HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
ガクチカは「学生時代に力を注いだこと」という意味の就活用語で、資格取得の経験もガクチカでおすすめするテーマの一つです。
しかし、難易度が高い資格でなければ書いてはいけないというわけではありません。
それよりも「取得した資格が仕事で役立つこと」、「資格の勉強の中で気付いたこと」などを具体的なエピソードを交えて伝えることが大切です。
はじめに
「ガクチカで資格取得したときの経験を書きたいけど、そもそも資格取得のことをガクチカとして書くのはアリなのだろうか?」と悩んでいる学生も多いかもしれません。
果たして資格取得の経験をガクチカとして書くのはOKなのでしょうか。
また、もしOKならばどのように書けば採用担当者に良い印象を与えられるのでしょうか。
ここでは資格取得をテーマにガクチカを書く時のポイントを詳しく紹介していきます。
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【ガクチカで資格取得をアピール】資格取得のガクチカはダメ?
資格取得をガクチカにすることは、一切問題ありません。
実際に資格取得のエピソードをガクチカの題材にしている人は多く見られ、書き方次第では良い印象を与えられます。
そもそも学生時代に積極的に力を入れてきたことであれば、基本的にはどのような題材でも評価につながるものです。
むしろ資格取得は、採用担当者の興味を引きやすい性質もあります。
「なぜ資格を取ろうと思ったのか」「なぜ頑張れたのか」などの点をわかりやすく説明できれば、人柄に興味を持ってもらえる可能性は高まるでしょう。
特に、比較的難易度の高い資格にチャレンジしたエピソードがある場合は、内容を掘り下げやすいものです。
そのためFPや簿記、英検、ITパスポート、MOSなどをはじめとする資格取得に取り組んできた経験がある人は、ガクチカの題材にチョイスすることをぜひ検討してみましょう。
勉強中の資格はガクチカにできる?
現在進行形で資格取得のために勉強している場合、その勉強はガクチカとしてアピールできるのか気になるところです。
結論からいうと、「できないわけではない」という答えが適切です。
先ほども触れたとおり、一生懸命取り組んできたことならガクチカとしてどのようなことでも評価につながるため、そういった意味では勉強中の資格でも問題はないといえます。
「できないわけではない」と表現した理由は、まだ結果につながっていない分、高評価を得るにはやや難易度が高いと推測されるからです。
後述するガクチカの構成の部分にも関わることですが、わかりやすい結果が出ていない限り、自分の取り組みが適切かどうか見極められません。
だからこそ高評価を獲得できるガクチカを作成するのは、正直難しい…と言わざるを得ないでしょう。
勉強中の資格はガクチカとして成り立たないわけではありませんが、ほかにアピールできるガクチカがあるなら、ほかを選んだほうがより良いアピールにつながる可能性があります。
【ガクチカで資格取得をアピール】資格取得をガクチカの題材としておすすめする理由
資格取得をガクチカにしてアピールする際は、そもそも題材として資格取得がなぜおすすめなのかを見ておきたいところです。
ガクチカの題材に選ぶときの資格取得のおすすめポイントを整理しておけば、具体的にどのような点を意識してガクチカを作成すべきか、把握しやすくなります。
資格取得がガクチカの題材を選ぶうえでおすすめできる理由は、主に以下のとおりです。
・目標・課題がはっきりしている
・業界への理解をアピールできる
このように、資格取得をガクチカにすれば、アピールできることがたくさんあります。
理由を一つひとつ詳しく見ていきましょう。
継続力をアピールできる
資格取得をガクチカの題材にチョイスすれば、継続力の高さをアピールできます。
基本的にガクチカに選ぶエピソード・経験は、ある程度難易度の高いものでなければなりません。
難易度の低い題材は、解決・達成したことでのインパクトがなくなり、アピールとして意味をなさなくなるからです。
よって、資格取得をガクチカにするなら、自然と高難易度の資格のみが該当する結果になるでしょう。
