
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
目次[目次を全て表示する]
はじめに
金融業界は、経済の血液とも呼ばれる「お金」の流れを司り、個人や企業の生活、そして社会全体を支える重要な役割を担っています。
銀行、証券会社、保険会社など、多岐にわたる業態が存在し、それぞれのフィールドで専門性の高い多様な職種が活躍しています。
金融業界でのキャリアを考える際、それぞれの職種がどのような役割を果たし、どのようなスキルが求められるのかを理解することは、就職活動を成功させるための第一歩となります。
本記事では、金融業界で活躍する主要な職種を業態別に徹底解説し、ご自身の適性を見極めるためのヒントを提供いたします。
【金融業界職種】金融業界で活躍する職種一覧
金融業界は、お金の流れに関わるあらゆるサービスを提供しており、その職種も多種多様です。
企業の資金調達をサポートする仕事もあれば、個人の資産形成を支援する仕事もあります。
どの職種も、信頼性、専門性、そして倫理観が強く求められるのが特徴です。
この章では、金融業界全体に共通して存在する主要な職種の中から、「営業職」「融資・審査職」「資産運用・投資関連職」の三つに焦点を当て、それぞれの役割と重要性について解説いたします。
業界の全体像を把握し、ご自身のキャリアの方向性を考えるきっかけとしてください。
営業職(個人・法人向け提案が中心)
金融業界における営業職は、自社の金融商品やサービスを顧客に提案し、販売することで収益を生み出す最前線の役割を担います。
顧客は、個人の資産形成を考える方々から、資金調達や M&A を検討する大企業まで多岐にわたります。
個人向け営業は、投資信託や保険、住宅ローンなど、個人のライフイベントに合わせた金融商品のコンサルティングが中心です。
一方、法人向け営業は、融資提案、外国為替、企業年金、事業承継の支援など、企業の経営戦略に深く関わる提案を行います。
高いコミュニケーション能力はもちろん、経済や金融商品に関する深い知識、そして顧客の将来を真剣に考える誠実さが求められます。
顧客の夢や企業の成長を支える、非常に責任とやりがいのある職種です。
融資・審査職(企業の信用やリスクを判断する)
融資・審査職は、主に銀行において、企業や個人への融資の可否、および融資条件を決定する重要な役割を担います。
企業の財務状況や事業計画を詳細に分析し、融資をしても確実に返済されるか、つまり「信用リスク」を評価します。
具体的には、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を読み解き、企業の将来性を判断するための市場分析も行います。
審査の過程では、企業の担当者や経営者から事業内容や資金使途についてヒアリングを行うため、高い専門知識に加え、ヒアリング能力や交渉力も不可欠です。
適切な審査は、銀行の健全な経営を守る「門番」であると同時に、資金を必要とする企業を支援し、経済を活性化させるという社会的責任も伴います。
論理的な思考力と、公正な判断を下す冷静さが極めて重要となる職種です。
資産運用・投資関連職(市場分析や資産形成を支援する)
資産運用・投資関連職は、顧客(個人や機関投資家)から預かった資産を、株式、債券、不動産などの金融市場で運用し、増やしていくことをミッションとする職種です。
アナリストは、企業や産業、経済全体の分析を行い、投資すべき対象を評価します。
ファンドマネージャーは、アナリストの分析に基づき、実際にどの銘柄に、どれだけの比率で投資するかを決定し、運用を行います。
また、証券会社や銀行では、顧客の資産状況やリスク許容度に応じて、最適な投資戦略を提案するプライベートバンカーやウェルス・マネージャーなどもこの範疇に含まれます。
金融市場は常に変動するため、経済学やファイナンスの専門知識、高度な分析スキル、そして市場の急変に動じない冷静な判断力が求められます。
顧客の未来の資産を預かる、高度なプロフェッショナル集団です。
【金融業界職種】銀行で活躍する職種
銀行は、私たちの生活に最も身近な金融機関の一つであり、預金、為替、融資の三大業務を通じて、個人や企業の経済活動を支えています。
