はじめに
「ガクチカ」は就職活動の際に、よく聞かれる項目です。
履歴書、エントリーシートなどでは、200文字、400文字以内など文字数が指定されることが一般的です。
でも、実は、ガクチカがどんなものなのかよくわかっていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか? ガクチカが何であるのかを理解していないと、内定につながるような良い文章を書くことはできません。
そこで、本記事では、ガクチカの意味や目的などついて解説していきます。
また、ガクチカの作り方のポイントなどもご紹介しますので、参考にしてみてください。
ガクチカとは
まず最初に、ガクチカがいったいどんなものかについて見ていきましょう。
ガクチカが何であるのかを理解していくことは、就職活動を行ううえでとても重要です。
そもそも、ガクチカの意味をきちんと理解していなければ、内定につながるような文章を書くのは難しいでしょう。
また、企業がガクチカを問う目的についても知っておいたほうが良いでしょう。
何のためにガクチカが問われるのかを理解していれば、良い文章を書くための対策も立てやすくなるはずです。
ガクチカの意味
ガクチカは、「学生時代に力を入れて取り組んだこと」を意味する言葉です。
学生時代の「ガク」と、力の「チカ」を組み合わせた造語で、就活用語として定着しています。
具体例としては、学生時代にどんな勉強や研究を行っていたのか、部活やサークル活動での実績などがガクチカに該当します。
また、アルバイトやインターンシップ、ボランティア活動、海外留学などの経験もガクチカとしてアピールできるのです。
このガクチカは、履歴書やエントリーシートを提出時のほかに、面接時にも問われることが多いので、きちんと回答できるように準備をしてかなくてはなりません。
ガクチカの目的
企業がガクチカを問う目的は、入社希望者が学生時代にどのような目的を持って過ごしていたのか、どんな努力をしたのかを知るためです。
また、就職活動の準備をきちんとしてきたのかを確認するために、ガクチカを問う企業もあります。
ちなみに、ガクチカと似たようなものとしては、自己PRがあります。
自己PRは、入社希望者のスキル、強み、やる気などを把握する目的で行われるものです。
両者は似ていますが、質問の目的が異なりますので、混同しないように気を付けてください。
ガクチカの目的は、学生時代に自分が頑張ったことをアピールするためだということを理解したうえで、学生目線や人事目線も意識しつつ文面を考えていきましょう。
学生目線
入社試験を受ける学生目線で考えると、ガクチカは学生時代に行ったことをアピールする場となります。
ガクチカを問われたら、学生生活の中で自分が一生懸命頑張ったこと、熱心に取り組んできたことなどをアピールして伝えるようにしましょう。
ダラダラと学生生活を送っていたので、海外留学や受賞歴など人にアピールできるようなエピソードがないという方も、中にはいらっしゃるかもしれません。
でも、ガクチカは経歴を自慢する場ではありませんので、何も立派なことを書く必要はないのです。
ゼミや研究など学業に関すること、部活動やサークルなど授業以外のことなど、これまでの学生生活の中で何かしら頑張って取り組んできた経験があるはずです。
アルバイトやインターンシップの経験もガクチカとしてアピールできますので、学生生活を振り返ってみて、就活の強みになりそうなものを探してみてください。
人事目線
ガクチカを問う目的は人事目線から見ると、入社希望者が学生時代からどんな目的を持ち、どのように努力したかを確認するために行われるものとなります。
採用する側としては、どのように学生時代を過ごしていたのかについて、詳しく知りたいと思っているのです。
ですから、ガクチカを伝える際には、「目的」と「努力」の2点をよく意識しておくことが大事なポイントとなります。
学業、資格取得、アルバイトなどに取り組もうと思った際に、何かしらの目的があったはずですので、よく振り返ってみましょう。
また、学生時代に努力したことを伝える際には、数字も盛り込んでおくと良いでしょう。
たとえば、アルバイトをガクチカにするのであれば、「4年間接客スタッフをしていた」「英検1級を取得した」というように、数字を示すことで努力したとが伝わりやすくなります。
ガクチカの作り方
次は、ガクチカを作り方についてご紹介します。
ガクチカを作る際には、PREP法を用いるのがおすすめです。
PREP法は、結論をまず最初に持ってきて、その理由を述べることや具体例を付け加えて伝えて、最後にもう一度結論を伝える方法のことです。
このような構成の仕方を用いることで、より相手に伝わる内容に仕上げることができます。
PREP法
PREP法は、以下の4点で構成されています。
1.Point(結論) 2.Reason(理由) 3.Example(具体例) 4.Point(結論) 文章の一番最初に結論を持ってくるのが、PREP法の特徴です。
そして、その次に、その結論に至った理由を述べて、さらに具体例を付け加えることで、理由に説得力を持たせるようにします。
そして、最後にもう一度結論を述べて、文章を締めくるというのがPREP法の基本構成となります。
最初に結論を持ってくることで相手の興味を引きやすくなり、最後にもう一度結論で締めることで、相手は納得しやすくなるのです。
このPREP法は文章構成するときだけでなく、面接などで話す際にも非常に役に立ちますし、ビジネスシーンでもよく用いられる方法ですので、ぜひともマスターしていきましょう。
