
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
SPI方式の公務員試験を受けたいと思ったとき、最初にぶつかるのが「いつ申し込んで、いつ受けるのか」という日程の問題です。従来の公務員試験は6月前後の一斉筆記が定番でしたが、SPI方式の枠は春の早期実施が中心で、従来のカレンダー感覚のままだと申込に間に合いません。
実際、令和8年度(2026年度)の例では、特別区Ⅰ類の早期SPI枠が2月上旬申込・3月上旬〜中旬受検という日程で実施され、3月には複数の県・政令市がテストセンター方式のSPI試験を行いました。従来型より数ヶ月早いスケジュールです。
この記事では、SPI方式の公務員試験の年間スケジュールを、春の早期実施・従来日程・秋以降の追加実施という3つの波に分けて編集部が整理します。月別カレンダーと併願層向けの動き方もまとめました。
試験日程は自治体・年度によって変わります。この記事は傾向の整理であり、実際の出願は必ず志望先の最新の受験案内・日程発表で確認してください。
・SPI方式の公務員試験が実施される年間の3つの波
・春実施(2〜3月申込・3月受検)の代表例と日程感
・月別に整理したSPI方式公務員試験カレンダー
・民間就活と併願する場合の日程の組み方と注意点
・SPI方式の公務員試験をいつから準備すべきか知りたい人
・民間就活と公務員を併願していて日程の重なりが心配な人
・志望自治体の申込時期を逃したくない人
目次[目次を全て表示する]
全体像:SPI方式の公務員試験は「3つの波」で捉える
最初に年間の全体像をつかみましょう。編集部がSPI方式を導入する自治体の日程傾向を整理すると、実施時期は大きく3つの波に分かれます。この構造を頭に入れておくと、志望先の日程発表を待つ間も準備の逆算ができます。
第1の波:春の早期実施(2〜3月申込・3月受検)
最も特徴的なのが春の早期実施です。特別区Ⅰ類の早期SPI枠や東京都Ⅰ類、兵庫県の早期SPI枠など、大規模自治体のSPI活用区分は2月前後に申込を受け付け、3月にテストセンターで受検させる日程が目立ちます。
これは民間就活の広報解禁(3月)と同時期であり、民間志望層をそのまま取り込む狙いの日程設計と読めます。従来の「公務員試験は初夏」という感覚では、この波に完全に乗り遅れます。
第2の波:従来日程との並走(4〜6月)
春の早期枠とは別に、従来型の試験日程(6月前後)に合わせてSPI方式の区分を並行実施する自治体もあります。教養型とSPI型をA区分・B区分のように分けて選ばせる方式が典型です。
この波は従来の公務員試験カレンダーと重なるため、教養試験の学習者や公務員専願層と競合しやすいのが特徴です。早期枠と従来枠のどちらで受けるか、区分選択の判断が必要になります。
また自治体によっては、早期枠と従来枠の併願を制限している場合と、両方に挑戦できる場合が分かれます。第1の波で不本意な結果だった人にとって、第2の波が再挑戦の場になるかは制度次第なので、受験案内の併願規定を必ず確認しましょう。
第3の波:秋以降の実施・追加募集(9月〜)
秋には特別区の秋試験のような秋日程の採用試験があり、また市町村レベルでは秋以降に独自日程でSPI方式の試験を行う例や、追加募集をかける例も見られます。年度によっては春に間に合わなかった人の再挑戦の機会になりえます。
ただし秋実施の有無・規模は自治体と年度次第で、恒常的な制度とは限りません。「秋もあるはず」という期待を前提に計画するのは危険で、春の波を本命、秋は追加機会と位置づけるのが安全です。
春実施の代表例:令和8年度の実績から日程感をつかむ
3つの波のうち、SPI方式の主戦場である春実施について、令和8年度(2026年度)の実績をもとに具体的な日程感を確認します。年度が変われば日付は動きますが、「どの月に何が起こるか」のリズムは参考になるはずです。
特別区Ⅰ類早期SPI枠:2月申込・3月受検
特別区Ⅰ類の早期SPI枠は、令和8年度は2月5日〜2月18日に申込を受け付け、一次試験(SPI)は3月4日〜3月17日の期間で実施されました。申込期間が2週間しかない点に注目してください。