地域に根差した店舗網を持ち、幅広い顧客層に対してサービスを提供しているのが特徴です。
そのため、銀行には、顧客と直接関わる営業職から、企業の成長をサポートする法人向けの専門職、そして店舗運営を支える事務職まで、多様な職種がバランス良く配置されています。
この章では、銀行という安定的なインフラを支える主要な職種、「リテール営業」「法人営業」「事務職」に焦点を当て、それぞれの役割と銀行内での重要性を解説いたします。
リテール営業(個人向け金融商品の提案)
リテール営業は、銀行の窓口や訪問を通じて、主に個人のお客様に対して金融商品を提案・販売する職種です。
「リテール」とは小口の取引を意味し、顧客の人生設計に寄り添いながら、お金に関する様々なニーズに応えることがミッションです。
具体的な取り扱い商品は、住宅や自動車のローン、教育資金のための積立型投資信託、老後資金のための年金保険など、多岐にわたります。
顧客の家族構成、収入、将来設計などをヒアリングし、数ある商品の中から最適なソリューションをコンサルティングする能力が求められます。
地域密着型の店舗勤務となることが多く、顧客との長期的な信頼関係を築くための、親しみやすさ、高い傾聴力、そして商品知識を分かりやすく伝える説明能力が不可欠です。
銀行の収益基盤を支える、重要な役割を担っています。
法人営業(企業融資・資金調達のサポート)
法人営業は、中小企業から大企業まで、あらゆる企業の経営課題解決を金融面からサポートする職種です。
主な業務は、企業の運転資金や設備投資のための融資提案ですが、それだけに留まりません。
M&A(企業の合併・買収)の仲介、海外進出時の為替リスクヘッジの提案、事業承継の支援、株式公開(IPO)のサポートなど、企業の成長ステージや経営戦略に深く関わる高度なソリューションを提供します。
企業経営者や財務担当者と直接対話し、経営状況や業界動向を深く理解するための高い分析力とビジネスセンスが求められます。
単なる商品の押し売りではなく、企業の未来を一緒に考えるパートナーとして信頼されることが重要です。
経済を動かすダイナミックな現場で活躍したいと考える人にとって、大きなやりがいを感じられる職種です。
事務職(店舗運営やバックオフィス業務)
銀行の事務職は、窓口での入出金や振り込み手続きといったテラー業務(窓口業務)から、店舗全体の円滑な運営を支える後方事務まで、幅広い業務を担います。
特に、お金を扱うため、厳格な正確性とスピードが求められ、ミスのない丁寧な作業が不可欠です。
具体的には、融資の実行に必要な書類の準備やデータ入力、口座開設や解約の手続き、そして各種法令や内部規定に則った取引の確認作業などがあります。
また、営業担当者が顧客への提案に集中できるよう、各種書類作成やデータ分析などの営業サポートを行うことも重要な役割です。
顧客との最初の接点となる窓口では、親切で正確な対応が銀行の信頼につながります。
縁の下の力持ちとして、銀行全体の円滑な運営と、法令遵守を支える重要な役割を担っています。
【金融業界職種】証券会社の代表的な職種
証券会社は、株式や債券といった有価証券の売買を仲介したり、企業が市場から資金を調達するサポート(引き受け)を行ったりと、資本市場を舞台に活躍する金融機関です。
市場の動きに直接的に関わるため、ダイナミックでスピーディな意思決定が求められるのが特徴です。
この章では、証券会社のビジネスを牽引する主要な職種、「リテール営業」「ホールセール営業」「トレーダー」の三つを取り上げ、それぞれの役割と、資本市場における重要性について詳しく解説いたします。
リテール営業(個人投資家向け)
証券会社のリテール営業職は、主に個人のお客様を対象に、株式、債券、投資信託などの金融商品の提案を行います。
銀行のリテール営業と異なり、よりリスクの高い、リターンの追求を目的とした商品やサービスを扱う機会が多いのが特徴です。
お客様の資産状況、投資経験、リスク許容度などを詳細にヒアリングし、お客様一人ひとりに合わせた資産運用戦略を提案します。
マーケットの情報をいち早くキャッチし、経済の動きや企業の業績に関する専門的な分析に基づいた情報提供を行うため、高い金融知識と市場分析力が不可欠です。
