花王のIRを分析して、志望動機やESの作成に役立てよう!

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伊東美奈
Digmedia編集長
伊東美奈

HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。

日本を代表する消費財メーカーの花王。

今回は大きなシェアを有する花王の歴史やIRの分析における強みをしっかりと分析していき、企業研究や選考に活かせる情報をお伝えします。

花王の歴史をチェック

まずは花王の歴史について解説します。

国内有数の消費財メーカーの花王はアタック、マジックリンといった洗剤、トイレタリー(ボディケア・スキンケア)関連で国内1位であるだけでなく、化粧品の分野でも2位と大きなシェアを誇っています。

花王を始めとする歴史が長いメーカーは、自社の歴史に興味を持ち、把握している学生は評価が高くなります。

花王の選考を受ける際には、同社が経たターニングポイントなど重要な点を把握するようにしましょう。

創業期 〜本当によいものを届ける〜

1887年、創業者長瀬富郎氏は花王の前身である「長瀬商店」を開業しました。

その後、1890年に花王石鹸を発売。

当時、石鹸は輸入品が主流であり、国内の石鹸は粗悪な品質のものが中心でした。

そんな中、長瀬商店は品質の高い独自の石鹸を開発に成功し、大ヒット。

全国に普及しました。

ちなみに「花王」の会社名の由来はこの石鹸にも繋がります。

当時、石鹸は「顔洗い」と呼ばれていたことから「カオ(顔)石鹸」と名づけ、「花王」という文字をあてたと言われています。

国内の粗悪な品質で海外製品が売れている市場を、花王が大きく変えたという事実は大きなポイントです。

そんな強い想いは、“よきモノづくり”の精神として130年もの間受け継がれているのです。

1930年 〜日本人にシャンプー文化を根付かせる〜

今では毎日シャンプーをすることが当たり前。

しかし、昔は髪を洗う頻度は非常に少なく、月に2回程度でした。

頻度の少なさの要因は、髪を洗うことの大変さにありました。

昔のシャンプーは粉末状で「髪洗い粉」と呼ばれ、白土に粉石けんや炭酸ソーダを混ぜたもの。

粉末を髪にこすりつけて洗っていたので、非常に時間がかかりました。

そこで、1932年に花王が「花王シャンプー」を発売。

髪なじみがよく油が落ちやすい、そして髪を洗うのを楽にしたことにより、爆発的なヒットを生みました。

これは、日本人の洗髪文化を大きく変えるきっかけとなりました。

1950年 〜初の合成洗剤で汚れが落ちる洗濯用洗剤〜

日本に洗濯用洗剤が登場したのは、1930年代。

当時、花王も粉末洗剤「エキセリン」を発売していますが、そこまでのヒットにはなっていませんでした。

しかし、1950年代に初の合成洗剤として発売した「花王 粉せんたく」は、非常に汚れ落ちが良いと評判を生んで大ヒット。

洗濯の労力が大きく下がったことによって、主婦のライフスタイルを一変させました。

その他にも、1970年にはフケや頭皮のかゆみに悩む人のために開発されたシャンプー「メリット」や台所のベタベタ汚れを簡単に落とす「マジックリン」、肌をやさしく洗える洗顔料の「ビオレ」など、爆発的なヒット商品を次々と開発していきました。

長い歴史の中で、現在でもなじみ深い商品をヒットさせてきた花王。

また、同社のヒット商品には2つのポイントがあります。

一つ目のポイントは「高い品質」。

創業時の商品である「花王石鹸」のヒットの要因は、品質の高さ。

そのほかにも「花王粉せんたく」や「マジックリン」など、今までに類を見ないほどの品質の高さを売りにヒットを産むのが、花王の一つの特徴ともいえるでしょう。

もう一つのポイントは「環境への優しさ」。

その最も顕著なのが同社の強みである衣料用の洗剤。

1987年に少量でも洗浄力が高いコンパクト衣料用洗剤「アタック」の発売は画期的でした。

「アタック」が出る前の洗剤はまるでトイレットペーパーと同じくらいの大きさでしたが、片手で持てるほどのコンパクトさに変革したことにより、大ヒットに繋げています。

その他にも

・すすぎが1回で済む洗濯洗剤を開発し、使用する水や電気を削減

・パッケージの工夫で、使用するプラスチックの量を削減

など、エコを意識した商品開発でヒット商品を生んでいます。

花王の現在の業績とIR分析とは?

