
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
- ガクチカの具体的な流れ
- ガクチカの書き方やポイント
- ガクチカを上手く書けないときの対処法
- 誰でも簡単に書けるテンプレート
「ガクチカってどんな風に書けばいいの?」
「ガクチカを書くときの流れって?」
「ガクチカがどうしても思い浮かばない場合はどうすればいい?」
このように、どのようにしてガクチカを書けば良いのか分からず悩んでいるという就活生も多いのではないでしょうか。
本記事では、ガクチカの書き方のポイントやガクチカを書く際の具体的な流れ、そもそも企業がガクチカを聞く意図や、どうしてもガクチカが書けない場合の対処法などを紹介しています。
ガクチカの書き方を知りたい人は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
目次[目次を全て表示する]
【ガクチカの流れ】企業が求める背景
ガクチカを作成する前に大切なのは、「そもそもガクチカとは何か」「なぜ企業がそれを質問するのか」という背景を理解することです。
表面的なエピソードだけでなく、その裏にある企業の意図を知ることで、より的確で説得力のあるアピールをできるようになります。
「ガクチカ」とは?
「ガクチカ」とは、「学生時代に力を入れたこと」を意味します。
就活においては最も定番の項目で、近年ではほとんどの企業でガクチカは聞かれます。
エントリーシートに記載するケースが多いですが、面接でも尋ねられる頻度は高いです。
ガクチカは就活において必ずと言っていいほど聞かれる質問の一つとなっているため、選考を通過するためには、まずガクチカを考える必要があります。
“学生時代に力を入れたこと”を聞く企業の意図
ガクチカは、学生がどのような人物なのかを企業側が把握するために用いられています。
学歴やwebテストなどの試験からでは判断できない学生の人物像や、物事へ取り組む姿勢などを把握するために、ガクチカは欠かせない要素だと言えるでしょう。
ではなぜ企業はガクチカを重要視することでどんなことが知りたいのでしょうか?
ここでは企業がガクチカを問う意図について解説していきます。
企業にマッチした人材か知りたい
企業によって求めている人物像は異なりますが、どのような企業でも自社と相性の良い人材を採用したいと考えています。
自社に合わない人材が入社してしまうと、ミスマッチによって早期退職してしまうリスクもあるからです。
また、入社後のギャップは学生にとってもディスアドバンテージとなるため、採用のミスマッチは企業側にも学生側にも良いことがありません。
双方にとって納得できる就活にするために、企業はガクチカから学生の人柄や主体性、協調性、コミュニケーション力などを読み取り、自社にマッチする人材かどうか判断する材料にしています。
人柄について知りたい
ガクチカのエピソードから読み取れる「どのような努力をしたのか」「どのように壁を乗り越えたのか」といった部分は、本人の内面が出るポイントです。
このような内容から、企業は学歴や試験の内容だけでは測れない学生の人間性や人柄、価値観や考え方を把握したいと考えています。
また、面接ではこれらのエピソードを自分の口で話さなければなりません。
面接では、きちんとわかりやすく論理的に伝えることができるコミュニケーション能力を持っているかどうかも、測っています。
どのような経験をしてきたのか知りたい
また、企業はガクチカから学生がどのような努力の過程を辿ってきたのかを知りたいと考えています。
もちろん成果は大切ですが、企業が知りたいのは「どのように頑張ったか」というプロセスです。
学生がこれまでどんな道筋を歩んできたかを知ることで、その学生の価値観の源泉を知ることができます。
大きな成果を上げたエピソードでなくても良いので、自分がこれまでどんな経験をしてきたのか思い出してみましょう。
作成する上で覚えておきたい重要ポイント
ガクチカを作成する際、多くの就活生が「特別な経験がない」「目立った成果がない」と不安を抱えます。
しかし、企業が注目しているのは経験の珍しさや華やかさではありません。
大切なのは、その経験を通じてどのように考え、どんな行動をしたのかという“中身”です。
ここでは、ガクチカを作るうえで知っておきたい3つの重要ポイントを詳しく解説します。
ガクチカでは、他人と差別化できるような珍しい経験を語る必要はありません。
企業が重視するのは、「どんな経験をしたか」ではなく、「その経験を通して何を考え、どう行動したか」です。
