【専門商社】鉄鋼商社って?

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要約

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就活生から人気の高い専門商社の中で、鉄鋼業界で大きな役割をはたす鉄鋼商社についての紹介です。

伊藤忠丸紅鉄鋼、メタルワン、JFE商事など、トップを争う大手鉄鋼系専門商社について特徴を研究し、企業研究をサポートします。

鉄鋼商社の種類や業界内での役割、就職した場合、どのような仕事内容になるかをわかりやすく解説します。

はじめに

商社は、例年就活生から人気が高い志望先ですが、専門商社の中にもたくさんの分類があり、鉄鋼系と呼ばれる商社もあります。

普段生活している中で、鉄鋼の流通について深く考える場面はあまりないでしょう。

ここでは、鉄鋼業界で大きな役割をはたす商社である鉄鋼商社について、どのような企業があるのか、仕事内容はどのようなものなのかを解説します。

【鉄鋼商社】鉄鋼商社って?

まず、鉄鋼商社とはどのような商社かを説明します。

鉄鋼商社
鉄鋼商社とは専門商社の1つで、鉄鋼を専門に扱う商社です。

鉄鋼メーカーが製造した鉄鋼製品を買い手へ販売する仲介ビジネスの業界であり、同時に金融面でのリスク管理なども実施するなど、幅広く取引のサポートをしています。

日本は粗鋼生産量世界第3位であり、顧客が世界に存在するため、鉄鋼商社業界研究をおこなう際には国内情勢ばかりでなく、グローバルな視点をもつことが重要です。

鉄鋼業界は全体的に成長が見られる業界であり、新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時的に停滞は見込まれるものの、回復が早いといわれています。

もちろん依然として厳しい状況が続く国内鉄鋼メーカーも多いため、業界再編や構造改革などが急ピッチで進められていることも頭に入れておきましょう。

【鉄鋼商社】鉄鋼商社の特徴

鉄鋼商社は、鉄鋼という特殊な商材を取り扱っていますが、商社としてのビジネスモデルは変わりません

鉄を通して世界に影響を与えることができるのが大きな特徴であり、働く際のモチベーションにもなるでしょう。

メーカーとユーザーとをつなぐという商社の命題も変わりませんし、求める人がいるとこへ求めるものを届けるという社会的使命も商社ならではです。

ただし、取り扱うものが鉄鋼という特殊で規模の大きな商材ですので、より情報戦に強くなくては務まらないというのが鉄鋼商社の大きな特徴です。

メーカーにはユーザーが将来どのような需要を抱えるか先読みの情報を適切に伝え、メーカーが過不足ない生産計画を維持できるようサポートする必要があります。

業界内の需要と供給だけでなく、世界のマーケットの需要と供給をもコントロールすることが、大きなやりがいとなります。

【鉄鋼商社】鉄鋼商社の仕事内容

鉄鋼商社の具体的な仕事内容は、ほかの専門商社と変わらず、仲介ビジネスです。

作り手と買い手の間に立ち、コントロールすることが主な仕事となりますが、社会経済を回す一端を担っているというのもまた事実です。

鉄鋼商社の中にも総合商社系やメーカー系、独立系などがありますが、それぞれ強みを活かせるフィールドで社会に貢献しています。

ここでは、いずれの鉄鋼商社においても共通する仕事内容を紹介しましょう。

メーカーとユーザーをつなぐ

商社で働くなら、コミュニケーション能力が求められるのは必至ですが、それは何よりメーカーとユーザーとをつなぐことがメイン業務となるからです。

取り扱う商材が鉄鋼ですので、鉄鋼メーカーと鉄鋼と必要とする世界の需要家の間に入り、双方がスムーズにビジネスを成立させられるようコントロールするのが仕事となります。