さらにこの枠には、申し込むと同年度のⅠ類春試験・経験者採用に申し込めないという併願制限があります。「早期枠に出すか、春試験に出すか」を2月上旬までに決断する必要があるということで、意思決定の期限は想像以上に早く訪れます。
都庁・県庁・政令市の3月受検ラッシュ
令和8年度は、3月1日の三重県を皮切りに、3月3日にさいたま市・石川県・香川県、3月4日から特別区、3月12日から東京都Ⅰ類と、3月にテストセンター方式のSPI試験が集中しました。東京都Ⅰ類Bの新方式は教養・専門試験がなく、一次は適性検査(SPI3)をテストセンターで受検する設計です。
兵庫県の事務系早期SPI枠のように「公務員試験対策不要・都合の良い日程と場所で受検可」を打ち出す県も登場しており、3月は文字どおりSPI方式公務員試験のピーク月と言えます。
逆算すると準備開始は前年の秋〜冬
3月受検から逆算すると、SPI対策の開始は遅くとも前年12月〜1月が現実的なラインです。一般にSPI対策には30〜60時間程度、期間にして1〜2ヶ月が目安とされるためです。
また日程発表・申込開始は1〜2月に集中する傾向があるため、前年の秋には志望自治体の採用サイトをブックマークし、発表を待ち構える態勢を作っておきましょう。
民間就活のサマーインターンや早期選考でSPIを受ける予定がある人は、その対策開始がそのまま公務員向けの準備を兼ねます。併願層は「民間の最初の受検機会」を起点に逆算すると、自然と公務員の春の波にも間に合う計画になります。
月別カレンダー:SPI方式公務員試験の1年
ここまでの内容を、受験者目線の月別カレンダーに落とし込みます。27卒・28卒を問わず、受験する年度の「前年秋」を起点に読んでください。あくまで傾向ベースの目安であり、実際の日程は各自治体の発表が正です。
年間スケジュール表
編集部がSPI方式受験者の標準的な1年を表にまとめました。自分の現在地と照らして、遅れがあれば圧縮して追いつく計画を立てましょう。
| 時期 | 試験側の動き(傾向) | 受験者がやること |
|---|---|---|
| 9〜11月 | 秋実施・追加募集が散発 | 志望自治体の情報収集開始・採用サイト登録 |
| 12〜1月 | 翌年度日程の発表が始まる | SPI対策開始(非言語から)・日程をカレンダー登録 |
| 2月 | 早期枠の申込受付(2週間程度) | 出願・併願制限の確認・模擬形式演習 |
| 3月 | テストセンター受検のピーク | 性格検査→会場予約→受検本番 |
| 4〜5月 | 一次結果発表・面接選考へ | 面接対策・従来日程枠への出願検討 |
| 6月 | 従来型日程の試験・SPI併用区分 | 第2の波の受験・民間本選考と並走 |
| 7〜8月 | 面接・最終合格発表が進む | 意思決定・民間内定との比較検討 |
| 9月以降 | 秋試験・追加募集(自治体による) | 再挑戦の機会を確認 |
カレンダーの読み方:申込期間の短さが最大の罠
この表で最も強調したいのは、申込期間の短さです。民間のエントリーと違い、公務員試験の申込は2週間前後で締め切られ、締切後の救済は一切ありません。
「3月に受ければいい」ではなく「2月の申込を逃したら3月の受検資格ごと消える」という構造を理解し、申込開始日にリマインダーを設定するところまでを準備と考えてください。
受検期間内の予約は前半に入れる
テストセンターの受検期間は2週間程度に設定されることが多く、期間終盤は会場の予約枠が埋まりがちです。受検案内が届いたら、性格検査を済ませて期間前半の枠を確保するのが定石です。
前半に受ければ、万一の体調不良でも期間内での予約変更という保険が残ります。日程の自由度はテストセンターの利点ですが、自由度を活かすには初動の速さが条件です。
秋実施・追加募集はどこまで期待できるか
「春に間に合わなかったら秋がある」とどこまで考えてよいのか。編集部の見立てを正直に書くと、秋の機会は存在するが、計画の当てにするには不確実性が高い、というのが答えです。その理由と、秋を狙う場合の動き方を解説します。
秋日程は「ある自治体にはある」が実態
特別区の秋試験のように制度として秋日程を持つ例や、市町村で秋〜冬に独自日程の採用試験を行う例は確かにあります。人材確保に苦心する自治体ほど、受験機会を複数回設ける傾向があるとも言えます。