アルバイトやサークル、ゼミなど、誰もが経験するような活動でも、直面した課題や工夫の仕方は一人ひとり異なります。
むしろ、よくある題材だからこそ、考え方や価値観、行動の理由に焦点を当てることで個性が伝わりやすくなります。
無理にインパクトの強い経験を探すのではなく、自分が真剣に向き合った出来事を選び、その取り組みの背景や姿勢を丁寧に言語化することが大切です。
「留学した」「全国大会で入賞した」などの目に見える成果があった場合、確かに注目されやすくなります。
しかし企業が本当に知りたいのは、成果に至るまでの行動や思考の過程です。
困難にどう向き合ったか、失敗をどう乗り越えたか、周囲とどう関わったかといったプロセスから、就活生の価値観や人柄が見えてきます。
そのため、大きな実績がなくても、日常的な取り組みの中で工夫を重ねた経験があれば十分に評価されます。
取り組みの深さや継続力、状況に応じた判断力など、過程の中に企業が求める資質が現れるのです。
ガクチカで語る強みや学びが、入社後の業務にどう活かせるかという「再現性」は、企業が非常に重視するポイントです。
たとえば、「チームをまとめた経験」があるなら、協調性やリーダーシップが仕事でも発揮されるかどうかが問われます。
また、企業の理念や仕事内容と強みの方向性が合致していると、より好印象を与えられます。
エピソードの選び方や話の組み立てにおいて、志望企業の求める人物像に近づける視点を持つことが重要です。
自分の経験がどのように業務に応用できるのか、働く場面をイメージしながら伝えることが、納得感のあるガクチカにつながります。
【ガクチカの流れ】基本の6ステップを押さえよう
企業に評価されるガクチカを作成するためには、どのように書けば良いのでしょうか。
より良いガクチカに仕上げるためには、基本的なフレームワークを押さえておくことがポイントです。
ここではガクチカを書くときの具体的な6つの流れについて詳しく解説します。
- 結論(何に力をいれたか)
- 動機(なぜ取り組んだのか、思い)
- 直面した困難や課題
- かいけつ解決ために取った行動や施策
- 成果や結果
- 経験から得た学びと活かし方
この流れに沿ってガクチカを書くだけで、採用側が理解しやすい論理的な文章にすることができます。
①結論(何に力を入れたか)
文章で書く場合であっても口頭で伝える場合であっても、まずは結論から伝えるようにしましょう。
これはガクチカに限らずコミュニケーションにおいても重要なことです。
エピソードから順に紹介しても、面接官は何の話をしたいのかわかりません。
そのため「私が学生時代に取り組んできたことは○○です」と、最初に述べるようにしましょう。
②動機(なぜそれに取り組んだのか)
どのようなエピソードであるにしても、行動を起こしたきっかけがあるはずです。
「なぜこれを始めようと思ったのか」「どんな気持ちが自分を動かしたのか」をもう一度思い出してみてください。
ここでは、行動を起こした動機からその人の考え方や人柄なども読み取ることができるため、企業も重要視します。
なぜその行動を起こしたのかしっかりと記載しておきましょう。
③直面した困難や課題
企業はガクチカから、どのような努力の過程を辿ったのかを知りたいと考えています。
自分の努力の過程を伝えるためには、直面した困難や課題を具体的に記載する必要があります。
何かを成し遂げたり、自分自身が成長するためには、乗り越えなければならない壁が必ず現れるはずです。
自分の過去経験において、困難の原因はなんだったのかもう一度考えてみてください。
④解決のために取った行動や施策
ガクチカでは、困難を乗り越えるために学生がどのような行動を取ったのかがとても重要視されます。
そのため、困難を乗り越えるために、具体的にどのような解決方法を取ったのかは採用側が一番知りたい内容です。
この改善行動を知ることにより、この学生はどの程度の努力ができる人間なのか、原動力がどこにあるのか、どんな努力の仕方をするのかを知ることができるのです。
自分がどのように考え行動したのかを記載し、さらになぜそのような行動をしたのかまで説明できると魅力的なガクチカになるでしょう。
⑤成果や結果
行動した成果を、具体的な数字を盛り込んで記載しましょう。
例えば、
「県大会でもともと予選落ちだったのが、結果2位まで勝ち登ることができた」「閉店間際だった店舗の売り上げを3倍近く上げることができた」
など、行動を起こす前と後でどのくらいの変化があったのかが分かるように比較して書くのがポイントです。
また、自分で記載すると主観的な内容になる可能性が多いため、他者からの評価を交えて記載しておくと良いでしょう。
