「ガクチカに書くことが本当にない時はどうすれば良いのだろう?」 「ガクチカのどういった点を採用担当者は評価しているのだろう」 「ガクチカのネタを見つける良い方法はあるのかな?」 就職活動をしていると、誰しもが必ずぶつかる壁であり、苦戦する人が多いガクチカですが、書くことが見つからなかったり、書き方や選定基準に関してこのような疑問をもつ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ガクチカを書く際の基本的な考え方や、ガクチカの見つけ方、書き方について解説します。
この記事を読むことで、企業がガクチカを評価する時に見ているポイントや、ガクチカに書くことを見つけるコツがわかり、選考に有利なガクチカを書くことができるようになるでしょう。
自分にはガクチカが本当にないと悩んでいる方や、ガクチカを書くコツを知りたい方は、是非読んでみてください。
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【ガクチカが本当にない時の対処法】ガクチカと自己PRの違い
就活するなかで「ガクチカ」と「自己PR」の違いが分からず悩んでしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。
「ガクチカ」とは「学生時代に力を入れたこと」の略語で、学生時代に頑張ったことを答えるものです。これに対して「自己PR」は自分の長所や他人からどう見られているかを企業に伝えることです。
この2つは類似していますが、「ガクチカ」は経験を元に成果や自分の成長を述べるもの、「自己PR」は自分の強みを企業にアピールするもの、と理解すると分かりやすいでしょう。
エントリーシートに「ガクチカ」と「自己PR」両方の項目がある場合は、企業側はそれぞれ別の内容を知りたいと考えているということです。同じようなことを書かないよう注意しましょう。
【ガクチカが本当にない時の対処法】ガクチカを考える際の基本
ガクチカとなるような経験が本当にないという方は、「珍しい経験や人より優れた経験を話さないとアピールできない…」と思い込んでいませんか?
ガクチカでは何も、人より優れた経験をアピールする必要はありません。むしろ、あなたがあなたなりに頑張った経験をアピールすることの方がよっぽど価値があるのです。
大切なのは自分がどう頑張ったか
人を惹きつけるような学生生活を送ってきた人など、100人に2、3人くらいのものです。その他のほとんどの学生は、あなたと同じように普通の学生生活を送ってきたはずです。
大学生なら、普通に暮らしていれば、サークルやアルバイト、ゼミなど何かしらの出来事は経験していますよね?これらは一見するとどれもありきたりな経験です。
しかし、なぜその経験をしたのか、何に興味を持ったのか、どのように頑張ったのかなど、具体的な取り組み方は人によってさまざまです。
だからこそ、普通の生活のなかでも、あなたがあなたなりに頑張ったことをアピールすれば良いのです。大切なのは経験それ自体ではなく、経験のプロセスの部分だということをまずは理解しましょう。
本当にガクチカがない場合
ガクチカは大した内容でなくても構わないといっても、なかには、バイトもゼミもサークルもやっておらず、本当に頑張ったことが見当たらないという方もいらっしゃるでしょう。その場合でも、ガクチカとなる経験を練りだすことは可能です。
企業が重視しているのは、「取り組んだ内容」ではなく「なぜ打ち込んだのか」というところです。いい結果を残せたに越したことはありませんが、言ってしまえばあなたの考え方や価値観が分かるエピソードであれば、何でもいいのです。
ガクチカとなる経験が本当にないという方は、もっと身近な生活に目を向けてみましょう。例えば、深夜アニメが趣味だという方は、そのエピソードをガクチカにしたって良いでしょう。
「私が学生生活において力を入れていたことは、深夜アニメに誰よりも詳しくなることです。
深夜アニメについて、友人のなかでは誰よりも詳しく、何を聞かれても答えられるようにしていました。リアルタイムで見ると、次の日の授業に遅刻したり寝不足で授業に集中できなくなったりしますから、毎日欠かさず録画しておりました。