ただし、SPI方式の秋実施が毎年あるか、募集職種・人数がどうなるかは年度ごとの判断であり、事前に確約されたものではありません。秋は「見つけたら拾う機会」であって「計画の前提」にはしないのが編集部の推奨スタンスです。
追加募集・通年型の情報は見つけにくい
秋以降の実施や追加募集は、春の大規模試験ほど報道・告知されず、自治体の採用ページに静かに掲載されることが少なくありません。情報を拾うには、志望エリアの自治体サイトを定期巡回するか、公務員試験の日程まとめサイトを活用する必要があります。
民間就活の情報網には乗りにくい領域なので、公務員側の情報チャネルを別途持っておくことが、秋の機会を逃さないコツです。
秋に受けるなら夏が対策期間になる
秋実施を狙う場合、対策期間は夏です。春の試験で手応えを得られなかった人は、夏のうちに非言語の弱点を潰し、模擬形式の演習で正答率6〜7割の安定を作り直しましょう。
民間就活でテストセンターを受検済みなら、その経験と結果(1年以内なら前回結果送信の可能性もあります)を秋の公務員受験に活かせる場合もあります。春・夏・秋を一続きの戦線として設計するのが併願層の強みです。
なお秋の試験は春より募集規模が小さいことが多く、競争条件も読みにくくなります。秋一本に絞るのではなく、あくまで春を主戦場としたうえでの追加機会と位置づけてください。
民間就活との併願カレンダー:重なりをどう捌くか
Digmedia読者の多くは民間就活との併願層です。SPI方式公務員試験の春の波は、民間の広報解禁・本選考ラッシュと正面から重なります。この重なりをどう捌くかを、編集部が時期別に整理します。
2〜3月:出願・受検と民間エントリーが同時進行
2月の公務員申込と3月の受検は、民間のエントリー・ES提出・早期選考の面接と同時期です。この時期のタスク管理を誤ると、どちらも中途半端になります。
幸い、SPIの対策自体は民間・公務員で共通です。テスト対策は1本化し、事務手続き(申込・予約・ES)をカレンダーで一元管理するのが併願を成立させる最小コストの方法です。
4〜6月:面接シーズンの二重ブッキングに注意
4月以降は、公務員の面接選考と民間の本選考面接が並走します。公務員の面接日程は指定制で動かしにくいことが多いため、先に確定した日程を軸に民間側を調整するのが基本になります。
日程が完全に衝突した場合に備え、志望順位を事前に言語化しておきましょう。当日になってから迷うのが最も損失の大きいパターンです。
内定時期のズレ:民間の承諾期限と公務員の最終合格
民間の内定出しに対して、公務員の最終合格は夏以降になることが多く、このタイムラグが併願層最大の悩みどころです。民間内定の承諾期限と公務員の合格発表時期を並べて、判断のデッドラインを可視化しておくことが重要です。
早期SPI枠のような春実施の試験は、このズレを縮められる点でも併願層に有利な選択肢と言えます。合格発表時期も受験案内で確認し、意思決定のスケジュールごと設計しましょう。
民間のテストセンター受検が公務員より先にあるなら、それは公務員本番前の実戦演習になります。逆に公務員受検が先なら、その経験を民間に流用できます。どちらが先でも無駄にならないのがSPI併願の利点なので、受検予定を時系列に並べ、最初の受検を「練習を兼ねた本番」と位置づけて経験値を積んでいきましょう。
日程確認で失敗しないためのチェックポイント
最後に、日程まわりの失敗を防ぐための実務チェックポイントをまとめます。SPI方式の公務員試験は制度の変更が続いている領域であり、昨年の情報が今年も正しいとは限りません。出願前に必ず確認すべき項目を挙げます。
必ず一次情報(自治体の受験案内)で確認する
日程まとめサイトや予備校の情報は便利ですが、転記の遅れや年度の取り違えが起こりえます。出願判断に使う日付は、必ず自治体の人事委員会・採用サイトが公表する受験案内・日程発表で確認してください。
特に新設の早期枠は制度が毎年調整される可能性があり、「昨年と同じ」という前提が最も危険です。申込方法(電子申請の事前登録が必要な場合など)も含めて一次情報で押さえましょう。
確認すべき5項目をセットで控える