⑥経験から得た学びと活かし方
最後に、このエピソードによって得られた結果を記載しましょう。
この経験によって、何を学んだのか、どんなことが自分の教訓になったのかを考えてみてください。
さらにその学びや教訓を、入社後どのように活かせるかも明確化しましょう。
このように、学生時代の経験で得られた能力の自己分析と、その能力をどのように企業で活かせるのかという企業研究まで行うことが大切です。
【ガクチカの流れ】評価の基準とは
ガクチカに正解はありませんが、企業がガクチカを評価するポイントは必ず存在します。
ガクチカを用意する際には、どのような内容が評価につながるのか把握しておくことが大切です。
- 企業での仕事に活かせるか
- エピソードにインパクトがあるか
- アピールポイントを押さえているか
以下の3点を抑えておくことが鍵になります。 ここでは企業がガクチカを評価するときの基準について、詳しく解説していきます。
企業での仕事に活かせるか
ガクチカのエピソードは、「その企業での仕事に活かせるかどうか」が評価基準の1つになります。
どのような経験であっても、経験から得た知見を活かすことは可能です。
特に就活生の場合は、将来性に期待して採用されるポテンシャル採用というケースが多いので、採用担当者に「自社で活躍してくれそう」と思ってもらえるような内容にすることがポイントになります。
エピソードのインパクトがあるか
ガクチカは「学生時代に力を入れたこと」であるため、内容にインパクトがあれば採用担当者の印象に残りやすいです。
そのため実績そのもののインパクトは、1つの評価のポイントとなります。
ただし、インパクトだけで内容を決めてしまうのではなく、自分をより深くアピールできるエピソードにも考えを巡らせるようにしましょう。
ガクチカはすごさよりも深さです。
実績や結果だけをアピールするのではなく、その結果に至るまでのプロセスも書きましょう。
アピールポイントを押さえているか
ガクチカでアピールすべきポイントはいくつかありますが、まずは自分自身がそこで何をアピールしたいかを明確にすることが重要でしょう。
ガクチカで特にアピールするべきポイントは、
思考力・考えの深さ・人柄
の3点です。
ガクチカは面接の際にも深掘りされるため、普段からどのように物事を考えているのかも見抜かれてしまいます。
- 思考力は、物事をどれだけ深く考えて行動できるかに関わる
- 価値観は仕事に対する意欲ややりがいに繋がる
- 人柄は、自社にマッチする人材探しをしたい企業にとって重要な要素
ガクチカのエピソードから読み取れるこれらのアピールポイントが、自社にマッチしているかどうかも評価基準になっていると考えておきましょう。
これらをアピールするために、まずは論理的に書くところから始めましょう。
【ガクチカの流れとは】書くときの3つのポイント
通過するガクチカには共通点があります。
それには文章構成としての正しさもあれば、題材の選び方に関する正しさもあります。
ここでは実際にエントリーシートに書く時に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
ガクチカでしっかりと自分をアピールするための前提にもなるため、よく確認しておきましょう。
具体的にしっかりと書く(数字・事実)
ESや面接などでガクチカを聞かれたら、まず間違いなく答えの後に深掘りされることを覚悟しましょう。
そのため、ガクチカを書くときには細部まで考え、しっかり具体的に書いておくことが重要です。
特にプロセスに妥当性があるかどうかは重要なポイントですので、そこをいい加減にしてしまうと評価につながりません。
たとえば、なんらか良い成果を得られたことがあったとしても、そこに至るまでのプロセスがいい加減では、単なる偶然と捉えられ、内容に説得力がなくなります。
物事をどう考え、どのような結果に結びつけたのか、具体的にわかるように書くことで、はじめて実力が評価されます。
また自分にそうした裏付けがあれば、どこからどう深掘りされても、問題なく明確に答えられるようにもなるでしょう。
起承転結に沿って書く
文章構成としては、概要→課題→行動→結果の順に沿って組み立てていけば問題ありません。
第三者が見て容易に理解できるような表現を心がけてください。
最初に結論を書くのはビジネス文書の基本なので、頑張ったことが何なのかをまず書きます。
その後で、具体的にはどういったことなのか、そこにあった課題がなんなのか、その課題を解決するためにどのような行動を取り、結果を得たかを書いてください。
