
HRteamに新卒入社。 キャリアアドバイザーの経験を経てマーケティング事業へ異動。 アドバイザー時代にサービス立ち上げや人材開発、人事の業務に携わり、現在では「Digmedia」のメディア運営責任者を担っている。
今回は、航空業界の中でも圧倒的な人気を誇る「全日本空輸株式会社(以下、ANA)」について、27卒の皆さんが気になっているであろうインターンシップの優遇や早期選考の実態、そして本選考の攻略法までを徹底的に解説していきます。
ANAは毎年「就職人気企業ランキング」の上位に君臨する難関企業ですが、正しい情報を掴み、適切な準備をすれば内定への道は確実に拓けます。
憧れのブルーの翼を目指して、一緒に準備を進めていきましょう。
【ANA】早期選考や本選考にインターン優遇はある?
ANAを目指す就活生にとって、最も気になるのが「インターンシップに参加すると選考が有利になるのか」という点ではないでしょうか。
結論から申し上げますと、ANAにはインターン参加者限定のイベントや早期選考ルートへの案内といった事実上の優遇措置が存在するケースがあります。
ただし、これは「参加すれば誰でも優遇される」という単純なものではありません。
インターンシップ中に行われるグループワークなどでの振る舞いや成果が高く評価された学生に対してのみ、リクルーターがついたり、個別に次のステップへの案内が届いたりすることが一般的です。
一方で、優遇ルートに乗れなかったからといって、本選考での合格の可能性がなくなるわけではありません。
【ANA】まずは企業情報を理解しよう
選考対策に入る前に、ANAという企業について基本的な情報をしっかりと整理しておきましょう。
ANAは国内線・国際線ともにトップクラスのネットワークを持つ日本を代表する航空会社であり、「安心と信頼」を基礎に、世界をつなぐ心の翼となることをグループ経営理念として掲げています。
単に飛行機を飛ばすだけでなく、貨物事業やマイレージ事業、さらには商社機能を持つグループ会社など、多角的なビジネス展開を行っている点も特徴です。
また、ANAの社風としてよく挙げられるのが「挑戦」と「チームワーク」です。
かつては純民間航空会社としてスタートし、数々の困難を乗り越えて現在の地位を築き上げた歴史から、現状に満足せず常に新しい価値を創造しようとするベンチャー精神が根付いています。
就活生には、華やかなイメージだけでなく、こうした泥臭い努力や挑戦を尊ぶ企業文化を深く理解しておくことが求められます。
選考では、あなたがこのANAのDNAに共感し、共に成長できる人材であるかが問われることになりますので、まずはホームページや統合報告書などで企業研究を深めておきましょう。
【ANA】27卒のインターンシップ情報
ここからは、27卒向けのインターンシップ情報について詳しく見ていきます。
ANAのインターンシップは職種ごとに細かく分かれており、それぞれの業務内容やキャリアパスを体験できる貴重な機会です。
ここでは概要や選考フロー、参加のメリットについて掘り下げていきます。
インターンシップの概要
ANAのインターンシップは、主に夏(8月〜9月頃)と冬(12月〜2月頃)に開催されることが多く、職種別にプログラムが用意されています。
募集職種は多岐にわたり、将来的には経営幹部候補となる「グローバルスタッフ職(事務・技術)」、最前線でサービスを提供する「客室乗務員職」、運航を支える「運航乗務職(パイロット)」などが代表的です。
プログラムの内容としては、企業説明会形式の「オープンカンパニー」から、数日間にわたって実際の業務に近い課題解決に取り組む「キャリアワークショップ」まで様々です。
特に数日間のワークショップ形式のものは、現場社員からのフィードバックを受けられる機会も多く、業務への理解度が格段に深まります。
27卒の皆さんは、マイページへの登録を早めに済ませ、各職種の募集開始時期を見逃さないようチェックすることが重要です。
近年は対面とオンラインを併用するハイブリッド型も増えていますが、社員の雰囲気を直接感じられる対面開催のプログラムには積極的に応募することを強くおすすめします。
インターンシップの選考フロー
人気企業であるANAのインターンシップに参加するためには、本選考さながらの厳しい選考を突破しなければなりません。
基本的なフローとしては、まずエントリーシート(ES)の提出と適性検査(Webテスト)が行われ、これらを通過した学生が面接や動画選考へと進む流れが一般的です。
特にグローバルスタッフ職などの人気職種では、応募者数が膨大になるため、ESやWebテストの段階で多くの学生が絞り込まれてしまいます。
ESでは「なぜ航空業界なのか」「なぜANAなのか」といった志望動機に加え、学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)を通じて自ら考え行動する力があるかが見られます。