取得難易度の高い資格は、多くの場合、数か月以上の勉強が必要です。
もちろん継続力だけでなくモチベーション管理能力、チャレンジ精神、あきらめない意思の強さなども、あわせてアピールできる可能性があります。
したがって働いていく際に高評価につながるスキルが備わっているというアピールになり、良い印象を与えられると期待できます。
向上心をアピールできる
資格取得を学生時代のチャレンジ(ガクチカ)として挙げることで、向上心をアピールすることが可能です。
資格は、特定の業界における知識や専門性を自発的に深めたいという意欲の表れでもあり、自分自身を成長させるための努力を示す証拠となります。
これは就職活動において、自分が目標に向かってコミットメントできる人材であることを示すことができると言い換えてもいいでしょう。
計画性をアピールできる
ガクチカで資格取得を取り上げることは、計画性の高さをアピールすることができます。
大学生活の中で学業、アルバイト、サークル活動といった多忙な日々を送りながらも、資格取得のために計画的に勉強を進めた経験は十分自慢できるものです。
これは優れた時間管理能力と目標達成に向けた強い意志を示すことができます。
このように努力できるということは、目標達成のための計画性と持続的な取り組みができることと紐づけられ、企業としても魅力的に見えるでしょう。
目標・課題がはっきりしている
資格取得をガクチカに選べば、目標・課題がはっきりしているため、内容のわかりやすいアピールになります。
資格取得は当然、その資格に合格することが明確なゴールです。
人によってゴールが異なることはなく、わざわざ説明する必要はありません。
そのため採用担当者も内容を理解しやすく、イメージを自然につかむことができるでしょう。
一方で長期インターンや留学などは、題材としては強いインパクトがあるものの、内容が複雑でわかりにくいなどの難点も伴います。
結果、伝わりにくいせいで落ちてしまう…というパターンも珍しくないため、ガクチカはほかと差別化できるインパクトある内容のほうが良い、とは一概にいえない部分もあります。
対して、資格取得は誰でもわかる明確なゴールが設定されており、説明いらずです。
伝わりやすくなるという点で、資格取得はガクチカとして非常に適しているといえるでしょう。
業界への理解をアピールできる
ガクチカに資格取得のエピソードを選べば、業界に対する理解度の高さをアピールできるでしょう。
たとえばIT業界を志望する場合はITパスポート、不動産であれば宅建、金融業界であればFP…といったように、資格した取得と業界の内容がマッチしていれば、資格によってある程度の知識を持っていることを示せます。
業務内容やビジネスモデルに理解がある、と判断されれば、総合的に良い評価につながるでしょう。
志望動機の説得力アップにもつながり、「本当にこの業界で働きたいんだな」と感じてもらえるきっかけになるのは間違いありません。
企業はやはり志望度の高い学生に入社してもらいたいので、さまざまな面で有利になるでしょう。
【ガクチカで資格取得をアピール】ガクチカとは?
ガクチカというのは一種の就活用語であり、「学生時代に熱中したこと」「学生時代に最も力を注いだこと」という意味になります。
ガクチカはエントリーシートや面接で必ず聞かれる質問の一つであり、書類選考の資料として使われることもあります。
採用担当者はガクチカによって学生の持っている価値観や仕事に取り組む姿勢などをチェックしているので、十分な対策をして魅力的なガクチカを作成し、高評価につなげるようにしましょう。
ガクチカと自己PRの違いは
ガクチカと自己PRの違いについて明確に分かっていないという方も多いのではないでしょうか。
まずガクチカは就活用語で、学生時代に力を注いだことや熱中したことを意味します。
これに対して自己PRは、自分の強みや特技を企業にアピールする内容です。
ガクチカは具体的な経験や活動を示すのに対し、自己PRはその経験を通じて培った能力や個性を強調する点で異なります。
ガクチカと自己PRの違いをより詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
