
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
はじめに
理系学生の皆さん!就職活動は進んでいますか? 理系として就活を行なっていると 「メーカー業界」 というキーワードをよく耳にするのではないでしょうか? 理系として専攻を進み、そしてその経験を活かそうとして就活を行うと、 ものづくりをメインとする職業が自然と候補に上がってくると思います。
本日はこのものづくりを行う「メーカー業界」について就活生として知っておくべきことをまとめました!
【理系メーカー】メーカー業界って何?
私たちの暮らしに欠かせない製品の多くは、メーカーによって作られています。
メーカーとは、原材料から製品を作り出す「ものづくり」の主役であり、生活のあらゆる場面に関わっています。
この業界は安定性や技術力に優れており、学生からの人気も高い分野です。
ここでは、メーカーの主な特徴と現在の動向について詳しく紹介していきます。
メーカーの主な特徴とは
メーカーの最大の特徴は、製品の企画から販売までを一貫して担っている点です。
製品の構想段階から設計、原材料の調達、製造、組立、そして販売やアフターサービスまで、全体の工程に関わるのが一般的です。
扱う製品の種類は非常に幅広く、自動車や食品、家電、医薬品、電子部品、化学製品など、それぞれの分野に特化したメーカーが存在しています。
こうした多様性から、自分の興味や専門に合った企業を選びやすいという利点があります。
また、メーカーの多くは大手企業が多く、経営基盤が安定していることも魅力のひとつです。
特に素材や部品を扱う上流工程の企業は、多くの取引先を持ち、景気の影響を受けにくい傾向があります。
さらに、AIやロボット技術、IoTなどの最新技術を取り入れた生産効率の向上にも積極的で、常に進化し続けている業界でもあります。
メーカーの動向
近年、メーカー業界は大きな変化の波にさらされています。
その一つが環境対応の強化です。
企業としての社会的責任が高まる中、温室効果ガスの削減や再生可能エネルギーの導入といったカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが求められています。
同時に、原材料費の高騰も深刻な課題です。
国際的な需給バランスや地政学的リスクの影響を受け、資源価格が不安定になり、生産コストの管理が難しくなっています。
また、新型コロナウイルスの影響を経て、サプライチェーンの見直しも進んでいます。
海外への過度な依存を避けるため、生産拠点の再構築や調達網の多様化が進められています。
さらに、少子高齢化による人手不足も深刻です。
この課題に対処するために、AIやロボットの導入による生産の自動化、IoTによる効率化といったデジタル技術の活用が加速しています。
加えて、国内市場の成長が鈍化する中で、多くのメーカーは海外市場への展開を強化しています。
【理系メーカー】メーカー業界内での違い
メーカー業界と一言で言っても、その中にはさまざまな種類の企業が存在しています。
誰に向けて製品を提供するか、どの段階のものづくりに関わるか、何を作っているかなどによって、企業の特徴や求められる力は大きく異なります。
ここでは、メーカー業界内での主な分類として、BtoCとBtoB、完成品と部品・素材、製品ごとの分類という3つの視点から整理して紹介します。
BtoCメーカーとBtoBメーカー
BtoCメーカーとは、一般の消費者に向けて製品を開発し、販売する企業です。
私たちの生活の中で目にすることが多いのがこのタイプのメーカーで、食品や日用品、家電製品、化粧品などを手がける企業が代表的です。
テレビCMや店頭プロモーションなどを通じて直接的なイメージ戦略を行うため、マーケティング力やブランド戦略が重要視されます。
一方、BtoBメーカーは企業向けに製品や部品、素材を提供しており、製品そのものが消費者の目に触れることは少ないですが、完成品を支える重要な役割を担っています。
自動車部品や半導体、電子部品、化学素材など、特定の分野で高い技術力を持つ企業が多く、精度や信頼性、コストパフォーマンスが重視されます。
完成品メーカーと部品・素材メーカー
完成品メーカーは、最終的に消費者に届く製品を製造・販売する企業です。
自動車やスマートフォン、家電製品など、製品全体の構成や使いやすさ、デザイン、ブランドイメージを含めて総合的に設計・提供します。
そのため、各部品や素材を適切に組み合わせる技術と、ユーザーの体験を意識した設計力が必要になります。
