HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
就職活動で多くの就活生を悩ませるのがエントリーシートのガクチカです。
「書くエピソードが浮かばない」「何を書けばいいのか分からない」と頭を抱える就活生が多い中で、複数エピソードが思いついているあなたは優秀です。
しかし、「質より量だろ!」とエピソードを詰め込もうとしているのであれば、それは一旦考え直した方が良いと言えます。
この記事ではそもそもガクチカを複数用意した方が良いのかについて説明した後、企業がガクチカで見ているポイントを解説します。
その後、ガクチカを複数用意しているメリットや、複数あるガクチカの活かし方を説明し、具体的なガクチカの書き方や書く際の注意点を説明していきます。
【ガクチカ複数ある場合】ガクチカは複数用意した方が良い?
まずは「ガクチカは複数用意した方が良い?」に対して回答していきます。
結論としては、ガクチカは複数用意していた方が就職活動においては有利になります。
例えば、エントリーシートに大学での部活動のことを書いた場合、面接でも同じ内容が聞かれることが多いですが、たまに「何か他のエピソードはありますか?」と質問されることがあります。
この場合、エントリーシートに書いた部活動のエピソードしかないと「どうしよう」「何も用意してないよ」と焦ってしまい、上手くアピールできずに終わってしまいます。
そうならないためにも、ガクチカのエピソードは複数用意しておくべきだとも言えます。
【ガクチカ複数ある場合】企業がガクチカで見ているポイント
ガクチカは複数用意しておく方が良いということが分かったところで、次は「企業がガクチカで見ているポイント」を説明していきます。
特に見られているポイントとしては「どんな経験をしてきたのか」「どんなパーソナリティがあるのか」「どんなことに興味関心があるのか」「経験から学びを得ることが出来るか」「将来どんなことをしたいのか」の5つあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
どんな経験をしてきたのか
企業がガクチカで見ているポイント1つ目は「どんな経験をしてきたのか」です。
企業の採用担当者はあらゆる観点からあなたのことを知りたいと考えています。
そのため、この学生時代に力を入れて取り組んだことには、多くの経験が詰まっているためとても重要な判断材料であると考えられています。
また、自社で活かせるような経験をしているのかも重視しているポイントの一つと言えます。
例えば、海外展開に積極的な企業であれば留学経験の有無、研究職であれば研究室での取り組み方などを見られていることが多く、即戦力であるかどうかもここで判断される傾向にあります。
そのため、このガクチカは他の自己PR、志望動機と同じくらい重要な項目であると言えます。
どんなパーソナリティがあるのか
企業がガクチカで見ているポイント2つ目は「どんなパーソナリティがあるか」です。
パーソナリティと言うと少し難しく感じるかもしれませんが、簡単に言い換えるとあなたの人柄や人間性のことです。
企業の採用担当者が自社に合った人材であると判断する材料としてかなり上位にくるこのパーソナリティです。
現代の就職活動では最も見られている要素と言っても過言ではありません。
どんなに高学歴でスキルや経験に魅力があっても、人柄が合わなければ採用を見送る企業は多く、このパーソナリティが企業にマッチしているかはとても重要です。
仮にスキルや経験だけを評価し採用したとしても、入社後に「やっぱり社風が合わない」「人間関係が上手く行かない」などの理由で早期退職してしまう傾向にあります。
そのため、長く働いてくれそう、熱心に仕事をしてくれそうということをアピールすることも大切な要素になってきます。
どんなことに興味関心があるのか
企業がガクチカで見ているポイント3つ目は「どんなことに興味関心があるのか」です。
あなたが学生時代に力を入れて取り組んだことには、あなたが情熱を傾けることが出来る程に興味があったこととも言えます。
そのため、あなたがどんなことに興味があるのかをガクチカから判断し、受けている企業や業界に本当に興味がありそうなのかを企業の採用担当者は見ています。
また、ガクチカでの物事への取り組み方や、困難の乗り越え方から「自社で本当に働いていけるのか」「この学生はうちの会社でやっていけるのか」に関しても見られています。
ここが上手くアピールできていないと「この学生は福利厚生目当てで受けているな」「休みが多いから受けに来ているな」と思われ、残念な印象だけが残ってしまうことになります。
経験から学びを得ることが出来るか
企業がガクチカで見ているポイント4つ目は「経験から学びを得ることが出来るか」です。
学生の時に力を入れて取り組んだ経験には失敗が付き物です。
その失敗の経験から何を学び、その後どのように活かすことができたのかを企業の採用担当者は特に気にして見ています。
就職し社会人として働く上でやってはいけないことは失敗ではなく、同じ失敗を繰り返してしまうことです。
そのため、ガクチカでは失敗した、挫折した、上手く行かなかったなどの経験をどのように受け止め、どのように工夫し改善して乗り越えたのかがとても重要になってきます。
失敗したとしても、その失敗から成長することができるということをアピールできれば「この学生は伸びしろがあるな」と印象付けることができ、大きなプラス評価に繋がるはずです。
将来どんなことをしたいのか
企業がガクチカで見ているポイント5つ目は「将来どんなことをしたいのか」です。
企業の採用担当者がガクチカを深掘りし、あなたが将来どのようなキャリアプランを設計しているのか、そのためにどのようにして会社に貢献してくれるのかを想像します。
実際、あなたが選んだエピソードから「この学生が思い描いているプランは厳しいな」「ちょっとその働き方は難しいな」となった場合はマッチ度が低いと判断され選考に残ることは難しいと言えます。
あなたが考えるガクチカを活かした働き方と、実際に企業で働くことのイメージがマッチしていないと、業界・企業研究は不十分だと思われてしまいます。
そうならないためにも、ガクチカを書く際にも事前に業界・企業研究を入念に行う方が良いと言えます。
【ガクチカ複数ある場合】ガクチカを複数用意するメリットとは?