【ガクチカで資格取得をアピール】ガクチカの構成
ガクチカを資格取得のエピソードにするときは、そもそもどのような流れで伝えれば良いのか迷うことも多いです。
そのためガクチカを作成する際は、定番の構成を学びましょう。
ガクチカには伝わりやすい構成や流れがあり、その構成に沿って内容を記述すれば、誰が見てもわかりやすいガクチカに仕上げることができます。
具体的な構成は下記のとおりです。
2.きっかけ
3.目標・課題
4.行動
5.結果・学び
上記の順番に従って、資格取得のエピソードを掘り下げていくことが肝心です。
では、それぞれの重要なポイントを整理していきましょう。
結論
ガクチカを書くときはまず、結論に触れていきます。
どのような文章でも、論理的でわかりやすい内容を目指すには、結論を最初に提示することが必要です。
結論をはじめに持っていることで、話のテーマや論点がわかりやすくなるため、ガクチカでは採用担当者も内容を把握しやすくなります。
資格取得をガクチカの題材にする際は、具体的に何の資格に合格したのかを述べましょう。
たとえば、「私は大学時代にITパスポートの資格取得に向けて注力し、先日合格することができました」などの書き出しが望ましいでしょう。
きっかけ
資格取得をガクチカの題材にしたときは、結論を最初に述べたうえで、次にきっかけを伝えていきます。
きっかけとはつまり、なぜその資格を取得したいと考えたのかという理由や背景の部分です。
「なぜその資格なのか」「なぜ資格取得を頑張ろうと思ったのか」など、動機の部分を明確にしましょう。
志望する業界・企業と資格の種類がマッチしていれば、比較的書きやすくなりますし説得力も増します。
たとえばIT企業を志望する場合は、「エンジニアとしていち早くキャリアを形成したいと考えており、その第一歩として自主的に資格を取得し専門性を深めたいと思ったため、基本情報技術者試験を受験しました」などの伝え方が良いでしょう。
目標・課題
ガクチカを作成する際は、続いて、目標や課題を明らかにしていきます。
どのような課題を突破すること・目標を達成することがゴールなのか、わかりやすく示す目的があるからです。
とはいえ、資格取得の場合は、目標や課題の部分は省いてしまっても問題はありません。
前述のとおり資格をガクチカにした場合は、その資格を取得することがゴールで間違いないため、あえて書く必要はないからです。
しかし取得するなかで個人的に課題があったときなどは、その点を明記しておきましょう。
たとえば過去に落ちた経験があるケース、時間がないなかで取得を目指さなければならなかったケースなどが挙げられます。
なお、2回目以降の受験の場合は、過去に落ちた原因を自分なりに分析して述べる流れも効果的です。
行動
資格取得をガクチカにする場合は、合格のために自分自身が取り組んだことをここで書いていきます。
合格という壁を乗り越えるには、資格の難易度が高ければ高いほど、何らかの工夫や戦略が必要になります。
ただただがむしゃらに「1日〇時間勉強した」という努力を続けて合格できた場合は、もちろんその様子をそのまま述べても問題ありませんが、自分なりの工夫ポイントがあるとより高評価になるでしょう。
課題があった場合は、課題の分析をしたうえでの的確な対策があると、高い評価を受けられる可能性がアップします。
論理的思考力や課題解決能力が高いと判断してもらえる可能性もあります。
ガクチカでは実践した工夫の内容が能力として評価の対象になるため、自分なりに立てた戦略や実践した工夫は、根拠も含めて積極的にアピールしましょう。
結果・学び
ガクチカでは最後に、結果・学びについて触れていく流れになります。
資格取得の場合、勉強を頑張った結果合格できたのか(結果)、その経験により何を得たのか(学び)を言及していきましょう。
企業はガクチカのエピソードを通じて、本人が何を学んで成長したのかをチェックしています。
学んだことの内容は、企業が求める人材・人物像に応じて変化させられると高評価につながるでしょう。
たとえば継続力の高い人材を求める企業にエントリーするなら、「この経験を通じて、一つのことをコツコツ継続することの大切さを学びました」などの伝え方をすると効果的です。
資格に落ちてもガクチカにしていいのか?