一方、部品・素材メーカーは、完成品を構成するパーツや原材料を提供する企業であり、高度な専門技術と品質管理が求められます。
自動車のエンジン部品や半導体、化学素材、鋼材など、多くの産業の基盤を支える役割を果たしています。
このタイプのメーカーでは、完成品メーカーの厳しい要件に応える柔軟性と開発力、納期やコストへの対応力が重要となります。
事業内容・製品による分類
メーカー業界は非常に幅が広く、どんな製品を扱っているかによって企業の性質も大きく異なります。
そのため、就職活動を行う上では、自分が関心のある分野や専門性に合った事業内容を持つ企業を選ぶことが重要です。
自動車・輸送機器メーカーでは、車や鉄道、航空機などを扱い、機械工学や制御技術が活かされます。
食品メーカーは、加工食品や飲料、調味料などを扱い、消費者ニーズの変化やトレンドに敏感な対応力が求められます。
化学・石油メーカーでは、素材や原料の開発を行い、医薬品や化粧品、繊維など幅広い業界に製品を供給しています。
電機・電子部品メーカーは、家電や半導体などを扱い、精密性と先端技術の応用が重要になります。
【理系メーカー】メーカーの職種
ひとくちにメーカーといっても、どのようなものを製造するかによって、何業界にあるメーカーなのかにわけられます。
食品を製造するメーカーなら食品業界ですし、自動車メーカーなら自動車業界といった具合です。
それぞれの業界や企業により、仕事の内容や業務範囲はさまざまですが、メーカーの「ものを製造して売る」までの過程には、共通した職種が存在します。
「商品企画」からはじまって、それを具現化する「研究・開発」、実際に製造するための「資材調達」など、製品ができあがるまでの流れに沿って、業務がわかれています。
ここでは、メーカーの職種として代表的なものを紹介しましょう。
商品企画
ものを製造してそれを売ることで利益を得ている、のがメーカーです。
その中で、何を製造するかを考えるのが、商品企画の仕事です。
市場の求めるものは、時代とともに変わっていくので、市場の求めるものを作らなければ、企業は生き残ることはできません。
メーカーでは、市場のニーズを常に敏感にキャッチし、常に売れる製品を作り続ける努力が求められます。
商品企画では、マーケティングや市場調査をおこない、売れる新商品を作るための具体的な計画を立てます。
また、ニーズに沿って既存品の改良案を提案することも仕事です。
企業によって携わる範囲が異なる場合もあり、新しい商品の企画をするだけでなく、製品の試作など一部開発の部署でおこなわれる仕事を、この職種が担っている場合もあります。
研究・開発
商品企画から上がってきた提案を形にするための技術の研究や、新製品の開発をおこなうのが、研究・開発の主な仕事です。
営業が顧客とのコミュケーションから直接得た情報を元に、既存品の改良をすることも、研究・開発の仕事です。
また、企画を元に製品化するための研究・開発と違い、長期の視点で、まったく新しい素材や技術の研究をする研究職もあります。
同じ研究・開発職でも、企業によって業務内容はさまざまなので、自分がどのような仕事がしたいのか明確にし、その企業で何ができるのかを調べておくことが重要でしょう。
大手の化学メーカーなどでは、研究職の中でもさらに部署がわかれており、ほかの研究チームから頼まれて解析だけを専門におこなう場合もあります。
資材調達
製品の製造に必要な素材を仕入れ、調達することが資材調達の仕事です。
コストダウンのため既存の調達先からだけでなく、より広い視野をもって新しい調達先を探すことも重要な仕事です。
調達先は、製造がストップしてしまうことのないよう、安定的に調達できることにも留意しながら選定する必要があります。
どこの調達先から、いくらで資材を仕入れられるかは、会社の利益に直接影響するため、非常に重要な業務といえるでしょう。
また、調達資材の質は、製品の品質にも関わってきます。
何を製造するメーカーであるかにより調達する資材は異なりますが、資源の乏しい日本では、海外を視野に入れて業務をおこなわなければならない場合も少なくありません。
生産管理
実際に工場で製造がはじまったら、無事に製品を社外に送り出すまでの司令塔の役割をはたすのが、生産管理の仕事です。
販売計画に沿った生産計画の立案や、製品が作られる工程の管理、品質管理なども生産管理の仕事です。
具体的には、営業部門から顧客の受注数を把握し、何をどれくらいいつまでに製造するかを計画し、在庫管理を含めて計画に沿って、適切な環境で生産できるよう管理をおこないます。
製品不良や異物混入がないか、規格や仕様書どおりに生産できているかなどにも注視します。