受験案内を見るときは、①申込期間、②受検(試験)期間、③受検方式(テストセンターか否か)、④併願制限の有無、⑤合格発表と面接の時期、の5点をセットで控えるのがおすすめです。
この5点が揃えば、対策計画・併願計画・意思決定スケジュールまで一気に設計できます。1つでも欠けたまま出願すると、後工程のどこかで必ず詰まります。
リマインダーは「発表日」と「申込開始日」に張る
カレンダー登録は締切日だけでは不十分です。日程発表の時期(例年1〜2月が多い)と申込開始日にもリマインダーを張り、「発表を見落として気づいたら締切」という事故を構造的に防ぎましょう。
複数自治体を併願する場合は、自治体ごとに5項目+リマインダーを一覧化した管理表を作ると、混乱なく回せます。民間選考の締切も同じ表に載せて一元管理すれば、併願全体の抜け漏れを構造的に防げます。
本文中の具体的な日程(特別区早期SPI枠の2月申込・3月受検、3月のテストセンター実施ラッシュ等)は令和8年度(2026年度)の実績・発表に基づく情報です。翌年度以降は変更される可能性が十分にあります。出願にあたっては、必ず志望先自治体の最新の受験案内・公式発表を確認してください。
SPI方式公務員試験の日程に関するよくある質問
最後に、日程まわりで編集部に寄せられやすい細かい疑問をQ&A形式でまとめます。ここまでの年間カレンダーを自分の予定に落とし込む際に引っかかりやすいポイントばかりなので、出願前の最終確認として目を通してください。回答は一般的な傾向に基づくもので、個別の判断は志望先の受験案内が優先です。
翌年度の日程発表はいつ頃行われますか?
大規模自治体では、翌年度の試験日程・採用予定数が年明けの1〜2月頃に発表される例が多く見られます。令和8年度も特別区が1月に日程を発表し、東京都も2月に翌年度日程を公表するなど、年明けが情報解禁の山場でした。
ただし発表時期自体も自治体ごとに異なります。志望先の採用サイトを前年秋からブックマークし、月1回は巡回する運用にしておくと発表を取りこぼしません。
複数自治体の受検期間が重なったらどうすればいいですか?
テストセンター方式なら、受検期間内で日時を選べるため、期間が重なっていても受検日をずらして両立できるケースが多くあります。まず各試験の受検期間をカレンダーに並べ、重ならない日程の組み合わせを先に確保しましょう。
それでも物理的に両立できない場合や併願制限に抵触する場合は、志望順位に従って取捨選択するしかありません。判断を迫られる前に、志望順位を言語化しておくことが最大の備えです。
民間就活で受けたテストセンター結果は公務員試験に使えますか?
自治体がSPI3のテストセンター方式を指定しており、過去1年以内の受検結果がある場合、受検予約画面に「前回結果送信」の選択肢が表示されれば使い回せる可能性があります。使えれば受検日程の確保が不要になり、日程管理が大きく楽になります。
ただしWEBテスティング指定や別テストを課す自治体では使えません。可否は受検案内の画面表示で最終確認してください。
まとめ
この記事では、SPI方式の公務員試験の日程について、春の早期実施・従来日程との並走・秋以降の追加実施という3つの波に整理し、月別カレンダーと併願層向けの動き方を編集部がまとめました。
最大のポイントは、SPI方式の主戦場が「2月申込・3月受検」の春早期にあることです。令和8年度は特別区早期SPI枠が2月上旬〜中旬申込・3月上旬〜中旬受検で実施され、3月には都庁・県庁・政令市のテストセンター受検が集中しました。従来の「公務員試験は初夏」という感覚のままでは、申込段階で機会を失います。
逆算すると、対策開始は前年12月〜1月、情報収集は前年秋からが標準ラインです。申込期間は2週間前後と短いため、日程発表と申込開始日へのリマインダー設定までを準備の一部と考えてください。秋の実施は追加機会として存在しますが、計画の前提にはしないのが安全です。
民間就活との併願層にとって、SPI対策は両にらみの共通投資であり、春実施の試験は内定時期のズレを縮められる利点もあります。一次情報での日程確認を徹底し、3つの波を自分のカレンダーに引き直して、最初の波から確実に乗っていきましょう。