また、録画するだけでは誰よりも詳しくいることはできませんから、毎日欠かさず録画したアニメを見る時間を決め、録画と消化(アニメを見ること)を同時に行っていました。」
エピソード自体は「アニメを見る」という趣味に関するたわいもない内容ですが、このエピソードから「好きなことに全力で取り組める」「要領がいい」「自己管理が出来る」といった、あなたの人柄や強みが分かります。
このように、何の変哲もないエピソードでも、あなたの取り組み方をしっかりと伝えれば、あなたの人柄や強みを企業に伝えることができるのです。歯磨きや挨拶といった、誰もがするようなことからでもガクチカを作ることはできるということを覚えておきましょう。
【ガクチカが本当にない時の対処法】ガクチカに関する企業の評価基準
ガクチカを見つけて魅力的なアピールをするためにも、まずは企業がガクチカのどこを評価しているのかを知る必要があります。
企業がガクチカを聞いて評価する基準は、学生の人となりや持っている能力です。ガクチカで語られる経験自体のインパクトはもちろんですが、そこに至るまでの本人の思考力や行動力、人柄のもととなる考え方などを見られているわけです。
また、ガクチカで得た経験や学びは企業への入社後に仕事で活かせるものなのかという点も評価基準に入ります。ガクチカが本当にない人がガクチカを探す場合、これらの基準を意識しておく必要があるでしょう。
学びを得られているか
採用担当者は、就活生がガクチカの経験から、頑張ったことを通して何を学んだのかという点をよく見ています。
なのでガクチカについて伝える時は、どんなシチュエーションで、どのような経験から何を得たのか、そしてどのような思考に変化したのかということを具体的に示すことが必要です。
自ら学ぼうとする姿勢を見せることは、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
記憶に残るようなアピールができているか
人と違う独自の経験談は、もちろん記憶に残りやすいものです。
しかし、最終的に合否に関わるのは人と違うかどうかではなく、アピール内容が採用担当者の記憶にどれほど残ったかになります。
一見当たり障りのないように思える内容でも、それが自分のアピールポイントとしてしっかり落とし込めているならばガクチカとして成立させることが可能です。
その人の人柄や考え方の根本にあるものとして納得できるものになっていれば、相手の記憶にも残りやすいと言えるでしょう。
したがって、アピールしたいポイントを見つけてそれを証明する経験がないか探すのが、ガクチカを見つける近道とも言えます。あなたの強みやアピールポイントをハッキリさせるためにも、もう一度しっかり自己分析をしてみましょう。
自分を客観視できるか
企業は、就活生がガクチカのなかで自分を客観視できているかどうかも評価しています。
ガクチカに成功体験や達成した事柄について書く際には、その成果や周囲からの評価といった客観的な事実をできるだけ具体的に述べることが大切です。
そのうえで、自分がどのように考え、どのような役回りを果たし、どう行動したのかを加えるとより客観性を持たせることができるでしょう。
また、自己分析だけではうまく書けないという場合は、友人や家族など周囲の人に自分の強みについて意見を聞くのもひとつの方法です。自分で考えたものとは違った強みが見つかることがあり、人から指摘されたエピソードの方が自分の良さが出せることもあります。
周囲の意見を取り入れることは、自分自身を客観的に理解するための手助けになるでしょう。
分かりやすく伝えられるか
ガクチカでは相手への伝わりやすさも大切です。エピソードが良かったとしても、文章が読みにくいと相手にうまく伝わらなかったり、ガクチカ全体の印象を損ねてしまったりする可能性があります。
土台となる基礎情報を確実に伝えられるように意識して、分かりやすい文章で作成するようにしましょう。
また、表現の具体性も重要です。例えば「すごく」や「一生懸命」といった言葉が使われがちですが、これらの表現は人によってさまざまな受け止め方があるため、抽象的な文章になってしまいます。
ガクチカをより分かりやすく伝えるためには、数字を交えるなどしてできるだけ具体的に示すようにしましょう。
入社後の企業で活かせるかどうか