お客様の資産を増やし、将来設計をサポートするという大きな責任と、市場の変動を乗り越えて成果を上げたときの大きな達成感を得られる職種です。
ホールセール営業(機関投資家や法人向け)
ホールセール営業職は、年金基金、ヘッジファンド、生命保険会社などの機関投資家や、事業法人を顧客とする営業部門です。
「ホールセール」とは大口の取引を意味し、扱う金額が大きく、高度な専門性が求められるのが特徴です。
主な業務は、株式や債券の売買仲介、デリバティブなどの複雑な金融商品の提案、そして企業への M&A や資金調達に関するアドバイス提供です。
機関投資家に対しては、市場分析レポートの提供や、投資戦略に関するコンサルティングを行います。
企業の経営層や、ファンドの運用責任者といったプロフェッショナルを相手にするため、深い金融工学の知識や経済の洞察力に加え、高いレベルのコミュニケーション能力とプレゼンテーション能力が求められます。
資本市場の最も高度な領域で活躍する職種です。
トレーダー(金融商品の売買を担当)
トレーダー職は、証券会社の自己勘定取引や、顧客からの注文に基づき、株式、債券、為替などの金融商品を市場で実際に売買する役割を担います。
市場の価格動向を瞬時に分析し、取引のタイミングや数量を決定する瞬発力と高度なリスク管理能力が求められます。
自己勘定取引(プロップトレーディング)を行うトレーダーは、自社の資金を使って利益を追求するため、市場に対する鋭い洞察力と、冷静かつ大胆な意思決定能力が不可欠です。
また、顧客の注文を執行するエージェンシートレーダーは、顧客にとって最適な価格で迅速に取引を成立させる責任があります。
大量の情報を処理し、一瞬で判断を下す数字に対する強さとストレス耐性が求められる、非常に専門性が高く、ダイナミックな職種です。
【金融業界職種】保険会社で活躍する職種
保険会社は、生命保険や損害保険といった商品を通じて、人々の生活における様々なリスクに備える「安心」を提供する役割を担っています。
長期にわたる契約が中心となるため、安定性や信頼性が非常に重要視される業界です。
保険会社では、商品の販売だけでなく、リスクを統計的に評価し、保険料を算出する専門職など、独自の職種が活躍しています。
この章では、保険会社ならではの重要な職種、「営業職」「商品企画」「アクチュアリー」の三つに焦点を当て、その具体的な仕事内容と、保険ビジネスにおける重要性を解説いたします。
営業職(保険商品のコンサルティング)
保険会社の営業職は、個人や法人に対して、最適な保険商品をコンサルティングし、販売する役割を担います。
単に商品を売るだけでなく、顧客のライフステージ(結婚、出産、住宅購入、老後など)や、企業の事業リスク(災害、賠償責任など)を詳細にヒアリングし、万が一の事態に備えるためのオーダーメイドの設計を行うことが求められます。
生命保険では、顧客の将来の生活設計を共に考え、損害保険では、企業が事業を継続できるための包括的なリスクヘッジを提案します。
顧客のプライベートな情報や経営状況に深く関わるため、高い倫理観と、顧客との間に確固たる信頼関係を築くための誠実さが不可欠です。
人々の生活や企業の安定を支える、社会貢献性の高い職種です。
商品企画(新商品の開発)
商品企画職は、市場のニーズ、社会の動向、そして競合他社の動きを分析し、新しい保険商品を開発する役割を担います。
例えば、新しい病気や災害リスクに対応する特約の開発、高齢化社会に対応した年金保険の設計、IoT技術を活用した自動車保険の開発などが挙げられます。
この職種は、顧客の「安心したい」という潜在的なニーズを見つけ出し、それを具体的な商品として形にする創造性とマーケティングセンスが求められます。
また、新商品の保険料率や収益性を、後述のアクチュアリーと連携しながら検証し、法的な問題がないかを法務部門と確認するなど、多くの部門を巻き込みながらプロジェクトを推進する高い調整能力も不可欠です。
保険会社の成長戦略の根幹を担う、非常に重要な職種です。
アクチュアリー(保険料算出の専門家)
アクチュアリーは、保険商品の設計において、科学的・統計的な手法を用いて保険料や責任準備金(将来の保険金支払いのために積み立てるお金)を算出する高度な専門職です。