万が一不具合が生じた場合には、その原因を突き止め、再発防止のための対策を考えることも生産管理の仕事です。
企業によっては、生産管理が資材調達の仕事の範囲も担う場合もあります。
営業
製品ができあがったら、次はそれを販売します。
できあがった製品を顧客に提案したり、販売したりするのが、営業の仕事です。
また、営業の仕事は、顧客の要望や改善点を、研究・開発部門にフィードバックするといった役目も担います。
一般的に営業というと文系出身者が担当するイメージが強いですが、扱う製品によっては、専門性が高く、専門知識のある理系出身者のほうが製品の説明がしやすいという場合もあります。
とくに化学系など理系特有の製品を扱うBtoBの企業などの場合には、専門知識をもつ営業職が求められる場合が多くあります。
理系であっても、営業の仕事に興味がある場合には、専門の知識を活かせるメーカーを探してみるといいでしょう。
また、理系特有の分析力の高さや論理的思考が、営業の仕事に活かせることもあります。
宣伝・広報
宣伝・広報と聞くと、すぐに思い浮かぶのは、マスメディアやインターネットを使って、自社の製品をPRしたり、企業イメージを高めるための広報活動をおこなったりする社外広報の仕事でしょう。
広告代理店に自社の意向を伝え、効果的な広告になるようにすることが主な役割です。
社外に向けた宣伝・広報は、企業の売り上げにも関わる非常に重要な役割を担う仕事といえます。
社外広報はほかに、株主や投資対象者に向けたIR(インベスタリレーションズ)も担います。
広報の仕事には、これら社外広報のほかに、社内広報もあります。
社内広報は社員の帰属意識を高めることや、コンプライアンスに関する注意喚起をおこなうことを目的に、社内報などで社内に向けての広報活動をするのが仕事です。
【理系メーカー】専門性を活かしたいあなたへ!
幅広い職種が存在し、必要とされているのがメーカー業界の特徴でもあります。
その中で、 自分の理系としての専門知識や経験といった専門性を活かしたい人向けの職種も数多く存在します。
プロダクトを作る際の 製造工程や計画段階の構想などには、その製品を作るにあたっての専門知識やその分野での経験が必要不可欠です。
メーカー業界内でのそう言った職種の代表格とも言えるのが、技術職です。
技術職については下記のリンクに詳しくまとめてあるので、ぜひチェックしてみてください! [hoge url=https://digmee.jp/article/310137]
【理系メーカー】新たな経験を積みたいあなたへ!
もちろんメーカー業界という広大なジャンルを指した際に、 理系スキルが必要とされない職種も数多く業界内に存在します。
小規模なメーカーが必要とする営業職や、一方で大規模な大手メーカーが必要とする企画や宣伝やマーケティングなど。
一般的には 文系職とカテゴライズされる職種も業界内では必要とされています。
そういった職種であれば、今まで理系として専念してきた事とは異なった 新たな経験を積むことができるでしょう。
この様な 文系職にメーカー業界内で就職する場合、理系人材である必要がないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら 理系人材であることが、こういった職種で重宝されることも多々あります。
まず初めに、特定の製品のメーカーであれば、理系専攻として得た 知識や経験が、その製品に携わる際に部分的に役立つからです。
製品そのものに関しての知識や、それが出来上がるまでのプロセスなどを理系専攻としてすでに習得しているからです。
例えば精密計測器関連のメーカーについた際に、 理学部出身でありその機器の使用経験や知識を持っている人材と、 普通の文系専攻の機器に触れたこともない人材とを比べると、 前者の方が確実にメーカーの製品について深い理解をしていることでしょう。
そういった事前知識や経験があることによって、よりメーカー内で活躍をすることができます。
もう一方で、理系であることで身についた 根本的な思考回路や問題解決能力がどの様な職種でも役立つということが言われています。
実際、理系専攻の人材が文系職に就くということは全く珍しいことではありません。
理系であっても、 研究職以外の比較的文系色の強い職につくことで、自分の強みを活かすという手法もよく耳にします。
この理系全般に通ずる、どの様な職種でも活かすことのできるスキルについては、下記の記事でまとめてあるのでぜひ参考にしてください! [hoge url=https://digmee.jp/article/310135]
【理系メーカー】なぜ理系学生に人気なのか?