企業にとって重要なのは、ガクチカのおもしろさや特異性ではありません。人と違う経験をしていても、それを入社後の仕事に活かせなければ意味がないのです。
したがって、ガクチカを評価する際にはその経験が今後の業務に活かせる学びやスキルにつながっているかという面を重視されます。
自分の実体験にもとづいて、その経験で何を学んだか、できるようになったことを考えましょう。それをどう今後の仕事に活かせるかをアピールできれば、入社後に活かせるスキルとして評価を得られる可能性が高くなります。
また、その経験についてどう思ったか、なぜそう思ったのかということを理路整然と話せることができればそれも良いアピールになります。あなたの思考プロセスや人柄がその企業に向いていると判断されれば、採用の可能性が高まるためです。
社風に合っているか
企業がガクチカを聞く理由に、企業の社風と合っているかを確認しているというのもあります。
どんなに優れた学生だったとしても、社風と合っていなければ、そう遠くない将来に会社と衝突したり不満が出てきたりする可能性があるからです。
そうなってしまった場合、選考から採用、その後の研修含め費やしてきたお金や時間が、水の泡になってしまいます。
また、企業側が社風に合っているかを見ていることがわかっていれば、就活生はいかに自分がその会社の社風に合っている人材なのかをアピールすることが、ポイントだと言えるでしょう。
【ガクチカが本当にない時の対処法】ガクチカがない場合の見つけ方
「ガクチカがない」と思っても、案外身近なところにあるものです。それは毎日の習慣であったり、常日頃から心がけていることであったりします。
そういうものに関して、自分自身でも理解を深めることで、あなたなりの考え方や努力の方向性が見えてくるはずです。
普段から励んでいることをガクチカとしてアピールできれば、立派な自己PRになります。自分の生活を見直して、何か継続していることや気を付けていることがないか探してみましょう。
毎日の習慣を振り返る
ガクチカを見つけるために、まず毎日欠かさず行っている習慣をリストアップしてみましょう。
平日と休日とでそれぞれ平均的なスケジュールを書き出すと、「これは毎日やっているな」というのがいくつかあるものです。そのなかで、特に自分が意識して行っている習慣や他の人はやっていなさそうな習慣を探します。
例えば、「朝起きたら必ず軽いストレッチをする」「スープやホットミルクなど、朝食に必ず温かいメニューを加える」「夜眠る前に一行日記を書く」といったようなことです。
そして、それをいつから、どれだけの期間やっているのか、続けることで何か気付いたことや得たものはあるかを考えます。その内容が企業に与える印象がどうなるかも加味できるとよりスムーズにPRができるでしょう。
他者の意見を聞く
自分の意見だけではなく、他人からの意見も聞いてみるのもオススメです。
他人の意見つまり他己分析は、自分では見つけられなかった自分自身の新たな一面を発見できる可能性が高いです。
自己分析と他己分析を同時に行うことで、自分の強みを裏付ける強い証拠にもなります。もし他己分析をお願いする時は、同じ学校やアルバイトで過ごした仲間など、一緒に過ごした時間が長く自分のことを理解してくれている人が良いでしょう。
自分だけで考えるガクチカより、第三者の意見を取り入れたガクチカの方が信憑性が待ち、評価も高くなるでしょう。
日常的に気を付けていることを探してみる
毎日というほどでなくとも、日常的に気を付けていることがあればそれもガクチカとして使えます。
例えば、お店を利用した時に店員さんに必ず「ありがとう」を伝えるようにしているならばそれを「心がけていること」として用いると良いでしょう。
また、飲み終わったペットボトルや空き缶をそのまま捨てずに家まで持ち帰ってから洗って資源ゴミとして出すようにしている、といったことでも構いません。
日々生きているなかで、自分が特に意識して行っていることであればなんでも良いのです。それが人と被っているものであっても、動機やそこから得たものが違えばあなた独自のガクチカになり得ます。
日常生活のなかで意識的に行っている行動や気を付けていることがないか、改めて探してみましょう。
それらをやっている理由を考えてみる
ここまで、毎日の習慣や日々気を付けていることについて考えてきました。