また、鉄鋼は必要だからといって即できるものではありませんし、前もって準備をおこない、期間をかけて大量に製造しなければなりません。

鉄鋼メーカー側にはできる限り早い段階で需要家からの将来的な需要情報を伝えることが重要ですし、そのためにはユーザーからの情報収集は欠かせません。

より密なコミュニケーション能力が必要とされる仕事であり、活躍の場は世界となります。

物流機能を担う

鉄鋼は、ご存じのように、簡単に運べるようなものではありません

鉄鋼商社は付加価値をつけて物流を担うことも重要な仕事内容であり、物流機能をはたす点はしっかり理解しておきましょう。

メーカーは、鉄鋼を製造するところまでで仕事は終わりです。

ユーザーは、その場所で鉄鋼を受け取ってからが仕事となります。

鉄鋼商社は非常に重要であるメーカーとユーザーの間を埋める任務をはたしており、どのように最短かつ低コストで移送するかを綿密に計画し、実行するのが仕事です。

特殊なものですので移送手段も考えなければなりませんし、スケジュールは常に思わぬ災害や社会情勢によって、崩されるリスクがあります。

それでもいくつもの回避策を講じ、納期どおりにものを現場に届けるという任務は、そう簡単な遂行できるものではありません。

ここにも、大きなやりがいがある仕事といえるでしょう。

【鉄鋼商社】鉄鋼商社の有名企業

鉄鋼商社の企業は、業界を研究している就活生であれば、すぐに名前が挙がるような有名な企業があります。

ただ鉄鋼業界の組織改善や構造改革に伴い、鉄鋼商社も近年大規模な再編が進められています。

2018年には、メタルワンが西日本地域の拠点統合をおこなったことを自社サイトでリリースしましたし、2020年にJFEがJFE商事鉄鋼建材とJFE商事薄板建材をJFE商事鉄鋼建材に吸収合併したことが日本経済新聞に掲載されました。

このように、今まさにリアルタイムに動いている業界ですので、研究は常に最新情報を集めながらおこなうようにしましょう。

伊藤忠丸紅鉄鋼

伊藤忠丸紅鉄鋼は、就活生のほとんどが知るようなとても有名な鉄鋼商社です。

非常に強力な海外ネットワークをもっているのが特徴で、2001年に伊藤忠商事の鉄鋼部門と丸紅の鉄鋼製品部門が分社統合して誕生した、スケールの大きい専門商社です。

鉄鋼製品の輸出入や販売だけでなく加工もおこなっており、その流通力を活かして、サプライチェーン、ネットワークビジネスなども展開しています。

業績は2020年度上半期に売上高約1兆169億円、純利益約78億円となりました。

いずれもコロナ禍による影響で前年度比ダウンとなっていますが、やはり業界トップクラスの水準です。

取引においてはとくに重点地は公表していませんが、自社サイトによると、国内外に151のグループ会社を保有しており、53カ国83カ所に拠点があるため、海外収益比率は約6割となっています。

従来では入社1年目の総合職社員に短期海外研修も実施していることから、海外の取引先と国内外の鉄鋼メーカーとを仲介する仕事ができるでしょう。

メタルワン

メタルワンは、2003年に三菱商事と日商岩井の鉄鋼製品部門が統合して誕生しました。

2018年に西日本拠点の経営を統合し、連結売上高や取扱数量では業界トップクラスです。

業績は2020年度上半期に売上高約7253億、純利益約34億円となりました。

現在海外単体売上を伸ばすことを目指しており、重点戦略地域にはアメリカやメキシコ、タイ、インドの企業が挙げられています。

実際に総合職社員は4人に一人が海外拠点駐在となっているため、海外で活躍したい人には期待できる仕事でしょう。

JFE商事

JFE商事鉄鋼建材は、2020年にJFEがJFE商事鉄鋼建材とJFE商事薄板建材を吸収合併し誕生しました。

そうした意味ではまだできたばかりの会社であり、業績は2019年のものが最新となります。

この時の決算では、売上高約2719億円、営業利益約19億円であり、いずれも前年比プラスという好調な内容でしたが、コロナ禍による影響は然るべきですので、ここからはダウンが見込まれます。

鉄鋼商社として大きな特徴は、鉄鋼メーカーのグループ企業であるという点です。

鉄鋼を生産し、最終製品への加工まで一貫しておこない、JFEホールディングスとして世界へ向けて販売しています。

主な取引先としてはアメリカや中国、ASEANを重点に挙げ、最終製品により近い加工製品の提供や原料、資機材の供給を主な仕事としています。

まとめ

鉄鋼商社は、鉄鋼を商材として、メーカーとユーザーとをつなぐ仲介が主なビジネスになります。

鉄鋼業界全体は、新型コロナウイルス感染拡大の影響はあるものの、世界市場が相手となるため、2021年には早期に回復する見込みです。

国内では減少している鉄鋼需要も、世界で見れば人口増加や経済成長によって、今後も伸びが期待できるでしょう。

日本は粗鋼生産量が世界第3位ですから、鉄鋼商社としては活躍どころといえます。

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