具体的には、過去の死亡率、病気の発症率、災害の発生確率、投資利回りなどの様々なデータを分析し、将来のリスクを予測します。
この予測に基づき、保険会社が健全に経営を続け、かつ顧客に適切な保険料で商品を提供できるような数理モデルを構築します。
資格取得には、極めて難易度の高い試験を突破する必要があり、金融業界の中でも特に数学、統計学、経済学の深い知識が求められる専門職です。
商品の収益性と会社の安定性を担保する、保険ビジネスの核となる役割を担う、極めて重要なプロフェッショナルです。
【金融業界職種】金融業界のバックオフィス職
金融業界では、顧客と直接対面するフロントオフィス(営業など)の活動を、裏側から支えるバックオフィスの存在が不可欠です。
バックオフィス職は、取引の正確性、組織の健全性、そしてシステムの安定性を担保し、金融機関の信頼性を守る「砦」のような役割を担います。
これらの職種は、派手さはありませんが、一つ一つの業務が法令遵守やリスク管理といった企業の存続に関わるため、極めて重要です。
この章では、金融機関の信頼と安定を支える「リスク管理」「コンプライアンス」「システム部門」の三つのバックオフィス職について解説いたします。
リスク管理(市場・信用リスクを評価)
リスク管理職は、金融機関が直面するあらゆるリスク(市場リスク、信用リスク、オペレーショナルリスクなど)を特定、評価、そして監視し、損失を最小限に抑えるための体制を構築・運営する役割を担います。
市場リスクとは、金利や株価などの市場変動による損失リスクのことであり、信用リスクは、融資先や取引先が債務不履行に陥るリスクを指します。
リスク管理職は、これらのリスクを定量的に分析するための高度な数理モデルを用い、経営層に対してリスク許容度や適切なヘッジ(回避)戦略を提言します。
金融の専門知識に加え、統計学や数理的な分析能力が不可欠であり、常に最悪の事態を想定して冷静に判断を下す危機管理能力が求められます。
金融機関の安定経営を支える、極めて重要な専門職です。
コンプライアンス(法令遵守の管理)
コンプライアンス職は、金融機関が法令、規制、社内ルールなどを厳格に遵守して業務を遂行しているかを監視し、指導する役割を担います。
金融業界は、顧客の資産を預かるという性質上、特に厳しい規制下に置かれており、コンプライアンス違反は企業の信用を失墜させる重大な問題に発展します。
具体的な業務としては、新しい法令や規制改正への対応策の策定、社員に対するコンプライアンス研修の実施、取引や広告表現のチェック、そして不正行為の防止体制の構築などがあります。
法律や金融商品取引法に関する深い知識に加え、組織全体の意識を高めるための高いコミュニケーション能力と、不正に対して毅然とした態度で臨む強い倫理観が求められます。
企業の信頼を根底から支える、守りの要となる職種です。
システム部門(金融システムの開発・保守)
金融機関のシステム部門は、預金、融資、取引、決済など、あらゆる金融サービスを支える大規模なITシステムの開発、運用、保守を担う役割です。
現代の金融ビジネスは、インターネットバンキングや FinTech の進化により、ITシステム無しには成立しません。
この部門のミッションは、膨大な量の金融取引を正確かつ迅速に処理し、顧客情報などの機密情報をサイバー攻撃から守り、システムを 24 時間 365 日安定稼働させることです。
具体的な業務には、システムの設計、プログラミング、セキュリティ対策、そして障害発生時の緊急対応などがあります。
ITに関する専門知識はもちろん、金融業務の深い理解、そして変化の激しい技術トレンドに対応するための学習意欲が求められます。
金融の未来をITの力で切り開く、重要な職種です。
【金融業界職種】金融業界で活躍するためのポイント
金融業界は、専門性と倫理観が求められるプロフェッショナルな世界です。
数多くの職種が存在しますが、どのポジションで働くにしても、活躍するために共通して必要とされるスキルや考え方があります。
特に、お金や経済を扱うという特性上、数字に対する感覚や、論理的な思考力が重要になります。
また、多くの職種で顧客や社内外の関係者との密な連携が求められるため、コミュニケーション能力も不可欠です。
