明治のIRを分析して、志望動機やESの作成に役立てよう!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

明治グループは、菓子や乳製品といった食品を中心に知名度の高い製品を世に送り出しています。

近年では医薬品の領域にも展開しようとする動きもあります。

明治グループ全体の収益は1兆2000億円を超えており、私たちの身近な製品を生産していることから、就活で非常に人気の高い企業のひとつです。

今回は食品メーカーの中でも菓子や乳製品、健康食品など多様な製品を開発している明治のIRを基に、分析を行なっていきます。

明治の歴史をチェック〜明治製菓と明治乳業の関係性とは?〜

 

ここでは、明治の歴史について、客観的な情報を基に解説していきましょう。

まずは 明治グループの中核企業である明治製菓と明治乳業について説明します。

1916年に明治製菓の前身となる、東京菓子株式会社が設立されました。

そして、その翌年の1917年に明治乳業の前身「極東煉乳株式会社」が設立。

そして、この両社の大元が大日本明治製糖という企業になります。

つまり、大日本明治製糖という親から生まれた2社というのが、明治製菓と明治乳業の関係性と言えます。

そして、 その後1920年に明治「製菓」の方が、乳業部門を設けるようになり、その後1940年にその乳業部門を明治乳業へ委託するようになりました。

明治製菓と明治乳業は、元々はお互いの交流が非常に密であったわけではありません。

必要なところは適宜連携をする程度の関係性であったのです。

付かず離れずといった関係性がその後2011年まで続きましたがリーマンショックをきっかけとする明治グループが事業再編。

「Meiji Seika ファルマ株式会社」が医療用薬品事業部門に特化し、菓子・食品・一般用薬品部門は「株式会社明治」(明治乳業から商号変更)へ移管された形となっています。

このように、明治グループとしての統合の前には兄弟会社として必要なところは連携するものの、強い提携関係ではありませんでした。

しかし、この統合がきっかけで一つのグループとなり現在では密接な関係を築いています。

気をつけて!明治グループと関係ない明治とは?

ここまでで、明治グループの会社の歴史を紹介してきました。

明治製菓と明治乳業の関係性が元々は兄弟会社であったもののそこまで、強い関係性ではなく、統合を経て同じグループとして密な連携を図るようになった経緯があります。

次に、明治グループと同じ「明治」がつくものの、直接の関係がない「明治」を紹介します。

つい面接で勝手に関係性があると思ってしまい、話してしまわないように注意をしましょう。

・明治安田生命

同じ「明治」が社名にありますが、両社の設立背景には一切関係がありません。

ただし、 大きくいえば三菱系列の企業と三菱商事と懇意にしている企業というくらいの関係性はあります。

明治安田生命は三菱系列の企業であり、今回取り上げている明治のかつての親会社である大日本明治製糖も三菱系列です。

そのため、現在も明治と三菱商事は商取引を密接に行なっていることから、全く関係がないともいえません。

ただ、資本的な関係はなく、同グループでもありませんので注意しましょう。

・明治大学

こちらも同じ「明治」がつく大学です。

しかし、こちらについては、たまたま同じ明治ではあるが関係は全くありません。

もちろん、明治大学出身者が明治グループにいることにはいますが、特段の関係はないものとされています。

明治グループのIR分析〜現状と今後とは?〜

それでは、「明治ホールディングス」としてのIRの分析を行なっていきましょう。

まずは最も基本的なデータである売上高と営業利益から触れていきます。

ちなみに 「営業利益」とは売上から営業に関連する費用(原価や仕入れ・賃料など)を引いた利益のこと。

その会社の営業力を純粋に評価できる指標となります。

子会社を売却したときに得られた利益など一時的なものは含まれないため、純粋にその会社の利益を生む力を測ることができます。

売上はほぼ一定の水準を保っていますが、利益は増加傾向にあります。

同社がしっかりと売上を確保した上で、利益を増加させていく方針であることが見て取れます。

ちなみに、過去3ヶ年の営業利益率の推移ですが、着実に営業利益を高めていこうという方針をとっており、それが功を奏している状況となっています。

次に明治の今後の戦略について解説していきます。

特に重要なテーマとしては「コア事業優位性」「海外市場での成長(海外売上比率20%)」「健康価値領域」となります。

「ヨーグルト」「チョコレート」「栄養食品」の3つをコア事業として、今後積極的に投資を行い、売上・シェアを拡大させていく方針をとっています。

次に海外事業においては、全体の2割の売上比率を目指しています。

そして、 海外事業の最注力地域として、中国を掲げています。

また、医薬品についてもシェアを高めていく戦略を取っています。

食品事業における海外の売上比率が4%に対して、医薬品事業は23%と高い比率を示しています。

今後も海外事業の売上の中心として医薬品に力を入れていく方針を取る可能性でしょう。

ちなみに、明治の製品といえば牛乳を思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。

牛乳は明治の看板商品ではありますが、実は牛乳事業で利益を上げるのは厳しい状況にあり、赤字を出しています。

牛乳事業の売上は1000億円を超えていますが、原料の価格上昇を主な原因として数十億円の赤字が続く状況です。

しかし、新パッケージ(900ml)の定着など改良を加え、2020年の黒字化を目指しています。

明治に向いている人とは?

それでは、最後に明治に向いている人とはどのような人なのかを分析していきましょう。

明治では大きく分けると「株式会社明治」と「Meiji Seika ファルマ株式会社」があります。

食品が「株式会社明治」、医薬品が「Meiji Seika ファルマ株式会社」と棲み分けがされていますが、両社を併願することも可能となっています(2019年時点)

食品を中心とする「株式会社明治」の場合は、国内の食品事業がメインとなるため、生産や営業などの業務が中心となります。

それらの業務に対して明治が重視する「あらゆる世代のお客さまの生活充実に貢献する」ことをしっかりとアピールできるかが重要です。

「情熱」と「やる気」をもって仕事をできるかどうかをアピールしてください。

また、 2019年時点で同社は職種限定採用ではありませんので、入社後にキャリア形成の一環で職種間でのローテーションもあるため「生産は嫌」「営業は嫌」という姿勢ではいけません。

実際にローテーションもされる場合もあるため、それらに懸念のない人が向いているといえるでしょう。

また、医薬品の「Meiji Seika ファルマ株式会社」の場合には”国際展開力を有する「スペシャリティ&ジェネリック・ファルマ」を目指す姿”としています。

つまり、本記事でも解説したグローバル展開に挑戦していきたい人に向いているといえます。

まとめ

この記事では明治グループの歴史から設立の経緯をご紹介しました。

また、よく混同されがちな「明治」の他の企業や大学との違いなども解説しました。

大手の食品メーカーは身近な商品を豊富に取り揃えており、会社の知名度も非常に高いことから、就活生に人気があります。

人気企業だからこそ、しっかりと個別企業の分析・対策を行い、選考を突破できるようにしましょう。

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