【例文3選】ガクチカで開発職志望者がアピールすべきことは?書き方から注意点まで徹底解説

【例文3選】ガクチカで開発職志望者がアピールすべきことは?書き方から注意点まで徹底解説

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伊東美奈
Digmedia監修者
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

はじめに

就職活動において、エントリーシートや面接で必ずと言ってよいほど問われる項目が学生時代に力を入れたことです。

特に専門的なスキルや適性が重視される開発職の採用選考では、この項目を通じてエンジニアとしての資質やポテンシャルが厳しくチェックされます。

しかし、どのようにエピソードを選び、どのような構成で伝えれば人事担当者の心に響くのか悩む学生は少なくありません。

この記事では開発職志望の学生に向けて、評価される回答の作成法を徹底解説します。

【開発職のガクチカ】学生時代に力を入れたこと

学生時代に力を入れたこと、通称ガクチカを作成する際にまず意識すべきなのは、対象とする期間の定義です。

就職活動における学生時代とは、最終学歴となる期間を指すのが一般的であり、大学生であれば大学生活、専門学生であれば専門学校での生活が該当します。

高校時代のエピソードを使ってしまうと、大学生活では何も取り組まなかったのかと疑念を抱かれる可能性があります。

そのため直近の学生生活での経験を題材にすることが、評価を得るための第一歩となるのです。

自己PRとの違い

ガクチカと混同されがちな項目に自己PRがありますが、企業が見ているポイントは明確に異なります。

自己PRは自身の強みや能力を提示し、それが入社後にどう役立つかをアピールする場です。

一方でガクチカは、困難に対してどのように取り組み、何を学んだかというプロセスに焦点を当てています。

つまり企業はガクチカを通して、学生の人柄や価値観、そして経験から学び取る力を持っているかを確認しているのです。

【開発職のガクチカ】企業がガクチカを聞く理由

企業がなぜこれほどまでに学生時代の経験を重視するのか、その意図を理解することは選考対策において非常に重要です。

開発職の採用担当者は、単にプログラミングができるかどうかだけでなく、組織の一員として活躍できる人材かどうかを多角的に判断しようとしています。

応募者の過去の行動事実を知ることで、入社後の行動特性や将来の可能性を予測しようとしているのです。

ここでは企業が特に注目している3つの視点について詳しく解説していきます。

自社とマッチングする人なのか

企業は学生が何に情熱を注ぎ、どのような動機で行動したのかを知ることで、その人の人柄や価値観が自社の社風に合うかを見極めています。

特にチームでの開発経験やサークル活動などの集団行動におけるエピソードからは、周囲とどのように関わり、協力体制を築けるかという協調性が読み取れます。

開発現場ではチームでの連携が不可欠であるため、組織に適応し円滑に業務を進められる人物であるかを慎重に判断しているのです。

職場でも頑張れる人なのか

仕事においては困難な課題に直面し、高い壁を乗り越えなければならない場面が多々あります。

学生時代に目標に向かって粘り強く努力した経験がある人は、社会人になっても同様に困難から逃げずに努力を継続できると期待されます。

過去の行動は未来の行動を予測する最良の材料となるため、採用担当者は学生時代の取り組みを通じて、入社後の仕事に対する姿勢をシミュレーションしています。

高い意欲を持って業務に取り組み、会社に貢献してくれる人材であるかを確認しているのです。

学びの姿勢があるか

開発職などの技術進歩が速い職種では、常に新しい知識を吸収し成長し続ける姿勢が求められます。

企業は経験そのものの成果だけでなく、その経験から何を学び、どのように次の行動へ活かしたかという成長プロセスを重視します。

失敗や成功から教訓を得て、自分自身や組織をより良くするために改善を繰り返せる人材は魅力的です。

入社後も自律的にスキルアップし、長期的に活躍できるポテンシャルがあるかを評価しています。

【開発職のガクチカ】開発職に必要なスキル

開発職として内定を勝ち取るためには、単に頑張った経験を語るだけでなく、エンジニアとして求められる資質を備えていることを示す必要があります。

ガクチカのエピソードの中に、職種適性を感じさせる要素を盛り込むことで、採用担当者に現場で活躍するイメージを持たせることができます。

ここでは開発職において特に重要視される5つのスキルと、それをガクチカでどのようにアピールすべきかについて解説します。

論理的思考力

システム開発の現場では、複雑な事象を整理し、筋道を立てて解決策を導き出す論理的思考力が不可欠です。

ガクチカにおいては、直面した課題の原因をどのように分析し、なぜその解決策を選んだのかという思考プロセスを明示することで、この能力をアピールできます。

感情や行き当たりばったりの行動ではなく、ロジックに基づいた判断ができることをエピソードに組み込むと効果的です。

