はじめに
「物流業界に興味はあるけど、他にも多くの就活生が志望動機を出している中でどんな志望動機を書けば企業側から選ばれるのかわからない」 この記事では、そのような悩みを抱えている就活生向けに物流業界への志望動機を書く際の3つのポイントを紹介しています。
志望動機の具体例も2つ紹介しているので、自分なりにアレンジを加えながら他の就活生と差のつく志望動機を書くのに役立ててください。
【物流業界の志望動機】そもそも物流業界とは?
日常生活を送る中で物流業界の存在を意識することは少ないかもしれませんが、物流業界は商品や物資を人から人へ、場所から場所へ運ぶ重要な役割を担っています。
わかりやすく表に出るような仕事は少ないですが、物の移動によって多くの人々の日常生活を豊かにしているという点で物流業界を志望する就活生はたくさんいます。
物流業界の主な機能は、大きく分けて輸送、保管、荷役、包装、流通加工、物流情報処理です。
運送する側と回収する側の両者が存在して初めて世の中に物の流れを生み出し、その仕組みを維持しています。
普段私たちが何気なく購入しているスーパーやコンビニでの商品もほとんどが物流の結果そこにあるものです。
また、引越しの際の荷物の発送や受け取りも物流の例の一つです。
近年、インターネット通販市場の拡大によって、特に運送の現場では人手不足やそれに伴う長時間労働の問題が生じています。
それらの問題をいかに解決するかが今後の物流業界における鍵になります。
【物流業界の志望動機】物流業界の動向
昨今のインターネット通販市場の増加や、コロナ禍による外出自粛など影響を受け、運送業などを含む物流業界は大きな転換期を迎えています。
市場が増加していく一方で、輸送能力や作業の効率化などの課題点が増えているのも実情です。
ここでは、物流業界を取り巻く流れについて紹介します。
物流業界を志望する方は業界の動向を知り、どのような問題があるのか、その解決のために何ができるかなどを考えておくことで、企業の目を引く志望動機の作成につながるでしょう。
深刻な人手不足
物流業界が抱える一番の問題は、人手不足です。
近年では業界全体として従業員の高齢化が進んでおり、ドライバー不足が常態化しています。
物流業界は「仕事内容が過酷」というイメージが定着しており、若手で志望する方が少ないことも原因の1つです。
もちろん労働環境を改善するため、長時間労働を減らすための働き方改革などが提言されています。
しかし、ドライバーの中には残業時間を削減されることで、収入に不安を感じる人もいるため、完全な解決には至っていません。
また、この問題は、単に雇用を増やすような単一のアクションでは課題解決にはなりません。
業界全体が一丸となって、システム面の見直しや他業界との連携を行い、取り組むべき問題なのです。
今後の将来性
それでは、物流業界の今後の将来性はどのようになっているのでしょうか。
現状ではなかなか課題を完全に解決できていませんが、今後のIT技術の発達により、業務の効率化が全体的に進んでいくことが考えられます。
人手不足をITの力でサポートし、労働環境の改善や作業効率化などに結び付けることで、結果的に志望者を増やし、需要に対応できるだけのシステムを作ることが目標です。
この取り組みがうまくいけば、拡大していく小口需要に対し、よりスムーズな対応が可能になり、需要もより拡大していくことが見込まれます。
結論として、物流業界は今後、需要が減少する可能性は低いです。
しかし、業界としての全体的な供給力アップが求められるでしょう。
【物流業界の志望動機】理系に物流業界はオススメ?
今後の物流業界には、理系の力が必須とも言えます。
これまでは、物流業界といえば、トラックでの運送や倉庫管理といったイメージが強かったものの、近年ではAIの普及によって新たな物流システムの構築が必要不可欠です。
これらを行うために理系の人材は、常に業界から求められています。
現在でも効率的な運搬をするため、積み荷の分類や配送する物品の仕分けなど、ITの技術によって運輸や倉庫管理が行われており、現場の仕事の負担を減らすための役割を担っているのです。
積み荷ごとの効率的なルート選択や重量のある物品の載積作業など、今後はAIやロボットなどの導入による、さらなる倉庫作業の効率化・運輸の迅速化が見込まれており、そうしたIT技術の知識がある理系の需要も増加していくでしょう。
【物流業界の志望動機】物流業界でアピールできる力とは?