資格をガクチカにすることは問題ありませんが、その際は、資格試験に落ちた場合でもガクチカになるのか気になるところです。
結論をいうと、NGではありませんが、推奨はできないのが実情です。
NGではない理由は、学生時代に力を入れたことは確かなため、ガクチカに該当しないと否定できるものではないからです。
しかしながら推奨できない理由は、自分の取り組みが誤っていたことが証明されてしまうからです。
結果として方向性が間違っていたことを伝えれば、「冷静に分析できていない」「自分自身の問題を理解できていない」などの低評価につながる可能性があります。
よって、「資格取得のために頑張ったが結果的に落ちてしまった」というエピソードは、「ガクチカとしてNGではないが、わざわざ題材に選んでネガティブな印象を与えやすくする必要はない」ということになります。
適切な行動を取って良い結果につなげられたエピソードはほかにもあるはずなので、資格取得に失敗してしまったときは、別の題材を選択するのが賢明です。
なお、「一度落ちた資格に再挑戦した結果受かった」というエピソードであれば、最終的に自分自身の行動によって合格を勝ち取っているため、問題はありません。
【ガクチカで資格取得をアピール】資格勉強をガクチカにする時のポイント
ガクチカのテーマとして資格勉強を用いる場合は、どうしても「資格に合格したこと」や「取得した資格の難易度」など、成果についてばかり書いてしまいがちです。
しかし、ガクチカに関しては成果は二の次であり、最も大切なことは成果を上げるためのプロセスを具体的に説明することです。
採用担当者はガクチカの質問をすることで、学生の人柄や特徴をチェックし、自社で活躍できる人間かどうかを見ています。
そのことを理解した上でガクチカを作成しましょう。
その資格を取ろうと思ったきっかけを明確に
ガクチカを魅力的にするためにはエピソードに具体性をもたせることが大切であり、そのためには資格取得を目指すことになったきっかけや背景を説明するのが効果的です。
きっかけや背景を説明することで自分がどんなことに興味を持つ人間であり、物事にどう取り組もうとしているのかを伝えることができます。
また、価値観や向上心をアピールすることにも役立つので、「なぜその資格を取ろうと思ったのか」ということについて可能な限り明確に書くようにすると良いでしょう。
資格の難易度に頼りすぎない
ガクチカに資格のことを書く場合、「難関資格について書いたほうが選考で有利になるのではないか」と考える学生も多いと思います。
逆に簡単な資格だと「書いてもアピールにならないではないか」と考える学生もいるでしょう。
しかし、ガクチカでは資格の難易度は関係がありません。
たしかに難易度の高い資格を持っていれば一定のアピール力があるかもしれませんが、ガクチカは資格の難易度を誇る場所ではありません。
あくまでも資格取得までのプロセスを書く場所であることを忘れないようにしましょう。
資格勉強で身に付いたことをどう活かすか
ガクチカに書く資格は何でも良いわけではありません。
極端な話、銀行への就職を希望する学生が医師国家試験に合格して資格を取得したとしても仕事上でまったく役立たないからです。
ガクチカの欄で資格について書く時は、その資格が仕事をする中でどのように生かせるのかを説明することが重要です。
それによって採用担当者は、「この学生は将来どのような活躍をしてくれそうか」ということについて具体的にイメージすることができます。
アピールする資格は1つに絞る
ガクチカで資格取得のことを伝える際に、複数の資格を保有している人は、印象をよくするために持っているすべての資格に触れようとすることがあります。
しかしながら、アピールする資格は一つに絞ったほうが得策です。
確かに複数の関連資格を持っていれば説得力は増すかもしれませんが、実際のところ複数の資格についてアピールしてしまうと、一つひとつの深掘りが難しくなります。
結果、すべて浅いエピソードで語ることになり、かえって全体的に印象に残りにくくなる恐れがあります。
基本的には一つの資格のみに絞り、その資格のみを深掘りしていきましょう。
【ガクチカで資格取得をアピール】業界別:持っていた方が有利な資格
ここからはガクチカで資格取得をアピールする際に持っていた方が効果的な資格を紹介していきます。