今度は、それをなぜやっているのか考えてみましょう。動機を深掘りすることで、企業にあなたの考え方をアピールすることができます。
第1に、どういう考えや理由でその行動を取っているのでしょうか。第2に、その考えに至ったのは何がきっかけだったのでしょう。
これらのことを説明することで、企業の採用担当者はあなたの思考プロセスについて理解を深めることができます。そして、それをもとに企業にとって有用な人材かどうかを判断する材料にするのです。
リストアップして気付いた習慣・行動の動機やそこに至るまでの考え方を整理して、あなた独自のガクチカを見つけましょう。
今からガクチカに取り組み始める
どうしてもガクチカが見つけられない場合は、今からできるものを探して取り組み始めましょう。アルバイトなどの活動に目的意識を持って取り組めば、少ない時間でもガクチカに使えるエピソードを作ることは可能です。
また、応募までに時間の余裕があるならば、企業の長期インターンシップに参加するのも良いでしょう。
長期インターンシップは一般的に3ヶ月から1年程度の時間がかかりますが、企業で実際の業務に携わるなかで多くの経験を得ることができ、インターン先によっては実践的なスキルを身に付けることも可能です。
インターンを経験している学生は意外と少ないため、他者との差別化が図れるというメリットもあります。
【ガクチカが本当にない時の対処法】ガクチカを作る際のNG例
自分のガクチカについて頭を悩ませるあまりに、考えた内容がNGであるケースも少なくはありません。
せっかく考えたガクチカが、逆にマイナス評価につながってしまっては辛いですよね。気を付けるべきガクチカのNGについても参考にしてください。
ガクチカと自己PRが同じ
自己PRとガクチカは、内容を変えることが望ましいです。
同じ経験でも良いですが、伝え方には気を付けましょう。あまりに内容が同じだと、準備不足や手抜きという評価をされかねません。
自己PRは「自分の性格的な強み」を中心に、ガクチカは「自分の経験した内容」を中心にまとめることを意識しておくと良いでしょう。
他の人を落とすようなガクチカ
他の人と比較して自分の方が優れているとアピールしたり、誰かを批判したりするようなガクチカはやめましょう。他の人を落としてしか自分の価値を伝えられない人を、企業が採用したいと思うはずがないからです。
考えすぎると意外と陥りがちなポイントなので、自分は他人を落としていないか、今一度確認してみてください。
大学受験関連のガクチカ
大学受験を頑張ったというガクチカを書く人がいます。
しかし考えてみれば、学生である限りすべての人が大学受験は経験していますよね。大卒の就活生であれば、誰でもある程度同じような内容を話せてしまうのです。
ガクチカはなんでもいいという筆者があえて挙げるほどに、自分らしさを表現するのが難しい経験であることを覚えておいてください。
ガクチカの内容を大学受験以外と指定する企業もあるほどですので、ガクチカは大学受験以外の話題を考えた方が良いといえます。
盛りすぎたり嘘のエピソードのガクチカ
ガクチカに使えるエピソードが浮かばず、いっそ偽の話を作ってしまおうかと思い悩む方もいるでしょう。
しかし、話を盛りすぎたり嘘のエピソードを作り上げたりすることはおすすめできません。なぜならば、これらは面接官に見抜かれやすく選考自体に悪影響を及ぼす危険性があるためです。
例えば、面接でエピソードについて詳しく掘り下げて質問された時、嘘を書いていると話の内容に矛盾が生じて答えに窮する可能性があります。そのような様子から、多くの応募者を見てきた面接官はすぐに就活生の嘘に気付いてしまうのです。
嘘がばれれば企業側に不信感を与え、信頼を失ってしまうことにもなりかねません。ガクチカには度を越した誇張や嘘は入れず、事実に即した内容で書きましょう。
【ガクチカが本当にない時の対処法】ガクチカの書き方のコツ
ガクチカに使いたいエピソードが決まったら、実際に文章にしてみましょう。
ガクチカの書き方のコツは、結果を強調するのではなくその過程も丁寧に伝えることです。構成は、以下の6つの要素を順に展開すると説得力のある文章になります。
1.「結論」学生時代に何に力を入れて取り組んだのか 2.「動機」その取り組みをしたきっかけや理由は何か 3.「目標や困難」どのような目標や困難があったのか 4.「行動」目標達成や課題解決のために何をしたのか 5.「結果」行動によってどのような結果や成果があったのか 6.「学び」取り組みの経験によって何を学んだか