この章では、金融業界でキャリアを築くために身につけておくべき重要なポイントについて、具体的な理由とともに解説いたします。
数字や論理思考が求められる理由
金融業界において、数字や論理思考はビジネスの言語そのものです。
営業職であっても、単に「この商品が良い」と感情的に勧めるのではなく、「お客様の〇〇という目標に対し、この商品の期待利回りは〇〇%であり、過去のデータから見て〇〇というリスクがあるため、ポートフォリオの〇〇%をこの商品に割り当てるのが論理的である」と、データと根拠に基づいた提案が求められます。
融資・審査職やリスク管理職においては、財務諸表や市場データを分析し、複雑なリスクを数理的に評価・予測するために、高度な論理的思考力が不可欠です。
この能力は、入社後に研修で習得できる部分もありますが、日頃から経済ニュースやデータに触れ、**「なぜそうなるのか」**を深く考える習慣をつけることが重要です。
コミュニケーション力が重要な背景
金融業界の仕事は、高度な専門性を伴いますが、最終的には「人と人との信頼関係」の上に成り立っています。
営業職においては、顧客のプライベートな資産状況や企業の経営状況という機密性の高い情報を聞き出すために、高い信頼関係を築くコミュニケーション力が不可欠です。
また、融資や審査の過程では、顧客に対して融資の可否や条件を納得感を持って説明するための交渉力や説明力が求められます。
バックオフィス職においても、リスク管理やコンプライアンスのルールを社内の他部門に浸透させるためには、単なる指示ではなく、相手の立場を理解した上での協力的なコミュニケーションが重要になります。
相手の真のニーズを引き出し、複雑な内容を分かりやすく伝える能力は、どの職種においても成功の鍵となります。
専門知識を身につけるための勉強方法
金融業界で活躍するためには、入社後も継続的に専門知識をアップデートしていく必要があります。
学生時代から始めるべき勉強方法としては、まず日経新聞や経済ニュースを毎日読み、経済の仕組みや最新の動向についてマクロな視点を養うことです。
次に、簿記や証券アナリスト、ファイナンシャル・プランナー(FP)などの資格試験を通じて、会計や金融商品の基本的な知識を体系的に学ぶことが非常に有効です。
これらの知識は、面接での質問への対応力を高めるだけでなく、入社後の実務や資格取得に向けた土台となります。
さらに、大学の授業で経済学、商学、法学などを積極的に履修し、興味のある分野を深く掘り下げることも大切です。
自ら学び続ける意欲こそが、プロフェッショナルとしての成長を支えます。
【金融業界職種】就活成功に繋げるには
金融業界の就職活動は、多くの学生にとって競争が激しいものですが、職種に関する深い理解を持つことで、内定獲得の可能性を大きく高めることができます。
企業は、職務内容を理解し、入社後に活躍できる具体的なイメージを持っている学生を高く評価します。
単に「金融業界で働きたい」という熱意だけでなく、「この職種を通じて、御社に〇〇という貢献をしたい」という明確なビジョンを示すことが重要です。
この章では、職種理解が就職活動の成功にどのようにつながるのか、具体的なメリットを解説いたします。
志望動機の説得力が大きく高まるため
職種への深い理解は、志望動機の説得力を飛躍的に向上させます。
「銀行の法人営業を通じて、日本の企業を支えたい」という動機だけでは不十分です。
例えば、「御社の法人営業の課題解決型融資に魅力を感じています。
特に、地域の製造業の事業承継問題に対し、大学で学んだファイナンス知識を活かし、事業性評価に基づく融資とM&Aサポートを通じて解決に貢献したいです」といった、具体的なビジネスモデルと職務内容に踏み込んだ動機は、面接官に強い印象を与えます。
職種の専門用語や具体的な業務課題を織り交ぜることで、企業研究の深さと、入社後の活躍イメージを明確に示すことができるのです。
職種別の選考ポイントが分かりやすくなるため
職種ごとの選考ポイントを把握することは、面接やエントリーシートでのアピールポイントを絞り込む上で極めて有効です。