このフレームワークはガクチカ以外の文章構成でも使えますし、就職して仕事を始めてからも活用できますので、ぜひマスターしておきましょう。
面接で深掘りされることを想定しておく
ガクチカは面接時に必ずと言って良いほど深掘りされます。
そのため「なぜそのような活動に取り組んだのか?」「その経験から学んだことは?」「その活動で苦労したことは?」といった質問を想定して用意することが大切です。
事前に相手から質問される内容を想定しておけば、スムーズに答えられるでしょう。
・具体的にしっかり書く
・起承転結に沿って書く
・面接で深掘りされることを考えて書く
【ガクチカの流れ】魅力的に見えるガクチカの特徴
ガクチカのエピソードに選ばれやすいのは、アルバイト・サークル・学業などです。
ありきたりに感じるかもしれませんが、本人の実体験である以上、たとえ題材に目新しさがなくても、内容は一人ひとり千差万別になります。
インパクトばかりを追うのではなく、しっかり自分を伝えられるものを選んでください。
そうした意味では、いいガクチカのエピソードは「自分を語れるもの」と言えます。
ガクチカを応募企業ごとに変えるべきか悩む就活生は多いですが、結論からすると、やはり企業ごとに変えたほうが良いと言えます。
自分の中のどの要素をアピールすれば企業に合うか、相手の採用基準などを参考に複数準備しておくのがベストです。
また、自己PRのエピソードとも変えたほうが印象が良いので、エピソードはたくさんあればあるほど有効と言えます。
企業がどのような人物像を求めているかは、あらかじめ公式Webサイトなどで調べておきましょう。
インターネットで情報を探せば、社長や人事がメディアインタビューに答えている記事などが見つかる場合も多いので、きちんと調査すべきです。
そのうえで、応募先企業とマッチしそうなエピソードを複数用意し、深掘りにも耐えられるように準備しておけば万全でしょう。
エピソードは多ければ多いほど経験豊かだと判断され、評価されやすくなるのは事実です。
ただしそれは、エピソードの内容が価値あるものだと判断される場合に限ることを忘れてはなりません。
経験の質が望めない場合は、いくら数があっても魅力的には映りません。
たとえばサークル活動にしてもアルバイトにしても、特に意思も持たず、問題意識も持たず、周りに流されて日々を過ごしただけでは、質の高い経験とは言えないでしょう。
質の高い経験と認められるのは、チャレンジがあったり、人生になんらかフィードバックがあったり、目標につながったりする経験です。
将来のビジョンにつながるようなきっかけを掴むことができれば、誰が何を言おうと、それは本人にとって何にも代えがたい貴重な経験と言えます。
【ガクチカの流れ】失敗しないための注意点
ガクチカを記載する場合には、いくつかの注意点があります。
どのようなガクチカを書くのかによって、場合によってはマイナスの評価を受けてしまう可能性もあるでしょう。
せっかく自分をアピールできるチャンスなのに、マイナスイメージを持たれてしまっては本末転倒です。
ここではガクチカを書くときの注意点を紹介していきます。
嘘を書かないようにする
当然のことではありますが、ガクチカに嘘の内容を記載するのは良くありません。
エントリーシートの内容は採用選考で使用されることになるため、面接の際にもそのエピソードを深掘りされる可能性が高いです。
ガクチカは基本的に深掘りされるため、嘘をついているとその深掘りに対応できずに疑われてしまう可能性があります。
また、ESで通過したとしてもその後の面接でいずれボロが出てしまう可能性が高いため、実際のエピソードをもとに作成するようにしましょう。
専門的な言葉は避ける
ガクチカのエピソードには専門用語を使用せずに記載するようにしましょう。
たとえば学生時代の研究の内容をガクチカとして記載する場合、専門用語が混ざっていると読み手に理解してもらえない可能性があり、伝えたい内容が相手に届かないという事になると非常に勿体無いです。
ガクチカの内容は、誰が読んでも意味がわかるように記載しましょう。
抽象的にならないようにする
ガクチカの内容は数字などを用い、具体的に記載するようにしましょう。
たとえば「大幅に」「かなり」などの抽象的な用語を使って表現しても、それがどの程度なのか人によって感じ方が異なります。
そのため、誰が読んでも同じように理解できるように、数字を使って記載することが大切です。
【ガクチカの流れ】もう迷わない!穴埋めで完成するガクチカのテンプレート
初めてガクチカを書く人や、提出まで時間がない人でも安心して使えるガクチカのテンプレートを紹介します。