同じエピソードでも書き方によって伝わり方は大きく変わってきます。コツをつかんで読んだ相手が理解しやすいガクチカにしましょう。
【ガクチカが本当にない時の対処法】参考にしたいガクチカの例文
ここからは、エピソードの種類別に気をつけたいポイントと例文を紹介します。
なお、例文における名称や数字などの設定はあくまで架空のものです。前述した6つの要素の盛り込み方や話の流れといった部分に注目して、ガクチカを書く際の参考にしてください。
アルバイト経験のエピソード
アルバイトの経験を書く時には、困難だった点やアルバイト先に起こった問題などをあげ、それに対して自分がどのように考えてどう行動したかを書くと、面接官に思考力を訴えることができます。
また、売り上げなどの数字を取り入れて具体性をもたせると、より伝わりやすい文章になるでしょう。
「私が学生時代に力を入れたことは、カフェでのアルバイトです。20席ほどの小さな規模のお店ですが、近所に大手チェーンのコーヒー店ができたこともあって客足が減り、売り上げも落ち込んでしまいました。
そこで私はカフェに訪れるお客様は落ち着いた場所を求めているのではないかと考え、BGMやインテリア、座席のレイアウトなどを研究し、店長に提案しました。その結果、新しい常連客が増え半年で売り上げを1.2倍に増やすことができました。
この経験からお客様のニーズをくみ取ることや自分の考えを思い切って提案することの大切さを学びました。」
ゼミ活動や学業のエピソード
ゼミ活動や学業について書く時は、専門用語をできるだけ使わずに書くことがポイントです。その分野について知識のない人が読んでも理解できるように、分かりやすい言葉で説明することを心がけましょう。
「私はゼミでロボット工学の研究をしています。特に力を注いだのが、ゼミ仲間とチームで取り組んだロボットコンテストへの出場です。
チームで私はリーダーを任されました。しかし当初はメンバーの意見が合わず、製作の進捗も遅れがちでした。そこでメンバーにしっかりとしたヒアリングを行い、全員が集まる機会を増やして意見交換の活性化に努めました。
また、分業体制でお互いの状況が見えにくかった製作過程については、進捗状況の共有ファイルを作成するなどして作業の透明化と効率化を図りました。その結果、ロボット製作は順調に進み、出場したコンテストでは40組中3位の成績を収めることができました。
この経験から、チームで作業する際のコミュニケーション力や情報共有による効率化の重要性を学びました。」
サークル活動のエピソード
代表などの役職についていなかったとしても、サークル活動のエピソードは十分使うことができます。企業が見ているのは立場ではなく経験や学びです。物事に対してどう考え何をして何を学んだかをしっかりとアピールしましょう。
「私はイベント企画サークルに所属し、特に大学の最寄り駅にある商店街を活性化する企画提案に力を入れました。
この商店街があるエリアは近年ベッドタウンとしても人気が高まっており、商店街の方々は学生に加えて近所に住む若いファミリー層にも、もっと足を運んでもらいたいという課題を持っていました。
そこで口コミを活用したSNSプロモーションや、学生割引・子育て割引クーポンの導入、古い街並みを活かしたフォトコンテストの開催などの企画を提案し、商店街に新たな顧客を呼び込むことに成功しました。
この経験から宣伝やイベントの効果を実感しただけでなく、商店街の方々と協力するなかで意見交換や段取りの大切さを学ぶことができました。」
家庭や親子関係のエピソード
家庭でのエピソードなど日常的なテーマでも、自分の考えや行動の背景、努力した点などを盛り込めば立派なガクチカになります。成果や結論は無理にまとめようとせず、自分の良さを出せるよう自然な表現を心がけましょう。
「私は学生時代に家族の夕食作りを頑張りました。毎日仕事で帰りの遅い母の負担を減らしたいと思ったことと、食物アレルギーがある弟が食べられる料理を増やしたいと考えたことがきっかけです。
まず料理本やレシピアプリで研究して料理のレパートリーを増やすよう努めました。さらに栄養学についても勉強し、アレルギー除去と栄養バランスが両立できる献立作りを工夫しました。その結果、夕食を作り始めてからの3年間、家族と私は特に体調を崩すことなく過ごせています。