就活においては、受ける業界ごとにアピールすべきポイントが変わってきます。
企業はできるだけ求めている素質をもっている学生を採用したくなります。
物流業界はどんな力をアピールすれば良いのでしょうか。
これから、物流業界での就職を希望している人がアピールするべき点を3つ挙げて紹介します。
基礎的なPCスキル
物流業界は力仕事のイメージがありますが、実は商品を管理したり、タイムスケジュールを組んだりと基礎的なPCスキルが求められることが多いです。
そのため、学生時代に基礎的なPCスキルをつけていた人はアピールすると良いでしょう。
しかし、ただPCを使えると言ってもあまり効果はありません。
そのため、情報処理技能検定などの資格をアピールできると良いでしょう。
また、学校のセミナーなどで学んでいたという経験であったり、実際に作った物を見せるなど良いでしょう。
PCスキルは、案外求められている能力なのでしっかりとアピールしていきましょう
軽作業や重労働に耐えられること
物流業界の基本となる仕事は、物を運ぶ仕事です。
そのため、自然と体力勝負な仕事が多くなります。
それらに耐えうる体力や精神力が求められています。
自身のスポーツの経験やアルバイト経験などのエピソードを加えることで説得力が増し、アピールになるのではないかと思います。
体力は物流業界における最低条件なので自分の経験などを通してアピールしていきましょう。
コミュニケーション能力が高いこと
物流業界は、顧客と直接コミュニケーションを取らなければならない場面が多くあります。
そのため、円滑なコミュニケーション能力や相手の言いたいこと、意図をくみとる力が必要とされます。
これは面接時など、面接官との話の中で見られることが多いので注意しておきましょう。
【物流業界の志望動機】物流業界の志望動機のポイント
物流業界の志望動機を書く際には、注意するべき3つのポイントがあります。
それらのポイントを押さえ自分の経験をもとに肉付けできたら、他の就活生と差がつく志望動機を書くことができます。
ESを書く際には参考にしてみてください。
なぜ物流業界なのかを明確にする
物流業界に限らず、志望動機を書く際には必ずその業界を選ぶ理由を明確にするようにしましょう。
物流業界は分野によって仕事内容や職種が変わってきますが、何かをある地点から別の地点へ運ぶという点では共通項があります。
例えば、物を運ぶことによって世界の経済をもっと活発に循環させたい、あらゆる場所に物資を届けることによって人々の生活を豊かにしていきたいなどは物流業界を志望する理由として非常に納得度の高いものになります。
今一度「物流業界であるべき理由」を考え直し、志望動機に反映しましょう。
より主張を尖らせるために、物流業界の知識を深めていくことが有効でしょう。
なぜその企業なのかも明確にする
物流業界の中にも様々な企業がある中で、その企業を志望する理由を明らかにしましょう。
物流業界の中でも分野によって業務内容は違います。
また、企業ごとの強みやメインで扱っている物資は大きく異なるので、業界内の様々な企業を調べた上で、その企業を選んだ理由を明確にすることが重要です。
例えば、日本中に荷物を届けることによって人々の生活を支えたいなど、物流業界の機能と照らし合わせて志望動機をアピールしましょう。
自分の興味関心と企業の特徴を照らし合わせた上で、その企業を選ぶ理由をはっきりと言語化してください。
求められる資質をアピールする
志望動機においてその業界や企業を選んだ理由を明示することはもちろん重要ですが、自分が会社に対してどのように貢献できるかを伝えることも同様に大切です。
なぜなら、企業にとってはたくさんの就活生からの応募がくる中で、誰を採用すれば企業の発展や収入増加に繋がるかということが一番気になるところだからです。
企業が求める人材像によって自分をどうアピールするか変わってくるので、業界分析は必要不可欠です。
その上で、物流業界全体に共通して求められる資質として高いコミュニケーション能力が挙げられます。
なぜなら、物流業界は物を運ぶ前と後に人と関わることになり、その関係者全員とうまく関わらないと物流の仕事をこなすことができないからです。