また、Webテストのボーダーラインも比較的高めに設定されている傾向があるため、SPIや玉手箱、TG-WEBなどの対策本を早めに周回しておく必要があります。
面接まで進めた場合は、短時間で自分の魅力を伝えられるよう、結論ファーストで論理的に話す練習を重ねておきましょう。
インターン選考だからといって油断せず、本番同様の緊張感を持って臨むことが大切です。
インターンシップのポイント
ANAのインターンシップに参加する最大のメリットは、インターネット上の情報だけでは分からない「リアルな社風」を体感できる点にあります。
社員の方々と直接対話することで、ANAが大切にしている「おもてなしの心」や「チームスピリット」が、実際の業務の中でどのように発揮されているのかを具体的にイメージできるようになります。
この経験は、本選考の志望動機を作成する際に、他の学生と差別化するための独自のエピソードとして非常に有効です。
また、参加するためのポイントとしては、単に「飛行機が好き」「旅行が好き」という憧れだけでなく、ビジネスとしての航空業界に関心を持っていることをアピールすることが重要です。
例えば、コロナ禍を経た航空業界のこれからや、サステナビリティへの取り組みなど、ANAが直面している課題に対して自分なりに考えを持っていると評価が高まります。
ワークショップ中は、自分の意見を主張するだけでなく、周囲のメンバーの意見を尊重し、チームとして最良の結論を導き出そうとする姿勢を見せることが、ANAの求める人材像への近道となります。
【ANA】27卒の早期選考はいつから?
ANAの早期選考についてですが、一般的にインターンシップで高い評価を得た学生や、特定のイベント参加者を対象に、年明けの1月〜3月頃から水面下で動き出すケースが見られます。
これは公に「早期選考があります」とアナウンスされるものではなく、対象者にのみ個別に連絡が来る形が多いです。
特にグローバルスタッフ職などでは、冬のインターンシップ終了後、比較的早い段階でリクルーター面談や早期の面接案内が届くことがあります。
しかし、ここで注意したいのは、早期選考=内定確約ではないということです。
あくまで「通常より早い時期に選考を受けられる」というチャンスであり、選考基準自体が下がるわけではありません。
また、全ての職種で早期選考があるわけではなく、年度によって運用が変わる可能性も十分にあります。
そのため、早期選考の案内が来なくても焦る必要はありません。
大多数の学生は広報解禁後の本選考で内定を勝ち取っていますので、早期選考はあくまで「あったらラッキー」程度の認識で、着実に3月以降の本選考に向けた準備を進めていく姿勢が大切です。
【ANA】27卒の早期選考・本選考情報
いよいよ本番となる早期選考および本選考について、具体的な情報を整理していきましょう。
ANAの選考は長丁場であり、精神的にも体力的にもタフさが求められます。
ここでは、一般的な選考フローやWebテストの種類、そして気になる倍率や難易度について、過去の傾向を分析しながら解説していきます。
これからお伝えする内容は、内定を勝ち取るための戦略を立てる上で非常に重要なデータとなりますので、ぜひ参考にしてください。
早期選考・本選考の選考フロー
ANAの本選考フローは職種によって異なりますが、基本的には「エントリーシート提出・Webテスト」→「複数回の面接」→「内定」という流れになります。
グローバルスタッフ職の場合、これに加えてグループディスカッション(GD)が実施されることが多く、集団の中での協調性やリーダーシップが厳しくチェックされます。
面接は個人面接と集団面接が組み合わされることがあり、段階が進むにつれて、より深掘りした質問が投げかけられるようになります。
特に特徴的なのは、選考の過程で「ANAらしさ」とのマッチングを非常に重視している点です。
面接官は、学生の能力だけでなく、一緒に働きたいと思える人物か、困難な状況でも笑顔を絶やさず前向きに取り組めるかを見ています。
最終面接に近づくにつれて、志望度の高さや入社後のキャリアビジョンについての具体性が問われるようになりますので、OB・OG訪問などを通じて、自分がANAで活躍する姿を鮮明にイメージしておくことが不可欠です。
どの段階でも一貫性のある回答ができるよう、自己分析を徹底しておきましょう。
早期選考・本選考のWebテスト
選考の第一関門となるWebテストですが、ANAでは職種や年度によって形式が異なることがあります。
近年では、自宅受験型の「TG-WEB」や「SPI」が採用されるケースが多く見られます。
特にグローバルスタッフ職の事務系・技術系では、多くの応募者を絞り込むためにボーダーラインが高めに設定されていると言われており、正確さとスピードの両立が求められます。
TG-WEBは従来型と新型があり、独特な問題形式に慣れていないと苦戦するため、事前の対策が必須です。