毎日の食事作りを通して、健康的な生活習慣と決めたことを続ける力を得ることができました。」
資格取得のエピソード
資格取得のエピソードを書く時は、合格の事実や資格の難易度などの説明に偏ることのないよう気をつけましょう。その資格を目指した背景や仕事にどう活かしたいかを説明することも重要です。
「私は学生時代に簿記の勉強に力を入れ、簿記一級に合格しました。
資格取得を目指したきっかけは、会計事務所でのアルバイトで経理や財務の仕事に興味を持ち、簿記の知識を深めることで業務の幅を広げられたらと思ったことです。
勉強するなかで、苦手分野はアルバイト先の先輩に相談するなどして早めに克服するよう努め、また同じ資格合格を目指している仲間を募り、勉強会を開催するなどしてモチベーションを保つようにしました。
大学生活と両立するのは困難な面もありましたが、持ち前の根気強さで毎日3時間以上の勉強を継続し、約2年かけて簿記一級を取得することができました。
今後はこの経験と簿記の知識を活かし、経理・財務の仕事で成果を上げたいと考えています。」
【ガクチカが本当にない時の対処法】ガクチカが見つからない状態に陥る原因とは
自分にはガクチカが本当にないと思っている方は、考え方に原因があるのかもしれません。
ガクチカはどんな結果を残したかが大切なのではなく、結果に至るまでの考え方の変化や行動の方が重要です。つまり、結果よりも過程を伝えることが大切です。
ここでは、ガクチカが本当にないと悩んでいる方が陥っているかもしれない原因について解説していきます。
ガクチカに書くほどのことがないと思っている
ガクチカが本当にないと感じている方の中には、ガクチカに書けるレベルのエピソードがないと思っている場合があります。
ガクチカに書くべきことは、必ずしも相手の印象に強く残る内容である必要はありません。
たとえば、「アルバイトを無遅刻無欠席で3年間働いた」「ゼミの発表を成功させるため、リーダーとしてチームの結束力を高めた」といった普段の何気ない生活での出来事が、十分ガクチカになります。
ガクチカに書くほどのことが本当にないと思っている方は、一度自分自身の生活の振り返りをしてみると、思いもよらない強みを見つけられるかもしれません。
優れたエピソードでなければならないと思っている
ガクチカが本当にないと思っている方は、人より優れた「すごいエピソード」を探してしまっているのかもしれません。
たしかに「大会で賞を獲った」「レースで1位になった」というような経験は、相手の印象に残りやすいかもしれません。
しかし、採用担当者がガクチカで意識しているのは、どんな経験や結果を残したのかというよりも、その経験からどんなことを学び、会社でどのように活かせるのかという点です。
実際には、エピソードのインパクトの強さで高評価を受けて採用のつながるということはないため、優れたエピソードを探す必要はありません。
【ガクチカが本当にない時の対処法】コロナ禍でガクチカがない場合の対策
コロナ禍において思っていたような学生生活が送れなかった学生は多くいます。
ここではそうした状況でもガクチカとして効果的にアピールする方法について徹底解説していきます。
ガクチカでは結果と同じくらいその過程も求められます。そのため、インパクトのあるアピールが必ずしも必要なわけではなく、あなたの人柄と能力が伝わればそのアピール内容はそこまで重要ではないのです。
サークル等に参加できなかった場合
コロナ禍において対面のイベントは中止になり、学校が主催するイベントやサークル活動も中止せざるを得なかった方が多いでしょう。そうした場合には、コロナ禍における対応等もアピールすることができます。
サークルメンバーの感染対策やイベントの急な中止業務などの対応等もアピールすることができます。イベントを開催したいというメンバーの気持ちも汲みつつ、社会情勢などにも気を配る業務はとても神経を使う業務です。
そうした状況であなたができることを模索しながら行動した経験はあなたの人柄が溢れると共に調整力や臨機応変な対応力もガクチカとしてアピールできる経験でしょう。
アルバイトなどができなかった場合