P:結論
結論を先に書けと言われると、難しく感じてしまうかもしれません。
ガクチカの場合には、学生時代に「何を」頑張ったのか、または、「何に」対して力を入れたかのかを書けば良いので、実はとても簡単なことなのです。
たとえば、「私が学生時代に力を入れたことは、Aです。
」というように結論を述べると良いでしょう。
このAの部分は、学業のこと、部活動、アルバイトなど何でもかまいません。
ただ、その後に文章を繋げていかなくてはなりませんので、しっかりと理由付けや具体例が示せるようなことを結論として選んでおく必要があります。
結論を述べる際には、相手が読みやすいように、できるだけシンプルな文面を心がけることがポイントです。
R:理由
結論を書いたら、次はその結論に対する理由付けを行ってきます。
理由の部分は、なぜそのことを頑張ろうとしたのか、熱心に取り組もうとしたのかを具体的に伝えていかなくてはなりません。
理由の述べ方についてはいろいろとありますが、シンプルに「~だからです」という文章にすると、自分が頑張ろうとした理由が伝わりやすくなります。
たとえば、何かを達成したいと思ったのであれば、「大学4年間の間に、Bを達成したいと考えたからです。
」と文章を構成してみると良いでしょう。
この理由の部分については、人事担当者もより詳しく知りたいと思っている箇所ですので、読んだ人が納得できるような理由をきちんと考えておくようにしましょう。
E:具体例
理由を述べた後は、その内容を補足するために、具体例をいくつか盛り込んでいきましょう。
具体例では、先に述べた結論や理由に対して、「どのように」頑張ったのか、力を入れたのかを伝えてなくてはなりません。
「私は、Aに対してBという目的を持って、○○という努力をしました。
」という文章構成を意識して、具体例を述べるようにしてみてください。
具体例の内容が乏しくなってしまうと、ガクチカとしては印象が薄いものとなってしまいますので、気を付けましょう。
学生時代のことをよく振り返って、具体例として使えそうなことがないかよく探してみてください。
P:結論
最後に再び結論を述べて、ガクチカを締めくくりましょう。
結論では、学生時代に何を達成したのか、何を得たのかを伝えなくてはなりません。
たとえば、アルバイトを通して、コミュニケーション力がついた、電話応対が得意になったなど、就職活動のアピールにできそうなことがあれば、最後の結論として加えておくと良いでしょう。
最後の結論では、「○○に取り組んだ結果、Bを達成することができました。
このことからCということを学びました」というように、どんなことを達成できたのかがハッキリ伝わるようにするのがポイントです。
より印象的な結論にするために、「販売のアルバイトで10%売上を伸ばした」など数字を入れておくのもおすすめの方法です。
例文
最後に、ガクチカの例文を2つご紹介します。
勉強面や部活などの例、課外活動の例を紹介しますので、ガクチカがうまく書けなくて悩んでいる方は参考にしてみてください。
ガクチカの内容は、ごく普通の学生生活のエピソードで十分ですので、無理に内容を盛る必要はありません。
自分が頑張ってきたことや努力したことが伝わるように、PREP法も意識しながら自分なりの文章を考えてみてください。
例文①
私は大学時代にボランティアサークルに所属していました。
ボランティアサークルを選んだ理由は、子どもの頃に被災した経験があり、ボランティアに来てくれた大学生のグループことが印象に残っていたからです。
自分も大学生になったら誰かの役に立つことをしようと思い、ボランティアサークルへ入りました。
サークルでは、被災地や施設などを中心に活動していました。
被災地の状況にショックを受け、重労働で大変な面もありましたが、やりがいを感じることも多かったです。
自分たちの活動を評価していただき、4年間の間に3回も表彰されたこともあります。
私は、サークル活動を通して人のために行動することの大切さを知ることができ、コミュニケーション能力、スケジュール管理力なども見につけることができました。
例文②
私は大学に入ってすぐにコールセンターのアルバイトを始めました。
コールセンターを選んだ理由は、電話が苦手だったので、克服したいと思ったからです。
アルバイトを始めた当初は、電話が鳴るだけでも緊張していましたが、研修や先輩スタッフからのアドバイスを参考にすることで、次第にスムーズにやり取りができるようになっていきました。
電話ではお互いの顔が見えない状況でやり取りをしなくてはならないので、お客様の話に耳を傾けることを常に意識していました。
高齢のお客様は耳が遠い方も多いので、少し大きな声でゆっくり説明するなどの空をして、仕事に取り組んだ結果、チームのリーダーも任されるようになったのです。
4年間コールセンターでアルバイトをしたことで、丁寧な言葉使いや電話対応のスキルなども身につけることができました。
まとめ
以上、ガクチカの意味、目的、作り方などをご紹介しました。
ガクチカは、就職活動を行うにあたって、避けて通れないものとなります。
履歴書やエントリーシートだけでなく、面接でも聞かれることが多いので、きちんと回答できるように万全の準備をしておきましょう。
ガクチカを作る際には、PREP法を意識すると、伝わりやすい内容に仕上げることができます。
結論を先に持ってきて、理由や具体例を示して、最後にもう一度結論を述べるという構成をベースにして、自分なりのガクチカづくりをしてみてください。