継続的な学習意欲

IT業界の技術トレンドは移り変わりが激しく、エンジニアには常に新しい技術を学び続ける知的好奇心と持続力が求められます。

授業の課題だけでなく、自発的に新しいプログラミング言語を習得したり、技術書を読み込んだりした経験は高く評価されます。

知的好奇心を持って自ら学習機会を作り出し、継続的にスキルを高めようとする姿勢を具体的な行動事実として伝えてください。

問題解決能力

開発業務はバグの修正や仕様変更への対応など、予期せぬトラブルとの戦いでもあります。

困難な状況に陥った際に、諦めずに原因を究明し、適切な手段で状況を打開した経験は、実務における問題解決能力の証明となります。

どのような障壁があり、それを乗り越えるためにどのような工夫を凝らしたのかを具体的に描写することが重要です。

チームワークと協調性

大規模なシステム開発では、多くのエンジニアや関係者と協力してプロジェクトを進める必要があります。

独りよがりな行動ではなく、チームメンバーとコミュニケーションを取り、意見を調整しながら目標達成を目指した経験は大きな強みになります。

他者の意見を尊重しつつ、チーム全体の成果を最大化するために自分がどのような役割を果たしたかを伝えてください。

最後までやり抜く力

システム開発は納期との戦いでもあり、粘り強く作業を続けて完成まで漕ぎ着ける完遂力が求められます。

途中で投げ出さずにプロジェクトを完遂した経験や、長期にわたって一つのことに打ち込んだ事実は、責任感の強さを裏付ける証拠となります。

困難があっても目標達成まで努力を継続できるタフな精神力を持っていることを、具体的な成果とともにアピールしましょう。

【開発職のガクチカ】構成

読み手にストレスを与えず、内容を正しく理解してもらうためには、論理的で分かりやすい構成で文章を組み立てる必要があります。

どれほど素晴らしい経験をしていても、話の順序が乱れていると魅力が半減してしまいます。

ここではPREP法などを応用した、採用担当者に響く王道の構成を紹介します。

この6つのステップに沿ってエピソードを整理することで、説得力のあるガクチカを作成することができます。

1. 結論

ビジネス文書や面接の回答において最も重要なのは、最初に結論を述べることです。

まずは私が学生時代に最も力を入れたことは〇〇ですと端的に宣言し、これから何について話すのかを相手に明確に伝えます。

冒頭でテーマをはっきりとさせることで、聞き手はその後の詳細な内容を理解するための準備が整います。

回りくどい表現は避け、一文で簡潔に言い切る潔さが好印象を与えます。

2. 背景

次に、その取り組みを始めたきっかけや、なぜそれに力を入れようと思ったのかという動機を説明します。

同じサークル活動や研究活動であっても、参加した理由は人それぞれ異なり、そこにあなた独自の人柄や価値観が表れます。

この背景部分を丁寧に描写することで、エピソードにオリジナリティが生まれ、聞き手の関心を惹きつけることができます。

自発的な動機や目的意識を持っていたことを示す重要なパートです。

3. 目的

取り組みの中でどのような目標を掲げ、何を成し遂げようとしたのかを具体的に示します。

また、その目標を達成する過程でどのような課題や困難が存在したのかについても触れておきます。

目的と課題が明確になることで、その後の行動の難易度や重要性が伝わりやすくなります。

現状と理想のギャップをどのように認識していたかを語ることで、課題発見能力があることをアピールできます。

4. 具体的な取り組み

ここがガクチカの核心となる部分であり、課題に対して実際にどのような行動を起こしたのかを詳述します。

単に行動を羅列するのではなく、なぜその行動をとったのかという意図や、自分なりに工夫した点を盛り込むことが大切です。

開発職であれば、技術的なアプローチやチーム内での役割分担などにも触れると良いでしょう。

あなた自身の思考と行動が具体的にイメージできるように描写してください。

5. 結果

一連の取り組みの結果、どのような成果が得られたのかを報告します。

定量的な成果があれば数字を用いて示し、定性的な成果であれば周囲の変化や自身の内面的な変化を伝えます。

成功体験だけでなく、たとえ目標に届かなかった場合でも、そこに至るまでのプロセスで得られた成果を誠実に伝えることが大切です。

客観的な事実に基づいて結果を提示することで、エピソード全体の説得力が増します。

6. 学びと入社後の結び付け

最後に、この経験を通じて何を学び、その学びを入社後の業務にどのように活かせるかを述べます。

単なる思い出話で終わらせず、社会人としての再現性があることを示すことで、採用担当者に採用メリットを感じさせることができます。

開発職としての適性や志望度の高さを改めてアピールし、文章全体を締めくくります。

経験を未来の貢献へと繋げることで、ポジティブな印象を残すことができます。

PREP法は面接でも有効!

これまで解説した構成は、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)というPREP法の流れを汲んでいます。