他にも現状のやり方やマーケットを見直して改善していくことが求められるので、洞察力や発想力、提案力なども求められたりします。
そして、自分の得意なことや強みをうまくアピールするためには、それらに繋がる具体的なエピソードを述べることがポイントです。
例えば、「大学時代に所属していた部活動で副キャプテンを担い、キャプテンとメンバーの橋渡し役として様々な人とコミュニケーションを取っていた」などは、コミュニケーションを強みとしている裏付けとして納得度を高められます。
【物流業界の志望動機】物流業界の志望動機の例文
志望動機を書く際に注意すべき3つのポイントを学んだ上で、実際にどのような志望動機が企業から選ばれるのか見てみましょう。
2つの例文を紹介しているので、自分の経験をもとにアレンジしつつESを書く際に参考にしてください。
食卓へのこだわりをテーマにした例文
そう思うようになったのは、中学生の頃です。
どんなに部活動がしんどくて疲れて帰宅したときにも、いつも母親が温かい夕食を準備して待ってくれていて、そこを囲む家族がいました。
そしてその空間がいつも自分に安心感を与え、また明日も頑張ろうと思わせてくれました。
そんな当たり前の食卓があるのも、物流という工程があるからだということを学び、いつしか自分が物流に携わることによって、食卓から家族に幸せをもたらしたいと考えるようになりました。
貴社は食というところに強いこだわりを持ち、食によって人々の日常を豊かにしようという理念を掲げています。
その理念が自分のものと重なったので、貴社を志望いたしました。
上記の志望文では、「食卓を通じて家族に幸せをもたらしたい」という意思と、志望する会社の理念との生合成が記載されています。
食卓にこだわるようになったエピソードも記載されているため、読み手に伝わりやすい文章になっています。
コミュニケーションをテーマにした例文
近年AIの進出により、物流に人が携わる機会が減ってきています。
しかし自分は、効率化を求めるがあまり、本来あるはずの人と人との繋がりが損なわれていることに違和感を感じました。
私が幼い頃からずっと暮らしている地域では、回覧板を隣の家に届けに行くときに、必ず人と人の間にコミュニケーションが生まれます。
そのような物を運ぶことによって生まれる人の繋がりに価値を感じているので、物流という業界においても、人だからこそできるサービスが必ずあると信じています。
貴社には、地域の人たちとのコミュニケーションを大切にするという社風があると伺いました。
私もそのように地域の人たちに寄り添い、人だからこそできるサービスにこだわり続けたいと考えたので、貴社を志望します。
上記の志望文では、「様々な人とのコミュニケーションを取りたい」という記載から、物流業界を志望する理由が明示されています。
また、AIの進出などの社会的背景の記載が、その主張を支えるのに役立っています。
【物流業界の志望動機】志望動機を書く際の注意点
また、志望動機を書く際は、福利厚生などの待遇に触れるのは基本的にNGです。
福利厚生が良いのは、企業に勤めるうえで魅力として重要です。
しかし、面接や履歴書にそのまま記載すると、担当者に「入社してやりたいことはないのだろうか」「仕事に対して意欲的に取り組んでくれないかもしれない」という、マイナスな印象を与えてしまいます。
そのほかにも自ら成長していく積極的な姿勢を示し「企業側から学ばせていただく」といった受け身の姿勢は見せないようにしましょう。
どうしてもそのような理由を含めて志望動機を作成する場合は「入社に対しての熱意」や「会社に貢献したい」など、企業にとって有益な内容をメインにするなど、工夫した表現に直す必要があります。
【物流業界の志望動機】志望動機から他の就活生と差をつけよう!
この記事では、物流業界の志望動機を書く際に踏まえるべきポイントと、志望動機の具体例を紹介しました。
同じ物流業界とはいえ、それぞれの企業によって扱う商品や求められる人材像は大きく異なっているので、それぞれの企業に関しての正しい知識を持った上で、自分がその企業を希望する理由を明確にすることが大切です。
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