また、客室乗務員職などでは、学力検査に加えて性格適性検査も重要視されます。
ここでは「チームワーク」「ストレス耐性」「ホスピタリティ」といった要素が、ANAの求める人物像と合致しているかが判定されます。
Webテスト対策としては、市販の問題集を最低でも1〜2周は解き、苦手分野を克服しておくことが大切です。
選考解禁直前はES作成に追われて時間が取れなくなるため、比較的時間のある大学3年生の秋頃からコツコツと勉強を始めておくことを強く推奨します。
早期選考・本選考の選考倍率と難易度
ANAの選考倍率は職種によって異なりますが、全体として非常に高い水準にあります。
特に客室乗務員職は毎年数千人規模の応募があり、倍率は数十倍から時には100倍近くに達することもあります。
グローバルスタッフ職も採用人数に対して応募者が殺到するため、やはり50倍以上の高倍率になることが予想されます。
この数字だけを見ると尻込みしてしまうかもしれませんが、しっかりと対策を行えば通過する確率は確実に上がります。
難易度が高い理由の一つに、ES通過後の面接での競争の激しさが挙げられます。
面接に進む学生は、すでに一定以上の学力や経験を持った優秀な層ばかりです。
その中で勝ち抜くためには、単に優秀さをアピールするだけでなく、ANAという企業への熱い想いと、人間的な魅力を伝える必要があります。
面接通過率は段階が進むごとに厳しくなりますが、特に最終面接手前や最終面接では「本当に入社してくれるか」という志望意欲の確認も厳格に行われます。
最後まで気を抜かず、なぜ他社ではなくANAなのかを情熱を持って語れるようにしておきましょう。
【ANA】27卒の早期選考・本選考はインターンに落ちた人でも受けられる?
インターンシップの選考に落ちてしまった場合、「もう本選考でも望みがないのではないか」と落ち込んでしまう学生さんがよくいます。
しかし、ご安心ください。
インターンシップに落ちた人でも、問題なく本選考を受けることができますし、内定を獲得することも十分可能です。
実際に、私の知っている学生の中にも、インターン選考では不合格だったものの、その後の数ヶ月で自己分析と企業研究をやり直し、見事本選考でリベンジ内定を果たした人は何人もいます。
もちろん、インターン参加者が企業理解の面でリードしているのは事実ですが、それはこれからの努力次第でいくらでも挽回可能です。
大切なのは「なぜインターン選考で落ちたのか」を冷静に分析し、ESや面接の内容をブラッシュアップすることです。
ただし、念のため採用ホームページの募集要項は必ず確認してください。
基本的には「インターン不参加=受験不可」というルールはありません。一度の失敗を恐れず、「この悔しさをバネに成長した姿を見てもらうんだ」という強い気持ちで本選考に挑んでください。
ANAは、そのような粘り強さと挑戦心を持った学生を歓迎してくれるはずです。
【ANA】早期選考・本選考で内定を取るためのポイント
高倍率のANAの選考を勝ち抜き、内定というチケットを手にするためには、ただ漫然と選考を受けるだけでは不十分です。
ANAが求めている人材像を的確に把握し、戦略的に自分を売り込む必要があります。
ここでは、内定に直結する3つの重要なポイントに絞って解説します。
「ANAらしさ」を理解し、自己PRに繋げる
ANAには、競合他社とは異なる独自の企業文化があります。
よく比較されるJALが「格式」や「伝統」を重んじると表現されるのに対し、ANAは「親しみやすさ」「挑戦」「活気」といったキーワードで語られることが多いです。
自己PRを作成する際は、あなたの強みがこのANAのカルチャーにどうフィットするかを意識して構成することが大切です。
例えば、単に「リーダーシップがあります」と伝えるのではなく、「周囲を巻き込みながら、新しい方法で課題を解決した経験」を話すことで、ANAの求める挑戦心をアピールできます。
エピソードの中に、周囲への配慮やチームを明るくするような振る舞いがあったことを盛り込むと、「一緒に働いていて気持ちの良い人」という印象を与えることができます。
自分がANAの社員として働いている姿を面接官に想像させるような、親和性の高い自己PRを目指しましょう。
徹底した自己分析と志望動機の明確化
なぜ航空業界なのか、その中でもなぜANAなのか。
この問いに対して、誰にでも言えるような表面的な回答では、面接官の心には響きません。
徹底した自己分析を行い、あなたの過去の経験や価値観と、ANAの企業理念や事業内容を深く結びつける必要があります。
「旅行が好きだから」という動機だけでは弱いため、航空輸送というインフラが社会に与える影響や、ANAの事業がどのように人々の生活や経済に貢献しているかという視点を持つことが重要です。
具体的には、OB・OG訪問で聞いた社員の方の言葉や、インターンシップで感じた具体的なエピソードを志望動機に組み込むと説得力が増します。
