与えます。
背筋を伸ばして良い姿勢を保ち、面接官の目を見てハキハキと話しましょう。
相手が話している時は、適度に相槌を打ち、「話をしっかり聞いています」という姿勢を示すことも、現場でのコミュニケーション能力の評価につながります。
待機中や退室時の態度も気を抜かず、最後まで「この人となら一緒に働きたい」と思ってもらえるような、誠実な態度を心がけましょう。
面接練習はAIでするのもあり！
「面接の準備はしたけれど、人と話すのが苦手」「学校のキャリアサポートや友人と予定が合わない」そんな時におすすめしたいのが、AIを活用した面接練習サービスです。
近年、AIが面接官役となり、あなたの回答や話し方、声のトーンなどを分析・評価してくれるサービスが増えています。
時間や場所を選ばずに、納得いくまで何度も練習できるのが大きな魅力。
客観的なフィードバックをもらえるため、自分では気づきにくい癖や改善点を知るきっかけにもなります。
おわりに
調理師の面接は、あなたの「料理への熱い思い」と、「食のプロとして働く覚悟」を企業（店）に伝える絶好のチャンスです。
面接官は、現時点での技術や経験だけでなく、あなたという「人」が、厳しい現場でも前向きに働き、チームの一員として成長してくれるかどうかを見ています。
この記事で紹介したポイントや質問例を参考に、しっかり準備を重ねてください。
準備を尽くしたら、あとは自信を持って、あなたの言葉で魅力を伝えてください。
あなたの就職活動が成功することを心から応援しています。