自分がすでに取得しているものがあれば是非参考にしていただき、なかったとしてもこれから取得できるものがあればチャレンジしてみましょう。
語学系:TOEIC・TOEFL・英検
金融系:ファイナンシャルプランナー技能検定
IT系:MOS・ITパスポート
財務・経理系:簿記資格
公務員系:TOEIC・TOEFL・英検・MOS・ITパスポート
語学系
就活において有利な語学資格としてTOEIC、TOEFL、英検あたりがおすすめでしょう。
基準としては、特にTOEICでは最低600点が求められ、外資系企業を目指す場合は700点から800点が必要とされます。
志望業界に応じたスコアを目指すためには、その業界で求められる語学レベルを正確に把握し、適切な準備をすることが重要です。
無理に高い点数を目指す必要はないので、自分が志望する業界や会社に応じたレベル感を把握して勉強することが重要です。
金融系
就活で有利とされる金融系資格の一つに、ファイナンシャルプランナー技能検定があります。
この資格は、個人や法人の資産運用、ライフプランニングに関わる幅広い知識とスキルを証明するもので、特に2級以上の取得が推奨されます。
これは金融業界だけでなく、幅広い分野での就職においてもその専門性が評価されるため、全般的に有利に働くことが期待できる資格と言っていいでしょう。
IT系
就活において有利なIT系の資格として、MOS(Microsoft Office Specialist)やITパスポートが挙げられます。
MOSはMicrosoft Office製品の使用スキルを証明し、ITパスポートはITの基本知識やコンピュータ利用能力を評価します。
これらの資格は、事務職や多くの業種で求められる基本的なコンピュータスキルを証明するため、就職活動におけるアピールポイントに十分なり得ます。
財務・経理系
就活において財務・経理系の資格としては簿記資格は特に持っておいて損はないでしょう。
会計の基本知識や実務スキルを証明するこの資格は、特に2級以上を持っていると有利です。
簿記資格は、財務や会計に関わる職種だけでなく、ビジネス全般において役立つため、どんな業種の企業からもウケがいいものとなるでしょう。
ただ1級となると相当専門性が高く難易度も高いため、そのような業種志望でない場合は時間を使って取得する必要は無い可能性が高いので注意してください。
公務員系
民間就活ではなく、公務員を志望している方も、TOEIC(600点以上)や英検(準一級)の資格取得をすることをおすすめします。
グローバル化に伴い、英語はもちろん、中国語検定やスペイン語検定などで一定の点数を取得していると、職種によっては「資格加点」「試験免除」の対象になりえます。
また、公務員志望の方のガクチカとしても、効果的なエピソードになりつつ、受験への対策になるため非常におすすめです。
MOSやFPは公務員として仕事をするときに活かせるスキルになるため、ガクチカとして伝えると「即戦力」として見なされ高評価を狙えます。
【ガクチカで資格取得をアピール】内定が獲得できるガクチカの共通点
せっかくガクチカを書いて自分の能力や強みをアピールするなら、内定につながりやすいガクチカの特徴・共通点を知っておきたいところです。
内定を獲得できるガクチカは、内容がわかりやすくイメージをつかみやすいのが特徴で、さらに的確な行動が取れている傾向です。
内定が獲得できるガクチカについて理解を深めておけば、さらに良いガクチカに仕上げられるでしょう。
共通点を整理すると、以下のようになります。
・課題に対する行動がクリティカル
・構成がはっきりとしている
・1文が40~50文字で収まっている
いずれも採用担当者にとって魅力的に感じられるポイントといえます。
共通点の重要なポイントをチェックしていきましょう。
課題の深掘りができている
ガクチカを作成するにあたって重要なポイントになるのは、課題をしっかり深掘りできているかという点です。
「なぜその問題が生まれたのか」「課題に関わる要素は何があるか」などの点で深掘りし、じっくり分析できていれば、それに対する行動・取り組みも的確になります。
深掘りしていることをアピールできれば、分析力の高さや課題解決能力の高さを伝えるきっかけにもなるはずです。
資格取得の場合、「過去に落ちた」「時間がない」などのことがよく課題として挙げられます。
そのため上記の課題の場合は、落ちた原因や時間が足りない理由を明確にしていく必要があります。