「御社の〇〇という理念に共感しました」と言うだけでなく、「私の〇〇という経験が、御社の〇〇という業務で活かせると確信しています」といったように、貢献のイメージを具体的に提示することで、採用するメリットを面接官に感じさせることができます。
コミュニケーション能力とチームワークをアピール
航空会社の業務は、決して一人では完結しません。
地上係員、整備士、CA、パイロットなど、多様な職種のプロフェッショナルが連携して初めて、一便のフライトを安全に飛ばすことができます。
そのため、選考では個人の能力以上に、チームとして成果を出すためのコミュニケーション能力が極めて重要視されます。
ここで言うコミュニケーション能力とは、単に流暢に話すことではありません。
相手の意図を正しく汲み取る「傾聴力」や、立場や意見の異なる相手とも協力関係を築ける「調整力」、そしてチームの雰囲気が悪い時に率先して声掛けができる「働きかけ力」などが評価されます。
面接やグループディスカッションでは、自分の意見を主張するだけでなく、他者の意見に耳を傾け、議論を建設的な方向に導く姿勢を見せましょう。
「この学生となら、困難なフライトや業務でもチーム一丸となって乗り越えられそうだ」と面接官に思わせることができれば、内定はぐっと近づきます。
【ANA】インターン優遇・早期選考・本選考に関するよくある質問
最後に、ANAを目指す学生さんから就活相談の際によく寄せられる質問について、Q&A形式でお答えします。
多くの人が不安に感じているポイントを解消し、自信を持って選考に臨めるようにしましょう。
英語力(TOEIC)はどれくらい必要ですか?
職種によって求められるレベルは異なりますが、グローバルスタッフ職を目指すのであれば、TOEICスコアは高ければ高いほど有利です。
一般的には600点〜700点以上が目安と言われていますが、入社後に海外勤務を希望する場合は800点以上あるとアピール材料になります。
客室乗務員職でも、英語でのアナウンスや外国人客への対応が必要なため、600点程度は持っておくことが望ましいです。
ただし、スコアが基準に満たないからといって即不合格になるわけではありません。
英語学習への意欲や、入社までにスコアを伸ばす計画を伝えることも大切です。
学歴フィルターはありますか?
ANAは表向きには「学歴フィルターはない」としており、実際に全国の多様な大学から採用実績があります。
しかし、人気企業であるため、結果的に高学歴の学生が多く集まり、採用者に占める割合が高くなる傾向は否定できません。
特にグローバルスタッフ職の事務系では、難関大学の出身者が多いのが実情です。
とはいえ、客室乗務員職や現業職では、学歴よりも人柄や適性が重視される傾向が強いです。
大学名だけで諦める必要は全くありませんが、ライバルたちは優秀であるという前提で、それ以上の熱意や独自性をアピールする準備が必要です。
OB・OG訪問はした方が良いですか?
結論から言うと、OB・OG訪問は強くおすすめします。
ホームページや説明会だけでは分からない、現場のリアルな声や苦労話、職場の雰囲気などを聞くことができるからです。
これらの情報は、志望動機の具体性を高めるための貴重な材料になります。
また、実際に働いている社員の方の雰囲気を見ることで、「自分はこの会社に合っているか」を確認する良い機会にもなります。
大学のキャリアセンターや就活アプリを活用して、可能な限り多くの社員の方と話をする機会を作りましょう。
その行動力自体も、就活への熱意として評価されるはずです。
【ANA】インターン優遇・早期選考・本選考まとめ
ここまで、ANAの27卒向けインターンシップ優遇や早期選考、本選考の攻略法について解説してきました。
ANAは非常に人気が高く、選考も厳しいものになりますが、決して「雲の上の存在」ではありません。
インターンシップでの経験や、徹底した企業研究、そして何より「ANAで働きたい」という強い熱意があれば、道は必ず開けます。
重要なのは、情報の波に飲まれず、自分自身がANAというフィールドでどう貢献できるかを具体的にイメージし、それを自分の言葉で伝えることです。
インターンシップに落ちても、早期選考に呼ばれなくても、本選考で逆転するチャンスは十分にあります。
この記事を読んだ皆さんが、準備を万全にして自信を持って選考に臨み、憧れのブルーの制服に袖を通す日が来ることを心から応援しています。
伊東美奈
(Digmedia監修者/キャリアアドバイザー)
伊東美奈
(Digmedia監修者)
インターンシップに参加することで企業理解が深まり、社員の方々の雰囲気を肌で感じられることは、本選考の面接対策において非常に強力な武器となることは間違いありません。
そのため、優遇の有無に関わらず、ANAを第一志望とするのであればインターンシップへの挑戦は必須級のアクションだと言えるでしょう。