今回は、【課題解決型】【挑戦型】【目標達成型】の3つのタイプに分けて解説します。
エピソードの特徴に応じて型を使い分けることで、スムーズに説得力あるガクチカを作成できます。
自分に合った型を選び、効率よく文章を完成させましょう。
活動名・役割:学園祭実行委員/居酒屋バイト/ゼミ研究
課題:売上が伸びない/参加率が低い/作業が非効率
目標:予約数を増やす/認知を広げる/運営を改善する
施策:SNS運用、改善提案、チームの仕組みづくり、資料作成
成果:週末予約率8割/参加者前年比1.5倍/エリア優秀賞受賞
得た力:課題解決力/巻き込み力/継続力/企画力/論理的思考力・実行力
【ガクチカの流れ】参考例文8選
それではガクチカの選び方や書き方のポイントについて、例を挙げて解説しましょう。
前述した通り、題材は特に目新しいものでなくてもかまいません。
また、よほど特殊なケースでない限り成果の大きさも重要ではありませんので、それよりも企業側が求める人物像とのマッチングを重視してください。
説得力を得るためのエピソードと、その背景を具体的に伝えることで、プロセスも含め相手に納得してもらうことが大切です。
前述の通り、概要→課題→行動→結果に沿って構成してください。
例文1.アルバイト
アルバイトは実に多くの就活生が題材に選んでいます。
ただ一方で、アルバイトはガクチカに選ぶべきではないという声が聴かれることもあるでしょう。
その理由は、内容が単なるアルバイト経験の思い出になってしまうケースが非常に多いからです。
企業が知りたいのはアルバイトの内容ではありません。
その人がどういった考えでアルバイトを選び、どのような考えで仕事をし、結果何を得たかという部分です。
だからアルバイトが題材に向かないわけではなく、ポイントを押さえてまとめることが重要だと言えます。
また、アルバイトをする中で抱えた課題や解決のための行動などもしっかり述べることで、魅力的な答えを作成することは十分可能です。
例を挙げてみましょう。
例文
私が学生時代に力を注いだのは、カフェのフロアスタッフのアルバイトです。
たくさんのお客様と接するのが楽しそうだと考えたのですが、想像以上の肉体労働で挫折しそうになったことがあります。
疲れると笑顔がなくなりお客様に暗い印象を与えてしまうため、自宅で毎日40分の筋トレを始めました。
体力が厳しいときこそ明るく笑えるようになり、筋力もついて仕事がたくさんこなせるようになりました。
アルバイト経験はもちろん楽しいことばかりではなく、我慢を強いられるシチュエーションもたくさんあります。
そうした状況でも逃げずに立ち向かうこと、厳しい環境下でも信念を持って仕事に臨めることなど、自身の価値観をアピールしやすいのがメリットです。
たとえ売上アップなどの大きな成果がなくても、第三者が納得できる魅力的な要素は十分に盛り込めるでしょう。
例文2.サークル活動の場合
サークルをガクチカに採用する人は、おそらく単純にサークルの活動に参加していただけのゲストではないはずです。
多くの場合、組織を運営する側に回ったり、イベント企画に携わったりする経験をし、それを価値に結びつけることを考えるでしょう。
これは仕事においても十分に活用できる経験のため、確かに質の高い経験として評価される期待があります。
キーワードとしては協調性やチームワーク、信頼構築などといった要素がありますので、それらを盛り込み魅力的な文章にまとめましょう。
例文
私が学生時代に力を入れたのは、テニスサークルの運営です。
年々メンバーが減り10人を切る状況となり、このままではサークル活動が困難になる危機的状況に陥ったことがあります。
そこで私は自ら広報を担当し、情報発信力を高めるためWebサイトを立ち上げ、メンバーと協力して動画配信やブログ更新などを積極的に展開しました。
その結果、新入生が入学前から興味を持ってくれるようになり、現在は40名を超える一大サークルです。
サークルは1つの組織であり、その運営に携わることは仕事にも通じる有意義な経験と言えます。
もちろん単にメンバーとしてイベントに参加していただけではいけませんが、運営者側としてなんらかの活動に力を入れた経験があれば、それは大いにアピールできるでしょう。
特にチームワークを重要視する企業からの受けは良いと考えられます。
例文3.ボランティア活動
ボランティア活動は社会貢献であり、参加する学生の意識は高いと考えられます。
目標を持った主体性ある行動者が多く、企業としても評価しやすい人材と言えるでしょう。