ここまででメーカー業界というと幅広いジャンルが存在すると同時に、数多くの職種が必要とされる業界であるということを説明してきました。
では、 なぜ理系人材にとりわけ人気な業界というイメージがあるのでしょうか? 理由としては、 理系人材の多くが志望する就職先である職種が、そもそもメーカー業界以外にあまり存在しないという点です。
多くの理系学生は、まず就職となると今までの 自分の研究や理系学生としての知識やスキルを活かせる職業を探します。
その際に最初に候補に上がるのが、今までやってきたことの延長線上にあるとも言える研究職や開発職といった職種です。
これらを必要とする業界がそもそも少なく、その中でもさらに民間となると、自然とメーカー業界に限られてきます。
結果、 理系人材に人気の職種がそもそもメーカー業界にしかない為、自然と多くの理系人材がメーカーに応募するという形になっています。
【理系メーカー】就職活動の主なスケジュール
理系の学生がメーカーに就職するまでには、文系とは少し異なるスケジュールと戦略が求められます。
研究との両立や推薦制度の利用など、理系特有の事情に対応しながら進めていく必要があります。
ここでは、就活全体の流れと、理系・文系それぞれのスケジュールの違いを踏まえ、理系学生がメーカー就職を成功させるために意識すべきポイントを整理します。
就活全体の流れ
就職活動は大学3年生、修士課程の場合は1年生の夏からスタートします。
この時期に多くの企業がインターンシップを実施し、職場の雰囲気や業務内容を知る機会を提供しています。
秋から冬にかけては企業説明会やOB・OG訪問、早期選考の案内が増え、本格的な就活準備が始まります。
企業によっては、インターンシップ経由での特別ルートや早期選考枠を設けているところもあるため、参加経験がその後の選考に直結することもあります。
3月以降になると企業エントリーが本格化し、エントリーシート提出、適性検査、面接などの選考が順次始まります。
夏頃までには内定が出揃う企業が多く、内定承諾や就職先の最終決定が行われます。
外資系企業は選考時期が早く、インターン選考が5月頃から始まり、夏までに内定が出る場合もあるため、志望する企業の選考スケジュールは事前に確認しておく必要があります。
理系学生の就活スケジュール
理系学生の就職活動は、研究との両立が求められるうえに、推薦制度の活用や選考時期の違いにより、文系とは異なる特徴を持ちます。
大学3年生または修士1年生の夏から秋にかけては、インターンシップへの参加が重要です。
技術職や研究職を目指す場合、実際に職場での業務に触れることで、企業側からの評価対象となることもあり、実質的な早期選考につながるケースも増えています。
冬から春にかけては、学校推薦や教授推薦の準備が本格化します。
推薦は内定率が高い一方で辞退が難しいため、企業選びに慎重さが求められます。
一方、推薦を利用しない自由応募の学生も並行して動き、企業説明会やES提出を進めることになります。
大学4年生や修士2年生の3月以降は、企業の本選考が本格化します。
文系学生の就活スケジュール
文系学生の就職活動は、自由応募が中心で、より広い業界や企業に目を向けやすいのが特徴です。
大学3年生の夏から冬にかけては、さまざまな業界のインターンシップに参加し、自分に合った業種や職種を探る時期です。
この段階での経験が、志望業界や企業選びに大きく影響を与えます。
冬から春にかけては、企業説明会の参加が本格化し、エントリーシートの提出や筆記試験の準備が必要になります。
3月以降は、多くの企業が本格的な選考をスタートさせ、面接を通じて内定獲得を目指すフェーズに入ります。
文系学生の場合、研究活動との両立の負担が少ない分、早めに情報収集や準備を進めることで、選考を有利に進めやすい傾向にあります。
【理系メーカー】就活を有利に進めるためのポイント
理系学生がメーカーへの就職を目指す際には、専門性や研究活動との両立など、特有の課題と向き合う必要があります。
その一方で、準備の進め方や戦略次第で、就職活動をより有利に進めることができます。
ここでは、理系学生がメーカー志望で後悔しないために意識しておきたい4つの重要ポイントについて解説します。
早期からの準備がカギ
理系の就職活動では、大学の研究と並行して動く必要があるため、文系よりも早めの行動が求められます。
大学3年生や修士1年生の夏頃から自己分析を始め、業界や企業の情報を集めることで、自分に合った職種や分野を見つけやすくなります。