企業がガクチカで見ているポイントが把握できたところで、次は「ガクチカを複数用意するメリットとは?」何かを説明していきます。
ここでは特に大きなメリットである「志望企業によってガクチカを使い分けることが出来る」「面接での深掘りに対応しやすい」の2点に絞って説明していきます。
志望企業によってガクチカを使い分けることが出来る
ガクチカを複数用意するメリット1つ目は「志望企業によってガクチカを使い分けることが出来る」ことです。
「そんな大きなメリットですか?」と感じた就活生も多くいるとは思いますが、これが想像以上に大きなメリットであり、就職活動を有利に進めることが出来るポイントとも言えます。
その理由は、企業は必ずと言っていい程に求める人物像というものを設定しており、複数のガクチカがあれば、企業によってエピソードを選ぶことが出来るためです。
ガクチカを一つ作ってそれを使い回すのではなく、企業の求める人物像に合ったガクチカを選ぶことで、エントリーシートの通過率をぐっと上げることが出来るはずです。
面接での深掘りに対応しやすい
ガクチカを複数用意するメリット2つ目は「面接での深掘りに対応しやすい」ことです。
基本的にはエントリーシートに書いたガクチカの深掘りが多いですが、たまに「他のエピソードはありますか?」「他に悔しかったエピソードはありますか?」などの質問が飛んでくる場合があります。
そのため、ガクチカを一つしか用意していなかった場合、「えーと、うーん。
」と考え込んでしまうか、結論が迷子になった散々なエピソードを披露するしか選択肢がなくなってしまいます。
また、「特にありません」などと答えるのは最悪のパターンになるため、これらの状況に陥らないためにも、最低でも3つ程はガクチカのエピソードを持っておくと良いでしょう。
【ガクチカ複数ある場合】複数あるガクチカを有効活用するポイント
ガクチカを複数用意するメリットが分かったところで、次は「複数あるガクチカを有効活用するポイントを説明していきます。
ここでは特に重要なポイントとして「異なるエピソードごとに作成する」「個人と集団にフォーカスしたガクチカをそれぞれ作成する」「成功体験・失敗体験をそれぞれ作成する」の3つに焦点をあて説明していきます。
異なるエピソードごとに作成する
複数のガクチカを有効活用するポイント1つ目は「異なるエピソードごとに作成する」ことです。
例えば部活動で一つ、研究室での研究で一つ、アルバイトで一つなど、全く異なるエピソードを作ることで、ガクチカの幅を広げることができます。
ガクチカの幅を広げると、企業の求める人物像によって使い分ける時にもエピソードを選びやすいですし、話が混同しにくくなり頭の中で整理がしやすくなります。
反対に、一つのエピソードの見方を変えたり、違うイベントや研究での話でパターンを増やしてしまうと、頭の中でエピソードが混ざってしまい混乱する可能性もあります。
そのため、エピソードを複数作る時には異なる経験から組み立てることをおすすめします。
個人と集団にフォーカスしたガクチカをそれぞれ作成する
複数のガクチカを有効活用するポイント2つ目は「個人と集団にフォーカスしたガクチカをそれぞれ作成する」ことです。
例えば、部活動であればあなた個人のスキルアップによって結果を残せたエピソードと、チームメイトと協力して達成できたエピソードをそれぞれ用意するということです。
企業が求める人材も、個人として自立し問題解決していくことが求められる場合と、チームで協力しながら目標を達成していく場合があります。
そのため、個人と集団それぞれにフォーカスしたエピソードがあれば両方対応できますし、面接で「個人で何か成し遂げた経験はありますか?」などと質問されても答えることが出来るようになります。
異なるエピソードであればより良い印象を与えることが出来るはずですので、是非考えてみて下さい。
成功経験・失敗経験をそれぞれ作成する
複数のガクチカを有効活用するポイント3つ目は「成功経験・失敗経験をそれぞれ作成する」ことです。
エントリーシートや面接では「学生時代には〇〇に力を入れており、全国大会に出場しました。」「プレゼン大会に力を入れて取り組み、優勝しました。」などの成功した経験をガクチカとして選びがちです。
しかし、学生時代に力を入れて成功できた経験を就活生全員が持っている訳ではないですし、成功した経験が必ずしもプラス評価に繋がるとは限りません。