ただ、書くときにはなんとなく参加したというのではなく、目標を持って活動に取り組んだ経緯などを述べることも大切です。
例文
私が学生時代力を入れたのは、介護施設においてのボランティア活動です。大学に入学してすぐ祖母が入所することになり、度々介護施設に赴くようになったことがきっかけです。
はじめは目も合わせてくださらない利用者の方も少なくなく、心折れることも度々ありました。果たして自分がしていることは正しいのかと、自問自答に苦しむ日々が続きました。
自分には圧倒的に知識が足りないと感じ、仕事の合間に職員の方々からアドバイスをいただくことを始めました。それまで利用者の方を一括りに考えていた自分に気づき、一人ひとりに寄り添うことの大切さを学びました。
大学の2年間続けましたが、最後の頃は利用者の方から声を掛けていただけたり、ありがとうと言っていただけたりするようになりました。自分にも社会貢献ができるのだと、温かい気持ちになったことを覚えています。
ボランティア活動の経験は社会貢献性の高さを伝える絶好のエピソードですので、できるだけ具体的に書くことをおすすめします。
ただし、たった一度参加しただけではやはり説得力は乏しいので、ガクチカに取り上げるからには継続性にも注意しましょう。
例文4.学業
学生が学業に力を注ぐのは当然という意見もありますが、学問そのものではなく、学業に打ち込むことでほかのどのようなことを学んだかを書けば魅力的な文章になります。
ただし曖昧な説明では説得力がありませんし、専門的な説明では理解できません。
伝えたいことが何なのかを事前によく考え、第三者にきちんと伝わるようにまとめることが重要です。
例文
私が学生時代力を入れたのは、経済学ゼミでの研究です。
大きなテーマを取り扱っていたため、情報を分析し論文としてまとめるためには綿密な計画性と仕事の効率性が求められました。
私はゼミのチームメンバーに集まってもらい、数ヶ月先まで見通した緻密な計画を練りこみました。また状況によって修正する必要があるため、計画は月中と月初に予実確認を行うことも決めたのです。
常に効率を重視し、チーム内でメンバー同士が適切にフォローし合えたおかげで、予定通り論文をまとめることができました。先行研究のなかった分野で教授に評価していただけたことは、今後の社会生活においても励みです。
単に学業をしていたのではなく、意欲を持って何かに取り組んでいたという姿勢は高く評価できます。
仕事と学業は進め方も取り組み方も重なる部分が多いですから、仕事に対する意欲のアピールにもなるでしょう。
特に賞を取った、特許を取得したといった成果がなくても、学業を修めることは十分な成果と言えます。
例文5.ゼミ
例文
私はゼミ活動の一環として、「共働き世帯向けの室内遊び場の企画提案」に取り組みました。
少子化や共働き世帯の増加により、保護者が安心して子どもを預けられる遊び場が不足している現状に課題意識を持ったのがきっかけです。
実際に近隣の家族や施設を対象にアンケート調査を行い、「料金が高い」「遊びの質が低い」「混雑しすぎて利用しにくい」といった課題を整理しました。
そのうえで、未活用の商業施設を低コストで活用するアイデアを出し、親子双方の動線設計や料金シミュレーションを具体化。
さらに競合施設の分析や、利用者の滞在時間に応じた価格設計も盛り込み、ゼミ内の企画コンペに提出しました。
結果、優秀賞に選ばれ、実際に地域の商工会議所から「参考にしたい」との声をいただけるまでになりました。
この経験を通じて、現場の視点から課題を見つけ、それを具体的な形で解決へと導く力を身につけました。 今後も、情報を整理・分析し、行動に落とし込む姿勢を大切にしていきたいと考えています。
ゼミ活動は、就活生の「興味・関心の方向性」や「課題への向き合い方」が最も自然に伝わるテーマです。
なぜその研究を選んだのかという動機から、その人が何に価値を感じ、どんな視点で物事を深めようとしているのかが浮き彫りになります。
また、他人とテーマが被りにくいため差別化しやすく、学業に真剣に向き合った姿勢は誠実さや知的好奇心の高さを印象づけられます。
論理的に思考し、課題を発見・分析し、実行へ移す流れは、あらゆる業界で求められる資質と重なるため評価されやすいです。
例文6.部活動
例文
私はソフトボール部で副キャプテンを務め、チームの連携と戦術理解を強化する取り組みを行いました。 当時は練習ではうまくいく戦術が試合になると機能せず、連携ミスが目立つ状況にありました。
要因を探る中で、選手間のコミュニケーション不足が問題であると気づきました。