特にインターンシップへの参加は、企業理解を深めるだけでなく、選考直結型の場合もあり、志望度の高い企業には積極的に参加しておくことが重要です。
早期から準備しておくことで、就活の本番を迎えた時に余裕を持って対応でき、研究との両立もしやすくなります。
情報収集やエントリーのタイミングを逃さないよう、就活カレンダーを作成し、計画的に行動することをおすすめします。
研究との両立術
理系学生にとって大きな課題となるのが、研究活動と就職活動のスケジュールの調整です。
就活が本格化する時期は、ちょうど研究の進行や学会準備と重なることが多く、うまく時間を使わないとどちらにも影響が出てしまいます。
このため、就活を始める前に指導教員や先輩と相談し、あらかじめ研究のスケジュールや報告タイミングを調整しておくことが大切です。
また、推薦制度を活用する場合は、研究室内での実績や信頼も評価材料となるため、日頃の姿勢も重要になります。
時間の使い方を工夫し、就活と研究の両方を効率的に進めるためには、目標を細かく設定し、優先順位を意識した行動が求められます。
OB・OG訪問の活用
メーカーへの就職を目指す際には、OB・OG訪問が非常に有効な情報源になります。
企業説明会やホームページでは分からない職場の雰囲気や仕事の進め方、研究内容との関係など、リアルな情報を得ることができます。
とくに理系職種の場合、自分の研究が企業でどのように活かせるのかや、実際に配属されたあとのキャリアの広がりについて詳しく聞ける機会となります。
また、理系出身者同士ならではの視点から、入社前に感じていた不安や入社後のギャップについても率直に話を聞くことができるため、ミスマッチの防止にも役立ちます。
訪問の際には、事前に質問を整理し、相手の時間を大切にする姿勢を持って臨むことが信頼関係の構築にもつながります。
理系特有の選考対策
メーカーの技術系採用では、理系学生の専門性や論理性が大きく評価されます。
そのため、エントリーシートや面接では、研究テーマの概要だけでなく、目的や課題、工夫した点、得られた成果を明確に伝える必要があります。
また、その研究経験を通じて何を学び、それが志望企業の業務にどう役立つのかまで具体的に話せるようにしておくことが重要です。
面接では、論理的思考力や問題解決力を見られる質問が出ることも多いため、普段から自分の考えをわかりやすく説明する練習を積んでおくと安心です。
技術系職種を希望する場合でも、チームでの協働やコミュニケーション力も評価対象となるため、専門性と人間性のバランスを意識してアピールすることが内定への近道になります。
【理系メーカー】メーカーに就職するためには?
メーカーを問わず、希望の企業に就職するためには、ともかく業界・企業研究と自己分析をしっかりしておくことが重要です。
業界研究や企業研究をしっかりおこなうことは、魅力的な企業を見つけ出すためだけでなく、なぜその業界か、なぜその企業なのか志望動機を作成する際に役に立ちます。
また、自己分析はミスマッチを防ぐだけでなく、自分自身を企業に伝える際に役に立ちます。
プラスアルファで、入社後に役に立ちそうな資格取得をし、少しでも採用を有利にしておきましょう。
業界・企業研究を行う
食品業界にも化粧品業界にも自動車業界にも、メーカーは存在します。
また、理系といっても化学系であるか、工学系であるかなどによって、専門とする分野はまったく異なるでしょう。
さらに、同じ機械メーカーの中でも、素材メーカーもあれば加工・組み立てメーカーもありますし、それらを一貫しておこなうメーカーもあります。
ものづくりをおこなう企業は、あらゆる業界に存在しているため、それぞれの業界の立ち位置や強みを理解するために、業界研究から徹底しておこなう必要があります。
まずは、自分の専攻分野と関連の深い業界にある代表的な企業を切り口として、業界理解を深めていきましょう。
目指す分野が決まったら、同業の企業に何があるのかを調べてみましょう。
自分に合った企業を見つけ出す作業は、そのまま志望動機として語ることができます。
自己分析を徹底する
就職活動では、とかく企業選びばかりに熱が入りがちですが、自己分析をしっかりおこなうことを忘れてはいけません。
企業は企業活動を活性化させるために採用をおこなうわけですから、「自分がその企業で入社後にどのように活躍できるか」を企業に示さなくては、採用を勝ち取ることはできません。
自己分析は、自分に合う企業を選ぶためだけでなく、企業側に自分の強みなどを伝えることに役立ちます。
自身の強みをアピールすることは、自分を客観的に把握できてこそできることです。