この構成を身につけておけば、エントリーシートの作成だけでなく、面接での受け答えでも役立ちます。

面接では予期せぬ質問を受けて焦ってしまうことがありますが、型を意識していれば論理的に話すことができます。

即興で話す際にも思考を整理しやすくなるため、ぜひ習得しておきたいテクニックです。

【開発職のガクチカ】ポイント

ガクチカを作成する際には、単に事実を並べるだけでなく、読み手にとって分かりやすく、かつ評価されやすい表現を心がける必要があります。

採用担当者は数多くのエントリーシートに目を通しているため、印象に残る文章にするための工夫が求められます。

ここでは、より質の高いガクチカに仕上げるための具体的なテクニックを紹介します。

特に意識すべき2つのポイントを押さえて、他の学生との差別化を図りましょう。

具体的な数字を盛り込む

エピソードの規模や成果を伝える際、具体的な数字を用いることで客観性と説得力が格段に向上します。

例えば、サークルのリーダーをしたというだけでなく、部員数50名のサークルを率いたとするだけで、組織の規模感が明確に伝わります。

また、売上を上げたという表現よりも、前年比120パーセントを達成したとした方が成果の大きさがイメージしやすくなります。

定量的な指標を入れることで、曖昧さを排除し実績を鮮明に伝えることができます。

事実と解釈を分ける

文章を書く際には、実際に起きた客観的な事実と、それに対して自分がどう感じどう考えたかという解釈を区別することが重要です。

事実は誰が見ても変わらない出来事であり、解釈はその人の価値観や思考を表すものです。

この二つを明確に分けて記述することで、論理的な構成になると同時に、あなた自身の内面を効果的に伝えることができます。

事実に基づいた深い自己分析ができていることを示し、採用担当者に納得感を与えましょう。

【開発職のガクチカ】注意点

ガクチカを作成する過程では、熱意が空回りしてしまい、かえって逆効果になってしまうケースもあります。

アピールしたい気持ちが強すぎて自慢話のようになってしまったり、ネガティブな印象を与えてしまったりすることは避けなければなりません。

採用担当者がどのような視点で評価しているのかを理解し、不適切な表現を避けることが大切です。

ここでは特に注意すべき2つのポイントについて解説します。

成果やエピソード自体を強調しすぎない

素晴らしい成果を残したことは評価の対象になりますが、それ自体を過度に強調しすぎると、プロセスを軽視しているように見えてしまいます。

企業が見たいのは輝かしい実績そのものよりも、そこに至るまでの泥臭い努力や工夫、そして失敗から立ち直る姿勢です。

結果だけを誇張するのではなく、どのような課題に直面し、どう乗り越えたのかという過程に重きを置いて書いてください。

あなたの人柄や思考プロセスこそが、最大の評価ポイントであることを忘れてはいけません。

ポジティブに伝える

困難な経験や失敗談を語る際も、最終的にはポジティブな表現で締めくくるように心がけてください。

苦労した話だけで終わってしまうと、単なる愚痴や不満のように受け取られかねません。

大変な状況の中でも前向きな要素を見出し、それを成長の糧にできたという姿勢を示すことが重要です。

物事を肯定的に捉え、困難をチャンスに変えることができるメンタリティは、社会人として高く評価される資質です。

【開発職のガクチカ】例文3選

ここからは、実際に開発職の選考で評価されることを想定したガクチカの例文を紹介します。

これまで解説した構成やポイントを踏まえ、3つの異なるシチュエーションでの例文を作成しました。