例えば、リテール営業職であれば、「顧客の信頼を得るための親和性の高さやコミュニケーション能力」を裏付けるエピソード(アルバイト経験など)を重点的にアピールすべきです。
一方、リスク管理職であれば、「数字に基づく論理的な思考力や、緻密な分析能力」を研究内容やゼミでの活動を通じて示す必要があります。
職種の特性に合わせて自身の強みと過去の経験を結びつけることで、選考官が求める人材像に合致した、説得力のある自己PRを展開することができます。
入社後のミスマッチを防げるため
職種を深く理解することは、入社後のミスマッチを防ぐための最良の防御策です。
金融業界の仕事は華やかなイメージがありますが、実際には地道な学習や厳格なルール遵守が求められます。
「トレーダーになりたい」という夢だけで入社しても、実際のリスクとプレッシャーに耐えられなければ、早期離職につながる可能性があります。
インターンシップや OB 訪問を通じて、その職種の仕事の楽しさだけでなく、日常のルーティンやストレス要因といったリアルな側面も含めて理解しておくことが重要です。
入社後の業務内容を具体的にイメージできていれば、「この仕事なら大変な状況も乗り越えられる」という確信を持って、長期的なキャリアを歩み始めることができます。
よくある質問(FAQ)
金融業界を志望する人の思いつく質問をまとめました。
文系でも金融の専門職に応募できますか?
はい、文系でも応募できる専門職は多数あります。
金融業界の専門職として代表的なアクチュアリーやクオンツ(数理分析職)は、高度な数学的知識が必須のため、理系出身者が中心となります。
しかし、リスク管理、コンプライアンス、金融商品の企画開発など、他の専門職では、法学、経済学、商学を専攻した文系出身者も多く活躍しています。
例えば、法務やコンプライアンスは法学部出身者が強みを発揮しますし、企画職は市場分析やマーケティングの視点が重要です。
大切なのは、応募資格を満たしているかを確認し、学生時代に簿記や FP などの専門知識を自ら積極的に学び、体系的に身につけていることをアピールすることです。
証券と銀行の営業職の違いは?
証券会社と銀行の営業職の大きな違いは、取り扱う商品と提案のスタンスにあります。
銀行のリテール営業は、住宅ローンや年金、保険など、生活の安定やリスクヘッジを目的とした比較的リスクの低い商品を扱い、顧客との長期的な生活設計に基づいたコンサルティングが中心です。
一方、証券会社の営業は、株式や投資信託など、高いリターンを追求する投資商品の提案が中心で、市場の変動や投資戦略に関する専門的なアドバイスが多くなります。
また、法人営業においても、銀行は「融資」を通じて企業の資金需要に応えるのに対し、証券会社は「株式・債券の発行(引き受け)」や M&A 仲介など、より資本市場を通じた資金調達や戦略的な財務アドバイスに強みがあります。
資格は就活にどれくらい影響しますか?
資格は、就職活動においてあなたの学習意欲と専門分野への関心度を示す強力なアピール材料になりますが、内定を保証するものではありません。
例えば、簿記 2 級や FP 2 級などは、会計や金融の基礎知識を習得していることの証明になり、特にバックオフィス職や営業職で評価されることが多いです。
また、特定の専門職を目指す場合、アクチュアリーや証券アナリストなどの難関資格の勉強を開始していることも熱意を示す材料になります。
しかし、資格よりも、資格取得を通じて得た知識を、どのように仕事で活かしたいのかという具体的なビジョンや、資格勉強に取り組んだプロセスで培われた論理的思考力や継続力を、面接で説得力を持って説明できることの方がより重要です。
まとめ
本記事では、金融業界における多様な職種を、銀行、証券、保険という業態別、そしてフロント・バックオフィスという機能別に解説いたしました。
金融業界で活躍する職種は、経済活動の根幹を支える責任と、人々の未来を形作るやりがいに満ちています。
就職活動を成功させるためには、ご自身の適性や興味が、数字や論理思考が求められる金融のどの職種の特性に合致しているかを深く見極めることが重要です。
ぜひこの記事を参考に、OB訪問やインターンを通じて職種への理解を深め、あなたの強みを最大限に活かせる金融業界でのキャリアを見つけてください。