そこで私は、全体ミーティングに加えて、ポジションごとの小グループでの戦術確認を導入し、実際のプレーを想定したシミュレーションを重ねました。
また、反省会では一方的な指導ではなく、メンバーの意見を聞きながら課題を明確にし、それに応じた練習メニューを作成しました。
特に声かけやタイミングの共有に重点を置くことで、試合中の動きが格段に改善され、ミスも大幅に減りました。
その結果、チームは地区大会で準優勝という成果を挙げ、周囲からも「一体感がある」と高く評価されました。
この経験から、チームの課題に気づき、周囲を巻き込みながら改善するリーダーシップと実行力を身につけました。
今後も、組織に貢献するための主体的な行動を続けていきたいと考えています。
部活動は、目標に向かって努力を継続する姿勢や、チームとの協働の中での自分の役割をアピールできる有効なテーマです。
特にリーダーシップを発揮した経験や、課題を解決するために自ら動いたエピソードは、責任感や主体性の高さを伝えることができます。
また、勝敗や成果が分かりやすく評価されるため、結果に至る過程の工夫や努力を説得力を持って伝えることができます。
社会人になっても、プロジェクトやチーム単位で動くことが多いため、協調性と問題解決力がある人材として高評価につながりやすいです。
例文7.インターン
例文
大学3年の夏に、法人向けのオフィス家具を扱う企業で営業インターンに参加しました。
営業力を鍛えると同時に、企業の意思決定にどのように関わるかを体感したいという動機からです。
新規顧客への提案が主な業務で、初対面の相手に自信を持って話せないことが初期の課題でした。
私は、過去の商談記録を分析して提案傾向を整理し、業界ごとのニーズを把握することで、提案に確信を持てるようにしました。
また、資料にはオフィスの動線やレイアウト改善のビフォーアフターを加え、視覚的な理解を促す工夫をしました。
結果的に2社から新規契約を獲得し、1社からは後日追加注文もいただき、この実務を通じて、相手の立場を考えながら提案することの大切さを実感しました。
仕事でも顧客視点を持ち続けながら、価値を提案できる社会人を目指したいです。
長期インターンは、実務に近い環境で得られるスキルや行動特性がそのまま評価対象になる点が大きな強みです。
社会人と同じ責任を負って行動してきた経験は、即戦力としてのポテンシャルをアピールしやすく、実際の成果や貢献が伝えやすいです。
また、営業やマーケティング、企画など志望職種に直結する内容であれば、企業に入社後の活躍イメージを具体的に持ってもらいやすくなります。
「仕事としての視点」を持って考え、行動してきたことは、一般的な学生経験とは一線を画すアピールポイントになります。
例文8.留学
例文
私は大学2年の秋からアメリカへ1年間の交換留学に参加しました。
語学力の向上だけでなく、多様な価値観に触れることで自分の視野を広げたいと考えたのがきっかけです。
現地ではアメリカ人や他国からの留学生とともに授業を受け、グループディスカッションを通じて異文化理解を深めました。
最初は言葉の壁や文化の違いから、自分の意見を伝えることに苦労しましたが、積極的に会話に加わり、表現方法を工夫することで徐々に適応していきました。
また、ホームステイ先の家族とは日常的な会話を大切にし、地域のイベントにも積極的に参加しました。
その結果、「あなたは家族の一員のようだ」と言ってもらえるまでに信頼関係を築くことができました。
したがってこの経験から、柔軟性と行動力、そして多様な立場の人と円滑に関係を築く力を身につけました。
将来的には、グローバルな環境でも信頼を得られるビジネスパーソンになります。
留学経験は、語学力だけでなく、行動力・適応力・異文化への理解力といった「グローバル人材」としての強みをアピールできます。
特に、初めての環境に一人で飛び込んだ行動力や、困難を乗り越えながら関係構築していった経験は、成長意欲の高さを伝える強力な材料です。
また、外国人とのやりとりや文化の違いを尊重する姿勢は、海外展開する企業や多様な人材を活かす組織で高く評価されます。
単なる語学習得ではなく、現地での生活や挑戦の中で何を得たのか、具体的に伝えることが重要です。
【ガクチカの流れ】思い浮かばないときの4つの対処法
ここまでガクチカの書き方について紹介してきましたが、どうしてもガクチカのネタが浮かばないという人もいるでしょう。
ガクチカは自分の過去経験を存分にアピールできるテーマの一つです。
大学時代に参加したサークルやボランティア活動など、些細なことでも十分なので、自分をアピールできる内容を振り返ってみましょう。