たとえば、単純に「最初は合格できなかったので、次は必死に勉強して合格した」と述べるのみでは、課題の深掘りが十分とはいえません。
一方で、
「1回目の受験では合格できなかったため、正答率の低さを課題ととらえ、分析の結果試験時間が足りないことが大きな要因になったと判断した。そこから普段は時間を意識して問題を解いていないため、時間配分を考えられなかった」
といったように細かく分析をして課題を述べれば、十分に深掘りができているといえます。
課題に対して向き合っていることがわかるため、高評価につながる可能性は高まります。
課題に対する行動がクリティカル
内定獲得につながるガクチカは、課題に対して、クリティカルな行動を取っていることが多いです。
深掘りされた課題に基づき、論理的に導き出した行動・取り組みを行っているかどうか、という点が重要になります。
的を得た行動を取っており、さらにその行動が必要と考えた根拠まで示していると、より高い評価につながりやすくなります。
ここで、NGパターンとOKパターンを比較してみましょう。
【NGパターン】
「普段は時間を意識して問題を解いていない」→「問題集を3回解いた」
【OKパターン】
「普段は時間を意識して問題を解いていない」→「実践形式で問題を解き、時間制限は本番より10分短く設定した」+「何度も練習して正答率の低い分野を見極め、その分野は重点的に復習を繰り返した」
NGパターンの場合、時間を意識していないという課題に対して、問題集を3回解くことが得策なのかはやや疑問が残ります。
それがなぜ必要なのかも言及していないため、採用担当者は疑問を持ち、評価しづらくなります。
一方でOKパターンでは、時間を意識していないという課題に対して、対策につながる施策をしっかり実践していることがわかります。
本番を想定していない課題を解決するにあたって、「普段から実践形式の解答が大事ととらえていること」「時間に余裕をもって解答するためにあえて本番より10分短く時間を設定していること」、いずれも論理的で有効な施策といえます。
このように、よりクリティカルな施策を取っていれば、課題解決能力の高さが評価の対象になるのがポイントです。
構成がはっきりとしている
ガクチカ作成の際は、構成がはっきりしていることが肝心です。
構成がわかりにくい状態だと、読み手に伝わりにくくなり、「何を言いたいのかわからない」という印象が強くなります。
読み進めること自体が困難、というイメージすらついてしまい、書類落ちの原因にもなり得るでしょう。
資格取得をガクチカにしてアピールするときは、以下の構成で書くことが基本です。
2.きっかけ
3.目標・課題
4.行動
5.結果・学び
この構成はガクチカの鉄板の構成となるため、書くときは上記の流れから逸脱しないように注意しましょう。
1文が40~50文字で収まっている
資格取得をガクチカのエピソードにするときは、1文1文を長くしすぎないように注意しましょう。
内定につながるガクチカは、1文が40~50字を目安に収まっており、読みやすい印象です。
1文が長くなると要点を把握しにくくなるため、読み手が迷子になる原因を作ります。
せっかくはっきりとした構成どおりに書いても、わかりにくさは解消されないため、1文の文字数には注意が必要です。
なお、今回解説してきた構成に沿ってそれぞれ50文字を目安に書いていくと、ちょうど300字ほどのガクチカに仕上がります。
ガクチカを書くときは、1文あたり40~50字ほどに収めるようにしっかり意識することが大切です。
【ガクチカで資格取得をアピール】資格勉強のガクチカ例文
「資格の勉強の経験をガクチカとして書きたいけれど、どうやって書いたら良いか分からない」という学生も多いでしょう。
ここまでも説明してきたように、ガクチカでは成果はそれほど重要ではなく、その過程で感じたことや学んだことが仕事にどのように生かせるのかを説明しなければなりません。
ここでは資格勉強をテーマとしたガクチカの例文を3つ紹介しているので、書き方が分からないという学生はぜひ参考にしてみてください。
FP(ファイナンシャルプランナー)の例文
経済学部に入学し、ゼミで株取引や金融取引について勉強するうちに、「もっとこの分野のことについて深い知識を得たい」「将来は金融関係の会社で働きたい」という思いが強くなったため、この資格を取得することにしました。