逆に、挫折した経験や失敗した経験から学ぶことの方が大きなプラス評価に繋がることもあるため、成功と失敗の両方の経験を元にガクチカを作っておくことをおすすめします。
面接でも「過去の挫折した経験はありますか?」などと聞かれる場合もあるため、その対策にも繋がります。
【ガクチカ複数ある場合】ガクチカを作成する際の注意点
この項目からは実際にガクチカを組み立てることに焦点をあて説明していきます。
まずは「ガクチカを作成する際の注意点」を説明していきます。
ここでは特に注意が必要な「1つのガクチカに複数のエピソードはNG」「魅力が十分に伝わらない」「話の軸がブレやすい」「嘘は書かない」「専門用語を多用しない」の5つの注意点を詳しく説明していきます。
1つのガクチカに複数のエピソードはNG
ガクチカを作成する際の注意点1つ目は「1つのガクチカに複数のエピソードはNG」です。
あなたのガクチカのエピソードが複数あるのは良いことですが、それを1つのエピソードに詰め込むのはやめた方が良いでしょう。
多くの場合、ガクチカに与えられた文字数は300〜400字程度なので、そこに複数のエピソードを入れてしまうとどのように思われてしまうのでしょうか。
魅力が十分に伝わらない
ガクチカの欄に複数のエピソードを詰め込んでしまうと「魅力が十分に伝わらない」という最悪なことが起こってしまいがちです。
ガクチカに与えられた最大400字では、1つのエピソードを想定して枠組みされているため、2つ3つと欲張ってしまうと当然ですが文字数が足りなくなってしまいます。
そうなると、本当に伝えたいことが書けなかったり、エピソードが混同したりと、ガクチカ自体が破綻してしまうという最悪の結果になってしまいます。
「私は質よりも量を重視する!」という就活生も少なからずいるとは思いますが、ガクチカをしっかりと組み立てるのであればその考えは一旦他の場所に置いておきましょう。
話の軸がブレやすい
ガクチカだけに限った話ではなく、自己PRや志望動機にも言えることですが、話の軸がブレてしまうと、そのエピソードの信憑性が低くなってしまいます。
これはあなたが思っているよりも大きなデメリットであり、絶対に避けるべき危険な状況と言えます。
しかし残念なことに、あなたが「質より量!」と意気込んで1つのガクチカに複数のエピソードを詰め込もうとしている行為こそが、話の軸がブレる最大の要因です。
話に一貫性を持たせることでエピソードの信憑性を高めることが出来るため、ガクチカでは軸がブレないようにエピソードは1つまでと決めて組み立てるようにしましょう。
嘘は書かない
ガクチカを作成する際の注意点2つ目は「嘘は書かない」ことです。
これもガクチカに限った話ではなく、部活動やサークル活動での役職や役割、そこで残した成績や順位、プレゼン大会での成績、学校の成績など、嘘をつくと必ずバレます。
現代は情報社会であり、調べればどんな小さな大会の結果でも知ることができますし、学校の成績も証明書という形で入社前に提出を求められるため、必ずバレます。
選考中にバレて面接で落ちてしまうのであればまだましな方で、内定取り消しになる可能性も否定はできません。
また運よく入社できたとしても、「聞いていた話と違う」「あの資格持っていないの?」と入社初日から呼び出されたり、当初の予定と違う部署に配属されたりと良いことは全くありません。
そのため、どんな小さな嘘でもつくことはやめておいた方が自分のためですよ。
専門用語を多用しない
ガクチカを作成する際の注意点3つ目は「専門用語を多用しない」ことです。
特に理系の就活生は注意が必要なポイントであり、その理由は研究などで出てくる用語の大半が文系には伝わらないためです。
そして企業の採用担当者の全員が理系とは限らないため、ガクチカでそれらの専門用語を並べてしまうと、内容が一切頭に入ってこないという状況も考えられるため危険です。
また、専門用語を多用してしまうことで、「この学生は相手に伝える能力が足りない」「相手への配慮が足りない」と思われることもあるため注意が必要です。
そのため、ガクチカを組み立てることができた場合は、一度友人や家族に見てもらい話が本当に伝わるのかを添削してもらうようにしましょう。
【ガクチカ複数ある場合】ガクチカの書き方
ガクチカを作成する際の注意点が分かったところで、実際に「ガクチカの書き方」を見ていきましょう。
ここではガクチカを組み立てる順番通りに「学生時代に力を入れた経験」「背景」「課題や目標」「取り組んだこととその結果」「学びとそこから入社後活かせること」の5つに分けて詳しく説明していきます。