ここでは最後に、ガクチカがどうしても浮かばないときの対処法について紹介していきます。
最近あったことを思い返してみる
ガクチカのエピソードが思いつかない人は、最近の出来事を思い出してみましょう。
ガクチカのエピソードは、学生生活全体で考えると幅広くなりすぎてしまうため、思いつきにくくなってしまいます。
そのため何も思い浮かばないという場合は、この1年間の間の出来事を思い出してみましょう。
特別なエピソードにこだわりすぎないようにする
ガクチカのエピソードは特別な内容にする必要はありません。
採用側は努力の過程を知りたいと考えているため、日常生活の中でのエピソードでも良いです。
例えば、学生生活で一人暮らしをしてる中で、毎日欠かさず自炊をしていたといった内容でも継続力をアピールできるでしょう。
特別な内容にこだわらずに身近なことで自分が力を入れて取り組めた内容を思い出してみましょう。
自己PRからガクチカを考えてみる
ガクチカは応募者本人の人柄などをアピールするもの、自己PRは能力や強みといった採用するメリットをアピールするためのものです。
自己PRとガクチカの内容は一貫性があると説得力が増すため、自己PRからガクチカを考えてみるのも良いでしょう。
自己PRでアピールする能力を身につけた過程としてガクチカの内容を考えることで、一貫性を持たせることができるでしょう。
今から新しいことを始める
ガクチカに記載できるエピソードが、まったくないというケースもあり得ます。
そういった場合は、今からでもガクチカに記載できるような経験作りを行いましょう。
アルバイトや長期インターン、資格取得など内容は何でもかまわないため、話のネタになるような経験を積むことが大切です。
資格取得に関して記載する場合は「何に生かしたいと思っているのか」という内容まで盛り込むようにしましょう。
【ガクチカの流れ】作成後にやるべき見直し&強化法
ガクチカを一通り書き終えた後、「この内容で本当に企業に伝わるのか」と不安に思う就活生は少なくありません。
内容に自信があっても、表現や構成に見落としがあることもあります。
ここでは、完成後のガクチカをより魅力的に仕上げるために実践してほしい見直しと強化方法を紹介します。
ガクチカが完成したら、まず第三者の目線で内容を見直すことが重要です。
自分では気づけない誤字脱字や表現のクセ、伝わりにくい部分を客観的に修正するには、添削ツールやサービスの活用が有効です。
中でもおすすめなのが、Digmediaが提供する「爆速AI添削ツール」です。
入力するだけで文法的なミスや不自然な表現を指摘してくれるため、短時間で高精度なチェックが可能になります。
「魅力が伝わっているか不安」「正しい構成になっているか確認したい」と感じる就活生には特に効果的です。
文章の精度を上げることで、選考通過率の向上にもつながります。
ガクチカを見直す際に欠かせないのが、自己分析の再確認です。
自分が最も力を入れた経験を振り返る中で、「なぜその活動を選んだのか」「その中でどんなことにやりがいを感じたのか」を掘り下げてみましょう。
また、周囲にどのような影響を与えたのか、他の活動と比べてどれほど熱量を注いだのかを比較してみると、自分の強みや価値観が浮かび上がってきます。
深掘りすることで、表面的な内容ではなく、本質的な魅力が伝わるガクチカに磨き上げることができます。
こうして得た気づきは、企業選びや自己PR、面接対策にも応用できる重要な要素となります。
ガクチカをさらにレベルアップさせたい場合は、就活エージェントへの相談も選択肢の一つです。
プロの視点からフィードバックをもらうことで、自分では言語化しづらい強みや個性を明確にできます。
特にジョブコミットなどのエージェントでは、エントリーシートの添削や面接練習に加えて、志望企業の選定サポートまで受けられるのが強みです。
ガクチカの添削だけでなく、「その経験をどう企業に刺すように伝えるか」まで戦略的にアドバイスしてくれるため、納得度の高い対策が可能です。
就職活動に不安がある人ほど、客観的な視点を取り入れることで自信をもって選考に臨めるようになります。
文字数ごとのガクチカの書き方に関する記事はこちらを参考にしてみてください。
【ガクチカの流れ】まとめ
いかがだったでしょうか?
ガクチカの書き方や流れを詳しく解説してきました。
ガクチカはどの企業を受けるにも必要になってくる内容の一つなので、手を抜かずに丁寧に書くことが重要です。
自分が思うままにガクチカを書くのではなく、相手が分かりやすいと感じる文章構成を意識するのは重要です。
自分の言葉で書いて、受かるガクチカにしていきましょう。