資格取得にあたって最も難しかったのは勉強時間の確保です。
半年後の合格を目標としましたが、私は大学の授業の他にアルバイトやサークル活動もしなければなりませんでした。
一般的には独学でFP2級を取得するには300時間の学習が必要だと知り、時間を確保するために2時間早く起床して登校までの間で学習を進めました。
また、効率的な学習を行うためにFP2級を取得しているゼミの先輩に学習方法のアドバイスを受けるなどの対策も強化していきました。
そのおかげもあり、半年でFP2級を取得することができたのです。
私は、この経験を通じて限られた時間の中でどうしたら結果を出すことができるのかを学びました。
この経験を仕事でも生かしていきたいと考えています。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)例文
大学で経理の勉強をしていたこともあり経理事務所でアルバイトをしていたのですが、コンピューターソフトによる経理業務が全盛の現在でも、まだまだExcelやWordなどを使った業務が多いのが実情です。
また、顧客管理にもExcelを使用していたため、「MOS資格を取得すればもっと作業を効率化できるのではないか」と思ったのが資格取得のきっかけです。
私がこの資格を取得する上で一番の問題だったのは基本的なパソコンスキルの欠如です。
普段からネット閲覧はスマホで済ませていたため自宅にもパソコンがなく、基本的な操作で躓くこともよくあったのです。
そこで、はじめのうちはパソコンスクールで基礎力を養い、その後本格的に資格の勉強を行いました。
結果的には、この「急がば回れ」の考え方が功を奏して、一度の受験で合格をすることができました。
現在ではPowerPointによる資料作成も行えるようになり、営業の仕事で魅力的なプレゼンテーションができると考えています。
TOEICの例文
そのきっかけは高校時代に交換留学制度でオーストラリアに短期留学したことです。
約一年にわたってホストファミリーのお宅で生活していましたが、最初のうちはコミュニケーションを取ることもままならず、ホームシックにもなりました。
しかし、半年過ぎるころには簡単な内容であれば意思の疎通も可能になり、英語を話すことの楽しさを感じるようになったのです。
高校卒業後は大学の英文科に進み、さらに英語力をアップさせるためにTOEICの学習にも力を注ぎました。
英文科ということもあり周囲には海外からの留学生も多く、普段から英語で積極的にコミュニケーションをとるようにしました。
テキストを使った学習も大事ですが、やはり本場の英語に触れることが何よりも勉強になり、TOEICで850点を取ることもできました。
貴社は海外進出に積極的でアメリカやヨーロッパにも支社があるということで、学生時代に培った英語力を生かしてグローバルに活躍し、会社に貢献したいと考えて志望いたします。
簿記の例文
資格取得を目指そうと思ったきっかけは、コンサルタントを目指すにあたり、学生のうちに取得することで知識を備えておきたいと感じたためです。
簿記の知識があれば、顧客企業の分析を踏まえた立案がスムーズにできるのではないかと考えています。
2級の試験は、大学2年の頃に一度受験していますが、当時は不合格でした。
原因は、本番で時間が足りなくなり、普段通りに解答できなかったことです。
そのため私は二度目の受験である今回は、時間を意識した実践形式での練習が重要だと考え、過去問や問題集を解く際は本番を想定して解答に臨みました。
また、時間に余裕を持たせたかったため、本番より10分短く設定することも対策として実践しました。
結果、二度目の受験では時間配分にも慣れていたため気持ちに余裕ができ、合格を果たせました。
私はこの経験により、前提から疑ったうえで問題を解決する分析が大事であることを学びました。
貴社に入社後も、冷静に課題を分析し、解決に向けて円滑にアプローチしていきたいと考えています。
まとめ
いかがでしたか。
ガクチカについての質問はエントリーシートや面接で必ず聞かれると言っても過言ではないので、事前に十分な対策をして魅力的な文章を作成するように心がけましょう。
ガクチカを作成する際のポイントは成果や資格の難易度ではなく、プロセスを具体的に説明することです。
ここでは例文も紹介しているので、どうしても書き方が分からないという就活生は参考にしていただいて、厳しい就活を乗り切ってください。