学生時代に力を入れた経験
まずは「学生時代に力を入れた経験」を簡潔に書いていきます。
「私が学生時代に力を入れて取り組んだことは〇〇です」というように、結論部分を最初に書くことで、結論迷子にならずにきちんと伝わるようになります。
また、最初にガクチカの結論を簡潔に書くことで、企業の採用担当者にエピソードの内容をイメージさせることができ、内容が頭に入ってきやすい状態を作ることができます。
この結論ファーストの書き方はガクチカだけでなく、自己PRや志望動機でも活用出来るので、必ず覚えておくようにしましょう。
背景
結論が書けたら次はその「背景」を書いていきます。
この背景とは、ガクチカに取り組もうとなぜ思ったのかの部分であり、企業の採用担当者も知りたいと思っている部分になります。
ここでは「今まで達成したことがなかったため」「やるからには良い結果を残したかった」など、結論を補足する形で簡潔に書いていきましょう。
書き方次第ではモチベーションの源泉のアピールにも繋がるため、しっかりと考えて結論を補足していきましょう。
課題や目標
結論、背景の次は「課題や目標」を書いていきます。
この部分は現状の把握能力や問題発見能力などをアピール出来るところであり、この後書いていく具体的な取り組みの前置きとしてとても大切な部分になります。
部活動であれば「チームが勝てない理由は〇〇であり、それの克服に取り組んだ」、研究であれば「研究の目標は〇〇に活用すること」など、具体的かつ端的に書くようにしましょう。
取り組んだこととその結果
課題や目標を設定した後は、それに対して「取り組んだこととその結果」を具体的に書いていきます。
ここで大切なことは、主体的に取り組んだことを書くことです。
チームとしてその方針になったからそれに従い頑張った、研究室としての目標ができたからそれに同調した、ではアピールには繋がりません。
また、結果については必ずしも良い結果が必要という訳ではありません。
結局勝てなかった、結局目標を達成できなかった場合でも取り組み内容がしっかり書けていれば問題ありません。
学びとそこから入社後活かせること
ガクチカのエピソードが結果まで書けたら、最後にその経験から得た「学びとそこから入社後活かせること」を書きます。
ここでの学びとは入社後、社会人として活かせる学びである必要があり、「頑張ったら試合に勝てることを学んだ」などの薄い内容を書くのは絶対にやめましょう。
学んだことを書いた後は、実際に受けている企業に入社した後にどう活かすのかを具体的に書くようにしましょう。
ここの内容が具体的であればある程、企業の採用担当者は鮮明にあなたと一緒に働いているイメージを持つことができます。
具体的に書くためには事前に企業研究を深くしておく必要があると言えます。
【ガクチカ複数ある場合】ガクチカで悩んでいるなら
ガクチカで複数のエピソードがすぐに思いつく人はほんの一握りだと言えます。
多くの就活生はこのガクチカに頭を抱えていますし、どう組み立てたら良いのか分からないと路頭に迷っています。
そんな時におすすめしたいのが就活エージェントの存在です。
就活エージェントとは就職活動のプロであり、ガクチカはもちろんのこと、志望動機や自己PRなどのエントリーシートの添削をお願いすることができます。
それに加え、面接対策や受ける企業の選定などもサポートしてくれるため、あなたの就職活動をトータルサポートしてくれる頼れる相棒のような存在になってくれるはずです。
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まとめ
ガクチカとはエントリーシートで頻出の項目であり、多くの就活生がどう書けば良いのかと頭を抱える項目の1つになっています。
エピソードは質より量だろと内容を詰め込むのは得策とは言えず、あなたが受ける企業にあったエピソードを選ぶことがとても大切です。
そのため、最低でも3つはガクチカのエピソードのストックがあれば安心と言えますし、個人と集団、成功と失敗など対になるエピソードがあればなお良しです。
組み立て方にも注意点やポイントがあるため、書けそうなエピソードが見つかったらこの記事を参考に組み立て、第三者に添削してもらうようにしましょう。
考えても良いエピソードが浮かばない場合や、上手く形にできない場合は就活エージェントに頼ってみるのも1つの手段として検討してみて下さい。