コロナ禍によってアルバイト先が時短営業や休業してしまったためにアルバイト先での経験をガクチカとしてアピールすることができないと考えている方も多いことでしょう。
しかし、コロナ禍に陥る前のアルバイト先での経験がなくなるわけではありません。そこで得られた経験をアピールすることは充分ガクチカとして使えます。
また、アルバイトができないことによって節約する必要があった方はその経験もアピールすることであなたの堅実さや計画性などをアピールすることもできることでしょう。
留学ができなかった場合
留学を考えていた方もコロナ禍によって留学自体行くことができなくなってしまったという方もいることでしょう。
しかし、留学するには基本的に語学力をある程度高めてから行くものです。そのために多くの勉強をしてきたことでしょう。そうした留学をするために勉強した語学力や勉強するための忍耐力と継続力をアピールすることもできます。
また、留学をするためにアルバイトなどでお金を貯めていたという方はそのアルバイト経験から堅実さや計画性、行動力をアピールすることもできます。
なかには留学中に帰国せざるを得なくなってしまったという就活生もいることでしょう。そうした方は海外という不安な環境でどのような対応を取ったのかという経験からあなたの臨機応変な対応力をアピールすることもできます。
【ガクチカが本当にない時の対処法】ガクチカが本当にない場合は作ってみよう
ガクチカが本当にない方は、ガクチカに書けるような行動を起こしていきましょう。
時間に余裕があるならば、ガクチカで使えるエピソードを用意することが可能です。
ここでは、今からでも作れるガクチカを4つ紹介していきます。
アルバイト
学生時代にアルバイトに打ち込んだという学生も、多いのではないでしょうか。
アルバイトは社会人経験が得られたり、接客マナーや言葉遣いなどのスキルを身に付けることもできたりするので、おすすめです。
ただし、たくさんの学生がアルバイト経験者のため、他の就活生との差別化が難しいのも事実です。
アルバイトを通して身に付いたスキルをアピールすると同時に、他の大学生がしていないような経験をアピールできると高評価を得られるでしょう。
インターン
もし就職活動に余裕があればインターンシップへ参加してみましょう。
長期のインターンシップだとお給料が出るインターンシップも多く、お小遣い稼ぎをしながらガクチカに駆ける経験を得ることが可能です。
また、インターンシップへ参加し一足早く社会人経験を積むことで、スキルアップにもつながるでしょう。希望している業界や職種をあらかじめ体験しておくことができるので、選考の際にその実体験を話すことができ、前向きなアピールポイントになります。
趣味や特技
趣味や特技に本気で取り組むこともおすすめの方法です。
「一芸は道に通ずる」という言葉があるように、趣味や特技など興味のあることを一つ極められると、それが自分の強みになります。
何でも良いので、一つのことをとことん突き詰めて経験を積み、技術を磨くことで、他のことをやっても成功へ向かっていけるという印象を与えられるでしょう。
そして、趣味や特技を通して自分の個性を知らせることで、より自分自身を魅力的に見せることができます。
課外活動
課外活動を行った経験も、選考の際にあなたのオリジナリティな行動力や好奇心をアピールできるでしょう。
例えば、ボランティアやサークルなどにチャレンジしてみましょう。
課外活動に参加することで、就職後の業務に活かせるスキルや考え方などを学べます。テストの点数だけでは計れない人柄や協調性、忍耐力などをアピールすることができるでしょう。
【ガクチカが本当にない時の対処法】本当にガクチカがないか自分を振り返ろう
企業がガクチカを聞くのは、端的にいえば、学生の人物像を見極めるためです。自社にマッチした人材かどうかを判断するための質問がガクチカなのです。
ガクチカが本当にないという人は、ガクチカの題材ばかりに気を取られていないかもう一度よく考えてみましょう。題材が問題なのではなく、重要なのは、そのエピソードにおいてあなたがどんなことをしたのか、どういったことを得られたのかを自分の言葉で語れることです。
ガクチカが本当にないと悩んでいる方は、もっと身近な日常生活に目を向けてみましょう。必ず、あなたをアピールできるあなたらしいエピソードが見つかるはずです。