また、どんなに魅力的に思える企業を見つけたとしても、自分に合わない企業であった場合には、就職後に後悔することになってしまいます。
ミスマッチを防ぐためにも、自分自身を企業に正しくアピールするためにも、自己分析は大切なのです。
選考に有利になる資格を取得する
とくに理系の学生を採用するような職種では、専門の知識が必要なことが多く、専門の資格が必要な場合には、入社後に取得を求められることが殆どです。
少しでも選考に有利になるならば、取得を求められそうな資格は、エントリー前に取得しておきたいものです。
メーカーが属する業界により、求められる資格は異なりますが、TOEICやMOS、ITパスポートなどは、文系理系を問わずどのメーカーでも使える資格であるため、取得しておいて損はありません。
業界研究が進んで目指す分野が決まったら、それぞれに必要な資格を調べて、取得しておくといいでしょう。
資格によっては、試験日程により、就職活動に間に合わない場合もあります。
せっかく取得するのであれば、アピールできる状態で臨みたいものです。
資格取得にかける時間も考慮して、就職活動の準備は早めにおこなっておくことが大切です。
【理系メーカー】メーカー業界のあれこれ
メーカー業界といっても、 幅広い数の異なったタイプの製品を専門としていたり、 企業としても全く異なる社風を持っていたりと様々あります。
すべての メーカー業界内の企業に一概に当てはまる情報といったものはありませんが、ここで世間一般的に言われているメーカー業界内の風潮をお話しします。
再三にはなりますが、これが全て当てはまるということはありません。
また、これだけ多くの企業が存在する業界ですので、 社風や評判など、業務内容以外で選択することも重要になってきます。
メーカー業界のキャリアパス
まず言えるのが、理系職と文系職かによってメーカー業界内でのキャリアパスは大きく異なってきます。
一方で、両方に通じて言えることは、どれも典型的なキャリアパスはないということです。
また、 大手メーカーといった企業では転職があまり主流とされていません。
これは理系職の場合は特に当てはまることです。
理系としての専門知識をそのメーカー内で積み上げてきたことによって、その知識を延長して養いスキルアップするのには、メーカー内での継続が一番良いと考える人が多い様です。
日系と外資系の違い
メーカー業界とは地球上の様々な国に存在します。
その為、 日系の国内メーカーのみならず外資も数多く存在します。
日系メーカーの多くには、年功序列や終身雇用の崩壊などといった問題点が存在することがあります。
メーカー業界に限ったことではありませんが、 メーカー業界は比較的大きく影響を受けているとも言えるでしょう。
もう一方で、外資メーカーに関しても、これらの問題がないわけではありませんが、また異なった問題点もあります。
日本国内の外資メーカーに就職する際は、 本社の傘下に入るということが、業務の自由さに影響してきます。
外資であることによって、報告先である本社を持つことになります。
よって優先順位が落ちたりや時間の制約など外資であるが故の問題も無くはありません。
【理系メーカー】メーカー業界以外の理系就職先
理系学生の就職先としてメーカーが代表的に挙げられますが、それ以外にも理系のスキルを活かせる業界は多く存在します。
IT業界では、システムエンジニアやWebエンジニア、データサイエンティストなど、情報系の知識を活かせる職種が豊富です。
近年はAIやIoTの発展により、プログラミングや数学的思考を持つ人材の需要が高まっています。
また、コンサルティング業界では、ITや戦略系のコンサルタントとして、企業の経営課題を解決する場面で理系の論理的思考力や分析力が重宝されます。
さらに、金融業界でも数学や統計に強い理系人材が活躍しており、アクチュアリーやクオンツといった職種ではリスク分析や金融商品の設計に携わることができます。
その他、公務員としての道もあり、技術系職種では国土交通省や自治体でのインフラ整備、災害対策、研究開発など、社会に貢献する仕事に携わることが可能です。
おわりに
いかがでしたでしょうか? メーカー業界という幅広い種類の企業を指すキーワード。
就活をするに当たって、必要な最低気の情報をまとめてみました。
理系としてのスキルを活かすこともできる一方で、新たな文系職の様な経験を積むこともできるのがメーカー業界です。
メーカー業界が自分に合っているのかどうか、少しでも参考になったのであれば幸いです。
ぜひ自分に合った職種や企業がメーカー業界にあるのかどうか調べてみください。