これらを参考に、自分自身のエピソードを整理し、オリジナルのガクチカを作成してみてください。

それぞれの例文でどのようなスキルや人柄がアピールされているかに注目してください。

1. 研究活動での技術習得と課題解決

私が学生時代に最も力を入れたことは、大学院での研究活動において、シミュレーション精度の向上に取り組んだことです。

当初、既存のプログラムでは解析に時間がかかりすぎ、かつ精度も不十分であるという課題がありました。

私は解析速度を向上させるために、並列処理技術の導入を決意しました。

研究室にはその知見を持つ人がいなかったため、海外の論文を読み込み、オンラインコミュニティで質問を重ねて独学で実装を進めました。

度重なるエラーに直面しましたが、一つひとつ原因を特定し修正を繰り返しました。

その結果、解析速度を従来の3倍に向上させることに成功し、学会での発表も行うことができました。

この経験から、未知の技術に対しても恐れずに挑戦し、粘り強く課題を解決する力を身につけました。

貴社に入社後も、新しい技術を積極的に吸収し、開発効率の向上に貢献したいと考えています。

2. アルバイトでの業務改善システム開発

私が学生時代に力を入れたことは、個別指導塾のアルバイトにおけるシフト管理システムの開発です。

当時、講師30名分のシフト作成は紙ベースで行われており、教室長が毎月10時間以上を費やす重労働となっていました。

私はこの状況を改善し、教育の質を高める時間を確保したいと考え、Webベースのシフト管理システムを提案しました。

開発にあたっては、ITに不慣れな年配の講師でも直感的に操作できるUI設計にこだわりました。

プロトタイプを作成して実際に講師に使ってもらい、フィードバックをもとに改良を重ねるプロセスを3回繰り返しました。

完成したシステムを導入した結果、シフト作成時間は毎月2時間まで短縮され、教室全体の業務効率化に貢献できました。

この経験を通じて、ユーザー視点に立ったシステム開発の重要性を学びました。

貴社でも、利用者の課題を技術で解決するエンジニアになりたいです。

3. ハッカソンでのチーム開発経験

私が学生時代に力を入れたことは、学外のハッカソンに参加し、即席チームでアプリ開発を行った経験です。

私たちのチームは初対面のメンバー4人で構成されており、当初は意見が対立し開発方針が定まらないという課題がありました。

私はチームの潤滑油となるべく、まずは全員の意見をホワイトボードに書き出し、それぞれのアイデアの共通点と相違点を可視化することを提案しました。

冷静に議論できる環境を整えたことで、全員が納得する機能を実装する方針が固まりました。

また、開発終盤で重大なバグが発生した際も、責任を追及するのではなく解決策の提示に集中し、メンバーを鼓舞し続けました。

結果として期間内にアプリを完成させ、審査員特別賞を受賞することができました。

この経験から、多様な価値観を持つメンバーと協力し、チームを前に進めるリーダーシップを学びました。

貴社のプロジェクト開発でも、チームワークを大切にして貢献します。

【開発職のガクチカ】まとめ

本記事では、開発職を目指す就活生に向けて、ガクチカの書き方や重要なポイントを解説してきました。

企業はガクチカを通じて、あなたのスキルだけでなく、人柄や仕事への取り組み方を見ています。

事実と解釈を整理し、論理的な構成で伝えることで、あなたの魅力は確実に伝わります。

ぜひ今回紹介したポイントを参考に、自信を持って語れる最高のエピソードを完成させてください。

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