ここまでで、花王の会社の歴史をご紹介してきました。

それでは、次に同社の業績を把握するためIR資料を元に分析していきましょう。

まずは決算説明会の資料を見てみましょう。

以下のグラフは売上高・EBITA(エビータ)・営業利益を表したグラフです。

売上と営業利益を見ると、右肩上がりで伸びていることがわかります。

近年の売上は微増傾向となっていますが、利益が積み重なってきているということがわかります。

これは同社の直近の戦略として、既存事業を利益が出る体制づくりを行ったことが実を結んだ結果です。

(出典:https://www.kao.com/content/dam/sites/kao/www-kao-com/jp/ja/corporate/investor-relations/pdf/presentations_fy2017_01.pdf)

それでは、次にそれぞれの部門別の売上を見ていきましょう。

(出典:https://www.kao.com/content/dam/sites/kao/www-kao-com/jp/ja/corporate/investor-relations/pdf/presentations_fy2017_01.pdf)

売上の比重が大きいのは、化粧品やスキンケア関連の「ビューティケア事業」。

続いて、洗剤などを扱う「ファブリック&ホームケア事業」となっていますが、これらの成長率はそこまで高くはありません。

というのも、事業自体が飽和状態にあるため、これ以上に大きく伸ばすことが現実的に厳しい状態にあるためです。

一方で、サニタリーや入浴剤などを扱う「ヒューマンヘルスケア事業」や油脂製品を扱う「ケミカル事業」はまだまだ付加価値を高められる事業ということもあり、大きく伸ばすことができています。

次にエリア別の売上と営業利益を見ていきましょう。

海外での売上は全体売上の2割に止まります。

競合他社の資生堂に比べて海外志向は薄いといえるでしょう。

競合他社の資生堂と比べると売上比率には大きく差が出ます。

資生堂は全体売上の約6割を海外での売上で占めています。

(出典:https://www.shiseidogroup.jp/company/glance/)

これらの結果から花王に対して面接などで海外志向をアピールしすぎてしまうと「海外事業をやりたいなら資生堂の方がいいんじゃない?」と思われてしまいかねません。

花王の年収や社員数とは?

続いて、花王の年収や社員数を解説します。

同社の有価証券報告書のデータを元に分析していきましょう。

2017年の有価証券報告書によると、社員数は7,332人。

平均年収は780万円、平均年齢は41.4才、平均勤続年数は18.0年です。

これらの数値を見る限り、年収も比較的高く、長く勤続できる、非常に安定した企業といえるでしょう。

花王に向いている人とは?

花王に向いている人を分析するキーワードは「花王ウェイ」。

花王が掲げる企業理念です。

(出典:https://www.kao.com/jp/corporate/about/policies/kaoway/?_ga=2.255833288.1150037889.1547873672-1577469469.1547873672)

花王ウェイの中でも、“よきモノづくり”にこだわる姿勢は求められるポイントです。

やはり、創業の商品である花王石鹸がヒットした大きな理由が“よきモノづくり”に繋がることから、これらをどこまで納得できるのかが重要でしょう。

また、適性の面では同社が扱っている製品の多くは生活に密着した身近な製品が数多くあります。

こういった製品は自社の製品だけでなく、競合他社の製品も気軽に試すことができるため、生活に密着した製品に興味がある人や消費者視点で物事を考えられる人が向いているといえます。

まとめ

花王の歴史からIR分析、同社の戦略を解説してきました。

特に消費財メーカーは就活生に人気の企業。

その中でもトップシェアの花王は就活生(特に理系)に圧倒的な人気を誇ります。

花王の企業研究を丁寧に行い、深い理解に基づいて選考対策に臨みましょう。

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